「で、このスライム何食べるの」
「なんでも。同じ餌だけあげて二段階くらい進化させると一種類の餌しか食べなくなるらしい。人食べるようになるから、指で触っちゃダメだよ」
「へー。伊地知、蝿頭持ってきて」
「ひっ わかりました!」
それから、真夜中に呼び出された伊地知さんが蝿頭を持ってきてスライムに近づけた。
「おおー食べてる食べてる。かわいーねー♡ 写真にうつるし、これ♡ 伊地知、いっぱい蝿頭持ってきて」
「ヒィィ」
(意外に無茶するわね、勇者)
「なあ、宿儺。スライムお腹壊さねーの?」
「生まれたばかりのスライムはなんでも喰らうからな。それより餌のやり過ぎに注意しろ。凶暴化や繁殖の可能性がある。制御不能になったら核を狙え。後、繁殖管理もちゃんとしろよ。なつかせるならちゃんと時間をかけて進化させた方がいい。それと進化の後は餌を忘れずにな」
「ふーん。あ、これが進化?」
スライムの色が変わっていく。
「すげー! ゲームみたい!」
「おっ 六眼で見れるようになった。面白いね、これ。最終進化させたら術式覚える? 伊地知? 餌早くして」
そして、朝には無事スライムは二段階進化した。
眠い目を擦りながら、虎杖達は野薔薇を迎えに行った。
私? 虎杖の中で爆睡である。
なので、残念ながら眠っている間に何があったかはわからない。
ただ、次に起きて私が見たものは、スカーフをボタンで留めたスライム(五条先生命名まる君)を肩に乗せた我が宿主とそれをつつく一年生達だった。
自由だな呪術高専。
さて、更なる実験をして呪力に対する理解を深めたいのだが……。
監視されてんのよね。当然か。当然だわ。誰だってそうする。私だってそうする。
「おーい、まる。蝿頭見つけたぞ」
「いっぱい食べんのよ。まる」
「まるはよく食べるなぁ」
「まる進化した?」
「せんせー。そんなに早く進化しねーよ」
任務のたびにスライムが連れて行かれてめちゃくちゃ可愛がられていて草なんだが?
(せんせ。ゆじ。めぐ。ばら。好き)
「「「「喋った♡♡♡」」」」
「おい、スライム如きにあまり情を移すなよ?」
「なーに心配してんの、宿儺。大丈夫だって」
「何が大丈夫なのかさっぱりなんだが? はぁ。そんなに可愛いのなら、使い魔契約でもするか?」
「何それ」
「血を垂らして名を呼び、契約を結ぶのだ。スライム如きなら、それで十分だろう。言っておくが五条はやめよ。あーっ!」
五条はサクッと血を与えてしまった。
五条の莫大な呪力がスライムに流れ、スライムが一瞬大きくなり、凶悪な様を見せ、また小さくまとまった。
(先生、大好き。一生懸命仕える)
「よろしくね、まる」
「あーっ 先生ずるい! 虎杖! もう一匹作りなさいよ、まるちゃん!」
「作らん。それより、買い物に行くぞ、虎杖悠仁」
「スライムの次は何作るん?」
「ふむ。思う所あってな。人形だ」
「私も作る!」
「俺も!」
「僕も見たいなー。人形なら学長にも手伝ってってお願いしておくよ。いい材料持ってそうだし!」
「見せ物ではないのだがな?」
と言うことで、色々買った。
メンバーが集まるまでの間、虎杖は小腹でも空いたのか、料理の準備を……スライム作りの準備じゃない。
「宿儺なしでできたぁ♡」
「でかしたわ、虎杖! 私私、私が名付ける! えーとね、くろ!!」
「蝿頭取ってくる」
「……貴様、割合に物覚えが良いな」
なんで魔法使えてるねん、悠仁。私の魔力を流用したのか、呪力で真似たのか。スライムは最初から黒っぽいから、後者寄りの両方かもしれない。さすが最高傑作の器である。
「よし、多少実験をするので協力しろ」
「わかった!」
その後めちゃくちゃキーホルダーの人形(身代わり用)を作った。
もちろん特級呪霊からの逃亡用である。
そろそろ虎杖の死亡フラグ依頼が来るからな。