宿儺成り代わりについて考えてみた   作:かりん2022

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書きたかったこと書き切った! (+・`ー´・)=3ムフー


ハロパと間抜けな魔女後編(番外編)

「は?」

 

 羂索は我が目を疑った。

 我が子が無限を通過し五条悟の体をまるで液体だとでもいうようにぐいぐいと入っていき、何事か喚きながらとぷんと首までその腹に鎮めたかと思うと、五条 悟の周囲に数多の呪霊写す鏡が現れ、しかもそこに攻撃を当てて特級呪霊達を瞬く間に倒してしまったのだから。

 

 かと思うと、ぴょこんと体から跳ねるように浮かび上がり、飛び出てきて、腕を切り落とす。

 その腕といくつか投げ捨てるように置かれた物品と混ざり合い、虎杖が認識できない言葉を唱えるとそれは奇怪な生き物となった。

 

 それに五条悟を押し付けて、宿儺が生き物に命じる。

 

 ハロウィンパーティー? とにかく、宿儺は明日の夜までいないらしい。

 

 慌てて声を掛ける間も無く、消えてしまった。

 

 まずい、真人もあの鏡に映っていた。

 

 ハロウィンパーティという事は。既に宿儺を取り込んだ未知の第三勢力がいる?

 思えば、ずっと宿儺の動向に違和感を感じてきた。それが既に取り込まれた故のことだとしたら。

 

 呪霊の補充なら呪霊操術で問題なく出来る。計画の続行は可能だ。

 

 戦力の空白地帯というなら、今がまさにそうだ。むしろ今しかチャンスはないかもしれない。

 調査か、決行か。

 

 護衛という奇怪な生き物を見る。

 

 隠れている羂索を真っ直ぐ見やる、黒い翼を生やし、腕を四本持ち、額に目が六つ。口が7つの化け物を。

 

 羂索はスッと姿を消した。

 彼が選んだのは撤退だった。

 

 そして、護衛もまた五条 悟を抱き抱えて逃げ出した。

 呪霊ではないからまー目立つ。

 そいつは帳を真っ向から破壊して、よりにもよって、ビルの屋上に陣取った。

 

 当然、呪術師側もその動きを把握。五条悟が死亡、少なくとも気を失っている事に大きな動揺が走った。

 そして、冥冥から虎杖逃亡の報が入る。

 五条の所に転移した、とも。言われてみれば、受肉体らしき化け物は虎杖に似ていた。

 

 さては宿儺に乗っ取られたか。

 

 真っ先に向かったのは、呪術師ではなく裏梅だった。

 

「貴様、宿儺様ではないな! 何者だ!」

「名前はない。俺はこの男を守る。それ以外は知らない」

「はぁ?」

「お前、この男を害すか?」

「……くっ その男に興味はない。貴様、宿儺様とどんな関係だ」

「宿儺様、知らない。この男を害すなら殺す」

「ここは下がるしかないか……!」

 

 裏梅が下がる。

 

 もちろん、この会話は呪術師側にも聞かれていた。

 一体何が。

 

 補助監督達の必死の働きにより、目撃者の証言を獲得。

 というか、自由になった人々が動画サイトにも上げていた。

 

 人間が鏡から現れて、人間に入り込んで、腕をぶった斬って化け物を生み出して、無数の鏡を出して、倒れた五条悟の護衛を命じるところがバッチリ写っていた。

 

 しかも、ビルを包囲したのを悟り、屋上からも逃亡をしてしまった。

 待って呪術界の宝をお持ち帰りしないで。

 

 

 

 

 それから3時間後。五条は全身の怠さを感じながら目を覚ました。呪力が使えない。

 ガバッと起きる。そして化け物がこんにちは。

 

「!??」

「もっと寝ていろ。寝ないと回復しない」

「六眼と術式を阻害してるの、君?」

「そうだ」

「僕をどうするつもりかな」

「完全回復するまで守る。呪霊と人を近づけない。完全回復するまで呪力を使わせない」

「君は誰?」

「知らない」

「なんで僕を守るの?」

「命じられた」

「それって誰に?」

「マスター」

「名前は? どんな人?」

「知らない。口が頬にある男だ」

「悠仁ね。他に何か知ってる? ハロウィンパーティってなに?」

「???」

「はぁ。僕仕事中なんだけど」

「仕事は大事だ」

「そうね。大事だね。呪力が使えないと仕事ができないんだけど」

「後遺症が出るから絶対使うな。休め。貴様が仕事できないのは残念な事だが、俺も仕事を完遂したい」

「ちなみにどれくらいで回復しそうかわかるかな」

「一ヶ月」

「ふざけてんの? ちょっと、いつまで抱き上げてんだよ。おろして」

 

 五条は降ろされて、目を抑える。

 

「参ったな。呪力も見えない。とりあえず、電話していい? ダメって言ってもするけど」

「護衛対象の妨害は命じられてない」

「そう。じゃあ僕帰っていい?」

「呪霊と人の接近は許さない」

「完全回復するまで?」

「そうだ」

「僕の行動の妨害は命じられてない?」

「そうだ」

「例えば、僕が敵陣に飛び込んだら守ってくれるのかな」

「……貴様の仕事か」

「そう」

「……仕事は大事だ。だが貴様の身の安全に支障が出そうなら引く」

「よし。あ、伊地知ー? 僕。状況どうなってる?」

 

 そして、改造人間と呪詛師の掃討が始められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、呪専である。そおっと降り立った虎杖は、ソローっと呪専に入る。

 直、時刻は昼。朝帰りならぬ昼帰りである。

 

「うっぷまだ気持ち悪い」

「まさか酔ってるのですか?」

「わあナナミン! 酔ってないです、ちょっと色々あって!!」

 

 青筋を浮かべて七海が虎杖の首根っこを引っ張った。

 

「じっくり聞かせてもらいましょうか……」

 

 そして、虎杖は帰ってきた五条先生に綺麗な土下座を決めた。護衛はオロオロしている。

 

「申し訳ありませんでした!! 宿儺からお詫びの品を預かってます!!」

「宿儺じゃないでしょ。あれ、明らかに女だったし」

「申し訳ありませんでした!! 師匠達からお詫びの品を預かってます!!」

「ふぅん。師匠、師匠ねぇ。君の師匠は僕じゃなかったんだ」

「先生は先生、師匠は師匠っていうか……!」

「師匠って誰。宿儺はどこいったわけ」

「大師匠が宿儺を預かることになってます」

「あ“?」

「申し訳ありません! 宿儺すっごい暴れて、大師匠、師匠にまじブチギレてて、色々あって大師匠が宿儺預かりになりました!! でもあの。もう人間に迷惑かかることはないと思います! 後、大師匠と師匠から五条先生にお詫びの品をご用意したので、どーか受け取ってください。お願いします!」

「その前に、こいつの護衛命令解いてよ」

「あ、それは無理っす。命じたの師匠だし、師匠今、大師匠のお説教中なんで」

「は? 僕、こいつのせいで呪力、使えないんだけど?」

「その、ぐっすり寝て体を休めてください……。しっかり休めばそれだけ早く治るんで」

「全治一ヶ月って聞いたけど」

「全力で休めば一週間でいけると思う」

「そもそも何なのあれ。どうしてできる事言わなかったの」

「先生の魂ハックしました! 絶対やっちゃ駄目な事だからです!」

「じゃ、どうしてやったの」

「師匠がハロパに出席を命じられて、早く終わらせないと間に合いそうになかったからです!」

「そもそも終わってないんだよ。呪霊だけじゃない、帳に呪詛師に改造人間、どれだけ問題があったと思うの」

「返す言葉もないです!」

 

 とにかく、虎杖は這いつくばって許しをこう。

 

「許すまで行かなくていいので、うちは謝罪の意を示しましたという証明の為に、どうかお詫びの品を受け取ってください!!」

「勝手だよね。要するに謝ったってアリバイ作りだろ?」

「その通りです! 何卒ご容赦を!」

「ムカつくな。謝罪するっていうなら本人が来なよ」

「ごもっともです! でもしきたりで接触も禁止なんで物だけで勘弁してもらえたらなって!」

「しきたりって何」

「呪術師が非術師にノータッチなのと同じで、こっちにも似たようなしきたりがあって、師匠がそれに思いっきり抵触してめちゃくちゃ怒られてるわけで……! 言えるのはここまでっす」

「ここまで大事になってさ。しきたりも秘匿も何もないよね」

「そこをなんとか納めていただきたく……!」

「は?」

 

 そこで、護衛も頭を下げる。

 

「五条、先生。マスターを、許してやってほしい。俺からも頼む」

「で、お詫びの品って何」

「大師匠のは呪力が恒久的に増えて、師匠のは呪力が一時的に増加する薬と呪力回復薬です! 簡単な術式を一回だけ刻んで使える薬を用意しました! 後、回復薬を大師匠と師匠と俺から! 全部先生の好きなお菓子タイプっす!! 後々、今の五条先生の回復を早めるための甘い薬湯も預かってます! お湯で溶かすだけ! 毎日寝る前に飲んでいただければ!」

 

 虎杖はささっと虚空から箱を出して重ねる。

 

「それほんと? 嘘だったら死ぬって縛る?」

「このお菓子の効能が嘘だったら死ぬって縛ります! 縛りました!」

「だから上層部に橋渡ししろって?」

「あ、師匠達が気にしてるの五条先生だけなんで、それはいいです。これは五条先生個人に渡してます」

「は?」

「あー。俺らの業界の関係で、五条先生個人を後見してる偉い人がいるので、あっ 上層部とか呪術界は関係ないです! とにかくその関係で五条先生にお許しをもらう必要があって。だから上層部じゃなくて、五条先生個人が受け取ってください」

「上層部には別に用意するってこと?」

「師匠達、呪術界はどうでもいいので……。業界違うし、俺も死刑になるならそっちの業界に逃げるだけだし。できれば呪術師でいたいけど、くっそ面倒な道具作成してまで仕えたい訳じゃねーし」

「でも僕にはくれるの?」

「五条先生に許していただけるならお安い御用です! 五条先生が許してくれるのとくれないのとでは、偉い人への申し開きの成功率がダンチなんで!」

「なるほど。つまり僕の後ろのお偉いさんを怒らせるのだけが問題で、呪術界に迷惑かけた反省はないわけね」

「その通りです、ごめんなさい!」

「悠仁、回復したらまじビンタ」

「謹んでお受けいたします! 後、先生が元気になり次第、呪力を込めてこいつを名付けて先生の手足にしていいそうです!」

「俺か!?」

「ふぅん。いいよ。すっごく文句言いたいけど、不問にしてあげる」

「ありがとうございます!!!」

「ただし、馬車馬の如く働いてもらうからね、悠仁。特に僕が治るまで」

「もちろんです!」

 

 そうして、ようやく許してもらえた虎杖は、安堵にへたり込んだ。

 

「先生が優しくてよかったぁぁぁ。あ伊地知さん、そういう事なんで、俺、頑張って働くんで仕事くださ」

 

 ズゴガガガガガ。

 

 お腹がなって、伊地知はまず食事にしましょうかと苦笑した。

 その後、無事同級生にボコられた虎杖だった。

 

 なお、五条悟は一週間で全快。以前よりも呪力が強く操作が緻密になったのだった。

 

「ねー悠仁。呪力はあるのに宿儺の気配消えてんじゃん」

「宿儺の魂だけ取り出して、呪力はもらったんで。あっだからもう宿儺の指飲めないごめん」

「えっ ということは秘匿死刑取り消し?」

「してもらえたら嬉しいなって。されなきゃ逃げるだけだけど」

「口利きはしてあげるから、僕の部下としてちゃんと働いてよ。そしたら許してあげるから」

「はい、全力で働かせていただきます!」

「行動で示してね」

「はい!」

 

 虎杖は知らない。

 五条が巨大なリターンに上機嫌だったことを。だって魔女的には魂ハックしたのにこれだけで許してもらえるなんて慈悲の塊以外のなんでもないのだから。さすが六眼慈悲深き勇者様である。

 

 その後、魔術をめぐって九十九やメロンパンともすったもんだあるのだが、それは別の話である。

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