厨二病の男が勘違いされる話   作:D.D.D_Official

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森を駆ける男グレン

 

「では、行って参ります」

 

「誉ある聖杯の騎士達に息災を祈っています。では、行きなさい」

 

アーサー王に玉座の間で激励の言葉を貰い、俺達はとうとう旅に出る。俺は黒馬だが、ギャラハッドとパーシヴァルは白馬に跨りキャメロットを出立する。

 

「見よ、キャメロットの民や騎士達が俺達を祝福してくれているぞ!必ずや成功させるぞっ!」

 

「「応!」」

 

一刻も早くブリテンを救うべく馬で駆け、昼に差し掛かる。そういえば、原作ではここでパーシヴァルが20人の騎士に襲われるんだよな。

 

「へっへっへ!ここを通りたければ…「エクスプロージョンッ!」ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「あ、兄貴ぃいいい!!!」

 

何やら道を塞いできた騎士崩れがいたので、クリムゾンで吹き飛ばす。アイツらは騎士じゃないから騎士の礼に則って決闘する意味はない。

 

「おぉ…流石はグレン卿!私達も負けていられませんね!フヴッ!」

 

「私だって、円卓の一員ですから!そりゃあッ!」

 

ハッキリ言って、騎士崩れに当てていい戦力じゃない。圧倒的な強さを誇る円卓の騎士三人と、騎士である事に耐えきれなかった軟弱者では実力が天と地ほどの差がある。結果は蹂躙だ。

 

「待てぇい!!!!」

 

突然大声を出してきたのは、時代錯誤にも程がある格好をした男だった。物干し竿と呼ばれていそうな長刀を持ち、スカした笑みを浮かべながら着物を着た男がゆっくりと近づいてくる。

 

「やぁやぁ!我こそは繧「繝医Β様によって、この世界を救えと命じられた運命〈サダメ〉の戦士!伊東抜刀斎重盛である!其方ら、よくぞ我が臣下を殺してくれたな!その報いを受けさせてやる!」

 

いや武士かよ?なんでこんな所に。俺と同じく転移してきたのか?だとしても、だ。現代人である俺は武士とは違う倫理観で生きている。故にだ、扱いは蛮族で構わないだろう。ほら、中華思想では東夷って言うだろ?

 

「お前に名乗る名など無い。ここで疾く死ね」

 

「はぁっ!?ぶ、無礼者ぉっ!この南蛮人がぁ!」

 

「グレン卿!その男、なかなかの実力者と見ましたが、貴方ならばやってくれると信じています!我々は先に!」

 

「ご武運を!」

 

森へ入っていくギャラハッドとパーシヴァルを見送ると、俺はバンシーを抜き戦闘態勢を整える。イメージするのは、誰にも負けない自分。

 

「やああああっ!!!面!!」

 

「フッ、愚直だな。堕ちろ蚊蜻蛉!【屍山血河】ァ!」

 

真っ直ぐ突っ込んでくるバカを斬り刻む。武士の傷跡から止めどなく鮮血が噴き出す。

 

「ガァァァァァァァァァァァ」

 

「止めだ。ケルト流…【雷光一閃突き】ッ!」

 

バンシーに魔力の雷を纏い閃光の如く心臓を貫く。師匠が使っていてカッコよかった技は、全て習得済みだ。

 

「そ、んな……僕は、勇者、なの……に…」

 

意味不明の単語を羅列しながら消えていく武士。俺はそれを尻目に馬を呼びパーシヴァル達に追いつこうと駆ける。無事なら良いが…

 

 

○○○○○○

 

 

「くっ、ギャラハッド卿と逸れてしまった…!この森は霧が濃い。どうにかして合流せねば…」

 

頭から血を流しながらパーシヴァルは走る。森で待ち伏せしていた騎士崩れにより、馬を射殺されてしまったのだ。並の攻撃では傷がつかないパーシヴァルだが、馬は別だ。だが、諦める事なく走っていた。

 

「覚悟ぉっ!」

 

突如、パーシヴァルの目の前に斧を持った騎士崩れが襲来する。絶体絶命だ。

 

(くっ、すみません!私は……!)

 

「死ぃいいいいねえええええええ!!!!!!」

 

「させるかぁっ!」

 

「ごはぁっ!?」

 

パーシヴァルを助けたのは、ギャラハッドであった。彼は自身の魔力回路を全開にしカッ飛んできたのだ。そのせいか、彼の持つ大盾には赤い十字が浮かんでいる。

 

「ご無事ですか!?パーシヴァル卿!」

 

「あ、あぁ!助かりました。辱い!」

 

一件落着と思いきや、まだぞろぞろと集まってくる騎士崩れ達。だが、二人の目には闘志しか宿っていなかった。

 

「我々ならば、この軍勢を突破するなど容易い!行きますよギャラハッド卿!」

 

「了解!」

 

森の中に勇猛な声が木霊した。

 

 

○○○○○○○

 

 

俺は現在、馬に乗って全速力で森を駆けている。まぁ正直、馬に乗るより走った方が速いのだがな、安定性を求めるとどうしても馬が必要だ。それに、俺は良くともパーシヴァルやギャラハッドはケルト式ダッシュ術を学んでいないからな。今度、教えてやろうかな。

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

「この声は!」

 

どうやら、パーシヴァル達が戦闘を始めたようだ。早く合流せねば。

 

俺が慌てて駆けつけると、息の合った連携で騎士崩れ達を圧倒する大盾を構えた騎士二人がいた。あれ、これ俺いなくても良いんじゃね?

 

『何してるのグレン?二人を援護するんじゃないの?』

 

「いや、アイツら強いし…俺が助太刀するまでも無いかな、とな。まぁ、怪我されるのはゴメンだからな!グレン、助太刀に参るッ!」

 

俺は上空に跳び上がり、クリムゾンを構えて新必殺技を放つ。

 

「我が決意は不死鳥の如く!【フェニックス・ストライク】ゥゥゥ!!!!」

 

これが三ヶ月かけて意気消沈しながら編み出した必殺技!クリムゾンの炎を全身に纏い、不死鳥の鎧を生み出して敵へ空中から吶喊する広範囲技!その名も、"不死鳥の突撃"!

 

何?突撃はチャージだろって?黙れ。

 

「おぉ!グレン卿……グレン卿!?」

 

「な、何だアイツは…!?ギャアアアア!」

「どわーっ!」

「ぬわーーーーっ!!!!」

 

騎士崩れ達を巻き込み、大爆発する。腐っても元々騎士だった連中だ。マトモに肉体が残っているとは。これを一般人が喰らえば跡形もなく吹き飛ぶのだがな。

 

「最後だけ取って行ったようですまないが、助太刀をさせてもらった。これで最後か?」

 

「え、ええ!それより、今のアレ……とても、カッコよかったです!おれ……いえ、私にも出来るでしょうか!?」

 

「お、おう……貴卿にも出来るはずだ。理論は超単純だからな」

 

やけにギャラハッドが目を輝かせて追求してくる。そんなに良かったか、そうかそうか。

 

見所があるね。

 

「今教えても良いが、とにかく今は野営地を探そう。俺の馬を貸しても良いが、何か頓着はないかね?」

 

「いえいえ!私などに構わず、貴方が乗ってくださいグレン卿!」

 

「だが、貴卿は相当の重量の鎧を着たまま走れないだろう?俺は出来る。だから乗ってくれないか?」

 

「そんなわけには……いえ、これ以上は無粋ですね。わかりました、有難く拝領します」

 

そうして俺が馬をパーシヴァルに譲ると、走り出した。これ以上の停滞は許されない。それに、もうすぐ夜だ。少しでも先に進んでおきたかった。

 

 

 

そしてその夜、事件が起こる。




フハハハハハ!俺だよ、俺!グレンだよ!
一応、俺の今の最高スピードは新幹線をも超える!
どうだすごいだろう!新幹線の速度で突っ込んでくる火の塊、脅威でしかないな!フハハハハハハハ!!!!!!

さて、次回予告といこう。
様々な魔が横行する夜。三人の勇者達の元に現れる邪悪な淫魔。果たしてムフフな展開は起こってしまうのか!?
次回「精霊の怒り」

グレンの初登場時の特異点/異聞帯

  • 特異点F(冬木)
  • 特異点4(ロンドン)
  • 特異点5(ケルトアメリカ)
  • 特異点6(キャメロット)
  • イベント特異点(影の国)
  • 第六異聞帯(妖精國ブリテン)
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