AKB49 エターニティ   作:とらとらこ

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20.overture

《同時お昼》

 

 

楽屋には来客があった。

今回GEKOKU嬢の前座ガールズを務める12期生達、つまり同期だ。

ひろこは別として俺は久しぶりの再会だ。

 

「春子に理歌に千絵にみんなも!」

 

「よー!みのり元気にしてたかー?」

なんだかんだこの2か月間会うタイミングがなかったからなぁ。

久しぶりの再会で同窓会ムードとなり楽しかった。

 

すぐにリハに入るそうで話もそこそこに切り上げ12期生は会場に向かっていった。

俺もこの世界に帰ってきたし、今度ゆっくり話す機会もたくさんあるだろう。

 

12期生と入れ替わるように見知っている2人が楽屋に挨拶に来てくれた。

 

「ハローみのり」

「おはよーみのりっち!」

 

おお!たかみな先輩にゆうこ先輩も!

 

「来てくれたんですね!」

「騒ぎになりませんでした?このビル入る時に」

「ん?ああ。ダッシュしながらみんなとハイタッチしてきたよ」

 

はははは、やることが大胆だな。

そういや12期生達も大丈夫だったのかな?

 

「みのりっち少し表情硬いなぁ少し緊張してる?」

「緊張。。してるっちゃしてますね。」

あまり気にしないようにしていたけど緊張はある。0stは除くとして復帰後初めての単独ライブイベントだもんな。

 

「ほほーん。みのりちょっと両手上げて」

「え?あ。こうですか?」

俺は素直に両手を上げるのだが

ゆうこは躊躇なく俺の胸を揉みだす。

 

「んー。これはなかなか」

「ちょっちょっと!」

「なにシテんすか!俺男っすよ!?」

パットがズレるからやめて!

 

「あははは!でもちょっとは緊張解けたんじゃない?」

「そっそうっすね!」

逆にどっと疲れた気がする・・

 

岡部は頭を抱え、ひろことたかみなは苦笑いしていた。

「みのりっち、私からも一言。」

「全てを抱えなくていいからね?私たちにも背負わせてもその緊張もっ!」

「・・・はい!」

「よっし!行ってこいGEKOKU嬢!」

たかみなとゆうこはいそいそと帰っていった。2人はこの後仕事で公演は見れないらしい、すこし残念だ。

 

「相変わらず自由ねゆうこさんて。」

同感だ。でも俺はゆうこ先輩に生き方に憧れがある。

それに俺はひろこの次にゆうこ先輩推しだ。

スノボーの時からか、あの自然体のゆうこ先輩に俺は憧れている。

あの人はアイドルぽくない。まぁ今は女優だから当たり前だが。

AKB時代はアイドルを演じてたんだと思う。

俺も似たようなもんだ、意識はしてないが俺は”みのり”を演じてるんだと思う。

俺は演者に向いてるのかもしれないな、ゆうこ先輩同様に。

ただゆうこ先輩は全てを演じてたわけでは無いと思う、無邪気でがむしゃらにあの時を楽しんでたに違いない。

無邪気でいて自然体で。俺もそんな人になりたい。

そんな人をぶっ倒したいって思ってるのはおこがましいけど、憧れの存在で目標の存在だ。

「GEKOKU嬢のみなさんーリハお願いしますー」

 

よっし!俺たちも会場に向かうか!

 

----

 

あ、あれ?

 

前座は12期生だけって聞いてたんだけどな。。

会場では前座ガールズを務める12期生の他に、

今の研究生もリハしていた。

 

「「「本日はよろしくお願いします!」」」

研究生が俺たちに挨拶してくれた。

ってことは、

明らかにある研究生からの目線を感じる

俺の妹である"雅希"だ。。

雅希が俺の近くで小声で

「(今日頑張ってね)」

「(ああ、そっちも前座頑張れよ)」

一言づつ声を交わし研究生と入れ替えで俺たちのリハとなった。

 

とはいえ、昨日大体の事はやってしまったので立ち位置の再確認と、急遽思いついた内容を確認する。

「みのり先輩本当にやるんですか?」

「楽しみですけど大丈夫かなぁ?」

アリスは不安そうに答える。

俺も無理にはアリスにやらせたくはない。

「きついと感じたら俺かすぐスタッフさんに言うんだぞ?」

「んー。わかりました!やるからには楽しみます!」

 

《16時》

 

 

お客さんたちの入場が始まる。スポンサーの関係上ビルマスコットの着ぐるみが入場の案内を行っている。

ざわざわしながらもスムーズに行われた。さすがプロスタッフ。

俺たちは楽屋で衣装の確認などをしていた。

 

本番は18時からなのだが前座ガールズは本番の30分前から公演スタートとなる。

つまりあと1時間半ほどで会場は声援に包まれる。

 

今回の公演は前座があることは特には記載していない為サプライズとなるのだが

ファンの間では前座があるのでは?と憶測がネット上で飛び交っていた。

 

《17時半》

 

 

会場は満員だ。

「圧巻だな。」

「お客さんたくさんいるねー」

「こう見るとほんと客席と舞台が近いわね」

ちらっと袖から会場をのぞき意見を言い合う。

「そろそろだな、俺たちも準備しよう。」

 

袖に待機していた研究生たちに「頑張って!」と軽く挨拶し俺たちは準備に向かう。

 

 

「ブーーーーー」

 

開演ブザーが鳴り会場は暗転する。

音楽とともに前座ガールズの公演が始まる。

 

♪   ♪

 

  ♪   ♪

 

♪♪繰り返す毎日に~♪

 

お!始まった!

さっきよく見てなかったけど雅希センターじゃん!

 

「こんばんわー!前座ガールズです!」

「GEKOKU嬢の公演まで私たち研究生と?」

「12期生が前座をつとめまーす!」

 

舞台は狭い為12期生は客席通路で挨拶する。

 

「あと30分ほど私たち前座ガールズに付き合ってくださいね!」

「じゃー次いくよー!」

 

  ♪   ♪

 

♪   ♪

 

研究生と12期生は舞台と客席通路を行き来する。

しまいには入場案内していたマスコットの着ぐるみたちも踊りだし、

前座でお客さんのパワーをすべて使ってしまう勢いなのだが大丈夫か!?

客席通路と客席はAKB劇場の舞台より近い。

こんな間近で見れるのはファンとしてうれしいに決まってるよそんなの。

 

《18時、開演》

 

 

ひろこの声で影アナが始まる。

『えー皆様お待たせしました。AKB48チームK GEKOKU嬢兼任の吉永寛子です!本日はGEKOKU嬢1stライブ"あの時にGEKOKU嬢!"にご来場頂き誠にありがとうございます。開演に先立ちまして、ご来場の皆様にお願い申し上げます。客席内での飲食は禁止と~~~』

 

ドキドキ!

ついに始まるか!

ほんと2ヶ月前までは想像もしてなかった。

あの時秋元先生の提案を受けなかったらどうなっていたんだろうか。

大学生活を楽しみバイトをしながら過ごしていたのだろうか。

いや、俺は間違いなく提案を受けていただろうし、

秋元先生も、、ひろこもだが俺が受ける事が分かった上でのラジオへの出演。

いや!もう考えるのはよそう!

このライブを成功させる事に集中!

 

『~~間も無く開演となります。』

『皆さま最後までお楽しみください!』

 

 

『ねっ!みのり!』

 

 

 

「はーい!」

 

 

 

 

え!

 

ざわざわ

 

ファン達からの動揺が見られる。

「みのりちゃんの姿は見えないけど、・・・明らかにこの辺から声がしたような?」

 

ざわざわ

 

「俺も聞いた!間違いない放送じゃない!生の声だ!」

 

ざわざわ

 

「でもこの辺で声がしたのは確かなんだが。」

 

ざわざわ

 

「え!」

「まさか!?この展開ってあの幻のライブの時の!?」

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