ようこそ非日常なスクールライフへ   作:白ノ宮

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データが全部吹っ飛んだせいで方向性が随分と変わったけど第3話です。

※3/30 03:30 一ノ瀬さんの字が間違っているとご指摘を受けたので修正致しました。

※感想を下さった方、ありがとうございます!これからも頑張っていきたいと思いますので『よう非』をよろしくお願いします!


- 第3話 -

スーパーに着いた。

 

軽くジョギングするつもりが前世の全力疾走並みのスピードが出てしまったので周囲の道行く人々からは奇異の目を浴びることになった。

 

脚力の調整が上手くいかない感じだな。

 

握力や腕力については問題無いのだが、脚力については話は別だ。

 

脚って常に体重分の力が掛かっているわけで...。

 

例えば、ペットボトルのキャップに満杯の水が入っているとしよう。

 

そこにゴミを入れることでよく用いられるバケツに並々と入った水の中から一滴だけ移し替えるとしよう。

 

そしてそれをそのまま移そうとすると...ダバァ。

 

そんな感じに早歩きのイメージでも結構スピードが出るのだ。

 

歩きは常人より少し速い程度だ。

 

早いうちにこの体の馬鹿力を制御できるようにしておかないとこの学校生活に限らず全てにおいて困るだろう。

 

初日早々目立ってしまったことに軽く溜息を吐きながらスーパーで買い物を終えた。

 

僕の記憶通りに無料コーナーは存在しており、鶏肉や萎れた野菜に塩や胡椒が並んでいた。

 

米と明日の分の弁当を買っておいたので少しの損失が発生した。

 

現在のプライベートポイント:99,200pt

 

帰りも目立つと困るので少し早めに歩いて再びコンビニに向かい、石鹸と歯磨き粉と歯ブラシを購入した。(無料商品)

 

寮に帰る道で目の前を主要人物のうちの一人が歩いていたのが見えたので歩くスピードを落とした。

 

この時点で『適度にイキる』という方針の一つが既になかったものにされているのだが、これは仕方ない。

 

僕は気まぐれな人間なのだ。

 

目の前を歩くのはストロベリーブロンドの長髪でスタイルと顔が共によく、性格も裏表のない素晴らしい人間である一之瀬帆波である。

 

彼女が一人で行動しているのはとても珍しい事だと思う。

 

初日ではあるが、既にクラスの人気者という地位は築いているはずなので、彼女自身が飛んでくる約束を断りまくった結果なのかもしれないが、そんなことをする理由は特にないはず。

 

(もしや原作には描写されてはいないけど櫛田のダークモードみたいなのが有ったりして...それを出すために一人で行動を...?いやでもそしたら寮へは向かわないよな、ということは発散した帰りか?とはいえ初日で発散が必要になるようなことってあったっけか)

 

つい思考することに集中していたせいかいつのまにか目の前から一之瀬は居なくなっており、完全に見失っていた。

 

「あぁ...見失ってしまったか...」

 

「にゃはは♪どうしたのかな?」

 

そんな僕の呟きに見失ったはずの一之瀬の声が真後ろから聞こえた。

 

(知らないうちに後ろ取られた!?)

 

「いつの間に後ろに回ったんですか?」

 

動揺しているがそんなことを悟られないようにあくまで冷静に一之瀬に疑問をぶつける。

 

すると一之瀬は後ろから抱きついてくるように腕で僕をホールドした。

 

「素人が頑張って気配を消そうとしているのがバレバレだったし、途端に隙を見せるものだからつい後ろに回り込んじゃった♪」

 

(あー...この一之瀬原作のとは違うな...。どこかの諜報機関に属しているのか?それともただの強者か。どちらにせよこの体勢はいくつかの意味で危険だ、なんとかして離れないとな)

 

本気で振りほどこうとしてもいいがそうすれば後ろの一之瀬は一瞬で肉塊と化して僕は晴れて殺人犯の仲間入りというわけだ。

 

力加減をミスると本当に不味い。

 

よく考えたらこの体の耐久力も常人の比ではないので別に攻撃されても無問題だったことを思い出して抵抗を諦め、背中に感じる柔らかさに集中し始めた。

 

「あれー?抵抗しないんだね?」

 

一之瀬は意外そうにしているがホールドしている腕の力が緩む気配はない。

 

ぶっちゃけると背中に当たっているのだ、ビックなメロンが。

 

若干耳が赤くなっているような気がするが髪で隠れているおかげか気付かれてはいないようだ。

 

「一体どうしたのですか?こんなに抱きついてこなくても私はフリーですよ」

 

胸が当たっていたとしても懸命に冷静さをアピールする。なにか変なことが口から出たような気がしたが良しとしよう。

 

「にゃはっ♪私の後をつけていた目的って何かなー?早く言わないともっと強く抱きしめちゃうかもねっ♪」

 

(此奴ッ!?それは脅迫か?いや、あからさまに先ほどより密着度合いが増えているような気がするな。籠絡するつもりか?)

 

※実際は強い力で締め付けられており、常人であれば痣になる寸前の力が加わっており結構痛く、苦しい。しかし萌城はバケモノの高耐久力が功をなしているのか抱きしめられて胸を押し付けられているようにしか感じられていない。

 

(それにしても目的だと...?僕はなるべくかかわらないように距離をおこうとしていただけなんだが、何か勘違いされているような...)

 

「一之瀬さん」

 

「何かな?」

 

「その豊満なバストを私に押し付けてどうするつもりなんですか?嫌がらせですか」

 

もう頭が混乱し始めているせいか自分が何を言っているのかわからない。

しかしそのよくわからない言葉を言った途端一之瀬はバッと僕から離れた。

 

振り返って一之瀬の顔を見ると紅潮して恥じらいの表情を浮かべており、何も言わずに寮の方へ小走りで走っていった。

 

「もうちょっと味わいたかったなぁ...」

 

結構ピンチな状況でも、ゆるくしてしまうのが『バケモノ』持ちである萌城の長所なのかもしれない。




脅迫してくる一之瀬さんを見たかったんや。
(尚、今後扱いに困るかもしれない)

それでも一之瀬さんは天使なんだろうなぁ...。
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