【急募】狩猟笛の正しい使い方【完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ライズの奇しき赫耀のバルファルク討伐まで片手剣縛りでやったことがきっかけで書き始めたこの小説、ある意味本懐を遂げることができました。ヤツカダキも最推しモンスターなのである意味夢の対決。

今回は片手剣逆持ちバレットVSヤツカダキ亜種。楽しんでいただければ幸いです。


【師匠の技で】片手剣使いバレット参る【噴煙うずまく妃の御前】

 溶岩洞に訪れた俺は噴煙吹き上げる火口を見上げる。マシロはここで極断刀ショウグンギザミに出くわしてズタボロにやられたようだが、まさかいないよな?外天種最強と謳われる灼翼王の生息地でもあるし気を付けないと……。

 

 

「はぐれヤツカダキ亜種ね……」

 

 

 まあ大地母蜘蛛との邂逅前にも戦ったことはある。最近だと大地母蜘蛛の巣となっていた大穴「サン」で引きずり込んできた奴だな。熾妃蜘蛛(しきぐも)ヤツカダキ亜種。万糸焚く御前の異名を持つ、衛蜘蛛ハゼヒバキが成長し、大型化したものが純白の外殻に赤黒い糸を纏った個体のことを指す。通常個体とは異なり、体内に爆発性の強いガスを蓄えていてそれを攻撃に転用してくる。いわばマガイマガド+ヤツカダキみたいなもんだ。

 

 

「大地母蜘蛛からはぐれたらしい個体が暴れている、ねえ」

 

 

 そんなやつがいるなら灼翼王が対処してる気もするが。えーと、マップによるとこの辺りにいるはず…だが見渡した限りどこにもいないぞ?

 

 

「おかしいな、ゲーム画面だとここに……!?」

 

 

 一応剣を抜いて右手に握り、左腕に固定している盾と共に構える。普通のとは持ち手逆なんだよなあとか思いながら周りを見渡していると、背後でヒュー、ポトッと言う音が。振り返ると、俺の足元にハゼヒバキがいつの間にかいて。赤黒い糸がなにもない空中に繋がっていて……いや待て、デジャヴを感じる。今回の熾妃蜘蛛は、あの擬態を得意とする大地母蜘蛛の子供だぞ…?

 

 

「擬態、か…!」

 

 

 なにもない空中でなにかが爆発、それが糸を伝ってハゼヒバキに導火線のごとく伝導し、大爆発。爆轟が咄嗟に構えた盾にぶつかり大きく吹き飛ばされ、転がった俺が見たのは擬態を解いた、赤黒い糸の羽織の上に銀色の糸の羽織を被さっているヤツカダキ亜種が姿を現し、洞窟の入り口の上から飛び降りるとその際に硬質な爪と岩肌がぶつかり生じた火花で爆発。砕けた岩肌が礫としてショットガンの様に俺に襲いかかる。

 

 

「シールドバンプ!」

 

 

 ウツシ教官から一応教わっておいた鉄蟲糸技である、鉄蟲糸を飛ばして盾を構えながら前方に突進する技で防ぎながら距離を詰める。すると腹部を振るって大量のハゼヒバキをばらまくヤツカダキ亜種。子供たちに完全に任せることなく自ら先陣を切って突撃し、赤熱する鉤棘を叩きつけてきたので片手剣を振るって応戦。

 

 

「うぐっ…重い…どらぁ!」

 

 

 なんとか弾いて体勢を崩そうとするも残りの足を動かして巧みに体勢を立て直し、周囲に展開したハゼヒバキに糸を伸ばすと次々と引っ張って滑走。四方八方から次々と体当たりをかましてくるヤツカダキ亜種。なんとか盾で弾いて行くが、原種より糸が強靭だからか巧みな動きが知能の高さを窺える。

 

 

「タイミング見て…滅・昇竜撃!」

 

 

 何度も喰らうとタイミングが見えてきて上手く避けきれないであろうタイミングに合わせて、体当たりにぶつける様に鉄蟲糸技のどこぞの昇竜拳の様な一撃を叩き込むが、盛大に空ぶって隙を晒してしまう。

 

 

「なっ…!?」

 

 

 空に飛び上がって見えたことだが、奴は当たる直前で糸を使い急制止していた。俺が何かするのを察知して、直前で制止したとでも言うのか…?着地した俺目掛けてハゼヒバキを群がらせてくるヤツカダキ亜種。すぐさま繋げた糸から爆轟を伝導させて、何発もの爆撃を至近距離から浴びせてきて、多方向からの爆発をもろに浴びてもみくちゃにかき回されて天高く打ち上げられる。いたっすぎる……でも下を見れば、ヤツカダキ亜種にハゼヒバキが群がり一か所に集まっている。チャンスだ。回復は後回し…!

 

 

「急転直下!フォールインパクト!!!」

 

 

 ノリで決めた技名を叫びながら、構えた右手の片手剣に全体重を乗せてキリモミ回転しながら急降下。ヤツカダキ亜種の頭部に強力な振り下ろし斬撃を炸裂させて、大地に亀裂ができるほどの衝撃波を発生させハゼヒバキの群れを吹き飛ばす。強烈な一撃にダウンするヤツカダキ亜種の頭部から身を捩って宙返りして背後に飛び降り、取り出した回復薬グレートを一気に飲み干す。

 

 

「ぷはあっ、くそまじいけど生き返った…」

 

 

 良薬口に苦しなのはわかってるがミントを入れるとか工夫してほしい。ついでに携帯砥石を取り出してしっかり時間をかけて砥ぐ。あんな無茶したんだ。いくら淵虎竜の素材でハモンさんに作ってもらった「禍ツ剣の淵魔アフティ」といえどもちゃんと手入れしないと。普段ライトボウガンとヘビィボウガンだから砥石握る手がすっぽ抜けそうだけど。

 

 

「ギギギギギッ……!」

 

 

 するとダウンから復活するヤツカダキ亜種。頭部を覆っている赤黒い糸には亀裂ができていて、あそこが弱点になりそうだ、とか思ってるとヤツカダキ亜種は俺に背を向けながらもハゼヒバキを散開させて再び爆轟を伝導、広範囲に爆炎を広げて俺の退路を塞いできやがった。この熱は炎を使うモンスターならともかく人間に突破は無理だな、と盾を構える。何が来てもガード強化Lv.3で受け止めてやると言う意気込みだ。

 

 

「ギギギギァ!」

 

「っ!?」

 

 

 するとヤツカダキ亜種はとんでもないことをしてきた。ガスの充満した灯腹を俺目掛けて突き出したかと思えば、奴から見て後方…つまり俺の方へと地面を抉りつつ大質量で突撃してきたのだ。左右後方は爆炎に囲まれていて逃げられない、ならば今度こそと翔蟲を上空へ飛ばす。

 

 

「滅・昇!竜!撃!」

 

「ギギギィ!」

 

 

 奴の突撃してきた灯腹と、俺の上に構えた盾の一撃が激突。ガガガガガガン!と心地いいヒット音を響かせて空に舞い上がる。上手くいなすことができた。

 

 

「フォールバッシュ!」

 

 

 さらに急降下して盾の一撃を頭部に叩き込んで眩暈を起こさせ、着地。群がってきたハゼヒバキを片手剣を振り回して斬り捨てて行く。風車を使いたいけど今少しでも手放したらそのまますっぽ抜けそうだ、慣れてないのが裏目に出てる。さらに眩暈から回復したヤツカダキ亜種が畳んだ首を伸ばしてきて、頭部の鬼のものを想起させる形状の角で頭突きが咄嗟に胴体の前に構えた盾に炸裂。爆炎を突き破って岩壁まで吹き飛ばされて背中から叩きつけられ、跳ね返ってダウンしてしまう。

 

 

「般若の面みたいな顔やめろ…普通にビビるわ」

 

 

 開発元としてはモチーフなのかな?とか考えながら、呻きつつ手放してしまっていた片手剣を手に取って何とか立ち上がり、奴の姿を確認する。いない。爆炎の先に奴はいない。ハゼヒバキがわらわらと近寄ってくる。…お前ら爆炎効かないのか羨ましいなこの野郎。

 

 

「どこに……」

 

 

 壁に背を向け、ジャストラッシュでハゼヒバキの軍勢を迎え撃つ。くっそ、迎え撃ちながら奴の居所を探らないといけない。大地母蜘蛛はでかすぎて「風景が動く」形でわかるけど、あの大きさだと普通に超絶優秀な擬態すぎる。オオナズチの擬態がお遊びに見えるぐらいだ。判別方法は、足音か他には…すると足元に転がってきた小石が靴に当たって音を立てた。上を見る。俺が背にしている岩壁の上、高台から赤熱する大口が開いて噛み付かんとばかりに近づいて来ていた。捕食行動か…!

 

 

「オラア!」

 

「ギギィアアァアア!?」

 

 

 咄嗟に片手剣を上に向けて振り上げ、口の中に切っ先が突き刺さると同時に爆発。壁にくっ付いていたヤツカダキ亜種がハゼヒバキたちを押し潰しながら目の前に引っくり返る。このチャンス、決めないと男が廃る…!師匠直伝…!

 

 

「9連撃、ブレイドダンス……!」

 

 

 八回連続で片手剣を振り回して斬撃を与え、最後に回転も加えた渾身の突きを亀裂の入った奴の頭部に炸裂。蓄積した爆発が炸裂する。双剣の乱舞の片手剣版。片手剣使いである俺の師匠の奥義にして、生前ダブルクロスで死ぬほど使った狩技だ。

 

 

「ギギギギギッ……」

 

 

 長い脚をわきわきと動かしてもがいていたが、力尽きて崩れ落ちるヤツカダキ亜種。マップを見る。討伐を示す表示になっていた。安心して尻餅を付き、壁に背中を預けてもたれかかる。

 

 

「…ははっ、片手剣まだまだ使えるじゃないか……サブウェポンとして使うのもありかもなあ」

 

 

 …さて。マップを見る限り灼翼王っぽいアイコンが結構近場にいるからさっさと剥ぎ取って帰るか。




バレットの師匠、一応設定だけはあるんだけどいつか出すべきかな。

大地母蜘蛛の子供である個体のヤツカダキは大体賢い。はっきりわかんだね。機転で何とか突破です。

次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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