「早速だけど水着に着替えてね」
はぁ。ついにこの仕事が来てしまったか。
GEKOKU嬢のシングル発売に伴うMV撮影の為みんなでグアムに来ているのだが、、
「ほら!さっさと着替えなさいよみのり」
「お前なぁ俺の気持ちを分かってくれって!」
「分かるけどよく昔は着たりしたでしょ?」
昔は昔だよ!
「先輩早く着替えてくださいよー!私先輩の水着姿萌えなんですから」
言うんじゃねーよ!余計着たくなくなるじゃないか!
正直GEKOKU嬢に復帰してこの仕事をいかに回避するか考えてたよ!
結局は色々な事情で無理だったが。
ひろこは笑いながら俺のほうを見る。
俺の味方は本日不在のようだ。
「着ないなら私が水着選んじゃいますよ?」
「これなんかどうですか?先輩」
どえらい水着を手にアリスは俺に見せつける。
・・・布面積。
わかったって!えーっとパレオ巻いとけばいいか。
「お前たちマジで何かあったらフォローしてくれよ?」
「俺ここで捕まりたくないよ?」
ひろこが卒業する最後のラストシングルの予定である。
でも卒業してもアリスが定期的に呼び出すだろうし、その時にレコーディングとかもしそうだよな。
ってことはラストじゃないのかもしれない。
とくと味わえ!俺がマジマジで鍛えた数々のアクションや表現を!
「カットカット!」
「みのりさん、少し抑える事はできますか?」
スタッフさんに速攻でカットを出された。
「先輩。周りの事考えてください!可愛すぎて全然目立たないんで普通にしててくださいよ!なんかハートマークがたくさん飛んでましたよ今」
さーせん。やりすぎました。
だから俺はズボラ姉を演じればよかったんだよ。
このシングルはひろこがセンターだからひろこを押さないとだめだよな。
「ひろこは遠慮しすぎよ?」
「こんなんで遠慮してたら卒コンとか苦労するわよあなた」
「うっ。ごめんなさい。」
ポツポツ
うん?雨?
「振ってきちゃいましたね」
雨が降り出してすぐに雨脚は強くなり撮影は後日となった。
ってことは水着から解放される!やっほい!
「このあとどうする?」
簡易的な一人用の更衣室で隣り合わせで着替えながら岡部はみんなに聞こえるように声を上げる。
「うーん、急にだしな、誰か何かしたい事があるならついていくけど」
「私買い物がしたいです!」
「グアム着いて早々に買い物かよ、まぁいいけどさ、そのうち雨も止むだろうし」
「私も行こうかな」
ひろこも一緒に行ってくれるようだ。とすると岡部は・・・
「私も行くわよ!」
やっぱりね!
「で、アリスなに買いたいの?」
俺はとっくに着替え外で待つ。
「スイーツ爆食いですよそりゃ!」
買い物ってそっちかよ!
「ほらこれ!食べたくないですか!?」
更衣室のカーテンが半分以上開けながら俺のスマホを見せる。
「おま!そんな開けんなよ!」
「別に先輩なら見ても構いませんけど?」
みんなのいる前でそんな事言うんじゃありません!
「とにかく早く着替えろって!」
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お前ら食べすぎだろ。
ひろことアリスはひたすらスイーツを食べ、俺と岡部はそれを横目にドリンク程度に済ます。
俺たち残念ながら撮影の関係上太るとまずいんだわ。
夕食食べれるのか?この二人は
買い物?も済ませ夕食までホテルの部屋で過ごす。
みんなには伝えてないが部屋割りは俺が決めさせてもらった。
俺と岡部、それにひろことアリスの2部屋でお願いしている。
俺は今回の仕事で【あること】を伝えようと思ってる、それは
岡部に今の気持ちを正直に言うことだ。
ドキドキする。
「素敵な部屋ね、海と空のコントラストが素敵。」
「ああ、そうだな」
緊張しているせいか会話が続かない。
岡部も無理にしゃべろうとしない、何か察しているのかもしれない。
俺は心の中で、「よしいくぞ!よしいくぞ!」と自分を奮い立たせる。
「岡部少し俺に時間をくれないか?」
俺はまじめなトーンで話しかける。
「・・・外で話しましょうか。」
俺の返事を待たずに岡部はカーディガンを羽織り部屋を出る。
俺は急いで岡部の後ろについていく。
「綺麗ね。」
しばらく見入ってしまうほどの夕焼けに俺たちは目を奪われる。
「みのり。」
突然名前を呼ばれビクっとしてしまう。
「どんな結果であれ私は受け止めるわ、だから。」
「あなたも勇気を出しなさい。」
・・・ごめん、女性にそんな言葉言わせたくなかった。俺がもっとしっかりしてれば。
ほんとごめん。
俺は岡部の目を見ながら言葉を選びながら慎重に丁寧に答える。
「岡部、決めたよ俺」
「俺はひろこの事が好きだ、だからお前の気持ちに応えることが出来ない」
「ごめん。」
すこしの沈黙
「あなたはほんとひろこの事大好きね!でもそこが実君のいいところなのかもね。」
「でも私の事を真剣に考えてくれて、その、ありがとう」
「いい?この私の事をふった以上はぜーーーったいにひろこを幸せにしなさい」
「これは命令よ!」
「ああ、分かってる。」
「あとさ、、」
「これからも友達でいてくれるかな?」
俺はこの答えが怖くて仕方がなかった。
「はぁ」
「当たり前でしょ!」
「これからもよろしくね!実君!」
ふわっと岡部が近づき俺の頬にキスをする。
チュッ!
「なっ!おまえな!」
「ここまで答えを長引かせたバツよ!」
「これくらいいいでしょ!」
俺はもう覚悟を決めた。俺はひろこに告白する。
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「それはそうとして!ひろこ先輩AKB辞めちゃうんですか?」
ベッドでくつろぎながらアリスはひろこに声をかける。
「うん。色々考えたけど。やりたい事ができたからかな?」
「・・・それって、みのり先輩と関係ありますよね多分。」
「うっ!」
ひろこは言葉に詰まり焦りを見せる。
「ほら!やっぱり!私の眼は誤魔化せませんよ!?」
「って事はですよ!ついに告るんですね!?」
アリスは小悪魔モードでひろこを弄り出す。
「え!いや!何言ってるのよ莉空!」
「私はもう実君の事は諦めてますからどーぞお好きに!」
「早くしないと取られちゃいますよ!実君争奪戦のライバルは多いんですからね!」
あははは。そうだよね。私もしっかりしないとっ!