カシャン!
強く
「え!まさか!?」
「あの伝説のライブでやったと噂されたあれを!?」
着ぐるみたちは頭を取るとそこには。
「みなさーんこんばんわー!GEKOKU嬢です!」
「こんばんわー!」
「皆さんお待たせしました!」
俺、岡部、ひろこが着ぐるみから現れる。
「え!?着ぐるみの中に!??」
「あの状態で踊ってたの!?」
「ひろこー!みのりー!あいー!」
俺たちはお客さんに手を振り答える。
「では早速1っ曲目をお聞き・・・てっうわ!」
ドン!!という音と共にみのりは着ぐるみを着たまま客席通路に倒れる。
「ちょっとみのり!大丈夫?なにしてんのよ!」
「まずは皆さんに挨拶からでしょ!」
みのりは近くにいたお客さんの手を借り立ち上がり
「ありがとう!」
と声をかけお礼をいいステージに向かう。
3人がステージに揃い、小声で
「(せーの!)」
「「「皆さんこんばんわ!GEKOKU嬢です!」」」
そう、俺たちは前座ガールズの公演が始まりお客さんが公演に集中してるタイミングで、
お客さんたちを案内していたビルマスコットの着ぐるみスタッフと入れ替わり、12期生と研究生たちと踊っていたのだ。
余談だが着ぐるみは4匹いたのだがそのうち1匹はアリスである。
それはおそらくこの中で一番目立っていたであろう。
よくあの着ぐるみであんな激しく踊れるよな。
大丈夫そうに踊ってたけど顔は見えてないから少し不安ではあったのだが、
ひろこの影アナが流れるタイミングで12期生達と同時に捌けて、今は舞台袖で俺たちの事を見ていた。
あっ!満足そうな顔して手を振ってるし大丈夫そうだ。
安心したところで俺は元気よくMCを再開する。
「どうでしたか!?サプライズ入場!楽しんでいただけたでしょうか!この日が来ちゃいましたよ!」
「始まっちゃったね!」
「みのりちょっとテンション高すぎ!」
「わるいわるい!」
「知ってると思いますけどまずは自己紹介から!」
「それやる必要ある?」
「念のためっすよ!念のため!」
だって嬉しいんだよ!またこうやって挨拶出来ることが!
「まずはリーダーのひろこからっ!」
手を振りながら笑顔で挨拶する。
「えー。みなさんこんばんわー!」
「AKB48チームK GEKOKU嬢兼任の吉永寛子です!突然ですがリーダー権限で今からみのりがリーダーね(笑)」
「え!」
台本にないよ!?それ!
「今日私はおまけです!今日の主役はみのりと愛先輩です!」
「だからあとは頼んだ!」
「え!丸投げ!?」
思わずツッコんでしまった。
「みのりリーダー!挨拶をお願いします!」
ええい、ままよ!
「はい!えーっと!AKB48グループ GEKOKU嬢の浦川みのりです!」
「なんかリーダーにされちゃいました。。」
「帰ってきましたねついにこの世界に!私ついこの前までコンビニでバイトしてたんですよ!?」
「その姿も見たいー!」
ファンからの弄りも心に染みいり充実感が満ちる。
これだよ!俺が最近まで足りないと感じていたことって!
そのうち1日店員とかの仕事が来るかもしれないし、
その時は俺のバイトテクニックを披露してやろうじゃないか!
「またこの舞台に立つことができるなんて想像できませんでした。」
「この機会を与えてくれたファンの皆様、本当に感謝しきれません!」
「ちょっとみのりなんか〆の挨拶になってるわよ?」
「あ、とっとりあえず!これからまた頑張りますのでよろしくお願いします!」
声援と拍手が入り混じる。
ああやっぱうれしいな、ちょっと泣きそうだわ。
おっと。
「つぎー岡部先輩お願いします!」
「同じくAKB48グループ GEKOKU嬢の岡部愛です」
「私もみのり同様にこのステージに立てるのはファンの皆様のおかげだと思っています。」
「あまり多く語りません、言い訳もしません、私たちはこの公演に命を懸けています」
「私たちの努力の結晶、ぜひご堪能ください!」
俺たち以上に声援と拍手が送られる。
うっし。
「みのり曲振りお願い!」
「じゃーいきますか!」
「それではお聞きください。」
「runaway kiss」
♪ ♪
♪ ♪
♪♪飛び出したこの想いは 夜の〜♪
ひろこはあの時を思い出す。
そういえば家出を手伝ってもらったっけ"実君"に。
あの時連れ出してもらわなかったら私はアイドルは諦めてた。
だから今この場に居るのは"実君"のおかげっ!
ほんと感謝しきれないぐらいチカラ貰って。。
もう返せないぐらいだよ!どう返せばいいんだろ?
あっ!あの時「俺にも夢がある」って、
その夢って多分。
私はお守りに書いてあった紙の文章を思い出す。
「っ!」
危なかった!歌詞が飛びそうだった。
うん。公演が終わってからゆっくりあの時の事思い出して見ようかなっ!
ほんと"実君"て笑っちゃうぐらいまんま"みのり"だよねっ!
アウトロとなりお客さんから拍手をいただき俺はホッとした。
「譲らないツインテール」
岡部は興奮冷めやまぬなかタイトルコールする。
♪ ♪
♪ ♪
♪♪今日の夕飯なにがいい? ママが~♪
岡部はあの日の事を思い出す。
懐かしいなー柏木先輩に恋の悩みを相談したときの事。
先輩は気持ちのやり場が分からない私をふわっと救ってくれた。
あの時初めてアイドルだって恋してもいいんだ!って思った。
先輩はお客さんに恋をするって言ってたけど。
私は。
今でもあなたの為に私は歌う。ねっ!みのり!
曲も終わり1曲目と変わらないぐらいの拍手をいただく。
ひろこの岡部も俺の満足そうな顔を見合わせる。
「いかがでしたでしょうか!カップリング2曲お送りしましたが」
「ねぇこの調子でいくとあと1曲しかないわよ?私たちの曲」
「え!もう終わるの!このライブ!?」
「まだまだ用意してますから大丈夫!」
「えーっと聞いたことがある方がこの場にいるのかもわかりませんが実はGEKOKU嬢には幻の曲があります!」
「それのアレンジverを披露しちゃおうかなーって思ってます!」
俺たちも仮1とかEN6とかで覚えてるぐらいだしな。
「でた!タイトルないやつ!」
「ここからは幻の曲を3曲続けてやろーかなって思ってます!」
「行っちゃいますか!」
「それではお聞きください!」
♪ ♪
♪ ♪
リリースされなかったのは理由がある。
曲に多少問題が生じたのだ、いい曲であったのだが最終的に秋元先生がNGと判断したためお蔵入りとなってしまった経緯が3曲ともある。
そのためタイトルも秋元先生しか知らない。
もしかしたらタイトルすらないのかもしれない。
リリースもされなく放置されていた曲の為、版権関係はクリア、アレンジすることが可能となった。今回はその曲を"はると君"に編曲してもらいショートverを用意してもらった。
原曲も好きだったけど"はると君"編曲の方が好きだわ。
レッスンの時から分かってたけどさ。
3曲とも終わり、早着替えする為一度舞台から捌ける。
その間は12期生達がMCで繋ぐ。
「いやいやいやー盛り上がってきましたね!」
「さっきさー春子コケそうになってなかった?」
「いやー私もテンション上がっちゃってさ(笑)」
こういう時、同期の存在はありがてぇ!
着替えも済み俺もMCに加わる。
「こらお前ら私の悪口いってんじゃねー!」
「あれ?もう帰ってきたの?」
「お前たちが何か言う前にダッシュで帰ってきたんだよ!」
「さっき言ってた楽屋の件はしらないぞ!なんで私と12期生の楽屋が分かれてたのかは私のせいじゃないからね!」
「あれはみのり以外の12期生から恨みを買ったもんな!」
その後、岡部もひろこも帰ってきてMCに加わりつつ次の曲に進む。
次の曲からはAKBの曲が数曲あり、12期生を交えて歌う。
勇気のハンマー懐かしいな!また12期生と歌えるなんて!
俺たち12期生のお披露目公演のM1で歌った曲だぞ!
その後も12期生達とAKBの曲を歌い楽しい時を過ごす。
そして。
----
「次が最後の曲になります。」
「もう最後なのね」
「早かったね!」
「ささっとやっちゃいますか!最後の曲!」
「何か話さなくていいの?」
「話すと泣いちゃいそうで。」
「意外とみのりって泣き虫だよねっ!」
「それはひろこも同じだろ!」
「確かに。人の事言えないかも。」
「じゃー最後行きましょうよ。」
岡部がまとめ。袖から研究生が登場し客先通路まで展開する。
「それでは聞いてください。」
「私たちのデビューシングル」
「放課後☆下剋上」
♪ ♪
♪ ♪
♪♪夕焼けが広がる放課後 校庭 それが~~♪
お客さんもボルテージはマックスのようだ。
喉が枯れようが俺たちに声援を送ってくれる。
うれしいな。
本当に。
なんか途中アリスも参加しちゃったりお祭り騒ぎだった。
曲も終わり、最後はみんなで感謝を込めて挨拶をし手を振りながら舞台から去る。
俺たちは廊下をダッシュしながら楽屋に戻り早着替えする。
もちろんファンは分かっている。
本番はここからだと。
「アンコール!アンコール!」
アンコールを貰い俺たちはまた舞台に戻る。
次回2章終演