ようこそ非日常なスクールライフへ   作:白ノ宮

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それにしてもアニメ二期、面白いですね。

2022、7/19 19:06 追記
話数が6話表示になっていたので5話に直しときました。


5話 表情を一瞬で切り替えられるのはシンプルにすごい

半分睡眠状態になっていると炊飯完了の通知音が部屋に鳴り響く。

意識が覚醒して視界がはっきりする。

 

まさか立ったまま眠れるとは思わなかった。

炊飯器の蓋をあけると白い湯気が勢いよく上がった。

 

しゃもじでかき混ぜるとちょうどいい塩梅のふっくら具合で、良い仕上がりだ。

ある程度冷めてくるとそのまま冷蔵庫に炊飯釜を入れた。

 

ラップは買っていないので今日はこれで堪忍してくだせぇ。

 

携帯を充電コードに繋いでベッドのコンセントに挿しこむ。

 

「そういえば、このまま寝たらシワになるような...」

 

何かないかとクローゼットを開ける。

すると3着の体操着と2着のジャージが新品で袋に梱包されていた。

 

胸の部分にはしっかり萌城と刺繍されていた。

 

制服をハンガーにかけて体操着と上のジャージだけを着てみる。

 

脱衣所で姿を確認する。

表情を変えたり、簡単なポーズをとったりクルッと回ってみた。

 

意味はないが、とても可愛かった。

上のジャージの袖が少し長いのか自然と萌え袖のようになっている。

 

可愛いが、いくらバケモノとはいえ危険な事に変わりないのでしっかり折って手を出しておく。

 

容姿の良さより安全性を優先するのは賢い人間として当たり前だな。

 

ぽふっとベッドに仰向けに寝転がって瞼を閉じた。

 

閉じかけた瞼を開いてベッドのスプリングをうまく使って少しは寝た際に発生する反動を利用して飛び起きた。

 

歯磨きを忘れていた。

 

歯磨きも健康に過ごすためには必要だ。

これも大した意味はないが、歯磨きにもリラックス効果があるというのを何処かで聞いた気がする。

だから、僕は歯磨きをするわけです。

 

もうこのぐらいの時には力加減はしっかり身に付いており、歯磨き粉をチューブから出すという繊細な作業が可能になっていた。

 

調子に乗って少し出し過ぎたがこれも問題ない。

歯磨き粉は硫酸が超微量含まれるせいで舌がヒリヒリするのだが、そういった悩みは今日からおさらばだ。

 

スースーするのにそれ以外の刺激的なモノを感じないという違和感を大いに味わいながら一つ一つ丁寧に磨き上げた。

 

歯なのに金属光沢にように光り輝いている理由はよくわからない。

 

その後は特に何もなくぐっすり眠れました。

 

 

 

 

早朝、起床。

まだ日が出ておらず、暗くて寒いかもしれないがその格好のまま外に出る。

 

寮となっているマンションのエントランスから出てやたらと広い庭をゆったりと散歩していると、前方に昨日熱烈なハグをしてきた人が見えた。

 

つい立ち止まってしまったが恐らく気付かれているはず。

僕がその場で突っ立っていると、一之瀬も足を止めて振り返った。

 

その整った顔は瞳に光がなかったように見えたが、一瞬で笑顔を作ってこちらに駆け寄ってくる。

 

「おはよう!萌城さん!」

 

「おはようございます、一之瀬さん。昨日と変わらず元気そうで何よりです」

 

「あははー、昨日の事はみんなには秘密にしてほしいかなー...なんて♪入学初日って疲れるよね。疲れでテンションがおかしかったのかも?」

 

一之瀬は昨日の行動の釈明を行う。

そんな事はどうでもいいのだ。

ちょっと気になったことを質問してみるか。

 

「そうですか、疲れていたのであれば行動が多少おかしくなっても仕方ありませんね。それで、一之瀬さん?」

 

「ん?どうしたのかな」

 

「一之瀬さんはどうやって私の名前を知ったんですか?」

 

一見、一之瀬に動揺は見られないだろう。

しかしこのバケモノの目で集中して見ていたことだからわかるのだが、一瞬目線がブレたのだ。

 

普通の人間なら見抜けないその隠蔽の巧さには感嘆の意を表する。

 

「えっとね、Dクラスにも友達がいてその子から聞いたんだ♪」

 

「...本当ですか?」

 

「本当だよー♪」

 

「ダウト、私はDクラスの自己紹介には参加していない。なので私の名を知るにはDクラスの生徒から聞き出すという行為は無意味」

 

「...!?...ッ」(一瞬表情が崩れそうになるも立て直したが、微細な音で舌打ちが漏れる)

 

諜報機関に属している線はあるか...?

この身体能力だからわかることであって普通じゃわからない。

一応警戒しておくべき...いや、やっぱ辞めておこう。

 

相手が喋り出す前にこちらで先制を取る。

 

「まぁ、何はともあれ改めてこれからよろしくお願いしますね一之瀬さん」

 

親愛の印にと右手を差し出して握手を求める。

 

「あっ、うん!よろしくね!」

 

微笑みながら握手に応じる一之瀬。

柔らかくてスベスベな手だ。

熱心にニギニギしているが恐らくこれは目一杯の力で握りしめているのだろう。

しかしそれは僕にとって無駄な行為でしかない。

 

僕は一之瀬が諦めるまで、スベスベおてての感触を楽しんだ。

 

しかし二、三分経っても諦める気配がないため、一言告げる。

 

「随分と熱心に握りますね、一体どうしたんですか?」

 

不信感を持ってますよーという表情で言うと、一之瀬は愛想笑いでごまかしながら「なんでも無いよ」と言って手を離した。

 

「それでは一之瀬さん、そろそろお時間ですのでまた学校でお会いしましょう」

 

「うん♪またね!」

 

やたらと優秀な脳に一之瀬の柔らかいスベスベおてての感触を鮮明に記憶して、上機嫌になって自室に戻った。




次回は...7/20か7/21を予定しています。
何か連絡事項があれば活動報告にて掲載しますね。
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