【急募】狩猟笛の正しい使い方【完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今朝から怒涛の評価が入りまして。とりあえず低評価は気にしないことにするとして、どうやらコテハン組が乱入するのがお気に召さなかった人もいるようで。これは好き嫌いなのかなあとと思いました。今回の戦いだけだから許して。

禍依之淵源・淵虎竜マガイマガドとの最終決戦、終幕。楽しんでいただければ幸いです。


【これが本当の】狩猟笛の正しい使い方【最終決戦】

 全身の刃が電撃を纏って逆立ってまるで針山地獄の様で、全身を覆うようにして紅蓮の鬼火を纏った風が渦巻き、口からは溢れんばかりの紅蓮の炎を燃え滾らせ、目がギラギラと輝き殺意に染まっている姿…暫定「鬼火纏」に形態変化した禍依之淵源・淵虎竜マガイマガドの苛烈な攻撃が襲いかかる。

 

 

「グゴアアアアアアアッ!!」

 

 

 奴の回転する尻尾に影響された空からは鬼火か雷か冷気を纏った風の砲弾が絶え間なく襲いかかり、さらに淵虎竜本体が何度も何度も前足を叩き付けて防御不可の電撃の衝撃波を発生させ、雷を帯びた炎を溢れさせた牙で噛み付かんとし、さらに身体を横に高速回転させてシュレッダーの如く地形ごと切り刻んできたのを、翔蟲を駆使して回避する。

 

 

「全部ガード不可の攻撃とかふざけんな…!?」

 

「くっ、攻撃の隙が…!?」

 

 

 空中で貫通電撃弾を放ってみるも、電気のドーム状のバリアを発生させて無効化され、ヒビキが高速回転させた狩猟笛を投げつけてバリアを突破するも風の膜で受け止められて弾かれてしまう。タマが仕掛けた地雷を踏んでも怯まず、ダンガンの放った手裏剣も弾いてしまう。

 

 

「攻撃できても無力化か…」

 

「なんとか隙を作るしかないな」

 

 

 高速回転シュレッダー攻撃を、全力で飛び退いて回避する。しかし円を描くように回転を続け、獄泉郷の高台が削られていく。今の自分には狭いから広げようってことか…!?

 

 

「こうなったら…!」

 

 

 グルグルと円を描いて高速回転シュレッダー攻撃を続けて勢いを増していく淵虎竜の眼前で、狩猟笛を大剣の様に構えるヒビキ。

 

 

「奴の攻撃に耐えながら渾身の一撃を叩き込む…!」

 

「無茶だ、死んでしまう!」

 

「信じてるぞバレット!激昂打・奏(げっこうだ かなで)!」

 

 

 大剣の入れ替え技、激昂斬。敵の攻撃を耐え抜き、そのダメージすらも火力に変えて叩き込む諸刃の剣の動きでシュレッダー攻撃を真正面から受け止め、傷だらけになりながらも俺が回復弾を叩き込んで無理やり回復、シュレッダー攻撃のダメージすら上乗せした一撃が、ちょうど頭部に炸裂して淵虎竜を叩き飛ばした。そうだ、マガイマガド特有の特殊ダウンか!

 

 

「やった…がふっ」

 

「無茶だって言っただろ!?回復弾だって治せる傷には限りがある!」

 

「心配するな、致命傷だ」

 

「馬鹿野郎!?」

 

 

 ビシッと指を立てて倒れそうになったヒビキのポーチから秘薬を取り出して無理やり飲ませて回復させる。死ぬ気か馬鹿。だが今のは大打撃に……と見てみたら、顔面に紅蓮の炎を纏いつつモンスターの死骸を喰らいこちらを睨む淵虎竜がいた。…再生能力があったなあ、今畜生。

 

 

「だけど餌が限られてるから完全回復は無理みたいだな」

 

「むしろ隙だらけだ!振打(しんうち)残響(ざんきょう)!」

 

「そうか、竜撃弾を喰らいやがれ!」

 

 

 右前足に振打を叩き込み、演奏を加えて相手の体内に追加ダメージを与えるヒビキに続いてネコ獣砲ニャノンで竜撃弾を叩き込む。500近くもダメージが出た。火属性も効くみたいだな。

 

 

「鬼火を纏っているところを優先的に狙え!ダウンしやすい!」

 

「了解だ!音撃!打!打!打!打!打!打!打!打!」

 

 

 起き上がる淵虎竜に音撃打打打を叩き込み続けるヒビキ。すごい、的確に鬼火があるところに叩き込んで怯ませて攻撃させない。もう音が笛というか琵琶というかバスドラムみたいだ。それに続いて貫通電撃弾を撃ち込み続けていると、ついに弾切れした。やばい、貫通弾に切り替え……あっ。ポーチのなかにあったこれは…。

 

 

「虎の子だ、喰らえ!」

 

 

 淵虎竜に青い着弾煙が浮かび上がる。そういや持って来てたんだったな、これ。上からの鬼火か雷か冷気を纏った風の砲弾の雨を掻い潜りながら当てて行く。淵虎竜は少ないダメージにあまり気にしていないが、目に見えて疲弊して来ていた。

 

 

「バレット、それは…?」

 

「モンスターからスタミナを奪う弾丸、減気弾だ…!材料がクッソ貴重なんだが持ってきてよかった!」

 

「よし、決めるぞ!」

 

 

 スタミナが無くなってその巨体を動かせなくなった淵虎竜に、俺はネコ獣砲ニャノンに特殊弾を装填。ヒビキも居合の様に構える。行くぞ!

 

 

「狙撃竜弾…!」

 

「擬似・特殊納刀。居合抜笛(いあいばっぴょう)気炎旋律…打打打打打(きえんせんりつ だだだだだ)!!」

 

 

 俺は狙撃竜弾を撃ち込み、クルクルクル!と気炎の旋律を奏でるようにしながら居合の如く高速で振り抜き、振り抜いた勢いでまた居合の構えを取り振り抜き、を五回連続で繰り返すヒビキ。兜角が叩き折られ、左目が潰れ、牙の欠片が宙を舞い、そして禍依之淵源・淵虎竜マガイマガドが元の形態に戻るとそのまま倒れ伏した。

 

 

「やったか…?」

 

「むしろオーバーキルだろアレ…」

 

 

 たまらず尻餅をついて大きく息を吐く。やったか、やったのか。あまりに無茶をし過ぎたのか、淵虎竜に背を向けて狩猟笛の調整を始めるヒビキを横目にやってきたタマを乗せたダンガンの顎を撫でる。しかしあっけなかったな………そう思いながら信号弾を取り出して討伐したことを伝えようと背を向けた時だった。ん?どうしたダンガン、そんなに唸って。不思議に思っていると、視界の端っこにあるゲーム画面の地図を見てある事に気付く。

 

 

「地図に倒したマークがついてない…?まさか!」

 

 

 振り返ると、そこには右目をガン開きにして無防備なヒビキを睨み形態変化していく禍依之淵源・淵虎竜マガイマガドの顔があって。死んだふりでスタミナを回復していたとでも…?不味い…!?と思った瞬間、爆発と共に淵虎竜が吹っ飛んてきた。

 

 

「ヒビキ…!」

 

「なに…!?」

 

 

 ヒビキを突き飛ばし、同時に身を引いて淵虎竜の攻撃を避けようとするが、次の瞬間喪失感と一緒に左腕があった(・・・)箇所から激痛が走って。

 

 

「ぐあぁああああっ!?」

 

 

 見れば、左腕の肘から下が淵虎竜に食いちぎられていた。この程度ですんで運がよかったと言うべきか、否。激痛で動けない。足手まといでしかないぞ、と見れば残りも食おうとしたのか大口を開けて突進してくる隻眼の淵虎竜がいて。

 

 

「バレット!」

 

 

 横っ面からヒビキが殴り飛ばしてくれたおかげで淵虎竜の突進が逸れて助かったが、もうヒビキも肩で息をしていて限界だ。タマが包帯と回復薬で応急処置してくれているが、間に合いそうにない。くそっ、油断した。こんなあっさり決着がつくわけないのに……ゲーム画面の弊害か、「意外とあっさり決着がつくゲームのモンハン」と混同してしまった。こんなに悪辣な奴が死んだふりをしない保障なんてなかったのに!

 

 

「くそがぁああああああっ!」

 

 

 愚かな自分と、性格が悪すぎる淵虎竜への憤りで吠える。すると淵虎竜が何故か怯んで大きく距離を取った。…俺の圧を恐れたとかそういうわけじゃないよな?

 

 

「シャーッ!」

 

 

 次の瞬間、空から舞い降りたのは一件変哲のないリオレイアだった。しかし淵虎竜は大袈裟なぐらいに回避、そんな淵虎竜に翼を羽ばたかせて鱗?を飛ばして白い体躯を見せるリオレイア。鱗?が落ちた場所がシューシューと音を立てて溶けて行く。まさかあれは、毒牢姫…!?

 

 

「グオオォオオオッ!」

 

 

 すると今度は獄泉郷の高台を乗り越えて、口に葉っぱとか枝とかを取り除いた木を咥えた紫色の体色のゴシャハギが出現。咥えた木を手に取って吐息を浴びせて氷塊をくっつけてハンマーにすると回転させて淵虎竜の横面を殴り飛ばした。雪夜叉か?

 

 

「ウォオオオンッ!」

 

 

 槍尻尾をリオレイアとゴシャハギに振るおうとする淵虎竜だったが、落ちてきた雷が槍尻尾を切断。獄泉郷の高台を乗り越えてきた紺碧のジンオウガが手にした電撃をまるで剣の様にして淵虎竜の背中の刃を斬り裂いた。こいつは、滅雷刃…?

 

 

「グゴアァアアアッ!」

 

「グオアァアアアアッ!!」

 

 

 先端を切断された尻尾を振り回して鬼火か雷か冷気を纏った風の砲弾を降らして蹴散らさんとする淵虎竜だったが、咆哮と共に発生した砂嵐で全て防がれ、さらに地面の下から突き上げてきた黄金のディアブロスの角が胸に突き刺さり、その巨体がひっくり返される。塵魔帝…!

 

 

「グゴアァアアッ」

 

「ゴアァアアアアアッ!」

 

 

 立ち上がろうとする淵虎竜に、舞い降りた漆黒のリオレウスがダメ押しで炎を纏った翼を叩きつけてダウンさせる。灼翼王か。そしてその巨体の背中から飛び降りた三人が一斉に淵虎竜に向けて各々の得物を構えて急降下する。それに気付いたヒビキは咄嗟に演奏してバフをかける。それは正しく、狩猟笛の正しい使い方だ。

 

 

―――――【攻撃力&防御力UP】

―――――【音の防壁】

―――――【体力継続回復】

 

「二刀流、兜割!」

 

「薙ぎ払い!竜撃砲…!」

 

「鬼猫乱舞!にゃにゃにゃにゃ、にゃああっ!」

 

 

 降りてきた三人と、モンスター五体にバフがかかった譜面の様なエフェクトが見えた。強力な大剣と太刀の斬撃と、ランスで薙ぎ払って一瞬浮いてからのガンランス必殺の一撃、猫の爪の様な双剣による全身を駆け巡るような斬撃が炸裂。さらに外天種五体の体当たりが炸裂し、淵虎竜は岩壁に激突してダウンした。

 

 

「ごめん、バレット!ヒビキ!遅れた!」

 

 

 そう言ってきたのはマシロだった。ナギとエスラも一緒だ。よく見れば、滅雷刃の背にはミクマリもいた。

 

 

「王国から援軍が来たんだ!私達が何とか来られた!」

 

「二人だけに任せてごめん、でもここからは任せて!」

 

「バレット、酷い傷…!ここは私達が!休んでいて!」

 

「ヒビキ!躁竜、いくにゃ!」

 

 

 そう言って、背中の毒を引っ込ませた毒牢姫の背に飛び乗るエスラ。マシロは灼翼王に、ナギは塵魔帝に飛び乗る。

 

 

「…こいつを貸す。力を貸してくれるか、雪夜叉」

 

「グオオォオオオッ!」

 

 

 そして愛用の狩猟笛を雪夜叉に渡したヒビキがその背に飛び乗り、外天種を躁竜するハンターたちの図が完成した。中身が転生者とはいえ、ハンターとモンスターが相互に了承を取ってる躁竜はすごいな。息が合っていてまるで一心同体だ。

 

 

「どりゃあああああ!」

 

「うおぉおおおっ!」

 

 

 灼翼王の翼を叩き付け、火炎ブレスを叩き込むマシロと、狩猟笛を振り回した雪夜叉に攻撃させるヒビキだったが、ダウンから起き上がった淵虎竜は前足の刃を振るって迎撃。雷を落とそうとした滅雷刃とミクマリに氷塊を飛ばして動きを止めさせると滅雷刃の顔を思いっきり踏み潰し、尻尾を振るって電撃を纏った鬼火の渦を発生させ突進していた塵魔帝を迎撃、飛び上がって毒牢姫と灼翼王の頭部を両前足で踏み潰して地面に叩きつけると、口から火炎放射を放って雪夜叉を牽制する。これだけの戦力が集まっても駄目だってのか…!

 

 

「不味い、大技だ…!」

 

 

 ヒビキの警戒の声が上がる。ビリビリと地面に稲妻が走ったかと思えば地盤が持ち上がり、淵虎竜が飛び乗ってどんどん上に向かっていき、自ら発生させた暴風に乗り、磁場で浮かび上がり天高く舞い上がって雲の向こうまで行ったかと思うと、暗雲が吹き飛ぶほどの大爆発が発生。そして逆光に隠れるようにして、その巨体が高速で落ちてくる。それはまさに、生きた巨大隕石だ。もう一つの太陽を思わせるそれは回避不可能。…だがしかし。

 

 

「お前、俺を喰っただろ。そろそろ馴染んだか?お前にもやるよ、俺の特典…ゲーム画面を」

 

 

 しかし落ちてくる直前で淵虎竜の動きがおかしくなり、爆発を繰り返してじぐざぐに落ちてくると地面に激突。大ダウンする淵虎竜。いきなりあんなものを見せられて、正常でいられるはずがないんだよ。

 

 

「行って、灼翼王!」

 

「斬り裂け、滅雷刃!」

 

「毒牢姫さん!」

 

「決めるにゃ、塵魔帝ッ!」

 

「今だ雪夜叉ァ!」

 

 

 躁竜大技のために離脱した五人の声が響き渡り、限界まで下げた頭部の口から火炎放射を放って高速で繰り出された灼熱の炎を纏った翼と、雷光を纏った全身を一つの太刀として尻尾を叩きつけて繰り出した斬撃と、大きく翼を振るって全身を覆った毒膜をもう一匹の自分として飛ばした毒の塊と、砂の渦を纏った黄金の角をドリルの様にした突撃と、大きく飛び上がって氷に覆われた両手に握った狩猟笛を勢いよく両手ごと叩きつける一撃が、炸裂。

 

 

「ぐごあぁああああああッ!?」

 

 

 絶叫が上がり、淵虎竜の全身が次々と小爆発。最後に巨体の中心から燃え広がった鬼火が大爆発し、今度こそ禍依之淵源・淵虎竜マガイマガドは崩れ落ちて沈黙した。ゲーム画面のマップも✕マークがついていた。

 

 

「俺達の勝ちだ、マガイマガド」

 

 

 そうヒビキが勝ち誇り、大獲り物は終幕を下ろしたのだった。




決まり手は外天種躁竜と、バレットがの左腕が持ってかれたこと。悪食がその身を滅ぼすこととなりました。なんでもかんでも食べたら駄目なのだ。あと地味に減気弾が効いていた。

まだにわかなのだけど死んだふりするモンスターはいるのかな?淵虎竜は悪知恵が働くのでこうしてみました。ラスボスがこんなことしたらコントローラーぶん投げる自信がある。

狩猟笛はまあ味方にバフかけるのが仕事よね、と。正しく、狩猟笛の正しい使い方、でした。

次回はライズ編エピローグかな?次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

サンブレイク編はいる?

  • いる
  • いらない
  • ライズ編を続けてほしい
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