【急募】狩猟笛の正しい使い方【完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。正直このシーンを書きたいがためにサンブレイク編やっていたまであるよね。

今回は深淵の悪魔始動。楽しんでいただければ幸いです。


【深淵の悪魔】会心の一撃を見舞わせる【決戦型狩猟船】

 指を岩肌に突き刺して、深淵の悪魔が俺達が裂いた巣を突き破りながら登って行く。崩れた巣からフィオレーネ達三人が落ちて来て合流した。傍にはぐったりしたメル・ゼクスを掴んで羽ばたいているセルレギオスがいる。

 

 

「バレット!なんだあれは!?大地母蜘蛛はどうなった!?」

 

「あ、さっきのやっぱりメル・ゼクスとセルレギオスだったんだ。…メル・ゼクスだよね?」

 

「なんか違くないか?」

 

「多分アイツが深淵の悪魔だ。いきなり現れたかと思えば大地母蜘蛛を惨たらしく捕食し、メル・ゼクスからキュリアを奪い取ると登り始めた。どうにかして止めないと不味いぞ!」

 

「私が行く!セルレギオス!」

 

 

 マシロの言葉に頷くセルレギオス。マシロが鱗の一枚を掴むとそれを高速でミサイルの如く射出。マシロはそれに掴まって勢いよく上昇、軌道が操作され深淵の悪魔の頭上まで飛び上がった。

 

 

「私流居合!竜刀打尾(りゅうとうだび)…!」

 

 

 鱗を足場にして蹴り飛ばし、さらに翔蟲を飛ばして鉄蟲糸を伸ばすと引っ張られるように抜刀して流れに乗るように引き抜いた勢いのまま首目掛けて渾身の振り下ろしを叩き込むマシロ。しかし深淵の悪魔はビクともせず、気にせずに登って行く。嘘だろ、結晶皇の結晶のトサカを叩き割った一撃だぞ!?

 

 

「くそっ、逃がすか…狙撃竜弾!」

 

 

 落ちてきたマシロはヒビキがキャッチ。俺も特殊弾をヘビィボウガンに装填、奴に照準を向けて撃ち込む。しかし、奴の体にへばりついてた大地母蜘蛛の巣の残骸が鎧となって受け止め、狙撃竜弾は爆ぜるもビクともしない。蜘蛛糸鎧とでも呼んでやろうか。くそっ、ただでさえマシロの攻撃が効かないぐらい硬いのにさらに硬くなってやがる。

 

 

「くそっ、どうしようもないのか…!」

 

 

 セルレギオスもメル・ゼクスを掴んだまま鱗をミサイルの様に飛ばして攻撃するがやはり蜘蛛糸鎧に受け止められ気にも留めない。またもや万事休すか。すると見知った顔が上から深淵の悪魔の横を素通りして飛び降りてきた。

 

 

「伝令!伝令にゃ!」

 

「エスラ!?なんでここに?」

 

「身軽でヤツカダキの討伐を一足早く終えて暇だから提督に言われて伝令を伝えに来たのにゃ!【もし「深淵の悪魔」が現れたのなら大地母蜘蛛が討伐されていてもいなくても一度地上まで撤退、退避せよ!】とのことにゃ!」

 

「退避だと!?これを放っておけと言うのか提督は!?」

 

「違うにゃ!提督は確信を持って深淵の悪魔が現れることを見越した上で準備していたにゃ!早く逃げるにゃ!」

 

「よしみんな、モドリ玉で地上まで戻るぞ」

 

 

 俺達はモドリ玉を取り出し、ベースキャンプ跡地に移動する。あんなに群がっていたヤツカダキ達は深淵の悪魔の気配に当てられたのか文字通り蜘蛛の子を散らす様に姿を消していた。

 

 

「あれは…そうか、そういうことか!バレット、みんな!急いで離れるぞ!」

 

 

 沖合を見て何かに気付いたフィオレーネが先導して小舟に乗りその場を離れる。俺も見てみれば、沖合には巨大な外輪式蒸気船…通称パドルシップがあった。その上空を、メル・ゼクスを掴んだセルレギオスが飛んでいく。あの方角は密林かな。

 

 

「あれはまさか、噂の新型船、決戦型狩猟船か!?」

 

「そうだ!どうやら間に合ったらしい!さすが提督だ!この事態にいち早く気付いてアレを持って来るとは!」

 

「とにかく急ぐにゃ!巻き込まれるにゃ!」

 

 

 エスラに急かされて、六人乗った小舟を急いで“サン”から離れると、ちょうど深淵の悪魔が大穴の淵に手をかけてその巨体を乗り出してきたところだった。見れば各地にいたであろうキュリアが奴に次々と集って行ってる。

 

 

「…帰巣本能か」

 

「なんだって?ヒビキ」

 

「つまり大地母蜘蛛はもとよりメル・ゼナやメル・ゼクスは仮の宿にすぎなかったってことだろう。還るべき主が現れればそちらを選ぶ、道理だ。しかもメル・ゼクスめ、力を根こそぎ持っていかれた様だ。見ろ」

 

 

 ヒビキに言われて深淵の悪魔を見てみれば、一対の腕にバチバチと輝く紅い稲妻を纏っていた。メル・ゼクスの雷電か。

 

 

「キュリアの結晶がそのまま蓄電器官になってるようだな」

 

「ただでさえ厄介な奴の力をヤバそうな奴に奪われたってことかにゃ…最悪にゃ」

 

「そいつは厄介だね。……危ない、バレット!」

 

「ちい!」

 

 

 沖合から眺めていたら、こちらに気付いたのか深淵の悪魔がその場の地面を抉り取って巨岩を手にし、雷電を纏ってぶん投げてきた。ナギの言葉でそれに気付いた俺は咄嗟に通常弾を装填したヘビィボウガンで迎撃。衝撃で波が揺れる。

 

 

「うおおおっ!?え、さっきは眼中になかったじゃん!」

 

「登るのに夢中だったんだろう。で、登り切ったら目障りな俺達がいたから処そうとしたわけだ」

 

「分かりやすくて何よりだ、逃げるぞ!」

 

 

 そのまま決戦型狩猟船の方に逃げると、その中心にガレアス提督が立ち、周りにミクマリ、アンテム、エルヴァス、マキアナが待機しているのが見える。奥にはバハリやタドリの姿もあった。全員集合、まさに最終決戦だ。

 

 

「…よし、フィオレーネと猛き炎達は退避したな」

 

「ほーっ!こいつぁデカい!提督の悪い予感、当たっちゃいましたね!しかもあの様子、大地母蜘蛛も奴に屠られたと見た!メル・ゼクスを連れた例のセルレギオス逃げちゃいましたけどどうします!?」

 

「メル・ゼクスは今は放っておいていい。今は“深淵の悪魔”だ。取り舵!」

 

「「「とーりかーじ!!」」」

 

 

 俺達が退避したのを確認すると、ガレアス提督の指示で深淵の悪魔に向けて突っ込んでいく決戦型狩猟船。すごいな、なんて迫力だ。

 

 

「一戦交えるおつもりか…!!」

 

「様子見じゃすまないってことだろうな」

 

「ああ、アレを逃したら、王国が終わるんだろう」

 

 

 今はガレアス提督たちに託すしかないか。

 

 

「最大船速!!」

 

「「「さいだいせんそくーー!!」」」

 

 

 ガレアス提督の指示で煙突から凄まじい量を排煙し、スピードを上げる決戦型狩猟船を深淵の悪魔が捉え、再び雷電を纏った腕で抉り掴んだ巨岩を投擲。決戦型狩猟船を襲うその脅威の前に、四人のハンターが立ちはだかる。

 

 

「いけえ、ミクマリィ!」

 

「模倣剣術、水の呼吸壱ノ型―――水面斬(みなもぎ)り!」

 

「アックス…ホッパー!!」

 

 

 アンテムがハンマーで打ち上げたミクマリと、翔蟲を使い跳躍したエルヴァスの、横と縦の斬撃が巨岩に炸裂。四等分に斬り裂いた。

 

 

「機関竜弾…!」

 

 

 四つに分割されてそのまま飛んでいく岩も、マキアナが撃ち落として迎撃。決戦型狩猟船は無傷で深淵の悪魔を眼前に捕捉、前方についている穴に見覚えのある巨槍が2本、現れた。

 

 

「撃龍槍!! 1番!2番!」

 

「撃龍槍!1番!2番!備えーーっ!」

 

「グルルルルルルオオオオオアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

 

 しかし深淵の悪魔もただ見てるわけではないらしく、凄まじい圧の咆哮を上げるとキュリアを空中に集めて形成した結晶に雷電を纏わせるというメル・ゼクスの攻撃を発動。流星として飛ばしていくが、ミクマリ、アンテム、エルヴァス、マキアナが対処していくが押され気味だ。

 

 

「提督…!G級4人でもさすがに持ちません!」

 

「わかっている……!撃て!!」

 

 

 バハリの訴えに頷いた提督の指示で回転しながら放たれる撃龍槍2本。一本はキュリアの結晶を盾に防がれるも、もう一本は左肩に突き刺さったが、口で器用に咥えてあっさりと抜かれてしまう。ダメージはまるでないらしい。

 

 

「まだまだぁ!とっておきをくれてやる!」

 

「三番用意…!機関逆進、艦尾注水!」

 

 

 すると前進をやめてどっしりとその場に構える決戦型狩猟船。中央が開くと3つ目の撃龍槍が現れる。

 

 

「撃てー!」

 

 

 凄まじい反動と共に放たれる一撃はキュリアの結晶による防御もいくつも貫いて行き、深淵の悪魔の胸部に深々と突き刺さり、さらに後部が爆裂して連鎖爆発が先端まで伝わって行き大爆発。炎上した深淵の悪魔はその衝撃で足場が崩れ落ちていくが、一対の巨腕で支えて落ちるのを防いでいた。なにくそっ!

 

 

「っ、待てヒビキ!バレット!」

 

 

 咄嗟に、俺とヒビキは浅瀬の岩を次々と飛び移り、翔蟲をフル活用で使って飛び込んでいた。考えることは同じ、だよな!会心の一撃を見舞わせてやる!

 

 

「そこは素直に!」

 

「落ちやがれ!」

 

「グルルルルルルオオオオオアアアアアアアアアアアッ!!?!?」

 

 

 ヘビィナックルと音撃打打打が炸裂し、深淵の悪魔はその巨体を腕だけでは支えきれず落下していった。俺とヒビキはたまらず浅瀬の岩をまた飛び移って近づいて来ていたフィオレーネの先導する小舟に飛び乗る。

 

 

「馬鹿かお前たち!無茶をするな!」

 

「…まあ馬鹿だったが、なんとか押し込めたな。あの感触だと死んでなさそうだが」

 

「ああ、だがさすがだバレット。我が戦友」

 

「半アイルーの私でもドン引く動きだったのにゃ二人とも」

 

「…だけどあんなのと戦うのかあ」

 

「大地母蜘蛛を倒したことには礼を言うけどね」

 

 

 俺達はそんな会話をしつつ、決戦型狩猟船に合流した。提督とバハリにさっきの行動を褒められ、一時撤退し見張りを置いてエルガドに帰還することになった。……大地母蜘蛛と決着をつけれなかったことだけは残念だな。こういうとき、ゲームで再戦できるのを少し羨ましく感じる。




 大地母蜘蛛の巣を身に纏い、メル・ゼクスの雷電を使い、キュリアを結晶にして攻防に転用するガイアデルム。まだまだ序の口ですが攻防兼ね備えた悪魔と化してます。

 最大のピンチに動くのはやはりこの二人。G級組の活躍も書けてよかったです。

次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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