厨二病の男が勘違いされる話 作:D.D.D_Official
残念だったな!俺だ、グレンだ!
暇つぶしに、俺のアーサー王物語に関する知識を授けてやろう!
実を言うと、俺はアーサー王物語のニワカだ!しかし、人物名や出来事などはしっかり記憶している!だがな…クク、原作知識などなくとも生きていけるのが人間というものだ。貴様は、己が世界の原作知識など持ち合わせていないだろう?
良い事を言ったな!クク、フハハハハハハハハハハ!!!!!!!!
しかし、俺が異世界転移していたとして…
能力の詳細は?俺にはどんな使命がある?俺を呼び出した奴は、何を企んでいる?
考えろ、俺の偏差値54の灰色の脳味噌…!
炎の嵐を呼び出す事が能力なのか?そうならばアタリの能力と言って良いだろう。
俺個人としては、他人を操る力とか欲しかったが…無いよりマシだ。
「ちっ…宝剣イフリートとは言え、オレが一撃でも食らっちまうたぁな…オイ、名を名乗れよガキ…テメェの言う“騎士”のやり方でぶっ潰してやる」
待て、今何と言った。宝剣イフリートだと?つまりコレは俺の力ではない?だとすると…何だ!?俺の力は!
「フ、フン…良いだろう。一度しか言わぬ、魂に我が名を刻むが良い!我が名はグレン・ヴァン・インフェルノ!インフェルノ王家第三王子にして、夜明けの騎士団団長!"漆黒"のグレンである!」
「ほぉ…どこぞの坊ちゃんだと思ったら、まさか王子たぁな…外交問題になっちまうといけねえや。特別に半殺しで済ましてやるよ…」
「随分と優しいんだな。モードレッド」
「テメェの為じゃねえ。父う……じゃねえ、アーサー王の為だ!勘違いすんなよグレン…」
いや怖いわ。いきなり喧嘩ふっかけた俺も悪いが、ここまでガチにする事無いだろう。どうやら俺の炎パワーは俺のものじゃ無いらしいしな。
「はっ、分かっているさ。さあ、かかってくるが良い。俺はいつでも構わんぞ」
「話が早えなァッ!そらっ!」
爆速でモードレッドがカッ飛んで来る。だけど、対応出来ない速さじゃない。
「フッ!この程度、剣道大会銅メダルの俺ならっ!」
「へっ!古風な剣術なんか使いやがって!そらそらそらぁっ!」
さらに加速したモードレッドは連続斬りをしてくる。何か斬った後に赤い残光を残してんだけど…カッコよ。俺もやりたいなアレ。
「くっ!有効打に欠けるか…!ならば!今こそ目覚めよ!我が最奥に眠りし力よ!」
火の嵐をモードレッドに飛ばしている内に、俺は何としても覚醒しなければ!うおおおお頑張れ俺のポテンシャル!
「くっ!何だ、さっきとは何か違う雰囲気を感じる…!これは…!?」
「フフフフ……ハハハハハハ!!!!頭の中に流れ込んで来るぞ!俺の、力が…!」
頭の中に入り込んできた力の説明文…それは!
『カッコよく目がピカピカ光って、全身からちょっぴり威圧感と闇っぽいオーラ出せるよ。ダメージは無し。byアラヤ』
だ。何だコレは。ふざけてるのか?と言いたくなるような内容だ。何だよ目が光るって?光らせてどうするんだよ。アレか?ギアスか?ギアスごっこでもしろってのか!?
威圧感はまぁ良いとして、闇"っぽい"オーラって何だ!?闇じゃないのか!?くそッ!ハズレだ!大外れにも程があるぞ…!てかアラヤって何だ!?阿頼耶識の事か!?
「クク……ハハハハ………」
もはや乾いた笑いしか出てこない。
身体能力の向上は気のせいかよ…勘弁してくれ。
「テメェ!何笑ってやがる…!ッ!その目の紋章は…!魔女の瞳!?あの女と同じ目だ!なぜ貴様が!」
「フ、知りたいかモードレッド…これはな、俺に課せられた罪…そして悪意なのだ。俺は必ず、こんな巫山戯た事をしてくれた奴を倒す!その為にも俺は円卓の騎士になる必要があるのだ!」
「…っ!そうかよ。んな事情があんなら、先に言えよな。テメェも、あの女の…モルガンの被害者だっつー事か」
「ククク………」
え、そうだったの?俺、モルガンに呼ばれたって事?いやいやいや、でも説明文にはアラヤって書いてあったじゃないか。何勘違いしてんだ?
まぁ良いか。余計な事言って喧嘩するよりはマシだ。俺は貧弱なんだから、戦わないようにしないとな。
「ついて来い、グレン。円卓の騎士になりてえんだろ?なら、オレに任せろ。じき、この城で入団試験が行われる。そこで合格しろ。科目は簡単だ。礼節、忠義、そして力だ。力に関しては疑いようもねえからな。他二つを叩き込んでやる」
「貴様にできるのか?モードレッド」
「バカにすんなよ。オレだってこの試験受かってんだ。教えるぐれぇなんてこたねえよ」
そして、俺の礼節訓練が始まった。
「グレン!最敬礼の腕の構えが3°ズレてんぞ!」
「グレン!足並みを揃えろ!僅かにズレてる!」
「グレン!何だその食い方は!どこの文化のもんだ!?皿持って食うな!」
「グレン!そんな棒きれでメシを食うな!野蛮人かテメェは!」
「グレン!お前は…」
「グレン!」「グレン!「グレン!」
五日間訓練をして、俺の心は折れた。
何だよ、こんなキツいのか礼節って……?
だが、俺は厳しい訓練を乗り越え完璧な礼節を手に入れた。
「いよし!次は忠義だ!テメェの思ってる騎士王への忠義を表せ!」
演説か?なら得意だ。俺は転移前は放送部だったからな。
「クク…フハハ…!騎士王アーサー、この俺、インフェルノ王家第三王子、グレン・ヴァン・インフェルノが使える価値のある者か……試させてもらおう。さぁ!答えろ騎士王!お前は俺の忠義に、何を応えるッ!」
「馬鹿野郎!そんなんで忠義が示せる訳ねぇだろ!?どんな教育受けてきたんだよ!?」
「くっ…!ならば!
我が愛…アーサーよ!私は貴方の剣となろう!貴方の進む先に、どんな嵐があろうとも、どんな茨の道があろうとも!私が…いや、俺がキミを守ってみせる!だから…!」
「だから…じゃねえよ!何なんだテメェは!女口説くんじゃねぇんだぞ!?確かに、テメェは顔は良いからな!さぞ女を落とすのは得意だろうよ!やり直し!」
「俺を騎士にして頂きたい!さすれば、貴公に勝利が訪れることとなるっ!俺はグレン!貴公の盾となり、矛となる者だ!」
これならどうだ…!?もう流石にレパートリーが無いぞ!
「………………悪かねえな。よし、それでいこう。本番は三日後だ。訓練を怠るなよ」
ほっ…良かった。
これでどやされる日々からおさらば出来る!
そして三日後。
俺は城のの奥深くにある巨大な広間に来ていた。
俺の周りには屈強な男たちばかりだ。
流麗なる剣士みたいな奴は一人もいない。
「これより、入団試験を開始する!一科目、その忠義を示せ!」
試験官らしき騎士が番号の書かれた板を配って回る。俺は152番だ。長いな。でも、ここで姿勢を崩したら礼節が減点される。モードレッド曰く、謎の監視が入っているらしい。
2時間ほど経ち、俺の番が来た。
「152番!前へ!」
よし、ここからが正念場だ…!
「ローゼス帝国出身、インフェルノ王家第三王子!“漆黒”、グレン・ヴァン・インフェルノだ!」
名乗りをあげ、騎士の敬礼をする。
きっとビシッと決まっててカッコいいだろう。
ついでに、威圧感と目を光らせておいて実力者アピールをする。どうだ?かっこいいだろう?
それと、何やら周りがザワザワしている。軽く聞く耳を立てていると、「王家…?」やら「帝国…?」などと言った言葉が聞こえてくる。
フッ、貴様らではまだ俺と同じ“レベル”に立っていない。理解するのも難しいだろう。
「152番…いや、グレン殿。何故貴公は、騎士にならんとする?」
「俺は、生まれた時から一本の剣で良かった…この身が嵐だったのなら、この身が刃であったのなら。そう考え始めてから、どれほどの時が流れただろうか…それはもう、覚えてなどいない。戦いに次ぐ戦いに、俺の人間としての魂はとうに擦り切れてしまったのやもしれん。今は帰れぬ我が祖国に帰り、また俺をこうした者を…叩いて潰す為に!」
息を呑む音が聞こえる。みんな俺の考えた厨二小説のあらすじに聞き入っているようだな。
「故に王よ!騎士王アーサーよ!俺は貴方の剣でありたい!俺を騎士にしてくれ!必ずや貴公に勝利を齎すだろう!」
と言って最敬礼を出す。
フッ、どこからか監視されているならそれを逆手に取れば良いのだ。どうだ?完璧な作戦だろう。
すっかり聞き入っていた試験監督官が立ち上がり、俺の前に立つ。あれ、なんか物凄いオーラ感じる…
「私、騎士王アーサーが汝グレン・ヴァン・インフェルノを騎士に任命す。其方の働き、期待している」
会場が一斉に沸いた。え、マジ?この人本当にアーサー王なの?女の子にしか見えないこの人が?鈴の音のような可愛らしい声に、透き通るような肌。あと何か甘い匂いがする。
想定外の展開に、俺の頭は一杯になっていた。
俺だ、グレンだ!
どう言う事だコレは!?なぜ騎士王が女なんだ!
だとしたらモードレッドは何から生まれたんだ!?
はっ……つまり、ふたn…いや、邪推はやめておこう。
まぁ良い!
という訳で、無事騎士になれた俺だが、
やはり出る杭を打とうとする愚か者はいるようだな。
次回、「星戦士最強の神人、アカシア」
グレンの初登場時の特異点/異聞帯
-
特異点F(冬木)
-
特異点4(ロンドン)
-
特異点5(ケルトアメリカ)
-
特異点6(キャメロット)
-
イベント特異点(影の国)
-
第六異聞帯(妖精國ブリテン)