今回はついに大地母蜘蛛との最終決戦開幕!楽しんでいただければ幸いです。
あとから来たエルヴァスたち待機組ハンターに救出され、帰還した俺達。傷を癒し、メル・ゼクスの情報を待っていたところ、例にもよって呼び出された。今回はエルガドにいるハンター全員がいた。
「…メル・ゼクスの狩猟失敗で士気が下がっているところすまない、諸君らの力を借りざるを得ない事態が起きた。王国並びにこの世界全ての危機だ」
そんな提督の言葉にどよめく一同。そこにフィオレーネとバハリがやってきた。
「各地の観測班からの報告だ、メル・ゼクス撤退から程無くして……大社跡、寒冷群島、水没林、砂原、溶岩洞、密林、城塞高地を始めとした、“サン”から一定区域内の狩場に次々と未確認のヤツカダキと思われるモンスターが大量に出現、瞬く間に大型小型問わずモンスターや環境生物が捕食されてしまったとのことだ」
「同時に“サン”の淵劫の奈落で大人しくしていた大地母蜘蛛も動き出した。正確には巣で繁殖させていた通常の二倍の大きさを持ち大地母蜘蛛と同じ銀色の糸を操り擬態できる未確認のヤツカダキ……通常種や亜種と区別するために特殊個体、銀蜘蛛ヤツカダキを次々と出撃させているようだ。彼らを中心に古龍でさえ餌にされている。その数、銀蜘蛛が50体以上、通常種が500体以上、亜種が200体以上…正直言って数えきれない。このままでは生態系が完全に破壊されてしまうだろう」
バハリの説明にハンターたちがざわざわとざわめき出す。気持ちは分かる。そんな数の大型モンスター、それも通常種でさえ上位が担当するヤツカダキの軍勢を倒せというのだ。ギルドからしても承知の上での無茶振りだろう。
「ギルドはこの現象を「百蟲夜行」と呼称し、動けるハンターすべてに対処してもらう事となった。目的は大地母蜘蛛の討伐及び大地母蜘蛛が率いるヤツカダキの軍勢の駆除、及びそれ以外のモンスターの保護だ!」
提督の号令に頷く俺達。ついに恐れていたことが起きたという訳だ。ここ最近大人しくしていた大地母蜘蛛とその一団。メル・ゼクスの影響で強者たちが弱り切ったところを狙ってきたか。野生の勘か単に賢いのか……まあどちらでもいい、倒すだけだ。
「提督、私達は大地母蜘蛛本体を…」
「…ああ。フィオレーネと猛き炎の四人には淵劫の奈落に居座っている大地母蜘蛛を討伐してもらう。何度か交戦したお前たちが適任だとギルドも判断した。もう少し増やしたいところだが人手が足りない。いいな?」
「奴の糸に関しては秘密兵器がある。バレット、マシロ。来てくれ」
そう言うバハリに連れられて、準備に向かうフィオレーネ達三人と別れた俺とマシロがやってきたのはバハリの研究室。中に入れられると、机の上に二つの武器が並んでいた。虹色の光沢を持つ太刀と片手剣だった。太刀の方には炎の様な鍔が付けられており、照明を受けて輝く白い鞘が並んでいる。
「素材の問題で二人の分しか作れなかった。
「ハモンさんとヒビキの…」
ヒビキ最近どこか行ってると思ったがそんなことしてたのか。
「これらには『永続剛刃研磨』というスキルが付与されている。どんなに硬い糸だろうが決して刃毀れせず、一回砥ぐごとに切れ味を上げて行って斬り裂ける代物だ。大地母蜘蛛の糸を斬れることはサンプルで実証済みだ。斬ったのが太刀の達人のミクマリだってのが不安点だけど」
「それなら大丈夫だ、マシロだって負けてない」
「あ、でも純鉱石製で重いから気を付けて…」
「よっと」
「そういや太刀と大剣を二刀流で使う子だったね…」
軽々と片手でヒキサキマクリ極を持ち上げたマシロに苦笑いするバハリを尻目に俺も極クルスタツォを持ってみる。…なるほど、ちょっと重いな。形も剣と言うよりは刀に近い。でも重さを利用して勢いよく斬り裂けそうだ。
「頼んだよ猛き炎。でも無茶はしないでくれ。俺達も深淵の悪魔対策は用意しているからね」
「深淵の悪魔対策?もしかして「船」のことか?」
噂話で聞いた。新型の狩猟船が完成したと。でもラギアクルスみたいな大型の海を泳ぐモンスターも近くにいないのになんに使うかと思えば…深淵の悪魔、つまり大地母蜘蛛用だったわけか。
「ご明察だバレット。まあそれは最後の手段だ、使わせないでおくれよ?」
「任せろ、メル・ゼクスは逃がしたが奴は必ず仕留める…!」
「カムラの里のハンターの名に懸けて!まっかせて!」
そう言い残して俺達はその場を去り、船に乗って旅立つのだった。
わらわらわらと、穴から這い出てくる蜘蛛の群れを監視員たちがライトボウガンやヘビィボウガンで撃って押し止めている光景が見える。しかし銀の糸を纏った二倍のサイズのヤツカダキ…銀蜘蛛に瞬く間に返り討ちにされ、ヤツカダキは海を上を歩いて散開していく。あれは……糸が海面に張り巡らされているのか。それで移動を……厄介な。エルガド方面以外の海は糸に覆われ全滅していると言っていいだろう。
「ベースキャンプは既に破壊されている。奴等がいる中を突っ切ることになる。覚悟はいいな!ついてこれるか?」
「ついてこれるか、じゃないよフィオレーネさん。そっちこそついてきやがれ、だ」
「右に同じ」
「左に同じだ」
「今更あの程度で恐怖を抱くほど弱くはないさ」
嘘だ。正直言って全滅間近まで追い込まれた大地母蜘蛛はトラウマになっている。あの数となると当然だ。だが負けない、負けてたまるか。
「さすがだ猛き炎。行くぞ!」
フィオレーネの掛け声と共に船が“サン”の淵である陸地に乗り上げ、俺達は各々の武器を手に飛び降りる。目の前には視界を埋め尽くすほどの数で海を渡る順番待ちをしていたヤツカダキたち。通常種と亜種がわらわらと俺達に視線を向け、大穴の前である奥には三体の銀蜘蛛が監督する様に控えている。
「いくぞおお!シールドタックルァアアアッ!!」
次々と吐き出される糸の斬撃を盾で受け止めながらガンランスを振り回して突撃するナギに続き俺達。ナギは振り回したガンランスが当たるたびに砲撃を繰り出して怯ませていき、そこを盾で殴りつけて押し返していく。
「鉄蟲糸弾装填、機関竜弾装填。二丁ボウガン乱れ撃ち!」
それに続くは俺。ライトボウガンに鉄蟲糸弾を装填し、ヘビィボウガンの弾倉には特殊弾を装填。連射力に長ける二種類の弾丸を撃ちまくって横から襲ってくるヤツカダキを迎撃する。近づきすぎた奴にはヘビィナックルをお見舞いだ。
「
フィオレーネも走りながら風車を発動して片手剣と繋がった鉄蟲糸を振り回して迎撃。通常種や亜種の糸を斬り刻みつつ、横から首を伸ばしてきたヤツカダキにはシールドバッシュが叩き込まれる。
「共鳴音珠・
ヒビキは鉄蟲糸で玉を作って背後に転がしながら演奏し続け、背後から襲いかからんとするヤツカダキたちを吹き飛ばしていく。ナギが前方、俺とフィオレーネが左右、ヒビキが後方を担当するこの陣形は船の中で話し合った物だ。そしてその中心にいるマシロは、威合の構えを維持したまま走り続けていた。
「っ、見えた!マシロ!」
「頼んだぞ!」
「切り刻め!」
「いけえ!」
そして銀蜘蛛三体が本腰を上げて大地母蜘蛛譲りの銀の糸を伸ばしてナギの盾を貫き始めると俺達は陣形を変えて、俺とフィオレーネも前方の防御に加わりナギは急制止、その背後でヒビキが右肩に担ぐように狩猟笛を構え、その上にマシロが飛び乗ると勢いよく振るって投擲するのと同時に走り出す。
「私流威合…!」
キリモミ回転するマシロは空中でヒキサキマクリ極を握った手に力を込めて勢いよく引き抜き、摩擦で赤熱するそれを逆手に構えて横に回転した勢いで三体を纏めて薙ぎ払うように斬り裂いた。
「
「「「ギシャァアアアアッ!?」」」
首を断たれた三体の銀蜘蛛が崩れ落ち、俺達はそのまま大穴に飛び込んだ。眼下には全身に大量のヤツカダキをしがみ付かせて鎧のようにした巨体でこちらを見上げる大地母蜘蛛ヤツカダキと、その巣の全貌。
「決着を付けるぞ大地母蜘蛛ッッッ!!」
最後のシーンはゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの最終決戦の城の地下へ降りるシーンをイメージ。アイツも蜘蛛みたいで好きです。
大地母蜘蛛と通常種、亜種の間みたいな言うなればラフム的存在、銀蜘蛛ヤツカダキ登場。前回登場した二倍個体です。簡単に言えば大地母蜘蛛と同じ糸を操れる精鋭個体。
オリジナル武器、ヒキサキマクリ極と極クスルタツォ。戦利品から作成したものです。その威力は銀蜘蛛相手に折り紙つき。
次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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