《公演まであと15日》
この半月は怒涛だった。まずは俺とひろこのカップリング曲も出来上がったのでこちらの練習も追加となる。
はると君まじ天才。
それとチケットも販売が行われた。キャパに対して1000倍となる倍率だったらしい、俺の卒業公演と同じぐらいの倍率なのか、かなり注目されているそうで今から緊張している。
今日から新曲らのフリ入れとなり、アリスが指導してくれているのだが、
さすが【元スーパー研究生】。
小悪魔的な性格でわがままでどうしようもないやつだけど、ダンスの才能はAKB随一だよ。
お前に勝てる奴を俺は知らない。
あまり無理するなよ?と声をかけたが
「私の好きなアイドルの為に私は好き勝手やってるだけです!」
「世間的にも肉体的にもダメな私の分までカッコいいところ見せつけてあげてください!」
最近は収まっているが未だにネット上ではアリスに対して風当たりは強い。
未だに宝春を出版している宝談社は捏造と認めていない為だ。
AKBに因縁持ちすぎだろ。俺のせいでもあるけどさ。
今度アフロディーテに相談してみるか。
この頃あたりからPVの撮影やら雑誌の取材などのメディア関係の仕事が入ってくるようになった。
《公演まであと7日》
いよいよ1週間前となった。ひろこは仕事をセーブしつつGEKOKU嬢の方に集中してくれている。
俺もGEKOKU嬢に集中!
というわけにはいかなかった。
アフロディーテと共に0泊4日の地獄海外遠征を行われされている。
というのも海外メディアにはアフロディーテの妹分である"みのり"の復帰が話題となっている為
俺だけは海外での取材をこなしている。
岡部はエレーナの件がある為、岡部愛としての海外取材はNG。
ひろこも仕事の関係上不可能ということで俺だけでなのだ。
こんな忙しい時に海外に行ってる時間はないしメディアが日本に来てくれればいいだけの事なのだが海外で対応するのは意味があっての事だ。
「やっと会えたね!愛しの天使よ!」
「ラウル!」
この前メールが来た時俺は重い腰を上げてメールを返した。
お礼を兼ねて直接話したいと。
ラウルからはすぐ返事をもらい会うことが実現した。
大層な話はしていない。あの時はありがとうとか、俺が復帰したことは大賛成であり歓迎された。
今後何かあれば力になることも言ってくれた、ありがたい。
俺は忙しくも楽しい充実した日を送っていた。
ちなみに奥平先生はチケット当たったらしい、マジで強運すぎる。外れても関係者としてチケット送るつもりだったのだが。
《公演まであと2日》
今日は軽く通しの練習だ。
この後メディアの対応がいくつか入っている為レッスン時間が取れない為だ。
タン!タンタン!
「ふーどうだった?」
「みのりもうちょっとこっち行けないかな?」
「ここ?」
「そうそう、ここに」
俺たちは立ち位置の確認をしている。
「りょーかい!」
「それじゃもう一度通しでやってみよう。」
と提案したときアリスは
「みなさーんそろそろ時間なんで着替えてきてくださいー」
「もう時間か、仕方がない明日前日リハの時にちゃんと確認しよう。」
「OK」
いよいよ明日は実際に会場で前日リハが行われる。
《公演まであと1日》
「・・・懐かしいわね」
「ああ、そうだな俺たちの原点だと思うよ」
俺と岡部にひろこ、アリスは一緒に尚美さんが運転する車で会場に移動した。
ひろことアリスは昨日俺たちの家にお泊りだったので一緒だ。
「なつかしいねーほんと!」
「先輩たちマジでこのビルの工事現場で働いてたんですか。。」
「冗談のようでマジの話だよ。」
「おかげで体力ついたよね!」
「今の私たちがあるといっても過言ではないかもね」
色々話したいことはあるのだがビル前に突っ立ってるのは迷惑なので俺たちはビル中に移動する。
まずは会場を確認するか。
どんな会場なんだろうと俺はドキドキしている。でもここって普通のビルだし、無理言ってお借りしただけだし。
少しネガティブな考えをしていたのだが会場をみた瞬間その気持ちはどっかに行ってしまった。
「すげぇ!どの角度からでも俺たちの事見えるんじゃない?これ!!」
「ほえー半円形の席なんだ!」
「その分ステージが少し狭いわね。」
だからぶつかりそうなフォーメーションでレッスンしていたんだと納得する。
リハまでは時間があるので各々意見を交わしたり、観客席に座ってみたり、作業してるスタッフさんの邪魔にならないように踊ってみたリして時間を使う。
尚、今日と明日のAKB劇場は休館日の為、スタッフさんは全てAKB劇場のスタッフさんたちで構成されている。
見知った顔なのですごくリラックスできる。
リハでは昨日出来なかった立ち位置の修正および流れ、衣装チェンジのタイミング、曲などを再度確認をし、
俺たちは近くのホテルに引き上げた。
いよいよか。
長かったようで短かった2か月だったなぁ、
なんか嘘のような日々だった。
《深夜0時》
俺は会場に足を運ぶ。
別に寝れないってわけじゃなく、また戻ってきたんだ!という感慨にひたりたい。
スタッフさんはこんな時間でも忙しそうにしていたので俺は邪魔にならないように観客席に座る。
「「みのり!?」」
お?
「岡部!ひろこ!」
「ははは、考えることは同じか」
「そうみたいね」
「いよいよ今日だね」
「・・・戻ってきたな!」
「そういえばさ岡部お前、ゆうこ先輩なんてぶっ倒してGEKOKU嬢の同窓会やりたいって言ってたよな」
「あんたよく覚えてるわね」
「まださ、ゆうこ先輩ぶっ倒してないし、同窓会って感じでもないけど、3人そろったなまた。」
「ええ」
「楽しかったなこの2か月」
「バカみのり!解散するわけじゃないんだよ?楽しいよ!この先もっ!!」
「そ、そうだなごめん」
沈黙が流れる
「・・・すげーどうでもいい話してもいいかな」
「ん?なに?」
「
「はぁ!?あんた何言ったのよ!」
「あれは初めての総選挙の時に宣戦布告を込めて1年後のシングルは下剋上とかどうですか?って秋元先生に提案したことがあってさ」
「え!」
「なぜか俺たちのユニット名になってて。」
「・・最初はダサって思ってたけど、今は逆に素敵なんじゃないかしら?」
「私も!」
「あはは、秋元先生に感謝かな?」
「頑張ろうな1stライブ!」
「うん!」「ええ!」
「それでみのり他に隠し事は?」
「隠し事って・・・そうだなぁ」
「笑うなよ?実は〜〜〜」
スタッフさんからそろそろ戻った方が良いと心配されてしまった。
話に夢中になりすぎたな。
ホテルの部屋まで二人を送り俺は就寝する。