AKB49 エターニティ   作:とらとらこ

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9.契約

あっと言う間の1ヶ月だった。あの出来事から岡部は遠慮せず俺を誘ってくるようになった。

あまりに近づいてくるのでアリスはキレそうになっているが、岡部は気にする様子はなく左側を占領する様になる。

俺も公演に向けて順調で周りから見ても完璧なぐらいみのりに戻った。

 

そして本日HPにてみのりについての報告とその後LIVE中継が行われる事が発表される。

 

——-

 

『NEWS』 NEW

 

《AKBグループの【新メンバー発表】に関しまして》

 

いつもご声援ありがとうございます、ラジオにて発表いたしました”浦川みのり”との契約についてお知らせいたします。

 

“浦川みのり”は弊社AKBグループとして契約を交わした事をここにご報告いたします。

また、同時に”岡部愛”とも契約を交わした事をここにご報告いたします。

 

詳細につきましては本日夜LIVE配信にてご説明いたします。

また、プロフィール写真、撮り下ろし写真を公開しておりますので是非ご覧ください。

 

——-

 

何故【AKB】としての契約ではなく【AKBグループ】としてなのかは意味があり、エレーナの事務所とも関わりがあるみたいでそうなったらしい。

 

俺たちはAKB所属の契約ではなく、実際にはAKBグループの運営陣側としての契約となる。

今の肩書きはAKBグループ GEKOKU嬢の浦川みのり との事だ。

 

「・・ふぅ。発表された。」

「あんたがそんな状態だったから私まで緊張したじゃない!」

「これでみのり達もまたAKBメンバーだね!」

俺は発表前までガチガチに緊張していたが、やっと正式発表されて肩の荷が下り、一度落ち着きを取り戻す。

 

「レッスンもほどほどにして向かおっか!」

「ええそうね」

 

俺たちはこの後LIVE配信があるレッスンスタジオからAKB劇場に早めに移動する。

今日の公演はお休みになっており、ごく一部の関係者しか劇場に入れないらしい。

俺たちは到着後すぐ楽屋に通され少し懐かしさを味わいつつLIVE配信の時間までスタッフから今日の流れを聞いたところで時間になる。

 

——

 

「戸賀崎です。皆さまお待たせしました。」

「只今より”浦川みのり”及び”岡部愛”の契約についてご説明致します。」

「既にAKBを卒業してる両名ではありますが、この(たび)AKBグループとして契約を交わしました。」

「そして、”浦川みのり”、”岡部愛”、弊社AKB48チームK“吉永寛子”と共に【GEKOKU嬢】を再結成し、活動を開始致します。」

 

スタッフに誘導され俺たちはカメラ前に出る。

 

まっ眩しい。

この感覚久しぶりだ。

俺は笑顔でカメラの前で手を振る。

 

「まずは”浦川みのり”、”岡部愛”より挨拶をお願いします。」

 

率先して岡部が前に立つ。

「岡部愛です。まずは謝罪からになりますが、自分勝手に卒業してしまって申し訳ございません。」

岡部は頭を下げる。

「批判の声もあると思います。私はそれを誠意に受け止め今後に活かしたいと思います。」

 

「皆様よろしくお願いします。」

 

俺も吉永もスタッフみんな拍手で迎えた。

 

岡部が軽く頭を下げ、俺と立ち位置をタッチする。

いよいよ俺の出番だ。

 

・・・よし!いこう!

「えー浦川みのりです」

「私もまずはこの機会を与えてくれた関係者様、そしてファンの皆様に深く感謝致します。」

 

「私がこの場にいるのも皆様のおかげです。」

 

「・・私は、この場に立っていいのかまだわかってません。正直ないと思ってますし、【ケジメ】もつけたと思ってます。」

 

「でも許されるならまたこのステージに立ちたい!」

おそらくあの卒業公演に来てくれた人しか【ケジメ】の意味はわからないであろう。

岡部もひろこも真剣な目で俺を見つめてる。

「私を育ててくれたみんなに恩返しがしたい!」

「・・・この話を頂いた時に秋元先生から未練はないのかと言われました。」

「私は答えられませんでした。答えられないこそ未練があるのではと。」

 

・・・

 

「すーっ!私はまたアイドルとして道を歩みます!」

「何かに(つまず)いたりすると思います。でも私はもう後悔したくない!」

 

「これからもファンの皆さんに支えられながらですが成長していきたいと思います。」

 

「よろしくお願いします!」

 

俺も拍手で迎えられる。

 

「えー最後にGEKOKU嬢のリーダーになります、吉永より挨拶をお願いします。」

 

「皆様本日はLIVE配信をご覧頂きありがとうございます」

「またこの3人とユニットを組めて私にとって夢のような出来事のようで興奮しています。」

「私にとっては夢の続きです。」

「このような機会を与えてくれた皆様には感謝しきれません!」

「皆様も私たちと一緒に夢の続きをこれから見てほしいと思ってます。」

 

「簡単ではありますが本日は私たちの為に時間を割いて頂きありがとうございました!」

 

「「ありがとうございました!」」

 

戸賀崎さんがマイクをとり

「これからもGEKOKU嬢を宜しくお願いします。」

「早速ではありますがGEKOKU嬢の1stライブが開催される事が決定しております。」

「日時は1ヶ月後で、場所は××ビルとなります。」

 

俺たちは事前にアフロディーテに会場は何処が良いかと聞かれており、大規模イベント会場など候補にあったのだが、俺たちは××ビルを選んだ。

なんたってこのビルは俺たちがGEKOKU嬢時代の時、工事現場を手伝っていた場所に立ったビルだからだ。

この案を出したのはひろこで、俺も岡部も満場一致でこの会場を1stライブ会場に選んだ。

せいぜいキャパは300人ほどだろう。小さいが俺たちのスタートには丁度よい。

 

「ライブのチケット販売に関しましては明後日発表致します。」

「以上で”浦川みのり、”岡部愛”の契約について。”吉永寛子”を加えた【GEKOKU嬢】の再結成についての発表を終わります」

「ありがとうございました」

「「「ありがとうございました!」」」

 

——

 

LIVE配信が終わりスタッフさんから温かい拍手が送られる。

 

はぁ!きんちょーした。。

人前に出るのも1年ぶりだしなぁ。

 

緊張が解かれ落ち着きを取り戻そうとしてると、男性が声を掛けてくる。

 

「久しぶりだな、浦川に岡部。」

俺たちはその声に振り向く

 

「戸賀崎お久しぶりです!」

俺はそう答えたが、岡部は少し居づらそうに下を向いている。

黙って卒業してるからな岡部は

「岡部、別に俺は黙って卒業したことは怒ってないぞ。」

「むしろ俺は今でもお前たちを娘だと思ってる」

「親が夢を応援しなくてどうする!」

 

「浦川お前もだ、、よく帰ってきた。よく帰ってきた!」

戸賀崎さんは泣きながら俺たちの頭を撫でてくれる。

「・・・戸賀崎さん。俺男なんで!その。そうされるとキモいっていうか。」

 

「すっすまん!とりあえずなんだ、お前たちこれからもAKBを宜しく頼む!」

少し恥ずかしそうに戸賀崎は去っていった。

 

俺たちも楽屋に戻ろう。

 

楽屋の椅子に座った瞬間全ての力が抜けたみたいに机に体を倒す。

 

「疲れたー」

「みのりも岡部先輩もガチガチだったね!」

「あ、当たり前だろ!久しぶりぶりなんだから。」

「私は緊張とかじゃなくてその・・・」

話の途中だったが楽屋のドアが開き秋元先生が入ってくる。

「お前たちちょっと」

「はい?」

ん?なんだろ?

「今すぐ移動の準備をしろ」

「え?どういうことっすか?」

「行けばわかる、浦川お前は【ここ】に行かないといけないんだ」

 

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