AKB49 エターニティ   作:とらとらこ

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14.作曲家

時は(さかのぼ)

あの伝説のラジオから半日

 

"秋元康"はある人物に連絡を入れる。

 

「ブーブー」

「…んん。はい…もしもし。」

寝起きの青年が電話に出る。

 

「秋元です久しぶりだね」

「秋元さん?ああ、お久しぶりです」

青年はびっくりすることなく淡々と受け答える。

 

僕の名前は荒川晴人(はると)。僕は世間的に言う作曲家である。

とは言え人の為には曲を作らない。人に興味もないし、僕は初音ミクだけが友達。

 

 

・・・だったのだが3年ぐらい前だろうか、

GEKOKU嬢に出会い、浦川さんたちの行動に心を開き、僕は初めて人の為に曲を作った。

あの時は楽しかった。GEKOKU嬢の1stシングルは大ヒット、僕はこれを機に海外アーティストを中心に作曲する様になったし、GEKOKU嬢からいつ頼まれてもいいように準備もしていた。

 

のだが

 

岡部さんが去り、浦川さんがAKBを去った辺りから騙し騙し曲を作るようになり、ついに僕は何かを失ったかの様に人の為に曲が書けなくなった。

 

僕は突然引力失ったようだ。

宇宙空間を漂うデブリの様に独りぼっち。僕はまた殻に閉じこもる。

もう人の為に作る事はないだろう。

 

「実はお願いが1つあってね。」

どうせまた曲を書いてほしいとかだろ?

 

「お断りします。もう僕は誰かのために作らないんで。」

これまでも何度か秋元さんから連絡はあった。

AKBの為に曲を作ってくれ!と。

正直もう聞き飽きた。

 

 

「・・もしだが」

ん?

「もしGEKOKU嬢の為であればどうだ?」

「え!。でもGEKOKU嬢は解散したんじゃ?」

訳がわからない。もう吉永さんしか残ってないじゃないか!

 

「私たちAKBグループは再度GEKOKU嬢を再結成する予定でいる。」

「いやいや、浦川さんもミクも卒業してるじゃないですか。どちらも芸能界から身を引いたって噂されているじゃないですか!」

「もしかして、別のメンバーでGEKOKU嬢を再結成しようと・・」

「メンバーは変わらない。浦川みのり、岡部愛、そして吉永寛子の3人だ」

「・・・私たちAKBグループは浦川と岡部、両名共に再度契約を結んだ。」

「岡部についてはまだ非公開だが、浦川に関しては昨日ラジオで発表した。既にニュースになるぐらい話題になってる。」

「ち、ちょっと待ってて下さい!」

頭の中を整理したい。えーとまずは確認だ!

僕はすぐにネットで確認する。。。

 

・・本当だ。いくつものネット媒体で話題になっていた。

 

「あははっ!そういうことですか!」

「で、どうだろうか」

「わかりました。歌詞を送ってください。」

「わかった、よろしく頼む」

ふぅ。

 

ふっ!はははは!

にわかには信じられない!でも秋元さんが嘘つく理由もないし、浦川さんのニュースも本物だ!

「えーっとどこにあったけな」

僕はPCのフォルダを漁る。

 

「これだ!」

幻のGEKOKU嬢の2ndシングルとして途中まで作ってあった曲。

何度もゴミ箱に入れては削除できなかった曲。

 

「よし!」

僕はすぐさま編曲に向かう。

 

 

翌日には秋元の元に曲が送られてくる。

曲を聴く秋元はニヤリとしながら笑みを浮かべていた。

 

 

時は戻り

俺たち4人はレコーディングスタジオに来ていた。

俺はウキウキドキドキしながら会議室で待機してる。

なんたって今日は新曲の歌詞と曲に初めて触れる日だったからだ。

 

秋元先生を先頭にスタッフが会議室に集合し、スタッフさんより紙が配られる。

「こちらが秋元先生からいただいた歌詞になります。」

今やGEKOKU嬢は個性の塊が集合したようなメンバーである。

それを崩さないバランスの歌詞で、さすがとしか言えない内容だった。

次は曲か。

 

この歌詞に負けない曲はさぞかし大変に違いない。

 

    ♪

 

「え!」

「「すご・・」」

 

ひろこも岡部も、もちろん俺も驚きを隠せない。

「あっあの。この曲って」

「この曲の作者って"はると君"ですか?」

秋元先生はニヤリと

「ああ、やっぱりわかったか」

「そりゃ、この歌詞に負けない曲、すべてが調和できるのは"はると君"しか無理っすよ、」

「ほーんとあの子天才ね」

今やグラミー賞を取るエレーナに天才と言わすってやっぱ"はると君"って化け物だわ。。

「それじゃあとはアリス頼む。」

「はい!お任せください秋元先生!」

アリスは事前に秋元先生から指示出しをお願いされていたようで、テキパキと俺たちに指示を出す。

「岡部先輩と、ひろこ先輩はAスタで歌詞と曲の確認をお願いします!」

「わ、私は?」

「みのり先輩は別メニューを用意してます!」

「シークレットライブの時に思ったんですよ。みのり先輩、歌下手になってません?」

う!確かに、高い音を出すのが少し苦手になっている。

そりゃ1年間普通に男として生活してたんだ。当たり前なんだよな。

 

AKBの時どうやってたんだっけなーと考えていると

ドン!と勢いよく会議室の扉が開く。

 

「たかみな先輩!?」

「っよ!アリスちゃんに今日はお呼ばれしちゃったぜ!」

「それじゃぁたかみな先輩あとはお願いしますね!」

「まっかせなさい!!」

「ちょっと!」

「さっ!みのりっちBスタいくよ!」

俺はたかみなに引っ張られながら会議室を後にする。

 

Bスタジオ

 

「あのぉたかみな先輩何をするんでしょうか。。」

「それじゃーみのりっち横になって」

「へ?」

俺は訳がわからず、とりあえず言われた通りに横になる。

「よっと。」

「たかみな先輩!?」

たかみなは俺にまたがり俺のお腹を手で押さえる。

 

「な・・・なにしてんすか!たかみな先輩!」

「ほら声でた!」

うっうそ!?

「あははは、このやりとり久しぶりだ(笑)」

「前にやったでしょ?腹式発声だよみのりっち」

あ・・・思い出した。

確かカラオケ屋で。

 

「久しぶりだからうまくできてなかったみたい」

「でも、これで意識できたでしょ?」

「あっありがとうございます!たかみな先輩!」

「でもっ。恥ずかしいのですけど・・」

「あっ!」

そうだよね、みのりっち【一応】男の子だもんね。

「ごめんなさい!」

 

たかみなは顔を赤くしながらすぐに俺から離れる。

「その、、じゃぁ!歌ってみよっか!」

たかみなは普通を装っているが少しぎくしゃくしてる感じがかわいかった。

 

はー。なんでこんな時に私スカートなんだろ。

みのりっちに見られてないよね?大丈夫よね?

たかみなはみのりのいないところで顔を真っ赤にしながらさっきの事を思い出す。

 

意外な方法で高い声が出る様になったみのりはたかみなを連れて岡部たちがいるAスタへ向かう。

 

「あっみのり先輩お帰りなさい!たかみな先輩もお疲れ様です!どうでした?」

「あー色々あったけどみのりっち声出るようになったから大丈夫だと思うよ!」

色々ね・・・

「で、どう?歌詞と曲は」

「何度照らしわせても完璧よ。」

さすが”はると君”だわ。今度お礼しよ。

「じゃぁ俺も確認するか、アリスちょっとここの音程はどれくらいなの?」

「そこはですね~・・・」

今日は確認のみの予定だったけど、俺も声が出るようになったので3人一緒に確認がてら軽く歌ってみることにした。

 

   ♪

      ♪

 

ほんとすごいなこれ。。

“はると君”天才すぎるでしょ。。

また作曲してもらえるなんて思ってなかったからほんとうれしかった。

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