オリ主(あなた)がログインしました   作:バンクス

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おっひざー!!


#7 情報屋(インフォーマー)

76層アークソフィアに帰還したあなたとキリト。

街はすっかり夕焼けに染まっていた。

 

「……アークソフィア。戻って来れたのか」

 

帰還できた事に安堵するキリト。

「よし、ホロウ・エリアにも行けるみたいだ」

 

転移門にホロウ・エリアがアクティベートされているのを確認し、ウィンドウを閉じるとキリトはあなたの方を向いた。

そして、思案顔になる。

 

どうしたのかとあなたが訊ねると、キリトは真剣な面持ちになり、閉じていた唇を離した。

 

「──。キミはフィリアについてどう思う?」

 

あなたはフィリアについての率直な感想を述べた。

 

可愛い女の子

 

「……いや、そういう事を聞いているんじゃなくてだな。──はフィリアがPKをするような子に見えたか?」

 

あなたはフィリアが殺人を犯していないことを知っている。

なにか事情があるのではないか。みたいな、当たり障りのない事を言っておく。

 

「だよな。俺もフィリアがなんの事情もなくPKをするような危険な子には見えなかった。……転移結晶を別に切らしているわけじゃなかったみたいだし。……彼女が1ヶ月もホロウ・エリアに滞在していることと、なにか関係があるのかもしれないな」

 

流石キリト、鋭い。と、あなたは内心拍手を送る。

 

「フィリアについて他に気になったことや、なにか気づいたことはあるか?」

 

気づいたところどころか事情を全て知ってます!

あなたは、うーんと考える素振りを演じる。

 

「……じー」

 

なぜか、キリトがじっとこちらを見てくることに気づく。

まるで何かを見定めているみたいな眼差しだ。

まさか、フィリアについて何か知っていると思われているんだろうか?

 

特にないと。あなた、そう伝える。

すると、キリトは見定めるような目を向けるのをやめ

 

「……そうか」

 

と、感情の読み取れない声でそう言うのだった。

そんなに気になるなら今度、本人に聞いてみたらいいのではないか?と提案する。

 

「んー。デリケートな話題だろうし、流石にな……。それに、フィリアはあまり深入りされたくないみたいだし」

 

なら、交友を深めていって自分から事情を話してくれるのを待つしかない。

あなたの意見にキリトはうーんと悩ましげな表情を浮かべる。

 

「けど、俺、人と仲良くなるの得意な方じゃないんだよな……」

 

あなたの脳裏にキリトハーレムの面々の顔が浮かんだ。

 

嘘だ!

 

あなたは知っている。キリトが今まで沢山の女の子のフラグを立てて来たこと。そして、これから先もヒロインが増えることも!

 

やれやれ困ったな。みたいな感じのキリトをあなたがギロ見していると……

 

転移門からローブを被った少女が転移してきた。

 

その少女は、転移して来て早々、思い切り転移門の碑石を蹴り、吠えた。

 

「クソッ! 手がかりゼロとカ。迷宮区内にあった全部のトラップを調べてみても転移系のものは一つもなかったし。 ……たく、アイツ、いったい何処で何していやがるんダ!」

 

「……? アルゴじゃないか」

 

「……? ……! キー坊!?」

 

声をかけられたローブを被った少女が、振り返りキリトの姿を見るや目を丸くする。

 

「どうしたんだよ。そんな血相変えて……」

 

「いったい誰のせいでそうなってると思ってんダ! お前、今までどこほっつき歩いてやがっタ!! 位置情報がロストしてた上に、メッセージを送っても返信が無いって、あーちゃんがすげぇ心配してたゾ!」

 

怒り心頭の様子でキリトに詰め寄るアルゴ。

キリトはあ、やべっ、と、やらかした時に浮べる顔になり、慌ただしくウィンドウを開き、操作して、何かを確認する。キリトの顔からさーと血の気が引いていく。

多分、アスナや他のみんなからのメッセージの件数を見て自分がどれだけ心配をかけたのか自覚したのだろう。

 

「……やばっ! 急いで、みんなに無事って事を伝えないと!」

 

そう言って凄いスピードで虚空に浮かぶ、ウィンドウを指で操作するキリトだったが、一足遅かったようだ。

タタタッ、素早い足音がこっちへ一直線に近づいてくる。

 

「キリトくん!?」

 

「え? アスナ!?」

 

「だ、だだ大丈夫だったの……!?」

 

「落ち着けアスナ! 俺はこのとおり大丈夫だか、らっ!?」

 

ぎゅっと、アスナがキリトの胸に飛び込む。

 

「……よかったぁ。……心配したんだから!」

 

キリトは自分の胸に頭を埋め、今にも泣き出しそうな顔をする嫁を見て、優しく包み込むように、その華奢な肩に手を回し抱擁する。

 

「……ごめん。心配かけたよな」

 

「……うん。ほんとに、心配したんだからね?」

 

そのまま、無言で抱き合い続けるキリトとアスナ。

完全にふたりだけの世界に入り込んでいる!

「あーコホン。そこの熱い抱擁をかわしている、おしどり夫婦さんガタ。この場に居るのが自分たちだけじゃないってことを思い出してくれないカ? キー坊のツレとか、なんかもう遠い目をしはじめてるゾ?」

 

「「あ、ごめん!」すみません!」」

 

抱擁をやめて、あははと照れながら、離れる、キリトとアスナ。

どこか少し物足りなそうにしているように見えたのは多分気の所為ではないと思う。

アルゴはやれやれと肩を竦めた。

 

「あの、──さんはどうして此処に? もしかして、あなたがキリトくんを見つけてくれたの?」

 

このなんともいえない微妙な空気を変えるべく、アスナが訊ねる。

見つけたというか……一緒に居たというか。

 

「ん?」と眉を寄せ、困惑するアスナ。

 

「一緒に居た? ……どういうこと?」

 

アスナは説明を求めるようにキリトの方を見る。

 

「キー坊。あーちゃんが困惑してんゾ。ちゃんと説明しろヨ」

 

「えっと、説明したいのは山々なんだけど、その前に、みんなに無事を伝えないと」

 

「あー、うん。そうだね。みんなキリトくんの事を心配していたら、その方がいいかも」

 

「何があったのかの説明はエギルの店にみんなを集めてするってことでいいか? その方が説明も一度で済むし、情報も共有できるだろ?」

 

「うん。わかった。……私の方もキリトくんの捜索を色んな人たちに頼んでたから見つかったって報告しないといけないし」

 

「アルゴもそれでいいか?」

 

「オイラもそれで構わないよ」

 

「ということだから──、悪いがもう少し付き合ってくれるか?」

 

キリトにそう頼まれ、あなたは問題ないと頷く。

 

「……アルゴさん。──さん。キリトくんの捜索に協力してくれてありがとうございました」

 

ぺこと頭を下げるアスナ。

 

「ニャハハハ。あーちゃんと、オレっちの仲だろ? これくらいお安い御用さ」

 

「アルゴさん……」

 

「それに……面白い話(情報)にもありつけそうだしナ」

 

アルゴは、あなたの方を見て、ニヤリと笑った。

 

「空から降ってきた白い剣士ってアンタのことだろ?」

 

あなたは、よく知ってますねと愛想笑いを浮かべて、社交辞令みたいな返しをして、名乗る。

 

「オレっちは、アルゴ。見ての通りの情報屋ダヨ」

 

見ただけじゃ分からないだろうと冷静にツッコミを入れるあなた。

 

情報屋、鼠のアルゴは「ニャハハハ。ナイスツッコミ」と元気よく笑う。

 

「まぁ、今後、なにか知りたい情報があるときは、オネーサンを頼るといいヨ」

 

 

 

夜。CLOSEの看板が出ているエギルの店。

キリトがエギルに頼み、19時から貸切り状態にしてもらったのだ。

エギルは「帰ってきたと思ったら、またいきなりだな。その時間帯、一番の稼ぎ時なんだが?」と言いながらもこうしてキリトの頼みを聞いてくれるあたり、やはり根っからのお人好しなんだろう。

 

エギルの店には今、キリトと縁の深い人間が全員集まっていた。

アスナ、ユイ、リズベット、シノン、リーファ、シリカ、アルゴ、ストレア、エギル、クライン。

そして、あなた。

キリトを含めて12人が店内にあるテーブル席やカウンター席の椅子に座っている。

 

 

キリトはまず、彼らに心配と迷惑をかけた事を謝った。

それから、自分の身に何が起きたのか話し始めた。

 

「実は……」

 

キリトはアスナたちになにがあったのかを要約して話した。

 

迷宮区探索の途中、突然、強制転移させられ、未知のエリア(ホロウ・エリア)に飛ばされたこと。

 

オレンジプレイヤーのフィリアと遭遇し、一時は戦闘になったこと。

 

その後、すぐ、スカルリーパーに襲われ、共闘したこと。

 

スカルリーパーとの戦闘で窮地に陥った際、同じく強制転移してきたというあなたに助けられたこと。

 

スカルリーパー討伐後、自分の手に紋章が現れ、それと同じものがある場所を知るフィリアに案内してもらったおかげで、なんとかアークソフィアに戻ることができたこと。

 

そのあとはだいたい原作通りである。

 

クラインが早速ホロウ・エリアへ行こうと転移門へと向かったが、キリトがアクティベートしたはずのホロウ・エリア管理区に転移できず。

 

紋章を持つキリト、あなたしかホロウ・エリア管理区には行けないことが判明。

 

紋章を持つもののパーティに入れば、一緒にホロウ・エリアに転移することが可能。

 

ただ原作と違う仕様を一点あげるとすれば連れていけるパーティーメンバーの上限が1人ではなく、5人ということ。

 

あなたは気づく。

 

……もしかして、1人マルチプレイ基準?

 

ホロウ・フラグメントでは、管理区のコンソールからひとりマルチプレイができ、ホロウ・エリアに、パーティキャラ1人+4人キャラ、最大5キャラまで他のメンバーを連れて行けるのだ。

 

なおその際、コンソールのある管理区にまで戻ってマルチプレイを正式な手順で終了するまではオートセーブは働かず、うっかりそのまま電源を消したり、画面がバグったり、フリーズした場合、マルチプレイで遊んでいたその時間分のデータは完璧に綺麗さっぱり消し飛ぶ!!!

 

WiFi通信でみんなでマルチプレイを遊んでいる時の謎の通信エラーからの強制終了orそれによって稀に発生するアプリフリーズは数多くのプレイヤーに殺意を抱かせたことだろう。

更にタチが悪いことに、この通信エラー&フリーズは、ひとりマルチプレイでもWiFiやBluetoothオン状態だと起きる場合があった。

なので、あなたはひとりマルチプレイをする時は必ずWiFiとBluetoothはオフにした状態で遊んでいた。

誰かにホロウフラグメントで一緒にマルチプレイで遊ばない?と誘われたならホロウ・フラグメントの廃人ゲーマーであったあなたは毎回こう答えていた「悪いが俺はソロだ」と。

 

閑話休題。

 

アスナから今日はもう冒険禁止! 休息をとるよう! にとキリトとあなたはキツく言いつけられ、あなたは自分の宿部屋へと戻り、シャワーを浴びたあと、眠りについた。

 

キリトの仲間たちはホロウ・エリアに興味津々という感じだった。

当然、ホロウ・エリアへと行けるあなたは放っておかれるはずもなく……。

 

翌朝。

 

あなたがクローゼットのウィンドウを弄り、倉庫の装備の整理をしていると、あなたの部屋のドアがノックされる。

 

あなたはクローゼットのウィンドウを閉じて作業を終了して、部屋のドアの前に立って何方ですかと問いかける。

 

「私よ。シノン」

 

返ってきた声は落ち着いた少女の声。

 

ドアを開けると、そこには薄緑を基調とした装備姿のシノンが立っていた。

 

「あなたに頼みがあって来たの」

 

頼み?

 

シノンは真剣な眼差しであなたを見据え

 

「私をホロウ・エリアに連れて行ってくれない?」

シノンをホロウ・エリアに連れて言ってほしそうにこっちを見ている。どうする?

  • 連れて行く
  • 連れて行かない
  • まずはどうして自分の所に来たか事情を聞く
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