AKB49 エターニティ   作:とらとらこ

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15.必然的な運命

本レコの日

 

俺と岡部は一緒にAKB専用のレコーディングスタジオに向かう。ひろこは午後に合流するとの事だ。

 

本レコまでの数日間はまるで取り憑かれたかの様に、ひたすらみんなと歌った。楽しい!こんなに歌うって楽しんだなぁ。

 

レコスタの入り口前には青年が待っていた。

昔会ったことがある【少年が成長したかの様な姿】をした青年だ。

 

ん?おお!まさか!

「はると君!」

めっちゃイケメン青年になっとる!

 

「久しぶりだね、浦川さん。それにミクも。」

「ミクって・・まぁいいわ曲ありがとう」

「本当にありがとう!また私たちに曲を書いてくれて!」

突然すぎて何も用意してない。今できるのは感謝するぐらいしか出来ない事が残念でならない。

「気に入ってくれてよかった。」

 

「今日はどうしたの?もしかして見学?」

俺たちのレコーディング見に来てくれたのかな?

「これを渡そうと思って秋元さんに場所を聞いて届けに来たんだ」

「これは?CD?」

何だろ。まさか本レコ前に曲が変更とか!?

 

「カップリング曲も頼まれてて、それを届けに来た」

カップリング曲だって!?

「え!!聴いてもいい?」

俺と岡部は興奮気味に”はると君”に襲い掛かる。

 

「いいけどここで?」

「あ!レコスタに一緒に来てよ!」

「お、お邪魔します。」

マジかマジか!

 

「新曲は1曲だけだと思ってたけど、カップリング曲も存在していたのね」

「それで、聴いてもいいかな?」

「うん。あっ!でも1曲だけだからね。」

俺たちはワクワクしながら曲を聴く。

 

 

   ♪

 

「・・・相変わらず、すごいわねあなた」

「ああ、鳥肌立ちっぱなしだ」

「ねぇはると君、もし良かったら私【専属】の作曲家にならない?」

「おい岡部勧誘はNGだぞ!」

これからGEKOKU嬢の新曲頼めなくなるだろ!

 

「あら?残念。」

「こ、この曲は秋元さんの構成だとミクがメインの曲らしいからミクらしい曲に仕上げたつもり」

「え!私の曲なの!?」

「うん。あ、これ歌詞」

岡部は”はると”から歌詞を受け取り確認する。

「ちょっと!私にも!」

俺は岡部の後ろから歌詞を確認する。

「本当に私がメインの曲なんだ。。」

「やっぱ違うものか?GEKOKU嬢のメインとして歌うのと【普段】歌うのとは」

「全然違うわよ。重みがね」

確かに俺も岡部の立場なら同じ回答をしていただろう。

 

「僕が聞いた話だと新曲ごとにカップリング曲のメインを変えていくらしいよ、僕もまだ歌詞貰ってないから詳しくはわからないけど。」

「マジで!」

おお!俺とひろこの分もあるのか!それは楽しみだ。

「渡せたから僕は帰るよ。レコーディングがんばってね。」

「あっはると君!これからも作曲お願いしてもいいのかな?」

 

「暇ならね。」

その一言を残してスタスタと去っていく後ろ姿はカッコよかった。

イケメン青年に育ってくれて俺はうれしいよ!またこうやって曲を作ってくれたことに運命を感じてしまう。

 

午後

 

アリスとひろこが合流する。

午前中に起きた出来事を二人に報告し曲を聴いてもらう。

二人とも最初はびっくりした様子だが、そのあとは真剣にじっくり聴き入っていた。

ひろこもアリスも"はると君"に挨拶したかったらしい、アリスは放課後⭐︎下剋上の曲好きだもんな。

近い内にまた会えるさ。

 

カップリング曲は岡部がメインだがそのうち俺たちメインの曲がある事にひろこは喜んでいた。

 

合流したことだし本レコとっちゃおうか。

スタジオにはカメラが入っている、MVの一部で使うらしく撮影しながらのレコーディングとなる。

 

   ♪

 

 

「ごめんなさい!もう一度お願いします!」

カメラがあるせいなのか、久しぶりのレコでなのかは分からないが緊張してミスが目立つ。

「みのり大丈夫?」

「だ、だっ!大丈夫だよ?」

「全然大丈夫じゃなさそうね。まずは姿勢を正しなさい。さもないと」

岡部は本を片手に俺の股間を目掛けて素振りしてる。

変な思い出が鮮明に蘇る。

・・・まじでそれやめて!

 

「はい!すみません!」

「よろしい、じゃぁ行くわよ」

お前いつ本取り出したんだよ。

 

ひろこはきょとんとしていた。

うん。ひろこは知らなくていいことだ、そのままでいてくれ。うん。。。

 

納得行くまでレコーディングをした。

紆余曲折あったが無事に録り終える。

我ながらよくできたのではないだろうか。

 

 

「結構いい時間だなぁ」

「なぁなんかみんなで食ってこうよ」

「私はパス。帰ってシャワー浴びたいわ」

俺は悪い顔をしながら鞄からカギを取り出す。

 

「残念だな今日は俺がカギを預かってるから俺と行動しないと部屋入れないぞ?」

!?

「はぁ。行けばいいんでしょ?」

岡部は観念したようだ。

 

「じゃぁいこうぜ」

この付近のごはん屋さんを知ってると自信があるアリスにお店の選択を任せる。

 

 

 

 

・・すまないみんな、アリスに任せた俺が悪い。

あいつがオタクなことを忘れていた。

「ここちょーいきたかったんです!」

アリスが選択したのはアニメのコラボカフェだった。

 

俺とひろこは苦笑いだが

岡部は超いやそうな顔していた。

 

カラン♪

   カラン♪

 

「いらっしゃいませ」

でも店員さんはめっちゃ感じが良さそう!

「こちらへどうぞ」

店員の女性は俺たちの事を知ってる見たいでハッと驚いていたけど、

ほかのお客さんから見えない位置、接触も無い奥ばった席に案内してくれた。

 

さすが接客のプロである。こういう気遣いがうれしい。

 

「さーってなに食べようかな」

「ちょーとまった!」

アリスの言葉に俺たちは固まる。

 

「皆さんの分は私が決めます!」

「えーなんで莉空(りあ)?」

「メニューごとに特典が違うんですよ!」

「特典?」

「これだとバッチでーこれだとクリアファイルでー」

「あ・・そうなんだ」

 

食事を終えあまり遅くなる前に皆をタクシーで送り、俺は別のタクシーである場所に向かう。

もちろん岡部にはカギを渡した。

 

港区にあるタワーマンション前にタクシーを止め、俺はある人に電話する。

「もしもし着きました。〇〇ビルの前であってますよね?」

「はい。わかりました。では」

 

電話を終え少し待つ。

 

ビルのエントランスから女性が2人現れ1人は元気に手をこちらに振る。

ゆうこ先輩はいつも元気だなぁ。

「やほーみのり元気してたー?」

「おかげさまで、今日GEKOKU嬢の新曲レコしてきましたよ」

「そかそか」

 

話もそこそこに俺は別の女性に挨拶する。

「あつこ先輩お久ぶりです。」

 

「・・・来て・・」

 

あつこはその言葉だけを残してマンションに戻っていく。

俺とゆうこは顔を合わせ苦笑いする。

「いこ!」

 

ここがあつこ先輩の部屋か。

そわそわしながら部屋に入る。

「しつれーします。」

「あまりじろじろみない!」

 

「はい!」

 

リビングに案内され、言われるがまま椅子に座る。

皆がそろったタイミングで

「あのぉ今日はどのようなご用件で。」

 

そう、俺は呼び出されたのだレジェンド2人に。

 

「・・・久しぶりね。」

「そうですね、あつこ先輩が卒業したぶりぐらいですかね。その後お互いすれ違いな感じでしたよね」

 

「・・・今回の件」

俺は少しドキっとした。身構えてしまう。

「ゆうこから聞いたわ。その・・」

「その・・?」

「頑張りなさい!」

「え、あ、はい!頑張ります!」

沈黙が襲う。

 

「あのー。以上ですか?」

「・・・・・そうよ。」

 

ん?

 

「あはははは!」

ドキッとした。

急にゆうこが笑い出す。

「ごめんねみのり、まじでそんだけだよ(笑)」

 

「ええ!本当にこれだけなんすか!?」

「うん!」

急に緊張が解かれ俺はしなしなとテーブルに伏せる。

 

「あっちゃんが直接言いたかったんだって!」

「そ、そうなんすか・・・」

「1人で会うのは恥ずかしいからって私が同席したわけ!」

「ちょっと!ゆうこやめてよ!」

「あははは!あっちゃんのそうゆう少女的なところ好きよ!」

「もう。ゆうこったら!」

「あははは!」

なんか2人とも楽しそうだしいいか!

 

「はぁ、であなたは何でまた戻ってきたのか説明してほしいんだけど」

この話をするのは何度目だろ、慣れたように俺は説明する。

「えーとバイト先に秋元先生が~~~」

 

簡単に説明、雑談含めて話した。

あつこ先輩は昔は近寄りがたいオーラが出ていたが、卒業してからは丸くなったような気がする。

時より笑顔で話したり。俺も楽しいひと時だった。

 

時間も深夜に近づき解散となった。

俺はタクシーに乗り込み先に家路に向かう。

 

「あいつとこんなに話したの初めてかも」

あつこは去っていくタクシーを見つめて呟く。

「あー。あっちゃんマジで公演の事、ファンの事しか考えてなかったもんねあの時」

「で、どうだった?初めての感想は?」

「・・・悪くはないわね」

「あははは」

「ゆうこ明日オフでしょ?泊まっていきなよ」

「お、なんで私のオフ日を知ってるかはさておき、じゃーお言葉に甘えましょうかね」

「そういえばさー&JのライブにGEKOKU嬢が招待された時あっちゃん会場に駆け付けたって聞いたけどほんと?」

「なんで知ってるの!?」

 

AKB時代はライバルだった2人。

みのりに出会わなければ私たちはどうなっていたんだろう、あっちゃんとずっとライバルでバチバチやりあってたのかもしれない、それもいいかなーって思うけど。

 

今ではみのりに出会えてよかったと感じる、あいつは私を大きく成長させてくれた。

みのりとの出会いは偶然でも自然でもない、これは必然的に起きたもので運命だったんだと思う。

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