忙しい。
忙しすぎる。
最近は家とスタジオを往復している毎日だ。
1stライブではAKBの曲も披露する予定の為こちらは振付ありで練習している。
AKBの振付ってこんな激しかったんだなと実感する。
全然ダメだ。体がついていかない。
とはいえ時間もないことだし急いで仕上げないと。
この後新曲のフリ入れもあることだしな。
ある朝、俺は頭痛で起こされる。
痛っ!
「痛てー…」
何だこれ…
それに汗が尋常じゃないぞ、発熱してるし。
俺は瞬時にこれやばいやつだと感じた。
体が重い。
あーこれはまずいわ、岡部に連絡して伝えないと。
体がいうことをきかないベッドの横に置いてあるスマホに気合いで手を伸ばす。
バタン!
え?
何が起きたんだ?
あれ?天井ってこんな高かったっけ?
まさか俺ベッドから落ちた?
俺は床に転げ落ちしてしまったようだ。
体が思うように動かず床から這い上がることすら出来ない。
息も荒くなって来たのが分かる。
頼む!誰か来てくれ!
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遅いわね。
みのり全然起きてこない。
最近疲れてるみたいだったし珍しく寝坊?
私はみのりを起こしに部屋に向かう。
「みのりーそろそろ起きてー?レッスン行く準備するわよー?」
返事がない。
「みのり?」
「入るよー?」
ガチャ
目の前には床に横たわるみのりの姿が目に映る。
「なっ!」
「はぁはぁはぁはぁ!」
みのりの息が荒い。
何事!?
パニックになりそうな気持ちを抑えみのりに近寄る。
「ちょ!ちょっと!大丈夫!?」
体に触れた瞬間火傷するかと思うぐらいの熱を感じる。
「あっつ!すごい熱。ちょっと待っててみのり!今すぐ病院に連れて行くから!」
「すまん…よろしくたのむ…」
みのりは今にも消えそうな声で返事をする。
ベッドにあったみのりの仕事用スマホから尚美さんに電話を掛ける。
「ppppp」
(お願い!早く出て!)
ガチャ
「尚美さん!?今すぐ家に来てください!みのりが!!」
すぐ駆けつけてくれた尚美さんと私はみのりを支えながら車に乗り込み病院に直行する。
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病院
「疲れがたまっていたんだと思います。点滴しながら1日〜2日ほど入院ですね。今日は安静にしてください。」
とりあえずは命に別状はないらしく付き添いに来てくれた岡部と尚美さんに、
事情を聞いてすっ飛んできたアリスはホッとしていた。
俺は即入院となりベットに横たわる。
「ごめんな、慣れない体で体がビックリしたのかも」
「岡部もすまない。助けてくれてありがとう。」
「とりあえずはゆっくりしなさい。」
「みのり先輩私もごめんなさい!気づかずに色々無茶させちゃって。」
少し話し込んでいると看護師が部屋に訪れ
「"浦山"さんお薬のお時間ですよー」
と声を掛けられた。
「ほらあなた達、彼の負担になるからさっさと部屋から出て行きなさい!」
「先輩ゆっくり休んでくださいね?」
「今回の件は貸しにしておいてあげるわ」
尚美さんに怒られながら渋々と部屋から出ていく。
俺は薬を服用し数時間後には眠気に襲われ俺は寝てしまう。。
ん…?
あれ?俺寝てたのか。
今何時だろ?
ん?なんだ?足が重い?
誰かが覆いかぶさる様な感じが?
俺は体を起こし周りを見渡す。
そこには、俺に体を預けて眠る【女性】がいた。
「え!ひろこ?」
「ん…?あれ。私寝ちゃってた?」
「おはよう"実君"!」
眠そうな目をこすりながらひろこは笑顔で挨拶してくれる。
「あっおはよう。じゃなくて!なんでひろこが?」
これまずくね?俺今"実"だぞ?
個室とはいえバレたらえらい事に。
「
「え!仕事は?」
「今日はメディアの取材とレッスンだけだったからズラしてもらっちゃった!」
あなた!センターやってる人だよね!?そんなホイホイと仕事ずらしちゃいけませんよ!
「で、来たのはいいんだけど気持ち良さそうな顔で寝てたから私もそのまま寝ちゃってた」
「俺そんな顔してた?」
「うん!気づいてないかもだけど、みのりって寝顔かわいいんだよねー!」
「"実君"でもみのりと一緒の寝顔だったんでつい(笑)」
え!寮の時も見られた?恥ずかしいわ!
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「今日来てくれてありがとう。迷惑かけちゃってごめんな。」
「そんな事ないよ!それに辛かったらちゃんと相談してよ?」
今回体調崩したのは俺の焦りが原因であるのは間違いない。反省反省
「ねぇ少し話してもいい?」
「ああ、もちろん」
「みのりとはいつも話してだけど"実君"としてちゃんと話すのはいつぶりなんだろ?」
"実"としてかー。
「卒業公演を抜くとアリスの病院以来か?」
「あの時やっぱ莉空の事心配で病院に来てたんだね」
「ああ、あいつは俺たちの妹分だしな」
「うふふ、そうだね!」
「そういえばあの後さ秋元先生が〜〜」
それから俺たちは時間が許す限り話をした。
俺は大学受験やその時の生活など
ひろこは俺が抜けた後のAKBについて。
浦川みのり卒業公演に参加したメンバーはその後、秋元先生から説明があったようだ。
浦川を【男】と分かって合格させた事、それを隠していた事に謝罪を受けたようだが秋元先生を責めるような意見など全く出なかったらしい。
「むしろ"みのり"の存在はAKBにおいて重要なファクターであったことは事実だし、それほどまでに”みのり”は重要な存在であったことは、ここにいるメンバー全員は理解しています」
とひろこは皆の前で言ったらしい。
かっこよすぎだよひろこ。。
「秋元先生に会ったら今度会う時お礼しないとな。」
「なんだかんだ俺の事を心配してくれてるんだよなあの人」
「私も秋元先生にお礼したいかな?」
「え!なんで?」
「みのりを合格にしてくれてありがとう!って!」
俺がAKBのオーディションをなんで受けたのかひろこはとっくに勘づいてるだろうけど、
その時が来れば俺は正直に答えよう。
翌朝
何事もないかのように体が軽くなった、医師からは「念のためにもう1日入院しますか?」と提案されたが俺は「退院でお願いします!」と即答する。
その足でスタジオに向かい俺の姿を見た岡部とアリスに歓迎されるのだが俺もレッスン再開するよと言ったら
アリスにはドン引きされ、岡部には呆れられる。
今日は見学!何もしない事!と釘を刺されてしまい、今日は大人しく見ているだけになった。
少しは体を動かしたかったのだが。
見学とはいえ座りながらでも多少は体を動かすことはできるのでそれでフリを確認した。
「今日最後行きまーす!」
「アリス!最後なら俺も参加したい!」
じー・・
うっ!目線が怖い。
「無茶したら曲止めますからね?」
「わかったわかったって!」
「じゃー行きます!」
レッスンも無事に終わり今日はアリスも俺たちの家に泊まるとの事だ。
「何かあったらいけないのでみんなで寝ましょう!」とアリスは言い出し、俺と岡部を困らすのだが譲る気はないらしい。
俺たち3人リビングに布団を敷き、川の字で3人仲良く?一緒に寝るのであった。