ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。   作:クロの騎士

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だーれだ?


第七話 反骨と天空

 翌日。

 私はピカチュウと共にウォロさんと合流していた。

 

「お待たせしました。ご所望のテントと服です。それとこちらもどうぞ」

 

 と渡されたのは、リュックサックだった。

 

「いいんですか?」

 

「はい。売れ残りの物なのでお気になさらず」

 

「ありがとうございます」

 

 リュックの中に服を入れ、リュックの上に畳まれたテントを乗せた。

 そして、リュックを背負う。

 うん、いい感じだ。

 

「そう言えば、貴女とショウさんでバサギリを鎮めたそうですね。村中がその話題で持ち切りです」

 

「……そうなんですか?」

 

 少し目立ってしまったようだ。

 面倒なことになる前に、この黒曜の原野から別の場所へと移動した方がいいかも知れない。

 私はそう思い、ウォロさんにこう質問した。

 

「ウォロさん、黒曜の原野から違う場所に行きたいのですが、何処かオススメがありますか?」

 

「そうですね……紅蓮の湿地でしょうかね」

 

 ウォロさんが自身の鞄から取り出した地図で紅蓮の湿地と呼ばれる場所の位置を確認する。

 そこはコンゴウ団と呼ばれる人たちが住む集落があり、ドレディアと言うクイーン……バサギリみたいなポケモンがいるらしい。

 ちなみに、コンゴウ団とシンジュ団はあまり仲が良くないそうで、ギンガ団は中立的立場と言う話である。

 

「それでは、私はそろそろ村に戻りますね」

 

「はい。色々とありがとうございました」

 

 ウォロさんを見送った後、私も紅蓮の湿地に向けて移動することにした。

 

「君も来る?」

 

「ピィカ!」

 

 頷いたピカチュウと共に、私もその場を後にした。

 

===

 

 ルージュに頼まれていた品物を届けたウォロは、コトブキムラに向かって歩いていた。

 その途中でピタッと立ち止まる。

 

「……どうかしたのですか?」

 

 ウォロの影が別の存在へと変貌する。

 それは自身の共犯となる存在。

 そんな共犯者は、どうやら自分に警戒するように促しているようだ。

 

「…………」

 

 警戒するウォロ。

 静寂が辺りを包む。

 そして、いきなりウォロの頭上に不思議なリングが現れ、そこから見たことのないポケモンが姿を見せた。

 

「……お前……ルージュ……知っているか?」

 

 人間とコミュニケーションが出来るポケモン。

 いつもならば、好奇心いっぱいに声を荒らげ興奮していたであろう。

 だが、共犯者の警告とルージュと言うワードにより、そうはならなかった。

 

「ルージュさん……彼女をどうするつもりですか?」

 

「元の世界に連れ戻す」

 

「……はぁ?」

 

 目の前にいるポケモンとルージュの関係は解らない。

 しかし、先ほどこのポケモンが現れたところを見ると、元の世界に帰すことが可能なのだろう。

 ルージュはショウと同じく、自分の目標となる存在が呼び出した人間。

 彼女たちを利用することで目標の存在と出会えるかもしれない。

 そう考えれば、此処で「はいそうですか」と容認するわけにはいかなかった。

 

「それは困ります……なので邪魔させて貰う!」

 

 影の存在が姿を現す。

 

「ギラティナ、邪魔者を滅せよ!!」

 

「……面倒」

 

 リングから現れたポケモンは、ギラティナとの戦い拒む。

 そこでリングのポケモンは代役を呼ぶことにした。

 

「出て来い」

 

 またリングからポケモンが現れる。

 その姿に、ウォロは驚きを隠せなかった。

 

「あれは……まさか?」

 

 天空の覇者。

 そのポケモンを見た人間はそう呼んだ。

 見ること自体初めてであるウォロ。

 だが、遺跡や伝承の調査でその存在を知っていた。

 

「レックウザ」

 

 伝説のポケモンが自身の敵として現れた。

 そのことに絶句するウォロ。

 

「後は頼んだ」

 

 レックウザにギラティナの相手を頼み、謎なポケモンはリングの中へと消えていった。

 

「…………」

 

 沈黙するウォロ。

 普通の人間なら、恐怖でそうなってしまうだろう。

 だが、ウォロは違う。

 恐怖ではなく、嬉しさは込み上げて来る。

 そして、彼は壊れた。

 

「ふ……はははっ!」

 

 ギラティナはウォロの方を向く。

 その瞳は「大丈夫?」と心配そうだった。

 もしくは可哀想なモノを見る目である。

 

「時空の裂け目から落ちてきたルージュ! 彼女を追うようにやって来た謎のポケモン!……そして、そのポケモンが呼び出した伝説のポケモン! ワタクシは確信しました。彼女はアルセウスの元へ導くと!!」

 

 だからこそ、此処で負ける訳にはいかない。

 

「ギラティナ! まさかレックウザごときに負けねぇよなぁ!!」

 

 ウォロの言葉に応えるように咆哮を上げるギラティナ。

 天空と反骨の戦いが此処に始まった。

 

===

 

 何ですかあれ?

 あのリングから現れたポケモンとレックウザに驚きを隠せないでいる。

 

「異変の首謀者たちが襲われるのは良いとしても、あのポケモンは危険すぎる」

 

 しかも、ルージュを狙っている。

 会話から危害は加えないだろうが、今彼女を元の世界に連れ戻されるのは非常に困る。

 

「最悪、私が止めるしかない……か」

 

 どうやら、悩みの種が増えてしまったらしい。

 

=== 

 

 突如起きた伝説ポケモン同士の戦い。

 それは激しいものだった。

 

 間違いなく歴史に残る出来事。

 だが、そうはならなかった。

 

 戦闘が始まる前、ウォロはギラティナは自身とレックウザを破れた世界へと引きずり込んだ。

 

 ウォロにとって、ヒスイ地方がどうなろうとどうでもよかった。

 だが、今ギラティナの存在を知られるのは得策ではない。

 そう考えたのである。

 

 ギラティナとレックウザの戦いはギラティナが勝利した。

 敗北したレックウザは、突如として現れたリングによって姿を消す。

 

 破れた世界にまであのリングが現れた。

 それはあのポケモンの強さの証明となり得るだろう。

 

「だが、絶対に彼女を渡さない」

 

決意の言葉を口のしたウォロは、元の世界へと戻って行った。




答え:レックウザ

これからも図鑑外のポケモンを出す予定。
もしかすると、ウルトラな連中も出すかもです。
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