オリウマ主がただただ媚薬効果でキュンキュンしたりされたりするだけの話 作:珱瑠 耀
「今日こそ!!!!今日こそヤエちゃん!!!!!こいこいこいこいこいこいこいこい!!」
「激熱ッ!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「トウコキョクシ--ワガユミデアラユルヤクヲウチハラオウ。」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」
中秋の名月、と呼ぶに相応しい位の青い夜。
高低差の激しい森の中を、棚引く着物の袖が抜けてゆく。
指に挟んだ矢を凛と番え、息も吐かぬ間に過ぎていく的を寸分の狂いもなく撃ち抜く。
タン、タン、タンと毬を打つ様な音が風を生み出し、揺れる身体が綽々と先を示す。
その瞳が見たのは―――
「―――枯る渇き 過ぎ行桜梅 月霞」
後ろから響く沈着な声に、私ははっと意識を戻した。
「へ?………あ、グラスさん……今のは」
「ふふ、こんばんわ。ルドルフ会長の流鏑馬がとても綺麗で、つい……」
横に並んで会長の流鏑馬を見るグラスさんの言葉に、静かに頷く。
疾駆する会長の、鋭くはないがしっかりと見据えられた目。
まるで舞うかように翔けるその姿に。
「―――凪ぎ沈水に 並ばざる者」
続く詞は、流れ出ていた。
「……連句、ですか」
「グラスさんの俳句には及ばないかもしれませんけど、その……えへへ」
「……ふふ、いえいえ。とても良い短句でしたよ」
微笑み合ってもう一度会長に目を向ければ、丁度急勾配の崖から飛び出して矢を射る所だった。
月の光で会長の影ができ、その影の中で桃色に近い瞳が燦々と輝き。
―――そしてそのまま、三つ並んだ的を射貫く。
その姿に誰もが見惚れ、圧倒され、言葉を発する者は誰も居なかった。
―――数十分後、私達学園生は寮の前で世間話に花を咲かせていた。
そんな私達に、ふわふわした声が掛かる。
「みんな〜!お月見団子が出来たよ〜★」
その声に大多数がわぁいと喜び、極一部*1が目の色を変える。
そんな三人を見逃さなかった凄く大きい*2ヒシアケボノさん―――もといボノさんが、三人に向かってあるものを口に入れた。
「ライス先輩とオグリ先輩、スペちゃんにはこれをどうぞ〜★」
「んむ」
「はむ」
「もご……―――ぐぅ」
―――そしてその瞬間、三人が同タイミングで倒れる。
「え"っ」*3
「!?」*4
「oh……」*5
「う〜ん……タキオンさんの睡眠導入剤、強すぎたかな〜?ボーノってしてくれなかったし〜」
全員が瞠目する中、ぽやぽやとしたボノさんがあっけらかんとそう言い切ったことで、この場の全員の心の中は一致した。
というか、多分きっとその薬は私も飲んだやつだ*6。
「それじゃあ、あたしは寝ちゃった子たちをベッドに連れてくから〜……みんなで分け合って食べてね〜★」
そんな周囲の心中を知ってか知らずか、よっこいしょと三人を担いだボノさんがそう言い残し、そこから去る。
重そうだったけど大丈夫なのかな、なんて考えを頭の中で巡らせながら見送った。
―――そして全員がハッとする。
―――この場にやべぇ健啖家はもう居ないんだ。
それを知ってからは月を眺めながら思いを馳せ、親睦を深める時間だ。
それは生徒会が主催*7してペアのシャッフルを行ない、色々なお話をしあうというもの。
ドトウさんが自己紹介で盛大に噛んだのをマチタンさんが慰め、ビゴーさんとツインターボさんがヒーロー談義をし、ハヤヒデ先輩とシャカール先輩がレースについての難しい会話を展開している。
かくいう私もペアが居るはずなのだが……
「―――ど、どこぉ……?」
―――かれこれ10分は探し続けていた。
殆どのウマ娘がペアを作って会話を繰り広げているのに、自分だけがまだ右往左往としている。
数少ないお話できる時間なのだから、早く探して仲良くなりたいのに……
「う、ぅぅ……どうしよう……」
「……あの」
「もしかしてっ、休んだり……?いやいや、流石にあの三人以外には……」
「…………ねぇ」
「……まさかっ、私と一緒で迷子とか……?そ、そんな訳ないよね……多分……きっt」
「ねぇ」
ブツブツと一人思考を垂れ流していた私の肩に、手が突然乗せられる。
「ふぁうぃ!?ごめんなさい先生!?」
驚いて半ば発狂しながらそう言って振り返ると、返ってくるのは小さな溜息。
「私は先生じゃないんだけど……」
「あっはい、ごめんなさい……」
落ち着きからして先輩だろうか?
そうだとしたら、先生をお母さんと間違えるくらいには恥ずかしい。
「―――っで、そのっ、番号……いくつですか?」
だが、今はペアだ。
一呼吸整えて改めて相手の顔を見る。
右耳に青いイヤーカフを、左耳に青い星のアクセサリを付けているキリッとした印象のウマ娘。
「1番よ。……―――その様子を見れば、貴女もそのようだし」
そのウマ娘は、クールな印象を崩すことなくそう言った。
「―――そう。カレンさんが言ってたのは、貴女のことだったのね」
「えっ、カレンさんまで……?」
寮の玄関前の少し段差になっている所に二人で腰を下ろす。
お互い大勢が居る場所よりも少し離れた静かな所でお話した方が良いと思ったからだ。
ペアになった娘の名前は、アドマイヤベガさん。
栗東寮の高等部で、一等星でありたいと強く願うウマ娘だ。
「フレイルさんは、アメリカから来たのよね?」
「はい……向こうとは生活様式とかが全然違うので、びっくりしました」
お互い星を見るのが好きだと言うことでその話でかなり盛り上がり、今は私の出身の話題に。
「そうだったの…………寂しく無かった?家族と離れて」
アヤベさん(そう呼んでと言われた)からのその言葉に、私はうーんと考える。
深く考えた事は少ないけど、言葉に表したらきっと。
「……―――寂しいです、とっても。前までだったら、眠れない満月の時もお父さんかお母さんが隣で一緒に眠ってくれていて。それで凄く安心出来たんですけど、今ここに家族は居ないし……ふと思い出して、ルームメイトの居ない寮の部屋を見て、どうしようもなく怖くなります」
私が臆病なのは、自分が一番よく知っている。
他のウマ娘の重圧で萎縮してしまう程には怖がりで、ちっぽけだけど。
「でも、今はそんなことないんです。テイオーさんとかマヤちゃんとか、キングさんとかウララちゃんとかクラスの皆が、私をここに居ても良いって肯定してくれるようで。たまにお父さん達に会いたくはなりますけど、それ以上に楽しいから、寂しくはないです」
むしろ、そう心配してくれる方が居て嬉しい位だ。
「だから、そう言ってくれてありがとうございます」
「……別に、そう言って欲しくて聞いた訳じゃないのよ。家族が居ない事が嫌なのは、誰も同じだし……」
そうそっぽを向くアヤベさんの目は、仄暗さが混じっていた。
まるで、手の届かない遠い場所に大事なものがあると言わんばかりに。
「……アヤベさんは、どうしてそんな質問を?」
「…………私、は」
その質問に俯いて言葉を濁したアヤベさんを見て、私は何も言えなくなった。
喧騒が更に遠くなる。
「…………私は元々、双子だった」
二人だけ取り残されたような空間に、ぽつりと言葉が零される。
「でも
「死ん―――」
「しょうがないからって。発見の遅れた大腸癌なんて、助かる方が奇跡だって」
大腸癌とは、癌の中でも死亡率の高い病のこと。
それの発見が遅れたという事は。
「まさか、ですが」
「あの時は呆然としていたわ。
絶句。
脳から血が引かれていく感覚が私を襲う。
「―――それでもあの子は、発見の遅れた医者を怒るでもなく、産んだ親を恨むこともなく、しょうがないねって」
喧騒は既に意識の外へ追い遣られた。
その端できゅ、と膝を抱えるアヤベさん。
「見る予定だったこと座流星群も見れないまま、私は
そこまで喋って、いえ、と頭を振る。
「…………今の私じゃ、あの子の見たかった流星群も満足に見れない。私が一等星―――ジャパンカップでの一着になって、あの子にその光が届くまでは」
見れるかすら怪しいけど、と言って月を見上げる。
私よりも身体が大きくて精神も大人に近い彼女が、今だけはまるで赤子が泣くように小さく見えた。
その姿が、次の日には霧になって消えそうな雰囲気を纏っていて。
「でっ、できますっ!」
―――私は、気付けば立ち上がってアヤベさんにそう言っていた。
そして自分でもこんな大きい声が出せたんだと理解し、ちょっとだけ混乱する。
「―――えっ?」
ぎゅっと握った右手を胸の前で押さえて、混乱の収まらない、まともに整理もしていない言葉で。
「私はっ、アヤベさんの事……まだ何にも知りませんけど、アヤベさんはすっごく、すっごく優しいですから……初対面の私にも心配してくれてっ、色んなお話をして、そう……だからっ、絶対、勝てます!届きます!」
そこまで口走って、相当の勇気を使った私ははぁっと呼吸を整える。
「…………あ、あれ?なんで静かに―――ぅえぁ!?」
ふと冷静になった私が静かな場に困惑して辺りを見回すと、なんと殆どのウマ娘がこちらを見ているではないか。
「あぅっ、聞こえ、聞こえてた……!?」
そう理解した瞬間、クールダウンしていた顔が一瞬で紅くなった。
優しい笑顔で見られると恥ずかしさで爆発しそうになる。
「―――ふふ」
蹲ってぅぅぇぅぁぅぅ、と声にならない叫びを上げる私に、目の前のアヤベさんが小さく吹き出した。
「フレイルさん、恥ずかしい思いをさせて悪かったわ。………でも、嬉しかった。貴女が私のことを、心から応援してくれているって解ったから」
真っ赤になった顔を上げて視界に入ったのは、アヤベさんのクールだが優しい微笑み。
「だから…………その、あ、ありがと……」
「……ふ、ふっ」
少し恥ずかしそうに、照れ臭そうに、そっぽを向いて響いた風が鳴く程に小さい声に、今度は私が笑う番だった。
「…………団子、食べちゃいましょう?」
「……そうね」
アヤベさんの隣、先程よりも近い距離に座り直した私は手にした袋の口を開ける。
「ボノさんの料理ってどれも美味しいから、つい食べ過ぎちゃうんですよねぇ……調理師さんのも美味しいんですけど、甲乙付け難いといいますか」
「そう……ん、美味しい」
三つ入りの月見団子は二口弱もあれば食べ切れるサイズの、ボノさんにしては珍しい小さめのサイズ。
皆のことを考えて小さくしてたのかなと思うと、ちょっと可愛いなと笑みが零れる。
「はむ……もちもちですね―――」
ほんのりお米の味がするだけの団子だが、それがい―――
―――二つ目の団子を口に入れるのとほぼ同じタイミングで、ポス、と右腕に重さを感じる。
「?…………―――!?」
はて、隣に居るのはペアのフレイルアルミラージだけだが……と視線を向け、極めて冷静に顔を戻し、そして二度見した。
寝てるのだ、ほんの先程まで話していたフレイルアルミラージが。
「………今日は満月の筈」
と、そこまで呟いて、最初の方に話していた事を思い出す。
『あの睡眠導入剤、私も前に飲んだ事あるんです………あ、決して変なことではなくて、その……私、満月の日は必ずって言っていい程に眠れなくて』
「……これね。なんでもう一つあるんだか」
食べかけの団子を見てみれば、中央にあったのは真っ白な錠剤。
おそらくこれが睡眠導入剤だろう。
軽く突くだけでポロポロと崩れる錠剤は作りが上手いのか嫌らしいというか。
「…………手が掛かる、訳でもないけど……」
―――この子、どうしよう。
すやすやと眠るフレイルアルミラージを腕で支えたまま、アドマイヤベガは遠い目をした。
「アヤベ、どうしたんだい?困ってるようだけど」
そんな様子を見たのか、栗東寮長のフジキセキが寄ってきた。
「あ、フジさん……フレイルさんが余ってたであろう睡眠導入剤入り団子で寝てしまって」
それを聞いたフジキセキが瞬きを繰り返す。
「……それって、
「恐らくそうかと」
「そう、かぁ……うん、これは予想外だったね」
苦笑いをして蟀谷を押さえる彼女。
恐らく故意ではないだろうが、運が悪かったということだろうか。
「まぁこれはしょうがないね。アヤベ、フレイルを部屋で寝かせてきて貰えるかな?」
「まぁ……場所を教えてくれれば」
「ありがとう、助かるよ!フレイルの部屋は寮長部屋の隣さ、一人部屋だけどね」
ありがとうございます、と軽く礼をして、フジキセキは早足で喧騒の中に潜っていった。
恐らくヒシアケボノを探しているのだろう。
「……軽過ぎ、ちゃんと食べてるの?」
ひょいとフレイルアルミラージを背負い、自分と彼女の団子を指に挟み込むとさっさと寮へと入る。
途中で靴を脱がし、すぐそこにある部屋の扉を開けた。
質素な机と箪笥、そしてベッド。
几帳面に片付けられた部屋の、逆サイドを見る。
「これじゃあ寂しいのも無理ないわね」
そう独り言ちて、ベッドにフレイルアルミラージを寝かせようと腰を下ろす。
その時だった。
「―――ぉ、かぁさん」
そんな言葉とともに、脱力していた腕がぎゅ、とアドマイヤベガの首元に回る。
寂しい、と零していた先程の会話で、思い出してしまったのだろうか。
それを見て彼女はふぅとため息を吐く。
しかしその顔は少し嬉しそうで、小さく口角が上がっていた。
「…………カレンさんに、メッセージしとかないとね」
イチャイチャ少なめ&アヤベさんの双子の子は作者の妄想、そして最初のカイチョーは前書きで引いた為の友情出演でした
GWイベ始まったね、家帰ったら私も十連しますわよ
アリエス杯?ハハ(白目)
ライスの次を何人か決めておきましょ(人選は以下略)
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マヤノトップガン
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ビワハヤヒデ
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ナリタブライアン
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ヒシアケボノ
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ファインモーション
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ナイスネイチャ
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ニシノフラワー
-
セイウンスカイ
-
ハルウララ
-
エイシンフラッシュ
-
ハッピーミーク
-
サクラチヨノオー
-
ジャスタウェイ(オリウマ)
-
アグネスデジタル
-
メジロアルダン
-
サトノダイヤモンド
-
キタサンブラック
-
メジロブライト
-
マチカネタンホイザ
-
その他