「ぐっはあ!?」
横からの衝撃に殴り飛ばされる。次の瞬間、今の今までいた所にガランゴルムの溶岩を纏った拳が炸裂。大爆発する。痛みに悶えながら何なんだと見てみれば、龍天笛ホルマゼンタがあった。それが飛ばされできたであろう方向を見れば、なにかを投げた様な体勢のヒビキが。
「よそ見をするな!猛き炎のリーダーだろ、お前!」
「わ、悪い!でも投げることはなくないか!?」
「投げてなかったらお前死んでたぞ!」
「死ぬほど痛かったんだが!?」
駆け寄ってホルマゼンタを回収して離れて行くヒビキにいつぞやのバサルモスを交通事故の如く吹っ飛ばし、天高くのリオレイアを叩き落とした光景を思い出したが、今はあの時と違って抑止力消えてて本当によかった。骨が折れた気がするがまあ命には変えられない。
「しかしまあ…」
地面に埋まった右腕を引き抜こうとしているガランゴルムに貫通弾を叩き込みながらちらっとマップを見る。なんかショウグンギザミと「?」がすごい移動して……この表示はどちらも飛んでる?たまらず上を見る。そして、それを見つけた。
「バレット!さっきからよそ見をして、どうした!?」
「……おいおい、マジかよ。全員、ガランゴルムから離れろ!」
俺をカバーしに駆けつけてくれたフィオレーネを抱えて飛び退く。同時にヒビキがナギの首根っこを掴んで飛び退き、同時に黒炎に包まれたショウグンギザミが落下して来てガランゴルムに激突。さらに黒い巨体が落下して来て黒炎に翼を叩きつけると大爆発を起こしてその爆風の煽りを受け、俺達ハンターはゴロゴロと転がる。なんて威力だ。憎み血塗れしマガイマガドの大技の比じゃないぞ。
「…嘘でしょ、ゴア・マガラだなんて…!?」
落下してきた「?」の正体はナギがぼやいた通り、モンスターハンター4のメインモンスターにしてラスボスである古龍、天廻龍シャガルマガラの幼体である黒蝕竜ゴア・マガラ。だがなんか違う。体格がかなりの巨体であり触覚がシャガルマガラの物によく似た角になっていて青く輝き、全身が星空の様にキラキラ輝いている夜を思わせる黒色をしていた。それはまるで。
「黒い、シャガルマガラ…?」
「違う、奴はゴア・マガラでもシャガルマガラでもない。ゴア・マガラが脱皮することなく肉体を変容させる突然変異を果たした外天種、星雲龍ネグレマガラだ…!」
「外天種だと…!?」
フィオレーネの言葉にヒビキの驚く声が聞こえる。全く知らない名前が出てきた。シャガルマガラの亜種かなにかか。おいおい、確か極断刀ショウグンギザミも外天種だろ…!?ガランゴルムの暴走に加えて外天種の縄張り争いだと…!?
「キシャアアアアッ!」
「ゴアァアアアアッ!」
するとネグレマガラとガランゴルムでサンドイッチにされていたショウグンギザミが鎌をネグレマガラの胴体に突き刺して持ち上げて投げ飛ばし、着地。上空に投げ飛ばされたネグレマガラは名前の通り星雲を思わせる暗幕の様な翼を広げて滞空し、口から蒼く輝くレーザーの様なブレスを放射しさらに翼を羽ばたかせて鱗粉を撒き散らしシャガルマガラお得意の地雷を地面に設置。ショウグンギザミの周囲で大爆発が発生して吹き飛んだところに急降下し、巨大な右翼腕で地面に顔を押し付けるネグレマガラ。
「グゴアアアアアッ!」
そこに、ダウンしている間に纏わせたのか右腕に二倍ほどの冷えた溶岩の様な柱を装備したガランゴルムのフルスイングがネグレマガラに炸裂。首に当てて殴り飛ばし、そのままショウグンギザミに振り下ろそうとするとジャキンと言う音と共に柱が残骸となって崩れ落ちたかと思えばショウグンギザミの袈裟切りがガランゴルムに炸裂。
「キシャアアアッ!」
「グゴアアッ…」
「ゴアァアアアッ!!」
よろよろと後退させたところに殴り飛ばされていたネグレマガラが飛来し両肩を掴んで岩壁まで押し込み、口から零距離のレーザーの様なブレスを放って追撃。その背後からショウグンギザミがネグレマガラの背中を斬り裂いて、尻尾のビンタの反撃を受けて引っくり返る。
さらにガランゴルムに殴り飛ばされたネグレマガラの巨体がのしかかって立てなくなったらしいショウグンギザミは鎌をぶつけ合わせて砥ぐと地面に穴を掘って抜け出し、ガランゴルムの背後から飛び出して背中にくっ付き鎌を何度も振り下ろしてガランゴルムの装甲を斬り裂いてく。
「わ、割り込めん…」
「なんて攻防だ…」
「これが外天種の縄張り争い…」
岩陰に隠れたフィオレーネと俺とナギがぼやいている間にも、空に舞い上がったネグレマガラが甲羅を掴んで一本背負いの様にショウグンギザミを空中に放り投げ、空中で鱗粉を飛ばして大爆発。舞い降りた所をガランゴルムに尻尾を掴まれて地面に引きずろ下ろされジャイアントスイングされて落ちてきたショウグンギザミにぶつけられてダブルノックダウン。追撃しようとするガランゴルムがさっき鱗粉をばら撒いた時に設置されていた地雷を踏んで大爆発を受けて吹き飛ばされる。…あの仕掛け方。ネグレマガラも転生者っぽいな。
「あれ、ヒビキは?」
「え?」
「おい、あそこだ!」
ナギの疑問の声でヒビキがいないことに気付き、慌てて探すとフィオレーネが三体が縄張り争いしている傍の崖の上を指差し、そこに狩猟笛二本を構えたヒビキがいるのが見える。飛び降りて狩猟笛を二本ともグルグルと回しながら落ちて行く。その下にはガランゴルムを押さえつけているネグレマガラが。おいおいまさか…!?
「躁竜、行くぞ!」
回転した狩猟笛二本が無防備なネグレマガラの背中に炸裂。翔蟲が周りを飛んで鉄蟲糸で両翼腕を縛り上げ、狩猟笛二本を背中に交差して納刀したヒビキが糸を握って動かす。ネグレマガラを躁竜した…!?
「そうか、縄張り争いで隙ができた時を狙えば躁竜できる…!」
「ヒビキは、命知らずかなにかなのか?」
「…いいや、あいつは何が何でも生き延びる…生存の天才だよ」
ネグレマガラを操り、翼腕によるアッパーカットや尻尾のスイング、口から放つ蒼色のレーザーでショウグンギザミとガランゴルムを同時に相手取るヒビキ。ショウグンギザミは見切りの様な動きで回避しつつ背中のヒビキを狙うが、巧みに回避をぶつけられて怯み、さらにはネグレマガラを大きく退避したことで背後にいたガランゴルムに一撃を与えた隙をついてアッパーカットで引っくり返される。ガランゴルムも負けじと再び石柱を右腕に装備してスイングするもネグレマガラの両翼腕で受け止めて押し返し、レーザーを当ててダウンさせる。
「俺とコイツの
そして躁竜大技を発動するヒビキ。ネグレマガラは二体に身体を捻りながら体当たりを浴びせて纏めて壁際に吹き飛ばすと空に舞い上がり、大技であろう口から黒炎の火球を放って包み込むと急降下して両翼腕を押し付け、鱗粉を送り込んだのか大爆発。
「やったか!?」
「フィオレーネさん、それフラグ」
「…アイツは倒せなかったか」
全身焼けただれたガランゴルムは崩れ落ちていたが、ショウグンギザミは見切って地中に潜り回避していたのかガランゴルムの傍の地面から無傷で姿を現し、ヒビキが飛び降りて空から舞い降りてきたネグレマガラと睨み合う。
「…ガランゴルムは倒せたが、どうする?」
「…いや、どちらとも気がすんだらしい」
駆け寄ってきたヒビキにそう返す。二体は吠えることなく通じ合ったのか、ショウグンギザミは再び地面に潜行し、ネグレマガラは俺達を一瞥すると空に舞い上がって飛び去って行った。…おそらくどちらも転生者で、掲示板を通じて密約でもしたんだろうな。
「…イレギュラーもあったが、ガランゴルムは無事討伐できたな」
「ああ、お疲れ様フィオレーネ、ナギ、ヒビキ」
「私今回なにもできなかったなあ」
「もっと鍛えなきゃな」
全員の無事を確認し、ガランゴルムの剥ぎ取りにかかる。…極断刀に、星雲龍、そして大地母蜘蛛。厄介なの揃いだが……とにかく目先の事を解決していくしかないか。
・・・・・・・・
82:名無しの転生渾沌に呻く黒蝕竜>>1
速報:通りすがりの人間によると俺、星雲龍ネグレマガラと呼ばれてるらしい。やったぜ短命じゃなかった!
・・・・・・・・
111:名無しの星雲龍>>1
おい蟹。一匹やられたし痛み分けと言うことでもうやめにするぞ。どっちが勝っても疲弊した状態でハンターと戦うことになる。あの寝床は譲るから
112:名無しの極断刀
だったら最初から譲れ貴様。…
113:名無しの星雲龍>>1
・・・・・・・・
大怪獣決戦でした。以前も言ってた通りモンスター掲示板の中では屈指の実力者なマガラさん。必殺技は鱗粉を集束させた黒炎の火球を飛ばして包み込んでから両翼腕の鱗粉を押し付け大爆発させるというもの。淵虎竜と戦っても結構いい勝負ができます。
次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
好きな外天種はどれ?
-
淵虎竜マガイマガド
-
毒牢姫リオレイア
-
雪夜叉ゴシャハギ
-
滅雷刃ジンオウガ
-
塵魔帝ディアブロス
-
灼翼王リオレウス
-
極断刀ショウグンギザミ
-
星雲龍ネグレマガラ
-
大地母蜘蛛ヤツカダキ