AKB49 エターニティ   作:とらとらこ

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40.後輩思い

「みのり先輩!ここのフリが分からないんですけど。」

「あーここね、えっとまず手を~」

 

まだHKTに入ってわずか2か月の彼女はみのりの全てを吸収するがのごとく俺に質問する。

彼女の名前は"中野明日奈"年齢は13歳でHKTの研究生だ。

彼女は先日行われたじゃんけん大会に俺と同じカップリング参加する1人であり、2か月でじゃんけんとはいえシングルに参加できる快挙を達成した人物である。

 

俺の結構モチベは高い!久しぶりのAKBシングルとしての参加だし!

撮影とかで忙しかったせいか今は燃え尽き症候群状態であるので仕事というよりはレッスンに時間を割きたい週間である。

俺のわがままなので急遽今日レッスン日にしてもらったのだが、比較的時間に余裕がありたまたま東京に来ていたHKTに入りたてのピカピカ研究生の子の2人だけのレッスンである。

後日全員集まってのレッスンもあるけどな。

 

明日奈は俺の見立てだと。

 

歌は俺よりうまい。ダンスは俺よりうまい。容姿もかわいい。

俺が勝ってる要素はAKBの経験年数ぐらいである。

この子は逸材だわ。。

 

いうなればこの子はアリスのアホっぽさがない少女といったところか。

 

 

「明日奈ってなんでHKTに入ったの?]

俺は休憩中になんとなく質問してみた。

 

「アイドルに憧れがあって。みのり先輩がHKT兼任してた時あったじゃないですか?私もそのライブに見に行ってて」

もう2年以上前の事か、みんな元気だろうか。

 

「それで私もそうなりたい!って憧れが強くなって。」

アイドルあるあるだよな。結構そうゆう子って多そう。

 

「・・ていうのは建前なんですけど。」

おお?

 

明日奈は周りキョロキョロと見渡し俺の耳元で小声で話す。

「(本当は好きな子をビックリしてやろう!っていう不純な動機ですっ!)」

「言わないでくださいよ!」

「結局受かってビックリどころか引いちゃってそれっきりなんですけどね。」

少し寂しそうに明日奈は話す。

すごい話だな。でもこの話をしてくれるってことは俺の事信用してるってことだよな。

 

俺は笑顔で明日奈の頭にポンと手を置く。

「その経験が今もパワーになってれば私はいいと思うよ!」

「私もね、友達を応援したい一心でオーディションを受けたっていうどうしようもない理由だし」

俺の方が明日奈以上に不純な動機だよ。

 

「・・そのお友達もオーディションに?」

「うん。まぁそうだね」

「お友達はどうなったんですか!?」

俺はなんて答えればいいのかわからなかった。

別に今となってはひろこの名前を出していいとは思っているが。

 

あ!

 

俺はあることを思いつく。

 

そうしてみるか!

 

「もしさ明日奈が次の総選挙で49位以内。。いや41位以内に入ったらこの続きを教えてあげるよ」

「え!41位。。」

「がっがんばります!」

「じゃレッスンの続き始めようか!」

この子のポテンシャルはおそらく選抜クラス、じゃんけん大会のチャンスを生かせれば間違いなく41位に届くだろう。

ちなみになぜ41位にしたかというと俺の初総選挙が42位だったから、ただそれだけだ。

 

その後レッスンもめどがついたのも束の間

「あ!やばい!宿題やってない!」

そうか明日奈ってバリバリの中学生か。

 

「ホテルに戻ってやるしかないね。」

俺は反射的に他人事のように答えた。

 

「みのり先輩教えてください!」

え?

 

「いや私バカだし!ほら!クイズ番組でおバカアイドルだよ私!」

無理だよ!教えるとか。

 

「先輩ーなんとかしてくださいー!」

何とかって。そんな目で見つめないでくれって!

俺じゃ絶対に無理だ。ってことはあの人しか俺は思い浮かばなかった。

 

「ちょっとあてはある。。」

「え!」

「調整してくるから待ってて!」

「調整って。えー!」

明日奈の言葉を無視して、俺はスマホ片手にスタジオを出る。その先にある非常階段でスマホを操作しながら頭の中で考えてをまとめる。

「えっとまずは。」

 

----

 

15分ぐらいだろうか用件は終わったのでスタジオに戻る。

 

キュッキュッ

 

靴の摩擦の音がスタジオに響く。

 

明日奈はその時間を利用して振付の確認をしていた。

その時間あれば勉強を。。と思ったけど振付の確認も重要だしな。

「明日奈!なんとかなりそうだぞ」

「本当ですか!?」

「移動するから着替えてロビーで待ってて!私こっちで着替えるから」

「一緒に着替えましょうよ!」

そんな話をしながら俺はダッシュで着替え終わりタクシーを呼ぶ。

 

「先輩ドコに向かうんですか!?」

「ある人の家だよ。私はある意味近寄りたいようで近寄りたくない家なんだけど。」

「ほえー」

 

ピンポン

 

「みのりー入って大丈夫だよー!」

オートロックを開けてもらいマンション内に入る。

「はぁー。こんな立派なところに住んでるなんて誰なんですか?でも聞いたことある声だった様な。」

「まぁまぁ」

 

俺は明日奈をたしなめて目的の部屋の玄関目に到着する。

 

ガチャ

 

「よう!今日無理言っちゃってすまんな」

「全然!後輩の頼みなんでしょ?」

「紹介するよ。HKT48の研究生で"中野明日奈"ちゃん。ちょうど今日レッスン日がかぶったんだ」

「よろしくねー!明日奈ちゃん!多分知ってると思うけど。AKB48チームKの吉永寛子です!」

ひろこは今日朝から夕方まで仕事で夜は家にいる事は事前に確認していた。

明日菜は蛇に睨まれたカエルのように動かない。緊張というか自分が置かれた立場を理解するのに時間がかかっている様子だ。

 

俺がツンツンと突くと石化が解けたように我に帰る。

「えっあ!HKT48の中野明日奈です!」

「今日はよろしくお願いします!」

運の選抜、方や実力の選抜、なんか凄い。

お互い挨拶が終わり部屋に入るや否や

 

「イッテ!!!」

 

『ワンワンワン!!』

 

「痛いって!離して!お願いだから!!」

「こらK太!ほらみのりだよ?可愛いみのりだよ?」

俺の天敵であるひろこが飼っている犬であるK太だ。

俺は今だにK太とは抗争が続いている。

常に俺に噛みつき俺の事を睨んでくるし嘲笑う。

だからこの家に近寄れないんだよ。

「私の事はいいから明日奈も上がって!上がって!」

俺は噛みつかれながらも中に入るよう促す。

「じゃぁひろこあとは頼むよ。」

「うん!でも本当に明日奈ちゃんここにいて大丈夫なんだよね?」

「ああ、そこらへんの調整は全てOKもらったよ。」

俺はまずHKT48劇場総支配人であるさっしー先輩に連絡して許可をもらった。その後尚美さん経由で明日奈が所属している事務所に許可をもらい今回この勉強会が実現できたわけである。

 

未成年であるが故に難しいと思っていたが、さっしー先輩は逆にありがとう!と言われ、事務所からは学力が落ちたらHKTを辞めさせると親御さんに言われてるらしく逆にお願いしたいと言われてしまった。

 

それからみっちり3時間ひろこは分かりやすく教えていた。

俺もK太と抗争しながらだが聞いていたけど、本当に分かりやすく俺もこんな先生から勉強教われば苦労しなかったんだろうなーって思った。

 

「よし!こんなもんかなっ!」

「あ、、、、ありがとう、ございました。。」

明日奈は疲れ切った様子で机に倒れる。

「おつかれー」

俺は明日奈にココアを入れ差し出す。

「ありがとうございます先輩!ふぅーふぅー!」

「あー!疲れた頭に染み入る!」

ふと時間を見ると結構いい時間だった。13歳の少女をホテルまでタクシーで送るのも気が引ける時間帯だ。

でっあれば方法は一つ。

「今日もう遅いからさここ泊まっていきなよ」

「ほえ?」

「いいんですか?あっでも下着とかホテルに置きっぱだ・・・」

「こうゆう時は先輩に甘えてよ!パジャマも下着も新しいのあるよっ!」

これにて一件落着っと。

 

「じゃぁ私は帰るね。」

「先輩も一緒に泊まりましょーよ!」

明日奈は俺の腕を絡める。

「え!ちょっと!」

これにはひろこも苦笑いだった。

「わかったわかったって!」

「すまん。ひろこ私も泊めてもらっても。」

「もちろんOKだよっ!」

「じゃぁお言葉に甘えて。」

「やったー!」

明日奈は大喜びだった。

 

その後は3人でごはんを作ったり、俺とひろこはAKBでの経験などを明日奈に伝えたり、逆にジェネレーションギャップを味わったり楽しい時間を過ごし俺はひろこのベットを借り、2人は来賓用の布団で一夜を過ごす。

 

朝というか夜中に音がするので起きてみるとひろこが仕事の準備をしていた。

「…おはようひろこ」

寝ぼけながら挨拶する。

 

「あっ起こしちゃったか。おはよ!みのり!」

「ひろこもう出るのか」

朝から仕事とは聞いていたがこれは果たして朝なのかは微妙である。

「うん!あさまるの生放送って朝早いからねー」

「そうかー。頑張れよ!俺たちもその放送ここでみてから明日奈を送ってくよ」

「了解!家を出る時に尚美さんに電話してね!鍵閉めてくれるからっ!」

「OK」

「それじゃいってくるねー!」

バタバタとひろこは家を出る。

さて、もっかい寝てもいいけどどうすっかな。起きちゃったし昨日の復習でもしてるか。

 

 

~~東京駅~~

 

「先輩!昨日も今日もお世話になりました!」

「別に大したことはしてないよ。また何かあったら連絡してよ」

「はい!。あっ!もし博多による用事があってら是非とも連絡ください!」

「ああ。勉強頑張れよ!」

「あ、あははは。。」

 

 

彼女にとってみのりたちの出会いは今後を左右する出来事だったのかもしれない。

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