見づらかったらごめんなさい
やる気のない大将の場合
「俺の財宝か? 欲しければくれてやる
探せ! この世のすべてをそこに置いてきた」
海賊王「ゴールドロジャー」が言い放った一言により始まった「大海賊時代」
人々は海賊王の残した宝を求めて海に出た
それから20数年が経ち、
その少年の名は「モンキー・D・ルフィ」
これから始まる冒険に期待を膨らませながら彼は大海に乗り出す―――
―――そんな話とは一切関係がなく
場所は変わりここは
海賊たちが
もしもその時情報通な仲間が船に乗っていたら、
あるいは親切な人が教えてくれるなら口をそろえてこう言うだろう
「絶対に行ってはいけない島を通る航路が一つだけある。
それ以外の航路ならどれを選んでも最終的に同じ場所へ行ける」と
もしも行ってしまったらどうなるのか? と聞くならばこう答えてくれるだろう
「民間人なら破滅し、海賊なら次の行き先はインペルダウンになるだろう」と
その島の名は「ボッタクーリ島」島の名前を考えたやつの精神状態を疑うような
それこそ馬鹿な人しか来ないような名前である―――
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ボッタクーリ島」は春島と呼ばれる比較的安定した気候に恵まれた島である。
島の北部には火山があり、島の南部には森が広がっている自然豊かな島で
観光に来る人も少なからずいる。
そんな南部には「カス村」と呼ばれる小さな村落がある。
海沿いにある村落で、村に住む人々は海へ漁に出たり
少し離れたところにある畑で作物を育てて生計を立てている
そんな「カス村」のはずれにあるとある岸辺
人気のない場所でありここからなら遠くを見ることが出来る。
また、あまり岸壁は高くなく狭いながらも下に降りると浜辺もある。
頑張ればこの浜辺に行くことも可能だろう。
人々の喧騒から離れている静かなその場所は、
波が岸壁にぶつかる音や潮風も相まって癒しを求める人にとっては
邪魔が一切入らない絶好の癒しポイントだろう。
そんな癒しポイントに似つかわしくない姿のおっさんが二人、釣り針を垂らしている。
あたりには日中にもかかわらず冷気が漂っており、まるでここだけ冬島なのではないかというほどには冷えている。
あたりには氷柱が散乱しており、このおっさんたちはそのうちの一つを
それぞれ椅子として使っているようだ。
おっさんの一人は30代くらいだろうか? 白のタンクトップと短パンを着ており
その上から「正義」と書かれたコートを羽織っている。
日焼けをしているのか肌はやや黒く、短パンから見える足は
まるで丸太のような太さを誇っている。
そして胡坐をかきながら釣竿を持つおっさんの頭はハゲている
まるで太陽のごとくまぶしいくらいには輝いていた。
一方のやる気のなさそうに釣竿を持っているおっさんは
白を基調としたスーツと青いワイシャツを着ており、
今は座っているからかわかりにくいが、体は大きくしっかりしている。
そしてその頭にはアイマスクが付けられており、あくびをしてるそのおっさんの頭は
まるで雷雲のようにとてもモジャモジャであった。
輝くおっさんがモジャモジャに話しかける。
「なぁ大将、俺そろそろいけるかな?」
モジャモジャはうーんとうなりながら答えた。
「あー、確かまだあんちゃん返済終わってないはずだ、だからまだ駄目だな」
そういいながら輝くおっさんの羽織っているコートから紙の束を取り出す。
ペラペラとめくり、目的の紙をそこから取り出すと
「あららぁ? どうなってんのこれ
詳しいこと書かれてないんじゃないの」と言いながらおっさんに見せる。
その紙には輝くおっさんの写真と名前、「ONLY ALIVE」という文字
そして懸賞金のところには「時価」と書かれていた。
「あんちゃん、今度は何やったの? さすがに時価はないだろ
今までこんな手配書見たことないな」
「ただツケ払いで料理を頼んだだけだ
うちの村のカナデちゃんが結婚してな? そのお祝いだ」
そう勝ち誇った顔をしながらおっさんが話すと
モジャモジャはため息をつきながら話す。
「あそこは天竜人が行く店だからな
まぁなんだ、別の店でーー「いや、ダメだね」あー、そう」
「まぁいいや、んで確か前は3千万ベリーだったよな? そこからどうなったんだ?」
そう聞くとおっさんは
「そのあとは確か150万ベリーの賞金首を届けたろ?
そのあとに250万ベリー、あとは海軍と協力して500万ベリーの賞金首を捕まえて
200万ベリーもらったな、んでカナデちゃんの結婚式で700万ベリーを使って、
50万ベリーの賞金首を捕まえたんだ。あとは昨日失恋慰め会で35万ベリー使ったわ」
とすらすら答える。そして
「...ところで俺って懸賞金いくらなの?」と頭を掻きながらモジャモジャに聞くと
「んー、150万と、250万と、あとは500万で...
まぁぼちぼちだな」
おっさんからえぇ...という声が出ているが気にせずモジャモジャは続ける。
「まぁ、まずはこつこつ返すところからだわな、あそこの店はあんまりいい噂は聞かないから
別のところでそういうのやりなさいよ」
ツケで賞金首にしてくるやつだからなと言いながらモジャモジャは
釣り上げた魚を針から取り外すと海へと帰す。
「わかってはいるんだけどついなぁ...」
そういいながらおっさんは釣り上げた魚を針から取り外すと
穴を掘って作った生け簀に魚を入れる。
「あ、だったらやっぱり海軍に入れてくれよ! そうしたらほらこつこつ返済できるぜ!」
そう目を輝かせながらおっさんはモジャモジャを見る
はたから見ればまるでおもちゃをねだる子供とねだられている父親のようだ。
「あー...入れてやりたいのはやまやまなんだが...
やっぱりセンゴクさんの言う通り返済が終わってからだな、
一応あんちゃん賞金首だしな」
そうバツの悪い顔をしながらおっさんを見る。
明らかに落ち込んでいる様子はまるで子犬のようである
最も、これがナイスバディな女性ならいざ知らず、
男(しかもマッチョ)なのでトキめいたりはしないが。
「...まぁ流石にかわいそうだから今回は50万ベリーだな
残りの200万ベリーはあんちゃんにやるよ」
そういいながら椅子にしている氷柱を叩く
よく見ると中には立派な髭をした、まるで「ゴールドロジャー」のような見た目の人がいた
「はじめはあの伝説の人が生きてた!
って思ったんだけどなぁ...まさか一発殴っただけで倒せるなんて」
「あー...まぁ見た目だけだったわな名前は確か...コスプレの...なんだったか
...まぁ、いいか」
そういうと二人のおっさんは前を向きなおし、再び釣りに集中する。
実は今回は「先に10匹釣った方が賞金総取り」という約束をして
釣りが始まっていたがお互いに忘れているため、
モジャモジャがなんか得した感じになっているのを
彼らは知らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おっさんの生け簀に入りきらないほどの魚が入ったころ
真上にあった太陽は傾き、オレンジ色の光があたりを照らす。
あたりに漂っていた冷気はやわらぎ、耳をすませば
子供たちが大きな声で別れを告げる声が聞こえる。
モジャモジャは飽きたのかアイマスクを付け、座りながら寝ている。
その横にはいつの間にか1mくらいだろうか?
大きなペンギンが横に座りながら氷柱をかじっている、どうやら氷が食べたかったようだ。
今はあまり輝いていないおっさんが釣り上げた魚をどうしようか考えていた時
ふと海を見ると遠くに船影らしきものを見かける。
初めは頑張って見ようとしていたが、距離が遠すぎて無理だったため
結局おっさんはモジャモジャを起こしてみてもらうことにした。
モジャモジャは
「んぁ? あーちょっと待てよ」と言いながら、
未だにおっさんが羽織っていたコートから単眼鏡を取り出す。
おっさんが「それなんだ?」と目を輝かせながら訊ねる。
「これは遠くを見ることが出来る道具でな、詳しくはわからんがとにかくそうらしい
使ったことないなら使い方教えてやるよ」
そういいながらおっさんに使い方を教える、簡単だったのかすぐに使いこなせたようだ。
「んで、何が見えたんだ?」
そういいながらおっさんを見る、いつの間にか奇妙な体勢で単眼鏡を覗いている。
使えているようだからと思いモジャモジャはツッコまなかった。
「えーと...あ、あれって海軍の船か、少しデザイン変わった?」
「あー、確か変わったらしいな...まぁ俺は船に乗る機会あんまりないからわからないな」
「あ、船首に誰か立ってるな? 誰だろう?」
「あー...一応見た目教えてくれ、対策練るから」
そういうとモジャモジャは横にいたペンギンを氷柱から引きはがすと、
なだめながら長い氷の棒を作り出して海に投げた。
かじりついていたペンギンはそれにつられて海へと帰っていった。
「えっと、まずはコート羽織ってる」
「まぁ、海軍だからな、そいつがその船のトップだろうな」
「んで海軍の帽子被ってる」
「まぁ、海軍...だからな?」
「あとは、ひげ生えてる」
「男か、ひげは白かったりするか?」
「いや、黒いわ。あとすっごく長いし三つ編みっぽい」
「あー...、一応他には?」
「頭にカモメが乗ってる」
「...あんちゃん覚えておきな、それがあんちゃんの未来の上司だ
さて、俺は逃げるとするかな」
そういうとモジャモジャはおっさんからコートを受け取り
じゃあ返済頑張れよと言いながら岸壁をよじ登ろうとする、
いつもの自転車は村に置いてきたようだ。
「そういえば大将、空跳ばないのか?」
「やったらバレる! もう反省文は書きたくない!」
そういいながら崖を登りきり、村まで駆けていく
何か悪いことしたのかという声は岸辺に打ち寄せる波の音にかき消された―――
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
―――やっぱり黄昏時は別れの時なのだろうか、急いで帰る姿はまるで
子供が親から「帰るよ!」と言われ子供が駄々をこねて走り去る、そんな場面を想像してしまう
また会えるかもしれないが、やはり別れは寂しいものだ―――
としみじみと老け顔の男が考えていると遠くの軍艦から黒い物体が村のほうへ飛んでいく
ふと軍艦を見ると進む速さが早くなった気がする。こちらに気が付いたのだろうか
ちょうどいいし、ここで引き渡してしまおう。
「おーい! ここだー!」とあらん限りの大声で叫ぶ
軍艦から声が聞こえる「ここに泊めても大丈夫かー!」
「大丈夫だー! 今から賞金首連れてくから待っててくれー!」
そう叫びながら男は氷柱を担いで海へと向かう、火照った体にはちょうどいい冷たさだった。
「まてまて! 今からそっち行くから! 危ないから!」
「いーや! 悪いから! 申し訳ないから! 届けるー!」
そのやり取りが5分ほど続けられたのち、海兵たちと男の手によって氷柱はすべて運び出された
手慣れているのか、すぐに回収作業は終わった。
男と海兵の「どっちが腰が低いか勝負」の決着がついたころ、
村のほうからカモメを頭に乗せた男性がモジャモジャを縛って連行してきた。
実は賞金首なのかと聞くが違うと言う。海軍にはまだ知らないルールがあるようだ
そして海軍の人たちと別れを告げ、釣った魚を海に帰し帰路に就く
明日からはまた漁に出る、そうしていつか安定した収入を得られる海軍にはいるんだ
「うぉー! やったるぞー!」そう男は叫び村へと走る、
まるで夢を追い求めて夕日へ向かって走る少年たちのように
そしてモジャモジャの断末魔の叫びは大声によりかき消され、届くことはなかった―――
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
―――ここは
海賊たちが
もしもその時情報通な仲間が船に乗っていたら、
あるいは親切な人が教えてくれるなら口をそろえてこう言うだろう
「絶対に行ってはいけない島を通る航路が一つだけある。
それ以外の航路ならどれを選んでも最終的に同じ場所へ行ける」と
もしも行ってしまったらどうなるのか? と聞くならばこう答えてくれるだろう
「民間人なら破滅し、海賊なら次の行き先はインペルダウンになるだろう」と
その島の名は「ボッタクーリ島」またの名を
それこそ
まずは表現により傷ついた方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。
独特な書き方をしておりかつ、稚拙な文だったと思いますが
閲覧していただき、ありがとうございます。
自己満足でゆるゆる書いていきますので
今後ともよろしくお願いいたします。
今のところ全三話予定で、それよりも続くかは
作者の筆が乗るか需要があればの予定です。
評価、感想等あれば受け付けております。
以下補足と個別後日談と出てきたキャラの紹介です
見なくてもあんまり影響はないはずです
モジャモジャ→青雉(クザン)
輝くおっさん=男→男主人公
カモメを頭に乗せた男性→センゴクさん
男主人公:スキンヘッドです。そこまで強くはないです。年齢は20代
海軍入隊志望ですが借金という名の賞金首(店主からの苦情により)のため
借金返済をしている漁師兼賞金稼ぎです
なんやかんやで海軍から150万ベリーをもらったので
現在は2935万ベリーの賞金首です
時価になったのは変動が多くて面倒になったから
気前がいいのでチップをよく海兵さんたちに支払っています
青雉:言わずもがなやる気のない海軍大将です
今回は任務の帰りに10日ほど寄り道をしたうえでこの島で
男主人公に会いに来ました
その結果ついにばれ、ちょうど近くにいたお偉いさんに捕まり
反省文を書かされました
ついでに50万ベリーは回収されました
センゴクさん:海軍のお偉いさんです。苦労人です
元帥なのでこんなところにはいないはずですが
どこかの中将もさぼっていたのと天竜人の護衛のため
出張してました
留守はきっと大参謀な人がなんやかんややってるはずです
青雉を捕まえ、天竜人の護衛を引き継いだ後
近くの島で遊んでいた中将を捕まえに行ったそうです
カナデちゃん:モブです。美人さんです。今後の出番は(恐らく)ありません。
ボッタクーリ島:海軍大将が遊びに来たり、天竜人がよく来たりと
海賊、民間人からみて最悪な島。
天竜人の来るスパンは大体3~4ヶ月おき
天上金はぼったくっているのでしばらく安泰
観光客は天竜人が来ない日を予測し、緻密な計画を立ててきています。
もし居合わせてしまったら頑張ってしのいでます