はじめましての人ははじめまして、はじめましてじゃない人は、、、なんだろちょっと考えるので5時間ください。
ちなみに、じしょばんわとは”自称”と”こんばんわ”を組み合わせた輪廻転生な挨拶です。
まあ特に難しいことは考えずトイレのお供にでもお楽しみください((´∀`*))
ちなみにストックなどは異次元に吸い込まれたもとい準備してませんので、のんびりと更新していこうと思っています(*'ω'*)
お昼休み。
お弁当を5分で平らげ、残りの1時間25分を図書室で過ごす。
それが彼、
今日もまた気になる本を見つけ、ほぼ葉太の指定席となった窓から一番遠い薄暗い場所に座る。
…瞬間、その席の隣に座る少女に気付いた。
正確には。
「ぐごぉぉぉぉぉ」
おっさんのようないびきをかいて眠る少女に。
静かなはずの図書室に響くいびき。
少し離れた席の真面目っぽいメガネ君に睨まれ慌てて少女の背を揺する。
「栞ちゃん!栞ちゃんってば」
小声で声を掛けつつゆすると、少女のいびきが止まる。
「ぐごっ」
美少女感0の声を出した栞と呼ばれた少女はバっと起き上がる。
そして。
「「痛い!!」」
思いっきり彼の顔に頭突きした。
「痛いっす……」
「いやむしろ僕の方が痛いでしょ……」
頭VS鼻の勝負は鼻の完全敗北で、葉太は痛さと異常な鼻の冷たさに泣きそうになっていた。
頭の痛みが引いたのか、彼の方を見る少女。
そして。
「わぁ、先輩だぁぁぁ!!」
嬉しそうな笑顔、声とともに抱き着いてきたのだった。
無論、彼らがそろって図書室を追い出されたのは言うまでもない。
「おーもーい!!」
「先輩、美少女に重いとか無しっすよー」
図書室を追い出されて数分。
なぜか栞をおんぶして廊下を歩くという状況になっていた。
すれ違う生徒たちが一瞬顔を向けるが、彼らだと気づくとすぐに顔を戻す。
割と日常茶飯事な状況であった。
「で、どこまでお送りすればいいのでしょうか、お嬢様?」
「よっしゃ、目黒まで頼むぜ運ちゃん」
「悪い、せっかくお嬢様と執事的な設定作ったんだから完全無視はやめてくれないかな?あとここから東京まで行けと?」
「電車で3時間ぐらいっすよー」
「歩いて何時間っすかー」
目黒はともかく、適当にぶらぶらと歩く。
学年ごとに階を区切ったこの校舎だが、葉太の学年である2年生階でも栞の学年である1年生階でもなくなぜか3年生階を歩く2人であった。
「この先に家庭科室があるっすよ、先輩」
「もちろん知ってるけど」
というか、4月に入学して10日も経ってない彼女がなぜ知ってるのかという疑問があるくらいだが。
まあ、それはどうでもいい。
葉太としても別に興味もなかった。
「今日は3年2組が授業でクッキーを作ったらしいっすよ」
「どこからの情報かはあえて聞かないけど、僕そのクラスに知り会いいないよ?」
「自分もっす」
「じゃあ分けてもらえるわけないでしょ」
「そこはアレっすよ先輩のコミュ力でどーんって」
「どーんって行った結果が目も当てられなくなるけど」
ほのかに残るクッキーの匂いに未練を残しつつ階段を降りる。
一段降りるごとに栞の重さとほんの僅かの柔らかさを感じつつ1番下の階に。
「栞ちゃんお昼まだでしょ。食堂まで送っていくからなんか食べといで」
「えー、先輩の手作り弁当は?」
「急に言われても用意できません。ご予約は半年前までによろしくお願いします」
「それ届いたころには忘れてるやつじゃないっすか」
食堂に着いて栞を下ろそうとするがなぜか必死に掴まれる。
「先輩先輩、まさか自分一人で行かせるつもりっすか?」
「え、そのつもりだけど。僕もう食べたし」
「自慢じゃないですけど、自分の財布の中50円しかないっすよ」
「ホントに自慢じゃないね」
持ち歩く意味があるのかというレベルの財布である。
別に葉太が出してもいいのだが、それを言ったら恐らくこの後輩は高いものから順番にガンガン注文するだろう。
で、食べ切れなくて葉太が無理して食べる羽目になるのだ。
仕方なく栞を背負い直し食堂を出る。
そのまま近くのドアから中庭の方に出る。
「せんぱーい、どこ連れてく気っすかー?」
「うちの部室。確か買い置きのカップラーメンぐらいならあった気がする」
「えー、カップラーメンっすか…」
「文句を言える立場かい、キミは」
手持ち50円ガールの不満はスルーして文化部の部室棟に向かう。
2階の隅にあるのが葉太が所属する部活『文芸部』へと入る。
「うわぁ、相変わらずスゴイ本っすねぇ」
「ほとんど部長の趣味のやつだけどね。えっと確かここに…」
部室に着いた途端、背中から降りて本棚を眺める栞。
身軽になった葉太はしゃがんで下の棚を探す。
「あった。ほい、栞ちゃん」
「うっす、お湯沸いてるっすか?」
「そんぐらい自分でやってよ」
ブツブツ文句言いながらも備え付けの電気ケトルを持って廊下で蛇口で水を淹れて戻ってくる葉太。
栞はというと、テーブルで足をぶらぶらと暇そうにしていた。
その態度に若干イラっとしつつ電源を入れる。
「先輩、レッドフォックスとグリーン…タヌーキどっちにします?」
「ラクーンドッグだよ。わかんないなら無理やり英語にするんじゃないよ」
そう言いつつ緑の方を受け取る。
お湯が沸いたのを確認しそのままじゃばーっとカップに注ぎ込む。
「あああああああ!!!!!なんで自分のお湯使ってるっすか!?」
「え?これ僕が僕のために沸かしたお湯ですが何か?」
「うぜぇっす!この先輩まじでうぜぇっす!!」
栞が地団駄踏んでイラつくのを見ると、満足気な顔で水を入れて戻ってくる葉太。
沸くのを待って、彼女のカップにもお湯を注ぐ。
「はいどうぞ、栞ちゃん」
「はいどうも、先輩っ!」
そして五分後。
食べにくいだろうにテーブルに背中を向けて持って食べる栞と、普通にテーブルに置いて食べる葉太。
ぷんぷん怒った栞と、にこにこ笑顔の葉太。
真逆の様子の二人の昼休みはダラダラと、そしてのんびりと過ぎていくのだった。
佐野 栞(Shiori Sano)
学年:灯ヶ瀬学園中等部1年4組
年齢:12(誕生日で13)
容姿:身長は同年代よりかなり小柄な138センチ。明るい茶色のセミロングの髪の美少女。胸は近くで見ればほんのわずかにあるのがわかる程度。
性格:明るいバカ。『っす』を付ければ敬語になっていると思っているレベルのバカ。とにかくバカ。
趣味:運動、昼寝
部活:陸上部(サボりがち)
好きな食べ物:ジャンクフード(体に悪いものは正義っすby栞)
備考(作者より):喋り方から某〇崎ちゃんが思い出されるがこの小説は5年ぐらい前に書いたのを掘り起こしたので全然関係なかったりする。