総選挙から1ヶ月後
GEKOKU嬢のラストライブとひろこの卒コンを兼ねてライブが行われる大規模なイベントが開催される。
俺の卒業公演とはまるで規模が違う、会場デカすぎなんだよ!
さすが総選挙1位の卒コンだな。
なんだかんだこの2年間でGEKOKU嬢の単独ライブは4回目になるのか、できればもう少しやりたかったな。
とはいえアリスが多分ライブを計画するだろうしひろこが卒業してもライブはあるだろうな。
この2年間でGKEOKU嬢の持ち歌はかなり増えた。これもはると君が曲を提供してくれたおかげである。
最近GEKOKU嬢のライブは俺と岡部が演出を任される部分が多くなってきており、今回のライブも同じように担当することになり、本日はその打ち合わせをしにAKBの会議室を借用してる。アリスも最後だからって俺たちについてきた。
「なぁ岡部」
「ん?なに?」
「今回のライブをもって一応事実上GEKOKU嬢って解散になるじゃん?」
「まーそうね。」
「お前またエレーナに専念するの?」
「うーん。」
「俺はさ、秋元先生にはチームに入りたいなら検討しておくって言われてるけどさ、多分入らないかなー。多分アリスも同じだと思う。」
「AKBのイベントには参加したいって思ってるけど。」
「それに俺は運営の仕事も学んでいきたいし」
「へー。そういえば大学通ってたわねあなた」
大学生って事を忘れるぐらいアイドルしかやってない自分に危機感を少し感じている。
「ねぇあなた私のマネジャーとかやってみない?」
「え!」
「私の超忙しいスケジュール管理をしてみないかってことよ!」
俺は知っている、岡部のスケジュールは鬼の様でそんなの管理したら絶対に倒れるよ。。だから俺の答えはこれだよ!
「絶対にやだ!」
「私はいつでも待ってるわよ?」
あはは。。
「先輩!ちょっと」
「どうしたアリス」
「ちょっと食べてみてくださいこれ!」
アリスが鞄から可愛い包み紙を取り出し、それを開けると。
「うん?これってクッキー?」
手に取ると甘いイイ匂いがする。
「はい!私が作ったんですよ!」
え。
苦い思い出が蘇る。
こいつ、、料理できなかったはずだよな、確か見た目重視って言ってたような。
手に取ってしまった以上食べないわけにはいかない。
俺は覚悟を決め!
「い、いただきます。」
パク
・・・ん?
悪くない。
っていうかウマ!
「アリスまじでお前が作ったのこれ?」
「えへへへ!どうでしたか?お味は!」
「めちゃくちゃうまいぞこれ!岡部も食べてみろよ!」
「じゃぁ折角だし。」
パクッ
「あら?ラグアジュのクッキーと味がそっくりねこれ」
「ラグアジュ?」
「東京にある有名なお菓子屋さんよ、海外にもファンが多くて私も差し入れによく買うわよ」
「わかっちゃいました?父親がそのお店のシェフと仲良くて、特別に作り方を教えてくれたんですよ」
「ひろこ先輩に食べてもらいたくて!」
「ひろこに?絶対喜ぶぞ?」
「・・ですよね。」
でもなんかアリスの顔色が優れないけど。大丈夫か?
「アリス大丈夫か?体調悪い?」
「大丈夫ですよ!ちょっと、、、色々と考えちゃって。」
「ふぇ。」
え?
アリスの顔を見ると涙を我慢していた。
「お、おいだいじょうぶ」
「うえええええーん!」
アリスは泣き出してしまった。
俺も岡部もどうしていいのか分からないほど動揺する。
「うぇぇぇん!ひろこ先輩のばぁかぁぁ!」
そうだよな、お前が誰よりもGEKOKU嬢を愛しているのは俺たちも理解してるよ。
「え!莉空!?」
なんというタイミング。
ひろこがちょうど会議室に着いた。
「ひっひろこ、先輩、、こっこれ!」
アリスは泣きながらひろこにクッキー缶を差し出す。
ひろこが俺の顔を見て、状況説明をしてほしいと訴えかける。
さっしてやってくれ。とジェスチャーだけする。
それを分かったのかひろこは。
「ごめんね莉空」
ひろこはアリスを抱き背中をポンと叩く。
「それにクッキーありがとう!」
「なぁアリス別にGEKOKU嬢は完全に解散するわけじゃないかなら」
「それにお前はGEKOKU嬢の総監督だろ?お前の一言で俺たちはまた集まってライブするよ」
「ほんとうですか。」
「本当だよ、なっひろこ。」
「うんうん。だから莉空は笑顔でいて!」
「わかりました。じゃぁ先輩が卒業して1年後!またライブしますからね!」
「あはは(笑)楽しみに待ってるね!」
GEKOKU嬢としてのラストライブ(仮)、とはいえアリスが言った通り卒業したからって俺たちはライブを続けるし、今回のライブもタイトルにはラストともつける予定もない。
今回GEKOKU嬢の単独ライブとは名目上なっているが、そんなの嘘である。はっきり言おう。タイトル詐欺である。
俺はお祭りがしたい!って打ち合わせで伝えたら、「それであれば単独ライブではなく、サプライズでAKB48グループが参加する、AKB48のライブにしませんか?」と演出家に提案され、あれよあれよと決まっていった。
間違いなくこのライブは伝説になるだろうな。
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ライブ前日
箱はかなり大きい場所を今回用意している。
単独ライブってことにはなっているけど卒コンだしこのぐらい大きくないとおそらく倍率はやばいことになりそうだったからな。
参加人数も多い為チームごとにリハ時間も場所も決められて混雑しな形を取ってるものの、それでもスタッフさんも含めるとかなりの人数が行きかう。
おーおー。いたるところでメンバーがリハしている光景は圧巻だわ。それにいたるところでカメラが回ってるみたいだ。
「よーみのり」
「ゆうこ先輩!あつこ先輩も!」
「ねぇ明日は暴れていいんだよね?」
「どう暴れるかは知らないっすけど、ファンが喜ぶことであれば!」
ゆうこ先輩もあつ子先輩も暴れるのか。。
このライブどうなっちゃうんだろ。展開がみえぬ。
「みのり姉!」
「お、雅希か」
「あれ?ひろこ先輩は?」
「今着替えにいってるよ。今回卒コンも兼ねてるから多いんだよまるでファッションショーする見たいにすごいことになってるぞ」
「ちょっと挨拶してくる!」
「あんま迷惑かけんなよ!」
「みのりー」
その後俺は色々な人に声を掛けられてGEKOKU嬢の楽屋に戻れたのは2時間後だった。
「おそーいです!」
「ごめんて!アリス!」
「それであった?」
「ありました!なんで私が持ってたのかはわかりませんが。」
じゃんけん大会で使ったひろこ風ウィッグを今回ネタで使ってみようと考えている。
なぜアリスが俺のウィッグを持ってたのかは謎である。あいつなんか企んでたな?
「さんきゅ!」
「岡部はなんかやらないの?」
「別に卒コンは仮装の場じゃないでしょ?歌と踊りで表現しなさいよ。あなたもアイドルでしょ?」
正論言われたわ。
その後のリハはGEKOKU嬢中心に行われた。ひろこも衣装合わせ等が終わったようで参加してくれる。
「ひろこさ、この時立ち位置変更しない?」
「え?でもみのりいいの?」
「いいっていいって!今回ひろこがメインなんだからさ!」
俺はセンターを明け渡す。
「この際、私たちの曲すべてひろこセンターやりなさいよ」
岡部が提案する。それいいな!
「えー!そんなの悪いよ!」
「いいじゃん!俺も賛成だよ!」
遠慮するなって!
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本番当日
GEKOKU嬢の定番になっている朝MCを行い当日リハに向かう。
一つ残念な事があるとしたら、マスコット大作戦は本日行わない。トラブル防止とのことだ。残念。
会場の裏では車が行き交い続々とメンバーが秘密裏に会場入りする。
いよいよ本番が近い。
「ひろこ緊張してる?」
「ううん、不思議と緊張していないんだよね」
強いなひろこ。
ひろこの影アナが流れる中、裏では円陣が組まれる。
いつも4人で円陣を組んでいたけど今日は50人近い人数で円陣を組む。
いつもアリスがてきとーな感じで円陣をやってたけど今日に限り俺が仕切る。
「私たちGEKOKU嬢のイベントに参加してくれてありがとう!」
「今回はひろこの卒コンも兼ねてるので思い出に残るライブにしましょう!」
「最後にたかみな先輩締めてください!」
「え?私!?」
「えっとじゃぁみんな楽しくケガなく最後まで頑張りましょう!」
「それじゃーいくよー!」
「「「おー!!!」」」
会場のメインモニターにはカウントダウンが表示される
それに合わせるようにファンがカウントする
「6! 5! 4! 3!」
ドキドキていうかワクワクしてきた!
「2! 1!」
0のカウントが表示される直前にそれは起こった。
「このライブ待ったー!」
「私たち」
「AKBがこのライブをジャックする!」
「ARE YOU
READY?
AKB48」
overtureが流れ始めファンはどよめきと歓喜に満ち溢れる。
「おーおー。すげー盛り上がってるなぁ」
「あはは!私もファンなら同じ気持ちになるよっ!」
「よっしゃ!俺たちも行こう!」
【Everyday、カチューシャ】が流れAKBメンバーが流れ込むように登場する。
♪ ♪
大盛り上がりの中、俺たちGEKOKU嬢が登場するとファンから悲鳴に似た声援が送られる。
曲も終わり、ゆうこ先輩がMCをとる。
「えー皆さんビックリしました?」
「実は今日!GEKOKU嬢の単独ライブ。。ではなく!」
「じゃじゃじゃんーん!」
メインモニターに映し出された文字は
【AKBグループ 吉永寛子卒業コンサートスペシャルサプライズinGEKOKU嬢】
「えー。はい!というわけで大変な事になりましたね!」
「みのりが誘ってくれないからさぁ、出ちゃったよね!」
「いやいや!ゆうこ先輩ドラマとか忙しいじゃないですか!気がする誘えないですって!」
「それを言ったらみのりだってハリウッド映画とかで忙しいじゃんか!」
「まぁそうですけど。」
「みのりっち。私ぐらい誘ってくれてもよくない?」
「たかみな先輩まで!」
堂々巡りのMCは笑いが絶えなかった。
「えーまだライブも始まったばかりです!最後まで楽しく盛り上がっていきましょう!」
俺が一度MCを終わらせ次の曲へ進む。
その後の曲でも盛り上がりの連続だった。
AKBの選抜メンバーをバックダンサーに使うとかありえない事をしてみたり。
楽器が出来るメンバーで生バンドをしてみたりすんごく楽しい時間だった。
楽しかったよ、うん。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていくものだ。
最後にひろこからファンに向けて挨拶を行う為一人、スポットライトが当たっているセンターに歩みだす。
一呼吸置き5秒ほど頭を下げた後マイクスタンドへ向かう。
「10か月前ぐらいでしょうか、卒業発表してからあっという間にこの日が来てしまいました。」
「まずはAKBの運営さん、マネジャーさん、今まで本当にありがとうございます。」
「特に戸賀崎さんには感謝の気持ちでいっぱいです。私が不祥事を起こした時に、『辞めるんじゃない。全てを背負って踊って見せろ』と私を鼓舞してくれました。」
「あの言葉がなければ私はとっくにAKBを卒業していたと思います。」
「それに秋元先生。」
「私を見つけてありがとうございます。なぜ今も合格できたのか不思議に思うこともありますが(笑)」
「合格できた理由、あとで教えてください!」
「メンバーのみんなっ!こんな私とたくさん良くしてくれてありがとう!何年何十年たっても忘れない思い出になりました!」
「そしてファンのみなさん!」
「色々と問題ばかり起こした私を支えてくれてありがとうございます!」
「問題を起こした数はAKBでナンバー1かもしれません。それでも!」
「吉永寛子という不器用なアイドルを推してもらって感謝の気持ちでいっぱいです!」
「これからもAKBのファンとしてみんなの事を支えて欲しいなーって勝手ながら思ってます!」
「最後にみのり!」
「私をここまで導いてくれたのはみのりのおかげだよ!本当に!本当にありがとう!」