今回はビシュテンゴ亜種戦。ヨツミワドウ亜種といい、第一部で戦ったモンスターの亜種が偶然ながらも登場してますね。楽しんでいただければ幸いです。
砂原でボルボロスの頭部を破壊し尻尾を切断し危なげなく狩って帰ってくると、緊急クエストが入ったと報せが来たので提督のもとに直行するとフィオレーネ殿と共にいた。
「…来たか、猛き炎。カムラの里より急報が入った。フィオレーネ」
「はい。「大社跡でビシュテンゴ、その亜種が暴れている」との報告が入った」
「ビシュテンゴ、亜種…!」
「ヨツミワドウ亜種に引き続き、か」
事前に掲示板で情報をもらっていたモンスター…なんでも爆発する松ぼっくりを投げてくるとか。ちょっと前に大社跡で戦ったビシュテンゴを思い出す。柿を礫にしてきた強敵だった。アレの段違い上が相手か。
「本来ビシュテンゴ亜種は砂原などを生息域とし、大社跡にはまず現れない。だとすれば王域生物が及ぼす生態系の変化の影響を受けた可能性が高い」
「なるほど、調査も兼ねてですか」
「…それでだ。提督。此度は私も猛き炎と共に出陣したく思います。推測が正しければ責任は王国にあります。騎士の誇りに駆けてこの命に代えてもカムラの里を護り抜く。許可を願いたい」
そう言いだしたフィオレーネ殿に度肝を抜く俺達。ルナガロンの時見たく共闘してくれるって言うのか。……いやまあ、八人パーティーで百竜夜行を撃退したりしたから五人目とか今更なんだけども。
「…フィオレーネ。熱意は買うが、お前の存在は猛き炎の連携を崩すかもしれん。まずは了承をとれ」
「はっ、確かに。…バレット殿、よろしいか?」
一応ハンターランクが一番高いため便宜上猛き炎のリーダーってことになっている俺に問いかけてくるフィオレーネ殿。マシロ、ナギ、ヒビキと順番に顔を見て行く。不服な者は誰もいない。だろうな。俺としては前衛が増えるのは心強いしフィオレーネ殿の強さはよく知っている。
「心強い。よろしく頼む、フィオレーネ殿」
「堅苦しく呼ぶのはやめてくれバレット殿。これから共に戦う仲間で、友になるのだから」
「ならそちらもだ。フィオレーネ、よろしく」
「ああ、バレット」
敬称を失くし、握手する。気持ちのいい人だ。
「…フィオレーネ。王国随一の剣技を持つお前なら心配はないだろう。だが誇り、正義、忠誠、使命。護るべきもののために全てを投げうつ心構えは、騎士として美しきことである。しかしその美徳のために命を軽く扱うな。お前の危険なところだ。…わかったか」
「安心して提督。私達がいる限り、もう、誰も死なせない」
「マシロ殿、いや、マシロ…しかと心得ました…!」
宣言するマシロに三人で頷く。淵虎竜の傷跡は今だ俺達の心に残っている。あんな悔しい思い、もうたくさんだ。すると、気になるワードが聞こえた。
「乱れた人心に引き寄せられ国を喰らいに現れる「深淵の悪魔」のお伽話を思い出せ。美徳に酔う騎士の心もかの悪魔にとっては餌でしかない。ゆめゆめ、忘れてはならぬ」
「深淵の悪魔…?」
「王国に伝わるお伽話だ。気にしないでくれ」
…そう言うフィオレーネだが、深淵の悪魔とかいうワードが出て来たってことはそう言うことなのだろう。
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31:名無しのギルド所属ハンター>>1
深淵の悪魔と言うワードが出てきたがどう思う?
32:名無しのRS
十中八九ラスボスだろ
33:名無しの鬼殺隊
クトゥルフとかにいそうだな
34:名無しのザビー
そんな異名のモンスターは過去作にもいませんしラスボス濃厚ですね
35:名無しの帝丹小学校6年生
大穴絶対関係あるじゃない深淵とか…
36:名無しの霊媒師
「サン」と呼ばれてるんでしょ大穴って。サンブレイクって…ねえ?
37:名無しの転生者
悪魔って言うぐらいだから強いんだろうなあ
38:名無しのドンキンタロウ
悪魔といえばゴア・マガラだがティガレックスを容易く倒せるからな…
39:名無しの魔導師
当時は賛否両論だったけど古龍の幼体ってわかったら納得したよな
40:名無しの49人目のマスター
メフィストフェレスみたいな自称悪魔でもアレだからなあ、悪魔はなあ
41:名無しのくだん
そういや魔神柱だけど悪魔倒しの専門家がいたわ
42:名無しの転生者
マスターニキはもう新宿なんだっけ。魔神柱殺してきた身としてどう?
43:名無しの日向家次女
お伽話になるぐらい恐ろしいみたいだけど…
44:名無しのガンランス使い
私達ハンターより凄いよね、世界を救ってるもの
45:名無しのギルド所属ハンター>>1
専門家の知恵を貸してくれマスターニキ、頼む
46:名無しの49人目のマスター
世界を救ったのは藤丸で俺はその援護をしただけなんだが…というかモンスターなら悪魔といっても違くないか
47:名無しのRS
それはそう
48:名無しの鬼殺隊
そもそも何をしたのかもよくわかってないから情報が出るのを待つしかないな
49:名無しのザビー
そうですね。生体からどのモンスターが近いか分かるかもしれません
50:名無しの帝丹小学校6年生
サンブレイクってライズの追加コンテンツならワールドみたいにライズのラスボスを彷彿とする奴が出てくるんじゃないかしら?
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一度カムラの里を経由してネコタクに乗り、ナギの横で掲示板で時間を潰しながら右手だけでヘビィボウガンの整備をしているとついたというアイルーの声を受けて降りる。大社跡。いつぞや来た時の血の匂いが無くなってる。なんか異様に濡れてる気がするが。
「火を噴き緋色の毛並みを持つ嘲笑う道化、緋天狗獣ビシュテンゴ亜種か…目立ちそうなやつだな」
「火属性で松ぼっくりを使うんだっけ」
「柿礫がトラウマだけど松ぼっくりなら恐くない!」
「相手にとって不足無しだ!」
「カムラの里のため…騎士としての務めを果たす!」
五人で大社跡を進んでいく。そして大木の前に差し掛かった時、異変が起きた。
「うん?上だ!」
咄嗟にヘビィボウガンを上に上げてシールドで防ぎ、他の四人も各々の得物で頭を守る。シールドに弾かれ、その場に転がったのは巨大な松ぼっくり。それがいくつも、十個以上も転がる。
「退避だ!」
なにかに気付いたフィオレーネの警告に、その場から円形に飛び退いて離れると空から降ってきた火球が松ぼっくりに触れて大爆発。破片をなんとか防いだ俺達の中心、炎上しているそこに滑空して舞い降りたのは、炎の様な緋色の毛並みの天狗獣。
「ビシュテンゴ、亜種…!」
「ここで必ず退けるぞ!」
「キャッキャッキャッ!」
ビシュテンゴ亜種は腹袋から松ぼっくりを取り出すと空中に放り投げ、口から火球を放つとそれに当たった松ぼっくりが空中で爆ぜて破片の雨が落ちてくる。
「大・廻・転・奏!」
するとそれらはヒビキが上に掲げて回転させながら奏でた狩猟笛からの衝撃波で相殺。マシロとフィオレーネが飛びかかると、ビシュテンゴ亜種は逆立ちしてクルクルと回転しながら突進。尻尾を振り回して二人を弾き飛ばしてしまう。
「こいやあ!」
そこにシールドタックルを発動したナギが正面衝突。ビシュテンゴ亜種は空中に吹っ飛ばされるも滑空してナギを押し倒してキャッキャッキャッと手を叩いて煽ってきたので遠慮なく貫通弾を叩き込む。
「ウーキャッ!」
すると怒ったビシュテンゴ亜種が取り出した赤熱する松ぼっくりを連続で投擲。シールドで防ぐが爆発で体勢が崩れた所に直撃。吹き飛んだ挙句炎やられになったので慌ててローリングで消火していると、視界の端でヒビキが殴りかかったが松ぼっくりを地面に投擲して破裂させその破片に炎を灯して焼野原にしてヒビキの動きを止めた所に尻尾の振り下ろしが炸裂。とんでもない勢いでヒビキが木に背中から激突してダウンした。
「こんのお!」
ナギが槍二本を手に突進するもビシュテンゴ亜種は尻尾で払いのけ、岩壁に張り付いて口から火球の雨を降らし、攻撃を避けて転がってきたフィオレーネが俺の安否を確認する。
「無事かバレット!」
「なんとかな!」
「攻撃が苛烈すぎるよ!」
「ヒビキの無事を確認することもできない!」
「私に任せろ、大粉塵!」
フィオレーネが取り出した袋から粉を周囲に撒き散らす。大粉塵、パーティ全員を回復させることができるアイテムだ。するとふらつきながらも立ち上がるヒビキ。壁に引っ付き火球の雨を降らし続けるビシュテンゴ亜種に狩猟笛を回転させてから投擲、激突させて大ダウン。チャンスだとばかりに五人でたたみかける。
「貫通弾Lv.3!」
「特殊納刀、威合!どっせい!」
「ジャストラッシュ!」
「フルバレットファイア!」
「音撃打打打!」
五人分の一斉攻撃が炸裂。するとビシュテンゴ亜種は翼を広げてその場で尻尾立ちして立ち上がり、回転して俺達を吹き飛ばし、手にした松ぼっくりを尻尾に持たせると勢いよく振り下ろし、広範囲の爆発が襲って咄嗟に防御。そこに五人纏めて逆立ちしてからの尻尾を振り回す体当たりで吹き飛ばされ、上空に放り投げられる松ぼっくり。
「させるか!」
咄嗟に取り出したライトボウガンに鉄蟲糸により精製された弾を装填、怒涛の20連射を行い松ぼっくりを粉砕すると度肝を抜いたようにアホ面を晒すビシュテンゴ亜種。機関鉄蟲弾…初めて使ったがいいなこれは。
「ナイス、バレット!」
「ウキャキャッ!」
「ナギ、貸せ!」
「え、ヒビキ?」
また何かを行おうと腹袋を漁るビシュテンゴ亜種に、ヒビキがナギのランスを手に取り渾身の力で投擲。まっすぐ飛んだランスは松ぼっくりを取り出して振りかぶったビシュテンゴ亜種の翼に突き刺さり、背後の壁に縫い止める。
「ウキャッ!?」
「真・溜め峰打ち!」
「キャキャッ!?」
目に見えて狼狽え、ランスを引っこ抜こうとするビシュテンゴ亜種に、逆手持ちした大剣を勢いよく顔面に叩きつけてスタンさせるマシロ。せっかくヒビキが作ったチャンスだ、無駄にするか!
「さすがだ猛き炎!私も負けてられないな…
「気炎万丈・昇竜笛!」
「竜撃砲…!」
鉄蟲糸で繋がれた剣を振り回して目を回しているビシュテンゴ亜種の尻尾を切り刻み部位破壊するフィオレーネ。腹部に向けて回転させた狩猟笛を下から叩き込むことで腹袋の松ぼっくりを爆砕させるヒビキ。顔面にガンランスの切っ先を突きつけて高威力の砲撃を叩き込んでランスを引き抜くナギ。
「扇回移動、ヘビィボウガンパンチ改めヘビィナックル!」
そして、ライトボウガンに繋がった鉄蟲糸で大きく弧を描いて滑走し、遠心力を乗せたヘビィボウガンの拳を、スタンから回復しこちらに気付いて口から火炎放射を繰り出していたビシュテンゴ亜種に、火炎放射を突き破りながら顔面に叩き付け、ノックアウト。キリモミ回転したビシュテンゴ亜種は岩壁に背中から激突し、力尽きて倒れ伏した。
「騎士たる者、日々の経験あるのみ。今日を糧としよう。…猛き炎、君達の型にはまらない戦い方は素晴らしかった。また共に戦おう」
「ああ、フィオレーネ。色々助かった。礼を言う」
「なにを言うバレット。こちらこそだ。素晴らしい一撃だった」
フィオレーネと健闘を称え合う。実際素晴らしいハンターだった。
エルガドに帰還すると、提督がお茶を用意して出迎えてくれた。いや熱かったから本当に助かる。
「…一部始終をカムラの里の監視員から聞いた。皆、ごくろう」
「カムラの里の監視員は何て言ってたの?提督」
「相変わらず見ていて気持ちよい狩りだったと聞いている。どういう狩りか何時かじかに見たいものだな。…さて、例のビシュテンゴ亜種だが王域生物もしくはそれに準ずるものの影響を受けて大社跡に現れたのは間違いないようだ」
マシロの問いかけに律儀に応えてくれる提督。悪い人じゃないな、不器用なだけだこの人。…今気になるワードが聞こえたな?
「王域生物はメル・ゼナやルナガロンだと聞いているが準ずるものとは…?」
「それらに匹敵する正体不明の何かだ。各地で巨大な足音だけが聞こえる謎の存在がいるとの報告も受けている」
「謎の存在…」
初耳だ。巨大な見えない何かが各地に出没している…それが「深淵の悪魔」か…?
「王域生物の発見と狩猟。そして拡大の阻止が急務だ。報告によると王域三公の痕跡は見つけて現在捜索中だ」
「王域三公はいずれも手強い。エルガドの団結が欠かせません。猛き炎、君達ももちろんエルガドの仲間だ。頼りにしている」
「いやあ、それほどでも」
「頼られると悪い気しないね」
「だな」
「任せてくれ」
フィオレーネの言葉に頷く。猛き炎、エルガドの仲間、か。…フリーだったときが思い出せないぐらい、かけがえのない仲間ができて行くな。今度は絶対失ってなるものかと拳を握るのだった。
謎の存在現る。巨大な足音だけを鳴らし、姿を見せない。一体何者なんでしょね。
掲示板でも考察いっぱい。実は一番勘が鋭い帝丹小学校6年生。
新必殺技、ヘビィボウガンパンチ改めヘビィナックル完成。旋廻移動を利用して遠心力を溜めての一撃はとんでもない威力です。シールドも付いてるから防ぎながら殴れるっていう。
次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。