厨二病の男が勘違いされる話   作:D.D.D_Official

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俺だ!グレンだ……と、言いたい所だが今日はオレだ。

よぉ、モードレッドだ。
アイツが任務に行ってる間に前書き欄は乗っ取らせて貰ったぜ。
早速、アイツの訓練中の恥ずかしいエピソードを紹介してやらぁ。

グレンの野郎が訓練終わりに昼寝をしてやがってな。寝起きに驚かせてやろうと思ってオレの素顔を見せてやったんだ。そしたらアイツ、なんて言ったと思う?

「う、やめろ…俺に刺さる…」

とか意味わかんねえ事言ってやがったんだ!その後に、ロリだのショタだのぶつくさ言っていたが、青褪めてる顔はなかなかに見応えがあったぜ?

そんじゃ、本編だ。


主要人物の悉くから愛される男グレン(本名:佐藤紅蓮)

 

今日も今日とて鍛練を終え、兵舎に戻っていく。

だが、最近の俺の生活には色があるのだ。

 

「グレン様っ!これ、パンと水です!」

 

「あぁ、感謝しよう」

 

それがこの子、エレインだ。

エレインは何故だかよくわからないが、俺にいつもパンと水をくれるのだ。学校では女子に遠巻きにされていた俺だが、こうも優しくされると勘違いしてしまいそうになる。

 

「あ……!グレン様、それ、私のスカーフ…!」

 

「む、返した方が良かったか?色合いが気に入っていたもので、付けさせてもらっていたんだが…」

 

「いえいえっ!付けていてくださいっ!出来れば、ずっと!」

 

まさかとは思うが、エレインときて赤いスカーフ…アストロットの乙女エレインじゃないよな?確かに、「赤毛のアン」でアンがエレインの真似をしたくだりがあるが…

 

だからといって赤い髪にエレインは意識しすぎだろう。ていうか、時系列的にはもう死んでてもおかしくはない筈なんだけどな。

 

まぁ別人か。あまり気にしないでおこう。

 

「あのっ、グレン様…もしお疲れのようでしたら、私の家にいらっしゃいませんか?私、看護には心得があるのですが……」

 

「すまないが、遠慮させて貰おう。俺は兵舎に戻らなければならないんだ。だが、またこの場所で逢おう。では」

 

実際、あと15分以内に戻らなければ飯が無いのだ。鍛練後に夕飯抜きは流石に厳しい物がある。戻らせて貰おう。

 

○○○○○

 

さて、兵舎に戻って来たは良いが…何故だ。何故扉の向こうがお花畑なんだ?騎士達は全員眠っているし、ガレスに関しては鼻提灯まで浮かべている。

 

「グランツ、おい。グランツ!起きろ。寝ている場合じゃないぞ」

 

「うぅ〜ん…むにゃむにゃ。グレン、ドラゴンは…食いもんじゃねぇぞ………」

 

「どんな夢を見ているんだ!?くそっ、起きそうにないな……」

 

一旦、俺は兵舎を出て異常を知らせにランスロットの所まで走る。なぜかって?ランスロットが居れば何となく全部上手くいくからだよ。

 

「ランスロット卿!ランスロット卿は居られるか!?兵舎に花が咲き誇っている!ガレスも魔の手を受けた可能性が高い!至急応援に向かわれた…………は?」

 

ランスロットの部屋の扉を蹴り破って報告しようとすると、そこにはランスロットと知らない胡散臭い男がいた。

 

「………ランスロット卿、隣の男は何者か?」

 

「グレン卿。それは私の方からも聞かせて貰おう。貴卿の正体をな」

 

そう言うと、ランスロットは俺に剣…おそらくアロンダイトを突きつけて来た。なぜだ。

俺が何かしたか?叛乱の素振りは見せていない…というか、考えてすらいないのにだ。とにかく、勘違いを解かないとな。

 

「俺の事…?フッ、説明したでしょう。俺はローゼス帝国第三皇子、"漆黒"のグレン…今は違うがな。今は円卓騎士団ガレス隊下級騎士グレンだが?」

 

「嘘をつくなッ!貴様、王に対して叛逆を企てているのでは無いか!?それに、貴様が付けているそのスカーフ…それはかつて、私がエレインから受け取った物だ!」

 

あ、やっぱりエレインってアストロットの乙女だったのか。だとしたら俺は彼女の愛の印を受け取ってしまった事になる。マズイな……

 

「ランスロット、私が話しても良いかな?」

 

「っ!ええ、そうでしたマーリン。貴方が私にグレンが怪しいと言ってきたのです。その根拠を示してもらいましょうか。当のグレン本人の前で!」

 

マーリンだったのか。いやふざけんなよマーリン。湖の乙女にちょっかい出して地面に埋められた癖に生意気だぞ!

 

「グレン、君はアーサー王の…いや、アルトリアの本当の性別に気づいているね?それにガレスのもだ」

 

うん?

 

「君はモードレッドとも親しいみたいだね。彼女は先日、その出生の秘密を彼女の母、モルガンに明かされているんだ。そんな彼女の元に突然現れた君の存在…疑うなと言う方が無理だろう?」

 

「………………………」

 

「それにだ。君には少しだけだが神性がある。これはつまり、君がモルガンの手先、もしくは眷属か何かである事を示すんだ」

 

なんかドヤ顔で妄想を披露されるとウザいな。中学の時に俺の武勇伝を聞かせていた友達の飯山くんはこんな気持ちだったのだろうか?すまない、飯山くん。次元を超えて君に謝ろう。

 

「だから……「もういい」…うん?」

 

「もう良いと、そう言ったんだ。貴様がマーリンだかヘンリ7世だか知らないが…下らん妄言を並べ立てるのは止めろ。聞くに耐えん。

アルトリアだと?あぁ、Arthurを捩ってArturiaか?だとしたら滑稽な話だ。貴様には余程ネーミングセンスが無いと見える。

第一、アーサー王は男なのだから偽名だとしてもArturiusにするのが妥当だろう。まさか花の魔術師マーリンがこんな低脳だとはな。思いもしなかった。ではこれにて失礼させてもらう」

 

これ以上話を聞くのが嫌だったため、俺は適当に暴言を吐いて退出した。どうせマーリンは碌な奴じゃないんだ。今頃どっか高い所でニヤニヤしながら笑ってるんだろうさ。

 

とにかく、兵舎のみんなを叩き起こさないとな。鍛練で少し鍛えられた筋肉が猛威を振るう時が来たようだな…!ククク…!

 

 

〜〜〜〜〜

 

「……行ってしまったね」

 

薄暗い部屋の中、マーリンとランスロットは嵐のように去っていった男の事を話し合っていた。

 

「マーリン、本当にグレン卿が裏切り者なのでしょうか?どうやら、王の性別に気づいていない様子でしたが…」

 

「それが罠だよランスロット。彼は嘘吐きだ。大嘘吐きだ。ローゼス帝国なんていう存在しない国の名を挙げるのもそうだ。彼がどこぞのやんごとなき身分の者であるのは確定しているんだけど…」

 

「しかし…王の真名を偽名だと言い、その指摘すらするような事を普通の人間ができるでしょうか?」

 

マーリンは肩をすくめ、呆れたように言う。

 

「だからこそ、彼は狂っているのさ。正しく狂っている。全てを識っておきながら何も知らないフリをする。そんな事、常人には不可能だ。それに、千里眼で観たけれど彼、エレインの本性にも気づいていそうだしね」

 

ランスロットは、虚空を睨みながらエレインを…かつて手ひどく裏切り、思いを踏み躙ってしまった少女の事に思いを馳せる。酷く後悔したのを、今でも鮮明に思い出せる。

 

今、この部屋には様々な思惑や欺瞞が満ち溢れていた。

 

 

夜はまだ明けない。

 




くそっ!あの性別不詳叛逆騎士めっ!俺の恥を暴露しおって…!
まぁ良いッ!と言うわけで、俺だ!グレンだ!!!!!!

何故かマーリンとランスロットに疑われてしまった俺だが、寧ろ好都合だ!低い評価からスタートならば上がり幅は高いからな!フハハハハハハ!!!!!

次回予告ッッッ!!!
思惑と思惑はぶつかり合い、そして厄災を産む。
終わりの見えぬ戦いの前に少年は何を見るのか?

次回「ターニングポイント」

グレンの初登場時の特異点/異聞帯

  • 特異点F(冬木)
  • 特異点4(ロンドン)
  • 特異点5(ケルトアメリカ)
  • 特異点6(キャメロット)
  • イベント特異点(影の国)
  • 第六異聞帯(妖精國ブリテン)
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