未踏領域で果てる   作:真の柿の種(偽)

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こんな感じのアブナイやつ、最近少なかった気がする
ので、サトウキビ原産でございあす

ガイドラインスレスレで在れ


捕食者VS被食者VSダーク〇イ

 魂魄の吸引。命を啜られている。

 舐めとられて、髄までしゃぶられて、歯こそ甘噛みなもののこれはまごうこと無き捕食だ。

 

 ――――じゅぐっ、じゅぶぶりゅるるっ

「あっがあぁぁぁっっ!? ぁぐッ、づっっっぁア〝ア〝ァァァァ!???」

「んっ……んんっっー? ……んぐぐっ……!!」

 ――――じゅるるるるるっ、ぇあ~……ぁぶぷぐっっ

「ぐぎぎっ、!??? がぎゃあぁぁぁぁぁ!!??!??」

 

 アルダンの誕生日、二人で祝っていた夜。

 食事を終えて、布団の上へと即座に拘束されたカイトは、本日の主役から食らい尽くされていた。

 

 ――――ん、ちゅるっ、っちゅぷぷっ、にゅっ、れろれろっ……じゅぶ、れぇ……

「あっ、がぁ……っ! ある、だんっ! それ、汚いっ!!? から、てっっえぇ???!」

「…………んんっ!!」

 

 そう懇願すれば、舌は更に激しく動いて孔内を蹂躙し、舌先はより深く鼓膜へ向かって、暴力的なまでの新感覚を与え続ける。

 三十分間に及ぶカイトの耳への舌技の披露は、もうそろ終わりを告げようとしていた。けれどそれは、次の段階へ進まされることと同じ意味を持っている。彼女にとってはこの程度は、これ以上のステージのためのデモンストレーションでしかないのだ。

 

「咥えるのやめっっ、、!?? ひぐっぅぅ?! っ! っっ! ッ゛゛゛!???!!! ――――……っ…………っ、……」

 

 そんなことを露ほども知ることなく、探り回っていた舌先がウィークポイントを過剰に抉り、目玉がひん剥くような衝撃がその下処理を終わらせた。

 

「…………も、……む……り、……ぃ〜」

「……ぷはっ…………かわいい……カイト…………っ! ……んむっっ」

「ッッッッ!!?? なんっ、でっ! 終わったっ。、んじゃっ!?」

 

 訂正しよう。彼女はまだ味わい足りず、カイトの耳を――――その先にある脳髄を、嬲り足りないのだ。

 このままでは死にかけない。冗談抜きで未知の快感がカイトのキャパシティを遥かに上回って、脳が焼かれて処理落ちであの世へ逝くのも時間の問題だ。

 抵抗として体を暴れさせようとも、膝枕の上から頭上を上半身で覆い被されている。引き剥がそうと足掻く腕は、結果的にアルダンを背中から押した。

 

「たっ、タンマタンマっ!???」

「んふっ!? …………――――!!」

 

 押してしまった。

 

「なんっ、?! もっ、はげしっっっ!!???」

「――――んんーッッ!!!!(うれしいっ! かわいいっ! うれしいっ! うれしいうれしいッッ!!)」

 

 それを求められていると勘違いしたアルダンは尚更に暴走し、その愛撫の激しさはもっと激しく強く増す。それにたまらず腕を暴れさせれば結果的にアルダンの背中を叩いて、それを再び求められていると勘違いして――――以下が三十分前、否、四十五分前からずっと繰り返されている。快楽拷問による螺旋の運命である。諸行無常。

 だというのに、強制的に送り込まれる快楽は上限を知らず、ねずみ算の如く増え続ける。それは彼女から彼へ向けた愛情を、可視化したような光景でもあった。

 

「ん……しゅき…………んんっ!」

 ――――ちゅ、じゅぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞっっ

「もっ、待ったっ、! ? きゅうっ、 っ!?? ……させっ! てぇっっぇ??!」

「んふーっ……ふーっ……ふーっ……っ!!」

 ――――じゅるるるるるっ、じゅぼぼぼぼぞぞぞぞぞぞぞっっっっ

「ああっ?!! あいっ、ぁぁあえああゃあああありゃぁあぁぁぉぉああ!!!!???」

 

 ラストの深々とした酸素吸引は、内臓ごと引き摺り出されるかと思い込むような、理解不能で恐ろしさすら多分に存在する快楽。

 それをたっぷり十五分、ウマ娘として優れた心肺機能をフルに活用して、カイトから体内の酸素は、耳を通して略奪され尽くした。

 そして。

 

「ぁ…………ぅぁっ…………」

「ふふふ……よく頑張りました」

 

 一人で眠るにはちょっと大きな布団の上で、膝枕へと頭を放り投げて憔悴するバカの姿。

 真っ白を通り越して真っ暗へ至った頭脳で、なんでこうなったのかな思いを馳せる。

 発端となったのは、『そろそろなんでもする』権利でも消化しようかなと。そんなことを二人きりの夜に提案してみたのが、これが所謂俗に言う運の尽きってやつなのだ。キタサトへの口説き文句(社交辞令)の件について詰められていて、独占力がマシマシだったのもタイミングとしては良くなかった。軽く『あ、じゃあなんでもする権利ここで使うから許して』とか、決して言うもんじゃなかった。

 やっぱり安請け合いや短慮な約束は身を滅ぼすのだ。これを後輩達にも良く言い聞かせよう。だってほら、こうして身を滅ぼしたカイトなら、説得力の塊じゃないか。

 

「……そうね、今度から耳かきはこれで……ふふふ」

「……………………キコエナーイ」

 

 しかしこれでおしまいだ。なんでもする権利は無事にーー無事に? 消化したことだし、これでゆっくりと眠れる。その前に唾液でベタベタな耳をどうにかしに、風呂へダイブするのも良いかもしれぬ。

 ただ、なんだ。

 分かりきっていた事実ではあるが、世界とはカイトにやっぱり厳しい。

 これでハイおしまい、なんて大団円にはならないのは神の望みし運命だった。

 

「……それじゃあ、今度は……まずは添い寝でも」

「…………へ? も、もう終わりなんじゃ……」

「安心して? 今日はもう、あんなに激しくはしませんから――――……私からは」

「え、……ちょっ、今なんて」

 

 言うが早いか、残像を残さんとする速度で、アルダンは目の前へとやってきていた。ルンルンランランとした機嫌の良さで、文句を垂れる気にもなれない。

 

「ふふふっ……いいでしょう? 今日は……私の誕生日なのだから」

「……うん、まあ、もう寝るだけなら」

「寝る前にお話しくらいは……」

「いくらでも」

 

 そして、どちらともなく、二人の間で結ばれる手。

 添い寝くらい毎日のことだろうに、今更こんなのでこれほど喜んでくれるのか。

 愛されている自覚がじんわりと湧いてきて、胸の内がムズムズしてくる。

 

「…………カイト」

「なに」

「愛してるゲームって、知ってる?」

「……誰から入れ知恵された」

「ドーベルから借りた本にあって」

「……愛してるゲームってのは…………俺も知らん」

 

 嘘ではない。いやほんとに。だって詳しく知らないし、ローカルルールやメジャールールもあやふやだし。そんなのは知ってると言わない。八割知ったかぶりです。

 

「愛してます」

「……突拍子もないとな、感動も薄れるってこと覚えとけよお嬢様」

 

 つーか知ってたんなら何故聞いた。

 

「むう……なら、数で質で攻めますもん」

「簡単に両立出来たら世話無いんだよなぁ」

「……こっち、来て?」

「ん」

 

 繋いでいない方の手で引き寄せる動作に、抗うことなく身を寄せる。

 抱え込むように、抱き締めるように胸元へ抱かれて、トクントクンと何よりも安心できる振動を額で受け止めた。

 

「ねぇ……聞こえる?」

「ん。バッチリ」

「……カイト……――――好き」

 

 言った瞬間に、鼓動は一際大きく跳ねる。嬉し恥ずかしな時間が始まると思えば、これはとても面白い発見だ。

 

「好き、大好き……愛してる」

 

 言うたびに跳ねる鼓動が愛らしい。ここで反撃をかませば、一体どれほど飛び跳ねるのだろうか。

 

「これって、言い返したらだめむぐぉ」

「ダメです。今は私の番だから……カイトは後で、行動で示してね……?」

 

 オイちょっと待て今なんて言った? と聞き返そうにも、口を物理的に塞がれてはそれもできない。ふかふかな幸せを感じる。

 そうして愛するひとの鼓動を間近で聞ける特等席で、アルダンの攻勢は始まった。

 

「好き……すきすきっ」

「……」

「愛してます。ずっとずっと、昔からずっとだいすきで、ずっと愛してます」

「……」

「すき――――すき、すきすきっ、すきすきすき! ……愛してる」

 

 三回目から。この鼓動音はアルダンのものか、はたまた他の誰かのものか。区別がつかなくなってきた。

 

「……ねぇ、すき……好きよ……私、カイトを誰よりも愛しています」

「……っ」

「叔母様にも負けないくらい、私はカイトを愛しています。すきすきっっ、大好きっ……!!」

「っ……っっ」

 

 軽度の酸欠も相まって、頭がくらくらしてきた。

 甘い色を乗せた声は、ダイレクトに耳へと直接運ばれてしまう。遮蔽物となる救いはなく、ダダ甘に自堕落へと誘われる地獄を突き進んでいる。

 

 

「……すきぃ……カイト、好きなの……愛してるのぉ……っ」

「……」

「ねっ、カイト……好き好き好き好きっっ……しゅきっっ……あ、……ぁぅ」

「……っッ?!」

「っ!しゅ、しゅきしゅきしゅきっっ……しゅきなのっ」

 

 噛んだ。今確実に噛んだ。開き直ってそのまま噛んだまま突き通す姿も、普段ならクソカワイイと発狂しているだろうが、掻き混ぜられた思考はそんなことを行っている暇は無い。ただ与えられる好意に身を溶かされていく。それが恐ろしいくらいに心地よい。

 もはや愛してるゲームなど関係なく、むしろ元々口実だった可能性もあったのだろう。まんまと乗せられたわけだが、それすらも気に出来る程自意識を保つのが難しくなってくる。

 

「しゅきしゅきっ……す、すきすきすきっ」

「……」

「好き……ずっと好き……カイトをずっと、ぜんぶすき」

「…………」

「すきすき――――すきすきすきすきっ……好き好き好き好き好き好き好き好き」

「………………」

 

 ゲシュタルト崩壊を引き起こす頃にはもう、自意識と呼べるものはグズグズにとろけていた。

 後から思えばこれが狙いだったのだろう。

 理性を突き崩して、奥底を引き出そうとしていたのだ。そのためには理性がどうしても邪魔で、そしてカイトは好意にあまりに弱い。弱点と言っても良い。

 こうまで自分の存在を肯定され尽くせば、自己を守るための理性なんて不必要になっていく。

 

「ほら……もっと気を楽にして……」

「……」

「大丈夫……私はカイトの全部を受け止めるから……あぁ……好きよ、カイト」

「…………」

「愛してる……誰よりも……ドーベルよりもっっっ」

「……?」

 

 ベルちゃん? あれれ、俺は何をしていたんだっけ。

 

「………………ドーベルは関係ないわ……好き好き……愛してます……全部を愛してます……好きっ、好き好き好き」

「ぅぁ~…………」

「ふふふ……かわいい……好き……大好きっ……好き好き、好き好き好き」

「…………ぁぅぅ~」

 

 深く沈みこんでいく。ゆったりと、ゆっくりと、それでいて優しさを感じる包容力。

 なんかもう、すこしずつ、あるだんいがいが、どうでもよくなってきた。

 

「そんなところも愛してる…………愛してる愛してる愛してるっ……」

「……………………」

「……そろそろ、いいかしら」

 

 そうして、本題を彼女は語りだす。

 

「ねぇ……手錠、しまってあるでしょう?」

 

 そんなものも、あったような、なかったような。

 

「あれは、本当は私が使う為に用意したわけじゃないのよ。本当は……いつもは恥ずかしくて言えないけれど……本当は…………私が使ってもらう為に、用意してたのです」

 

 そうなのかと、聞かされた言葉そのままに脳へ送り込まれていく。

 なんか、衝げき的なカミンぐあウトに、おどろいたようなきもするけど、あるだんがそうしてほしいなら、こんど、そうし、てあげようとおもっ、た。

 

「……尊厳なんていらない。人としての権利もいらない。ただ、カイトのそばにいられるなら、その権利だけが有るなら、それ以外は何もいらない」

 

 物事を判断するフィルターは機能していない。彼女の好意は全てを素通りして心底へ突き刺さる。

 いわれずとも、いっし、ょうそばにいてもらわないと、もはや、かいとがいきていけない。

 

「私の全部は貴方の、カイトの所有物なんですって、そんな霊長類失格な、情けない永遠の服従宣言を貴方に誓いたいの」

 

 ゾワゾワと、喜悦の感情が剥き出しに溢れる。

 支配欲が前のめりになってくる。

 

「ずっと……ずーーーっと、貴方のそばに置かせてくださいって……見返りなんて、いらない。……無償の愛を、貴方へ与え続けられるなら、それが一番のご褒美。本当は……首輪でも手錠でも、私を繋ぎ留めて誰のモノなのかって、色んな人に教えてあげたいのよ」

 

 独占したかったカイト。独占されたかったアルダン。なんてことだ、需ようときょう給ががっち、していたなんて。

 とても甘く、粘度を感じる囁きなのに、カイトの奥底はするりとその(こえ)を受け入れた。

 うけいれる、うけいれるよ、だからこのてをほ、どいてくれれば、いま、すぐにでも。

 

「…………私、ここ数年で、()()と大きくなったの……。……ほら、触れていれば……分かるでしょう? ……とても女性らしく、私も成長しているの……」

 

 ああ、たしかに、再会したころよりも、もっと魅力がましていることはきづいていた。

 鋭敏になった感覚は、より強くカイトを昂らせる。

 

「ところで、ね? 私――――子供が、欲しいの。将来は好きな人と一緒に家庭を築いて、好きな人と一緒に自分達の子供の姿を見守って生きていきたいな……って。カイトは、どう……?」

 

 どうって、なんのはなしをしているのだろう。

 

「――――()()の子供、欲しくない……?」

 

 ずっと家族を欲していた。家族に隣に居て欲しかった。家族の絆と言えるものが何なのか知らなかったから、ずっとそれを欲していた。

 自分を排斥していた奴らに家族がいるのが羨ましかった。例え浅ましいと知ってはいても、有象無象が当然のように受け取れている家族の温もりが、悲惨なまでに壊れて欲しいと願って――――それ以上に、やはり羨ましかった。妬ましかった。帰る家がある人達に、例外なく嫉妬していたのだ。

 だからこそ彼女の言葉が刺さりに刺さって――――それがどうでも良くなるほどに、目の前の存在が欲しくなる。

 

「ふふふ……息をそんなに荒くして……何に興奮しているの? ……ねぇ……一つ耳寄りな情報なのだけど…………もしかしたら、今カイトが興奮してくれている人は、期待しているのかも……」

 

 あたまが、おかしく、なりそ、うだった。

 

「今日は特別な日だから……愛している人から、受け止め切れないほどの愛情を()()()()()()のかもしれないって……期待しているのかもしれないのよ……? いつも優しい貴方のその熱を、本当は気遣って押し留めているその激情を……今日は抵抗することなく、余すことなく全てを受け止める気で……」

 

 あた、まはおかし、くなっていた。

 

「貴方に全てを曝け出して、全てを明け渡して……恥ずかしくても、それがどこか嬉しくて、一種の快楽で……そんな人が、貴方のすぐそばで待っているのかも……」

 

 熱が高まって、のぼせ上がるよう。熱中症のような、景色がフラフラと頼りない。

 うばう、ことすらちがう、これはそ、もそもお、れのなんだから。

 

「いいのよ、きっと……貴方のことが大好きな人なのだもの……貴方がくれるなら、なんだって心地よくて……気持ちがいいの……その人に遠慮なんていらないの…………きっと新しい傷を、刻まれるのを望んでいるの……」

 

 もうこれ以上は傷つけない。傷つけたくない。罪悪感とは無縁でいたい――――建前だ。

 ほんとうは、もっとふかく、のこらないようなきずをつけたい。

 じぶんのものであるあかしを、きざみつけていたい。

 

「だから、ねぇ……カイト…………――――いっぱい、だいすき」

 

 決壊したのは確かだった。

 頭が沸騰する。そんなことになれば、もう状況判断なんて出来るわけがない。

 耳孔へ直接流し込まれる高溶解性の甘い囁きは、脳に存在する理性的な部位を一つ残らず溶かして殺した。後に残されたのは、貪り喰らい尽くす為の本能だけ。最後に残された本能が、据え膳を容赦無く、望まれたように乱暴に、気遣うことなく荒々しく、その手で引き裂いてしまえと。

 きょ、かはもうでてい、る。

 

「私は……いつでも、待ってるのよ?」

 

 だったら望み通りに蹂躙してやろうと、最近はあまり無かったが、久しぶりに望まれたようにケダモノとしてカッ喰らってやろうと強引に、誘い惑わす怪しいその表情を、カイトの正面へ持って来させる。

 驚愕の欠片も浮かべずに、むしろ歓喜に震えた瞳はとろけきって、甘い香りが更にカイトを誘う。蜜に狂わされて、この身は彼女の望がままに動いていく。

 

「乱暴なのね……次は、どうされちゃ――――きゃっ」

 

 小さく鳴いても喜悦は隠そうともしていない。意図して混入された甘い響きは、やはり脳髄へと運ばれてくる。

 耳の先からつま先まで白く美しく、甘狂しい香りを漂わせて絶えず誘い続けるのは、まるで――――麻薬みたいな女だ。薬が苦いのなら、毒こそがこの世で一番の甘美に違いない。その証拠に、先ほどから漏れる吐息に触れたカイトの舌は、そのあまりの甘苦しさに痺れを伴って余韻に浸っている。甘くとろけてた極上の痺れが、味覚を通して頭を果てしなくバカにする。

 腕を握って押さえ込めば――それでも余裕の表情は更に深まり、カイトの情緒を深淵へと誘った。

 匂い立っては人を狂わせるコイツを、外へ出すわけにはいかない。他人なんぞにこの危険な貌を見せてなるものか。執着だろうとなんだろうと、コイツの全てはカイトのモノ。異常な思考回路へ誘導されていようと、それすらも快楽に変換させる危険なコイツを、自分以外に堪能させてなるものか。

 

「男の人に……カイトに押さえ込まれちゃったら、もう抵抗できないものね……それで?」

 

 どうするかをゆだねられて、なにをしたいかはきまっている。

 

「貴方のことが好きで愛して……すきですきで、いとしくていとしくて、とってもだいすきでたまらない――――そんな女の子が抵抗出来ないなら……」

 

 ごちそうがたべてくださいと、そうかたりかけてきているみたいだ。

 ぐうぜんにもかいとは、とてもおなかがすいてきた。

 

「そんな女の子を組み敷いて、自由にできるなら……カイトは、これから……どうしちゃうの?」

 

 ぐるぐるぐるぐると、まわるせかい。

 ぐらぐらぐらぐらと、かたむくせかい。

 むかしそんなえほんが、あったようなきがしました。

 

「私はどうされちゃうのか……教えてくれますか……?」

 

 もう、むりだった。

 

 

 ――――…………すき

 ――――……すき、好きすき

 ――――好き好き、すきすきっ、すきすきすきすきすきっっ、大好きっ! だいだいだいすきっ!!

 ――――……だぁーいすきよ、かいと

 ――――いっぱい……いーっぱい、わたしたちの、かぞくをつくりましょうね

 

 表情一つ見逃すことのないように、電気は消さずに夜はふける。

 めくるめく甘くとろけた一夜へ向かう二人。

 静止の声を響かせる者など、どこにも――――いた。

 

「ちょっと待ったー!!!!」

   ド  ー ベ    ル  ? ?     ? ?  

「!? ベルちゃん!?! ……あれっ、俺ってば、ナニをして……?」

 

 ベルちゃんの焦燥マックスな叫びで我に返ったカイトは、気付けばアルダンを押し倒していた。まさか無意識でやらかしたのか。これじゃマジのケダモノではないか。もっと気を付けよう。

 ちなみにベルちゃんが何でって転がり込んできたのか、聞くところによればアルダンの誕生日を祝おうと急いで走って来たらしい。外はもう暗いぞ。不安だからやめてくれ。

 

「……させないからね、アルダンさん」

「ドーベル、貴女    本気なのですか ?     」

「??? やばい、記憶が無い……え、マジでナニがあったんだ……!?」

 

 首を全力で捻りながら、寝る気にもならなくなったカイトは人数分のお茶を淹れ始める。

 苦笑しか出ないレベルで殺気立っているアルダンに怯えながら、ベルちゃん一押しの映画を三人で見ていれば勝手に夜は明ける。

 ホラー映画で小刻みに飛び上がるの可愛いなーとか呑気に構えつつ、なんだか不思議な一日は終わりを告げたのだった。




・被食者
とにかく光属性に弱い。自己肯定感低めな人生から、好意に非常に弱い。それが大切な人からならさらに弱い。四倍弱点だ。
清涼感のある声フェチで長髪フェチなケがある。現にスズカに懐く速度は割と速かった。グラスと仲良くなるのも速かった。

・捕食者
光属性だけどガンマ光線とか、致死量の紫外線とか、星の聖剣とかぶっ放すタイプになってしまった。なんで?(シンプル疑問)
前々から声に弱いのかもと睨んではいたが、そこに自分の好意もデコレーションすれば最強の陥落兵器になるのではないか。その予想は見事に当たった。
あと一歩で逃がしようのない既成事実を――とかは別に考えてない。たまには激しい姿を見たかっただけである。誕生日だし、情熱的に求めてもらいたかったのかもしれない。
営みさえも邪魔しようとするダーク〇イに、想像以上の脅威を感じている。

・ダーク〇イ
当然ながら恋する乙女の勘で馳せ参じた――――訳ではない。携帯に入ってるアプリから、バイタル異常の発信を感知したからである。バイタルが誰のものか? そら一人っしょ。
その日は泊まった。アルダンは自分の部屋で寝かせた。
ベルちゃん、次の次はお前だ覚悟しとけぃ。

深い意味は無いけれど

  • お祭りお助け黒色娘が善哉善哉
  • ジンクス絶破ウーマン良き良き
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