誤字脱字あれば蔑むような眼で指摘お願い致します。
二話目にしてあらすじ詐欺した気がします、人によっては閲覧注意かもしれません。
ここは
島の南部は森が、北部には火山が
そして海の近くには村がある。
しかし、そこにしか人が住んでいるわけではなく、
実は火山のふもとにも大きな都市がある。
元はこの一帯では地下水がマグマにより温められてできた
所謂火山性温泉がいくつか存在しており、
その温泉を中心に商人が集まり、いつの間にか集落ができ、
それから村、そして町へとなった。
当時の町長はさらにこの町を発展させようと、
文化が進んだ別の島に行き技術を持ち帰ることを目標にした「使節団」を結成した。
15年という長い年月をかけて戻ってきた使節団は地熱を利用した発電方法と
発生した電気を使って動く機械の発明に成功した。
その結果、その町は温泉を中心とした観光だけではなく、
発明した機械による新しいサービスの提供、つまりは
「アミューズメント」業も町の中心産業となった。
先祖が商人だった住民たちは自分たちが得た技術を容易には外部に漏らさず
お互いに団結し島の発展へ尽力した結果、
他の島の追随すらも許さない近未来な技術都市へと発展を遂げることとなった。
近年では「世界有数のリゾート地」として有名になり、
ついにはうわさを聞きつけた天竜人までも通うほどの都市になった。
そのせいで売り上げは下がったが、
最早魂レベルで商魂逞しい都市の住民は見事Ⅴ字回復に成功
現在では暗黙の対策も練られ、観光客も増加傾向にある。
そんな商魂たくましい都市の名は「ウワズミシティ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ウワズミシティ」には他の島にはあまりない施設が多く存在する。
例えば温泉施設にあるものだと電気を使って水流を作る流れる温泉や、
どれかボタンを押すことで自動的に飲み物が出てくる自動販売機なんていうものもある。
その中の一つに「サウナ」という温泉施設がある。
地熱によって温かい水蒸気が地表から出てくるのを利用し
密閉した部屋に充満させ、熱さを楽しむという施設である。
時期によりあまり熱くない水蒸気が出る場合は
電気式の暖炉を使って室内を温める。
わりと人気のある施設であり、利用している人は「サウナー」と呼ばれている。
大体5~10分程度入り、その後外にある水風呂に浸かって体を冷やしたり
飲み物を飲みながら休んだりするのが一般的とされている。
そんなサウナ室の中、いつもはサウナー同士近況報告や雑談などをしており、
にぎやかな雰囲気だが今日は違った。
というのもかれこれ20分くらい入っている
堅気ではない存在感を放つ二人組のおっさんに圧倒されてしまっているようだ。
上部に設置されている電気式の明かりの加減も相まってより雰囲気が増している
ようにも見える。
二人組のうち一人は30代位だろうか? 首にかけている白いタオルのせいか
普通に見るより日焼けした肌がより黒く見える。
鍛え抜かれた筋肉は無数の傷がついているものの、まるでボディビルダー
のごとく仕上がっている。
ずっと険しい顔を浮かべ、汗で全身が光っているのも相まって
存在感を放っている。
もう一人の角刈りのおっさんはずっとしかめっ面をしている。
隣にいるおっさんのおかげで分かりづらいが一般的な人よりも大きい。
こちらも負けず劣らず険しい顔をしているものの、額には汗一つかいていない。
左肩にはまるで桜吹雪のような刺青が、
そして右肩には剣のシルエットのような刺青が施されており
隠していないせいで全身から堅気ではない雰囲気を漂わせている。
ずっと沈黙が続いていたサウナ室だったが耐えきれなかったのか
(汗で)輝いているおっさんが角刈りのおっさんへ話しかける。
サウナは好きだがここまで長く入ることはないため限界だったのだ。
「大将、もう限界なんだけど...出ていい?」
ドスのきいた声で「あ?」と言いながら角刈りは答える。
なおこの「あ?」のせいでサウナーたちは一致団結しこの死地を脱することを決めた。
「もちろんダメだ。これはおどれ*1のための修行じゃ」
きっぱりと言い放った角刈りに対し、恐れを感じぬ輝くおっさんはさらに質問する。
「修行? あれここには慰安旅行だからついて来いって言われてきたんだけど?」
「あ? わしが嘘つくわけなかろうが、これはわしの慰安旅行のついでに
修行をつけとるんじゃ*2」
詫びれもせずにそう断言する角刈り、輝くおっさんが弁の立つ人ならば
あるいは自分を信じているなら「そうじゃないだろう、
遊びに行かないかとか言ってたじゃないか」と言い返せるが
そんなおつむはないため、険しい顔をしながら質問を変える。
「ところでこれ、何の修行なの? ただあっついだけなんだけど」
「決まっておる。わしの横で戦うための修行じゃ
逆に何の修行だとおもっちょったんだおどれは?」
そうすごんでくる角刈り。脱出が遅れた一人のサウナーはその現場を見てしまい
意識を手放してしまう。
その様子を外から見ていた仲間たちが救出へと向かう。
危険な任務だが彼らの絆がある限り、乗り越えることが出来るだろう。
「悪い、そもそも修行じゃないと思っていたから...
だって普通こんなところに修行をしには来ないと思うじゃん?」
流石に違和感を感じたのかそうツッコみをする輝くおっさん
しかし織り込み済みなのかすらすらと角刈りは答える。
「修行もついでじゃ、本題はお前の借金をどう返済するか考えるために来たんじゃ」
「え、まじかありがてぇなあ、じゃあ海軍入れ――「まだダメじゃ」あっ、はいです」
ぐぬぬと一層顔が険しくなるおっさんを尻目に角刈りが話す
「おどれは賞金首じゃろ*3、じゃけぇ*4海軍に入りたければまずは借金を返すところからじゃ」
あっさり返済プランを打ち壊されたおっさんが質問する
「じゃあどう返せばいいんだよ?」
「当然、賞金首を捕まえるんじゃ、おどれは考えるの苦手じゃけぇみやすい*5ほうがいい
適当に一億の首持ってきちょれば問題ないじゃろ」
やねこい*6ことじゃないじゃろと涼しい顔をしながら言う角刈り、
しかし一億ベリーかけられているということは
つまりそれぐらい危険であるということでもある。
「いやいや大将、だめですって無理ですって、せいぜいいけて1000万の首ですって」
そうおっさんが答えると突如角刈りの左腕が赤く染まる
そのとたんサウナ室の温度がぐぐんと上がった気がする。実際上がってる
100度対応温度計がぱりんと音を立てて壊れた。
その場に居合わせたサウナー救出隊は間一髪でその光景を見ずに
同士を救い出すことに成功し、外で涙を流してお互いをたたえあっていた。
「いやいやだって大将そもそもそんなに1憶の首なんていないじゃないですかほら
ね? ですからもうちょっとなんかないですが?」
だんだんとおっさんが小さく見えてきた。
はたから見れば平社員が上司に
そう聞かれた角刈りは
「...確かに一理あるな、ほうじゃのう*7確かおどれは漁師じゃったよな」
「あぁ、俺は漁師ですが...それがどうしました?」
おっさんはただ純粋にそう答えてしまった。それを聞いた角刈りはにぃと笑った
子供が見たら恐らく泣くような笑顔だった。
気が晴れたのかいつの間にか左腕の赤熱化は収まっていた。
「ほいなら*8海王類を捕まえて売ればいい、
珍しいし高値で取引してくれるじゃろう」
どや顔決めながら答える角刈り、出来たら苦労はしていないのだ
もしこのおっさんに実力があるならばきっとこの角刈りのむちゃぶりを止め
殴り合いを繰り広げていただろう。
しかしそんな力がないおっさんは
「検討しときます...」といい相槌をうつことしかなかった。
まるで駅から出発した海列車のごとく角刈りは続ける。
もはやだれも止めることはできないだろう。
「えっと*9魚を取って稼ぐ」「賞金首えっと倒して捕まえる」
「いっそ別の仕事を始める」などあらゆる提案を受けた。
―――出来るならぜひそうしたい、だが
人間が空を飛ぶことも(一部除く)
体を自由に変形させたりすることも(一部除く)できないように
誰にだってできないこともあるのだ―――
そうおっさんは考えたきり、意識を手放しこの局面を乗り越えることにした
決して逃げではない、未来への進軍である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この熱くてよどんだ空気よ変わってくれ...!
そうおっさんが無意識で考えるほど絶望していた時、突然その時はきた。
本来、熱を逃がさないよう密閉されたサウナ室では風が起こることも、
ましてやひんやりとした空気が入ることはまずありえない。
しいて上げるなら出入りの際に風が入ることがあるが
大体は配慮して素早く入退出をするためサウナ室の空気が一変するほどのことは起こり得なかった。
しかしそれは起こった。
もはや絶望のまなざしを浮かべ、ただ返事をするだけの機械へと
なり下がっていたおっさんの元へ突然光が差し込む
と同時に一陣の風がサウナ室に吹きすさぶ
ひんやりとした優しい空気がサウナ室の中へしみわたっていく
突然の事だったせいか角刈りは驚き、状況が呑み込めていないようだ
光を失った眼で男は光が差し込んだ方を見る
そこには希望があった。そう
「サウナーは決して同士を見捨てない」のだ
そしてサウナーとは「サウナを愛する人」
つまりおっさんもまた「サウナー」であったのだ。
決して弱者が強者に勝てないことはないのだ。例えば
別の強者に助けを求め、倒させる。
これもまた弱者が強者に勝つ方法なのだ。
強者もとい温泉の管理人は角刈りに向かって一喝する
御年80歳を迎えるとはとても思えない程の声量で角刈りを圧倒していた。
「こらーー! サウナは1回最大15分までと決めとるじゃろうがぁーー!!」
「あ? なんじゃこのばば「うるさーい! 黙っとかんかーい!!」あ、はい」
完全に出鼻をくじかれた角刈り、もはや彼にこの流れを変えることは不可能だった。
「お前さんか! サウナの中でくどくど説教こいていた奴は!
ましてや備品も壊すわ勝手にサウナの温度上げるわ
それでもあんたサウナーかい!?」
「しかもあんたの方のそれ刺青じゃないかい?
店の前に書いてあったでしょうがぁー!
この店は刺青、タトゥーがある人はお断りなんだよ!
あんたいい年して文字も読めないんかい!?」
「大体若いのをこんなところで説教するなんて恥を知れ!」
など様々な言葉をぶつける
御年53歳の角刈りはまさか説教されると思っていなかったのだろう
鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をしながら硬直し、ただ流れに身を任せていた
一方で男は無事サウナーたちの手により救出され、腰に手を当てて牛乳を飲んでいた。
サウナーは自動販売機でミルクを買って腰に手を当てて飲むのがマナーである。
結局角刈りはその後、管理者室へと連行された。
途中「おどれ、わしは正義の海軍じゃぞ!」と息を吹き返し反撃したが
「うるさーい! お前はルールを破った悪人じゃあ!」という一喝により黙ったそうだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は黄昏時、昼と夜が混ざる時間
風が草木を揺らす音が心地よく、カラスが鳴いている。
西側からは沈みゆく日から暖かな光が差し込み
東側からは月と星が空を黒く染め上げ始めている。
おっさん二人は島の中心あたりにいる丘にいた
角刈りは赤を基調とした着物という服を着ており、
男はいつものタンクトップに短パン、
そしてかばんを背負っていた。
そんな二人はなぜかやつれていた。
その後結局男も管理室へと呼び出されて怒られたのだ。
当然である。連れに刺青かあるなんて知らないはずがないのだ。
「...すまんかったな」
一層険しい顔になった角刈りが言う、その姿にはもはや覇気はなかった。
「いや、むしろありがとうな、そんなに考えてくれてて」
そう答えながらおっさんはかばんからおちょこと瓶を取り出す。
おちょこを角刈りへ渡すと、男は瓶の蓋を取り、
それに中身を注ぎ始めた。
「酒か...」
そう角刈りがつぶやくと
「とりあえず今日のことは飲んで水に流しましょうや
俺あんまりお酒強い友達いないのでこういう機会ないんですわ」
まぶしいくらいの笑顔を浮かべる男を見て角刈りも笑う
先ほどとは違う柔らかな笑みだった。
「ふん...わしは酒にはうるさいぞ、安酒じゃったら承知せん」
「ちゃんとしたいいお酒だよ、けっこうしたし
...あ、そうだ、酒のつまみにちょうど今思い出した話でもしますか」
「ほう...ええじゃろう、じゃがその前に」
そう角刈りが言うと男から瓶を奪い取り
「ほれ、はようおどれの分の取り出さんかい」という。
男はくすりと笑うとかばんからおちょこを取り出す。
―――無言で赤い着物の男は酒を注ぐ、注がれた酒を男は飲む。
それを見た赤い着物の男もふと笑みを浮かべ酒を口にする。
男が話をし始める。内容はどうやらある人と一緒に釣りをした時の話のようだ。
いつもこの男の話は面白く話してくれる。それがまた心地よく思う。
―――もし自分に息子がいたならばきっと他愛もない話を
こうやって酒を飲みながらしていたのだろうか―――
そう思いながら酒を呷る。
上等な酒だ、清涼感のあるすっきりとした味が口の中へ広がる
どうやら酒を見る目はありそうだ。
空いたのに気付いた男は軽口をたたきながら酒を注いでくれる。
色々あったがたまにはこんな日があってもいい
願わくばこんな日々を送れるよう明日からまた頑張ろう
似ても似つかない親子の酒盛りはまだ始まったばかり―――
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
―――数日後、男のもとに珍しく封筒が届く
前はよく届いていたが最近はめったに来ていなかった。
宛先は世界政府からだった。
近々で大金を使った記憶はないから大丈夫
と自分に言い聞かせながら封筒を開ける。
中には手紙が入っていた。内容は
「先日、設備損壊と慰謝料の請求が政府向けにされたため
懸賞金として追加計上しました。
これにより合計金額は2985万ベリーとなりました。
つきましてはこちらも返済していただくようお願いいたします。
今後のご活躍を祈念いたします。」
その日の朝、村中に男の慟哭が響き渡った
しかし村人たちは慣れっこだったため
ただの目覚まし代わりになっただけだった―――
お気に入り登録、しおり等ありがとうございます。
正直されるとは思っていなかったのでうれしいです。
拙い文ですが頑張って書かせていただきます。
地震は大丈夫でしたか?
震度の大きかった地域に住んでいる方は気を付けてくださいね
サウナ―マナーは嘘です。あるとは思いますがもっといろいろあるはずです。
最もそれとは関係なしにサウナからが出た後の牛乳は美味しそうですが...
広島弁は書いててわかりましたがやはり難しいです。他の赤犬(サカズキ)を出している小説はよくできていると思います。
以下補足と後日談的なキャラ紹介
輝くおっさん=おっさん=男→男主人公
角刈り=赤い着物の男→赤犬(サカズキ)
希望→温泉の管理人
男主人公:本日の被害者枠です。
借金を減らす相談をしてたはずなのに50万ベリーも借金が増えまして、
現在の懸賞金は2985万ベリーです。
現在は返済のため積極的に漁に出ているようです。
誰のせいでしょうか?
赤犬:本日の加害者枠です。
男主人公のことを認めており、本人にも意志があるので
どうにか海軍に入れようと躍起になっています。
出来るなら自身の配下にしたいのですが空回り気味です。
彼も同様に反省文を書かされました。枚数は少なめですが。
サウナ―:本日の不憫枠です。
団結力はすごいです。今日もきっと元気にサウナに入っているでしょう。
温泉の管理人:ブレーキ枠です。御年80歳だけどまだまだ元気です。
出たキャラとしては本小説初の女性です。サウナ―の姫ですね。