今回はミクマリ視点、フィオレーネ達のターン。楽しんでいただければ幸いです。
「行くぞ!」
「ああ!」
着地するなり先陣を切ったフィオレーネに続く。後ろからはエスラとアンテムが左右に分かれて挟撃の構えだ。フィオレーネの堅実な防御、私の技、エスラの身軽さ、アンテムの怪力というバランスのとれたチームならば!
「グルルルルルルオオオオオアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
「「「ギシャアァアアアアアッ!!!」」」
「「「「!?」」」」
ダウンしていたガイアデルムが立ち上がり咆哮を上げる。瞬間、その身体に組み付いたのは透明になっていた銀蜘蛛ヤツカダキと、上から降り注ぐように落ちてきたヤツカダキたち。とんでもない数だ、100体はいるぞ。大地母蜘蛛の仇討ちのつもりか!?
「グルルルルオオアアアアッ!」
「ギシャァアアアアッ!?」
グシャリ。振り落とされたヤツカダキが数体、雷を纏い爆発を発生させる巨腕に纏めて踏み潰されたその破片と体液が飛び散る。そのまま大地母蜘蛛の巣の残骸の糸を引っこ抜き、結晶鞭にすると振り回して群がるヤツカダキを蹴散らしていくガイアデルム。私達はそれを好機と見て、顔を見合わせて頷き合うと駆け出した。
「セツオリ、借りるぞお前の技…!太刀・
「いくぞ、滅・昇竜撃!」
前世で読んだことのある「ケンガンアシュラ」という漫画で出てきた足の指の力のみを使って移動し、歩幅と速度をばらけさせて動きを読みにくくする歩き方でガイアデルムを翻弄しながら妹の技である百連撃、連撃の数にものを言わせた力ずくの剛の剣で奴の全身を斬り刻み、それに気を取られた隙に下に潜り込んだフィオレーネが翔蟲で飛び上がって強烈な一撃を顎に叩き込む。私たちの役目は搖動、火力はあの二人に任せた。
「天を仰いでいる暇はないぞデカブツ!インパクトクレーター・
「グルルルルオオオアアアッ!!?!?」
フィオレーネに顎をかち上げられたガイアデルムの頭上に飛び上がり、左斜め縦に高速回転しながら連撃を叩き込むアンテム。そのままガイアデルムを攻撃したまま顎から地面に叩きつけてアンテムは着地。そそくさと離れ、そのままヤツカダキに群がられて何とか立ち上がって巣の残骸を引っ張って岩雪崩で大半を押し潰したガイアデルムの頭上、見上げた眼前にエスラが跳躍して三日月の様な笑みを浮かべていた。
「お初にお目にかかります、にゃ。じゃあ――死ね!!
勢いよく斜めに急降下して横に高速回転、その空気抵抗が獅子の鬣の様に形作られ凄まじい勢いでガイアデルムの背中に飛び込んだ。
「
そのままドリルの様にガイアデルムの大地母蜘蛛の脚翼の間、背部中央を刺して抉って行き、最後に花弁が咲く様に大きく、大の字に斬り裂くエスラ。奴の大技中の大技だ。「鬼猫化」と奴が呼んでいる、全身をアイルーの身体能力の、肉体の限界ギリギリまで筋力を底上げした強化状態による渾身の一撃。アンテムの一撃に続いてそれを喰らったガイアデルムもさすがに倒れ込み、銀蜘蛛を始めとしたヤツカダキが今が好機と言わんばかりに群がり噛み付いて行く。
「やったか!?」
「ヒビキたちのに加えてこれだけの攻撃を喰らえばさすがにやっただろう」
「「あっ、バカ」」
フィオレーネとアンテムが露骨にフラグを建ててしまって私とエスラは口を揃えて頭を抱える。次の瞬間、ガイアデルムに結晶と化して宿っていたキュリア達が次々と元の姿に戻り、周囲のヤツカダキ全てに群がりつつ天高く飛翔し、大穴の上空まで至るとそこで待機していたキュリア達と共に四方八方に散って行った。
「な、なんだ!?」
「これは…!?」
「嫌な予感がビンビンするにゃ!」
「見ろ、ヤツカダキ達が…!?」
エスラが尻尾を逆立てて最大限警戒し、視界を覆うほどのキュリアの数に近づけないでいる中、ヤツカダキ達が見る見るうちに萎れて行った。エネルギーを吸い尽くされたのか。完全に干からびたヤツカダキ達から離れたキュリアはガイアデルムに再び集って行って赤い結晶を形作って行き、さらに上空からも大量のキュリアが飛来。この間、実に五分程度。上空を仰いで空気を吸い込んでいくガイアデルムに集い、その姿が先程とは異なる形状に変わって行く。
「さらに悍ましい姿に……!」
「まさか。各地からモンスターたちのエネルギーを集めてきたというのか…!」
「にゃ、にゃあ…アイルーの血が恐怖を叫んでるにゃあ、怖いにゃあ…」
「弱るどころかパワーアップしやがった…!」
「グルルルルルルオオオオオアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
赤い結晶が爆発して熔け落ちる様に赤黒い炎のような形でエネルギーを纏った姿に変貌したガイアデルム。第二形態かライゼクスやジンオウガみたいな一時的な強化形態か……前者っぽいな。そして咆哮を上げると赤黒い光を口から溢れだしたかと思えば、赤黒いエネルギーのビームブレスを吐いてきた。咄嗟に横に回避する私達を、ビームが薙いだ跡地を襲った大爆発が背中を襲い、地面に叩きつけられる。
「があああっ!?」
「にゃあああああっ!?」
「なんて強さだ…」
「っ、まずい…ぐあああああっ!?」
さらにガイアデルムは大きく吸引、したかと思えば傍らのヤツカダキの死骸から伸びた糸をむんずと摘み上げ、振り上げてチェーンアレイの様に干からびたヤツカダキの死骸を叩きつけつつ、巨腕で薙ぎ払ってきた。私とフィオレーネは薙ぎ払われ、ヤツカダキの死骸の直撃を受けたアンテムが押し潰され、咄嗟に爪を出して地面にしがみ付いていたもののそれに反応したエスラが助けようと駆け寄る。
「アンテム!大丈夫かにゃ!?」
「馬鹿、エスラ!後ろだ!」
「え…?がっ、にゃあああっ!?」
アンテムが警告の声を上げてエスラが振り向いた瞬間、ガイアデルムに伸びた糸を引っ張られてゴロゴロとタイヤの様に回転したヤツカダキの死骸がガイアデルムを中心に綺麗な弧を描いてエスラは地面とヤツカダキの死骸に挟まれ動けなくなってしまった。
「くそっ…よくも!」
「駄目だ、フィオレーネ!」
「ぐっ、うああああっ!?」
激昂したフィオレーネが駆け出して突撃するも、今までと同じ大地母蜘蛛の脚と結晶と糸で構成された翼が羽ばたかされて動きを止められ、そこに爆発を発生させながら突進してきたガイアデルムに轢き飛ばされてしまい地面に叩きつけられるフィオレーネと、止めようとして巻き込まれた私。
「すまない、ミクマリ……無念、だ…」
「フィオレーネ!くそっ、また私は失うのか…!?」
気を失ってしまったらしいフィオレーネに、セツオリと首狩り稲妻旋風オサイズチの出来事を思い出しながら駆け寄る。息はしている、大粉塵を取り出して使用し体力を回復させる。目を覚ますには時間がかかるか…?
「グルルルルルルオオオオオアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
そんな私達を見下ろしたガイアデルムは咆哮を上げて口からエネルギーを吐きだして空に向けて撃ち出し、空中高高度で渦を巻くように燃え盛ってキュリアをばら撒いた後、漆黒の太陽の様な真っ黒なエネルギー球となって収束して消え、キュリアが結晶化して雨のように降り注がせてきた。このままでは全滅だ、どうにかこれを全て防ぐしかない。どうする?…いや、手はある。あるが……
「くっ…足が壊れるかもしれないが、やるしかない。もってくれよ、私の足!」
太刀を納めた鞘を手に取り、腰だめに構えて大きく沈み込んで独特な体勢で両足を踏み込む。私の知る、最速の剣技と鉄すら斬り裂く剣技の合わせ技。私が編み出した、諸刃の威合。
「模倣剣術、威合。雷の呼吸壱ノ型―――
瞬間、太刀を振り抜いて目にも留まらぬ速度で空中に飛び出す私。結晶を斬り裂きながら岩壁を蹴り、ジグザグと稲妻を描きながら次々と一瞬にも満たぬ間に斬り裂いて行く。誰一人、死なせてなるものかぁああああ!
「ふう、ふう、はあ、はあ……」
そして、私は落ちてきた全てを斬り裂いて、着地…もできずに膝から崩れ落ちる。駄目だ、もう動けない。そんな私を見て好機と見たのか口を開いて赤黒いエネルギーのビームブレスを放たんとするガイアデルム。ここまでか……。
「グゴアァアアアアアアッ!」
そして私が見たのは赤黒いエネルギーではなく、黒炎の火球でガイアデルムを包み込み、急降下してきて押し潰す……星雲の様な煌めきだった。
NEW!ヤツカダキの死骸武器。ミクマリの最後の技は鬼滅とワンピースから。
そして人気投票に基づきアイツが登場。いいところを持ってくモンスターを決めるために人気投票でした。まさか連携しようと思ってたのに二回連続で一位とは思わなかったけどね。
次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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