今日はすごく楽しみにしていたお仕事の日だ!
大学の学祭イベントにGEKOKU嬢がシークレットゲストとしてライブを行う予定で、今は尚美さんの運転で大学に移動中だ。
移動中なのだが。俺が行先を聞いてしょんぼりしている。
「みのりどうしたの?」
ひろこがしょんぼりした俺に声を掛けてくれた。
「いやね。。。今から行く大学さ。俺が通ってる大学だよ。。」
「てかもう着いてるのね。」
「へー!この大学なんだ!立派な建物だね!」
「なんの因果関係かしらね」
俺は知ってる。間違いなくこれはアフロディーテと秋元先生の策略なんだと。
普通なら今頃大学に通って講義を受けてバイトし、この学祭を楽しみにして生活していたんだろうな。
この半年で色々と俺の周りは変わり始めてしまった。
でも多分だけど俺はアイドルの道を選択していよかったんだと今は思っている。
またみんなと出会えたし、映画にも出演できたし。
感謝してますよ!お二方。
でもさぁ。俺まだ一応この学校の学生なんだよね。なのにゲストで呼ばれるって意味がわからない。
「はぁ」
「気合だしなさいよ」
「わかってるって。」
俺たちは学校の裏口から大学に入りそのまま会議室に案内される。
会議室に入ると学長が既に待っていた。
「初めまして私マネジャーを務めています春山リリィ・尚美と申します。」
「知っているかと思いますがこちらがGEKOKU嬢の」
「岡部愛です」
「吉永寛子です」
「有栖莉空です!」
「う、浦川みのりです。」
「本日はお越しいただきありがとうございます。」
「私たちの学祭に出演していただく事を心から感謝いたします。まさかオファーをいただけるとは思っていませんでした。」
オファーだと!?こっちから仕掛けたの!?
まっまさか!
これもあの二人の!?
「いえいえこちらこそ、ミス・アフロディーテが"浦山実"さんをお貸しいただいているお礼と申しておりました。」
ひろこも岡部もアリスも一斉に俺のほうを見る。
みるんじゃねー!俺は何もしてないんだから!
俺はさっと視線をずらす。
「"浦山くん"は元気にしておりますか?」
「忙しくされておりますけど元気だと聞いております。」
あ、うん!忙しいね!現在進行形で!
「そうですか!あ!それでは出演まで時間がありますのでこちらの会議室を控室としてお使いください。」
「ありがとうございます。」
学長はほっとした様子で会議室を出て行った。
俺の事を心配してくれてたのか。めっちゃいい人じゃん!俺の大学の学長って!
「私は実行委員と少し話をしてくるわ」
尚美さんも部屋を出て行ってしまった。
「みのり、良いように使われてるわね(笑)」
「わらうんじゃねーよ!」
「仕事なんだから本気でやるよ。はぁ。。」
「先輩なんか湿ってますよ。」
衣装は学校側が用意してくれた。大学の服飾サークルが俺たちの為に特別に作ってくれたみたいでAKBの衣装並みに細部まで凝ってる作りをしており、普段から着ているひろこも唸らせるぐらいの出来でビックリしていた。
「私たち体育館で歌うのよね」
「ねぇみのりどのくらいのキャパなの?」
「キャパかー正確には知らないけど5000人ぐらい入るんじゃないかな?結構でかいよ」
「5000人!?ちょっとしたライブ会場じゃない」
「たっ確かにそうだよな」
「ちょっと早めに行ってリハしないか?」
「先輩ビビってるんですかー?」
ああそうだよ!ビビってるよ!
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今回俺たちが学祭に参加することは関係者以外には知られていない。
つまりサプライズとなるわけだが。
俺たちが登場する流れはこうだ。
まず吹奏楽部が放課後☆下剋上を演奏。
演奏が終わると同時にステージの幕が開き俺たちが放課後☆下剋上を歌いながら登場する流れとなる。
ボー♪♪
トランペットの心地いい音が体育館に響く。
ステージの下では吹奏楽部が真面目な表情で楽器を構えていた。
今回は吹奏楽部とは運命共同体である。つまり仕掛け人である。
「お疲れ様です!」
俺たちGEKOKU嬢は吹奏楽部に挨拶をした。
「きゃー!」
今回のサプライズを知っているとはいえ興奮を隠しきれないようだ。
俺たちは一瞬として囲まれてしまった。
それに応えるべく一人ひとり手を取り挨拶する。さながらここは握手会場のようだった。
吹奏楽部の顧問だろうか。すぐに生徒を引き離そうとするが
「あ!別に大丈夫ですよ!」
「今回は私たちと一緒にサプライズを演出する共犯者ですからね!このくらい!」
「皆さんがそういうなら。」
挨拶も終わり俺たちはステージ上でリハの準備をする。
今日のセトリは3曲。
まずは"放課後☆下剋上"から始まり、"runaway kiss"MCを挟んで"会いたかった"を披露する。
残るはじゃんけんの勝者が曲を決める事にした結果、ひろこが優勝しひろこのカップリングとなった。
こうゆう時のひろこは強運である。是非とも次のじゃんけん大会は頑張ってほしい。
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吹奏楽の方も終わりに近づく中、俺たちはステージ移動する
もう10秒ほどで幕が開く。
簡単に円陣を組む。
「(それじゃ行くぞ!)」
「「(おー!)」」
吹奏楽部の演奏が終わると同時に放課後☆下剋上の原曲が流れ幕がまだ開いてない中、俺たちは歌い出す。
♪ ♪
♪ ♪
♪夕焼け広がる放課後 校庭~♪♪
会場は何事?とざわつく
戸惑っている人やビックリしている人、生歌に気付き動き出す人やスマホを取り出し連絡や動画を撮る人。
Aメロのサビ前には幕が完全に開きステージ目の前まで人が押し寄せる。
「うおーーー!」
歓声が凄!
「こんにちわー!GEKOKU嬢です!」
歌の合間に俺は挨拶する。
♪ ♪
歌が終わっても興奮冷め止まぬ様子で熱気がすごい!
煽るようにひろこが
「みんな元気かー!」
「おおおおお!!!」
「あはは!一度やってみたかったんです!」
会場は今も人が入る入る。この調子だと直ぐに満員になる勢いだ。
吹奏楽部の時は500人ほどしかいなかったんだがなぁ。
「えー皆さん学祭楽しんでますかー!」
「どうでしたか?私たちのサプライズ登場は!」
「今回吹奏楽部さんの協力のもと実現したわけですけど」
「なんか私たち普通に登場しないわよね?みのり」
「なんで私に振るの!?これ私が考えたわけじゃないからね!」
「むしろ色んな意味で被害者だよ私!」
お客さんは笑ってたけど本当の意味で理解はしていないだろう。
俺ここの学生なんです!
「そうそう、これ見てほしいんですよ!この衣装!」
「実はこの衣装!本学校の服飾サークルさんが特別に作ってくれたんですよ!」
じゃじゃーんと俺たちはクルクルと回る。
「私たちのライブが終わったら是非とも服飾サークルさんの展示スペースのぞいてみてくださいー!」
「私たちが色々と展示の衣装やら着たその時の写真とかも一緒に展示してありますので!」
1時間前
待機時間を利用し俺たちは服飾サークルの展示スペースに行ってみた。
全く人が来ないと部長さんが嘆いていたので誰かに会うな!とビクビクしながらどんなもんかと見に来たのだが、マジでスタッフさんしかいなかった。
衣装のクオリティーも高いし何故注目されないのか疑問なレベルだった。
ひろこが「この衣装来てもいいですか?」と突然言い出したのだ。
そう。今服飾サークルのスペースにはGEKOKU嬢をモデルにした写真が今展示されているファンにはたまらない空間に仕上がっている。
俺は着なかったが、至る所にサインを書いたりした。
おそらくその後人が大勢押し寄せるだろう。部長さん頑張ってくれ!
「まぁ話はここまでにして次行きましょうよ!」
「では次は〜〜」
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「いやー満足満足!」
「結局一番あなたが盛り上がってたじゃない」
「やっぱりライブは最高だな!アンコールに答えられなかったのが残念だったけど」
時間の都合上しょうがないんだよな。
「これから来年の学祭参加できるか学長に交渉に行きましょうよ!」
「お!いいなそれ!」
「あんたらねぇ」
興奮冷めやらぬまま俺たちは大学を後にする。
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《やあアフロディーテ》
《あなたが私に直接連絡をくれるなんて明日は嵐かしら》
《あははは。大丈夫だよ私は晴れ男なんで》
《それよりアフロディーテ、また彼女たちを貸してもらえるかな?》
4章に続く