厨二病の男が勘違いされる話   作:D.D.D_Official

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フフフ…クハハハハハ!!!
貴重な前書き欄を使って、俺の自己紹介をさせて頂こう!
俺の名はグレン!グレン・ヴァン・インフェルノだ!
年齢は…フ、悠久の時を生きる故とうの昔に忘れてしまったわ!フハハ!
身長?168だと言っておこう!以外とあるからな!チビとか言うな!
趣味、か…クク、人間観察…そして世界情勢に目を光らせる事だ。
属性…だと?貴様、話がわかるじゃないか!無論!秩序・善だろう!
肩書き…?フム、そうだな。ローゼス帝国第七騎士団長、漆黒の騎士だ!
彼女、か。思い出すな…俺が唯一愛した女の事を…。
親友?死んだよ。全員な。俺の手でな!くっ!手が、震える…!

これぐらいで俺の事は理解できただろう。では、本編だ。


序章 -エディンバラの奇跡-
天に喚ばれ降臨せし王の器グレン(本名佐藤紅蓮)


目が醒めると、俺は知らない場所に居た。

 

一面の草原にどこまでも広い空。まるで俺を縛る者など何も無いかのように晴れ渡る太陽。遠くを見ると、時代を倒錯したのか疑うような城が聳え立っている。

 

「いや、まさかな……異世界転生?それにしては不親切だ。説明もない、チートを貰った形跡も無し。オマケに草原スタートとか、世界は俺にシビアだな…」

 

ぶつくさと独り言を言いながら、俺はとぼとぼ城へ向かって歩いていく。なんでかって?それしかする事が無いからだよ。

 

 

6時間ほど歩いて、ようやく城下町まで着いた。

自然と疲れなかったので、案外すんなり行けたものだ。もしかして、コレがチートか?だとしたら微妙だな…

 

「止まれ!そこの男!貴様何者だ!」

 

騎士の格好をした衛兵らしき者に止められる。

もしや同士か?

 

「俺?俺は……そうだな、敢えてこう名乗るとしよう!俺の名はグレン!グレン・ヴァン・インフェルノであると!」

 

言ってなかったが、俺は極度の厨二病だ。

人と話す時は必ず仰々しく、カッコつけてしまうようにもなったが、俺は気に入っているので恥ずかしくはない。

 

「ヴァン…?どこかの貴族か。貴公、身分の証明となる物を持っているか?すまないが、確認させて頂きたい」

 

「フ、感じないか?俺から溢れ出る高貴なオーラという物を…まあ、感じぬというのならば貴様はそこまでの人間であったという事だ」

 

「何…?いや、確かに…尊大な態度に質の良い衣服、キチンと手入れされた黒髪に貴族のみが名乗る事を許されているヴァンの名前…失礼した。貴公の品格を疑うような真似をして済まない」

 

やはり、同志であったようだ。

このノリの良さ、間違いなく俺と同じ厨二病だ。

しかし凄いコスプレだな。まるで本物みたいだ。

 

「構わぬさ。それより、城下町に入っても?」

 

「ぜひ、お通り下さいグレン殿」

 

同志衛兵(仮称)に城下町に入れて貰うと、そこは俺の大好きな中世ファンタジー風の街並みだった。

 

凄いなコレ、セットか何かか?だとしたら良く通してくれたな。いや、これは観客参加型のアトラクションかもしれないな。そうなら、服を着替える場所があるはずだ。

 

今の俺の格好は、学生服に手提げ鞄といったごく普通の高校生だからな。まぁ、これはこれで味があると思うのだが。

 

恐らく、この街の中心部にある城で騎士服に着替える事が出来るのだろう。だって、騎士鎧着た連中が城から出てきてる訳だしな。

 

「おい、何してんだお前!白昼堂々と城に侵入しようとしやがって!この円卓の騎士、モードレッドが通さねえぞ!」

 

「モードレッド……フン、裏切りの騎士か。粗野な奴だ。本当に騎士なのかね?これでは騎士としての品格を疑うよ」

 

何やら着替え会場へ行くのを邪魔された。

モードレッドと名乗った男……男?は騎士ロールとしてあるまじき態度をとっていた。

そんなカッコいい鎧着てんだから、もっとキリッとして欲しいものだ。

 

いや、叛逆の騎士だからコレで良いのか?

 

「何だと…!?テメェ、オレを馬鹿にすんのか!?良いぜ、ぶっ殺してやるよ…!」

 

「王の心すら解らぬ惰弱者が、俺を殺すだと?下らん戯言だなぁ?叛逆の騎士、モードレッドよ。そんなだから王を裏切るのだろうな?この不忠者が!」

 

「さっきから何だテメェは!人聞のわりぃ事言うんじゃねえ!オレが騎士王を裏切るだと!?ハッ!あり得ねえな!オレは円卓の騎士なんだ…父上に、認められてンだよォ!」

 

モードレッド(仮称)が剣を抜いた。

おお凄え。まるで本物の剣みたいな質感だな。

でもなぁ、剣の見た目が完全に玩具って感じがする。まぁ?カッコいいとは思うけどね?

 

「まぁ落ち着けよモードレッド。フェイの子よ。お前が真に騎士だと言うのなら、俺を斬れないはずだ。何故なら、俺も騎士になるのだからな」

 

「あぁ?んだとテメェ…テメェみてえな貧弱そうなガキが、騎士だと?笑わせんじゃねえ!」

 

俺より背が低いお前が言うな。

声も高いし、明らかに女子供だろう!

 

「決闘だ!オレがテメェに分からせてやるよ…騎士の実力をなぁ!剣を貸してやる!勝負だ!」

 

そう言うと、モードレッド(仮)は普通の騎士剣を投げ渡してきた。意外に重いな……ってコレ、本物じゃね?あれ、これマジの異世界転生?

 

「剣を持ったな!?そらッ!死ねやぁ!」

 

モードレッド(仮)が斬りかかってくる。速い!?

咄嗟にガードするも、大きく仰け反らされてしまう。このままだと不味い。

 

「くッ!俺は剣道をやってるんだ!この程度、師範に比べたらっ!」

 

慌てて斬り返す。何だ?身体の調子がやけに良いぞ。速度も負けていない。これなら!

 

「勝てるっ!チェストォオオオオ!!!!」

 

ネットで齧った示現流の技を見よう見まねで再現する。出来た。やはり俺は強くなっている!

 

「はっ!意外とやるじゃねえかガキ!だがな、オレのクラレントの前では、無駄な事だ!【クラレント】ッ!!!!」

 

モードレッドの剣が赤く光り、極太のビームが出される。おい待て、何だそのトンデモ技能は!?くっ、避けられないか!ならば!

 

「来いっ…!ぐっ、あ!お、押されている…!だが、受け止めきれている!うおおおっ!エターナルブリザードスラッシュ!!!」

 

途端に俺の剣が熱気を纏い火炎嵐の斬撃となってビームを押し返す。これだとエターナルブリザードじゃなくてファイアストームじゃないか!

 

「なっ!?オレのクラレントが、押されるだと!?ぐあっ!?」

 

火の嵐がモードレッド(仮)を包む。いや待て、俺の脳がおかしくなったんじゃないよな?今完全に剣から炎出てたよな?俺の意志とは反して炎嵐出たよな?

 

これでもうほぼ確実になった。

 

俺は…異世界転移している!




俺だ。グレンだ。ついに黙示録〈ラグナロク〉は始まったようだな…
これからの俺の躍進、期待しておけよ?

さて、話を変えよう。
死闘の末モードレッドに一撃を加える事が出来た俺だが、そんな俺に災いが降りかかる。秘密とは、恥ずべきもの程厳重に隠されているものだ。
俺はその警句を忘れていた。故にこれは、俺自身の業。俺が背負うべき業なのだ。

次回、「神武討征・ラグナロク」



※補足説明
なぜモードレッドが裏切っていないのにクラレントを持っているか?
かつてモードレッドが一度だけ叙勲式で見たものに憧れ、似た形状の剣を使っている…というのが本作での設定となっております。
また、偽物であるため本来の性能である王気増幅や邪剣としての機能は無く、純粋に魔力を溜め込み、放出する能力しかありません。

グレンの初登場時の特異点/異聞帯

  • 特異点F(冬木)
  • 特異点4(ロンドン)
  • 特異点5(ケルトアメリカ)
  • 特異点6(キャメロット)
  • イベント特異点(影の国)
  • 第六異聞帯(妖精國ブリテン)
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