2017年放送ウルトラマンジードより
16話『世界の終わりがはじまる日
Side雫
神山創司君
身長160センチと男子としては低めの身長…ただし本人は自分でネタにするくらいで気にしてないらしい(露骨に馬鹿にすると怒る)
切れ長な目と肩にかかりそうな程の長さの髪から若干威圧的な雰囲気を持たせそうだけど、そう思わせないのはやっぱり身長のせいかしら?
因みに龍太郎曰く身長に反して腕っ節はそれなりに強めらしい
南雲君とは幼馴染みで大体いつも一緒にいるけれど、彼ほど周囲から距離を置かれているわけではなく、特に園部優花とはよく話してるのを見かける
「あ、創司おはよう、何処行ってたの?」
「雉撃ちに行ってた」
「…その表現今どき伝わるの?」
「おはよう神山君!…雉撃ち…ってなに?」
「男子版の『お花摘み』」
「あ…あ~…」
「俺としてはどっちも意味わかんねぇんだけどどういう意味なんだよ神山」
「身長20センチほどわけたら教えてやる」
「…ちょっと身長の分け方調べるから待ってくれ」
「…言っといてなんだがそんなもん調べるなら『雉撃ち』を調べろバカ」
「あ、確かに!てかバカってなんだよ!?せめて筋肉付けろよ!!」
南雲君、香織、龍太郎と仲よさげに話す神山君、前者二人はともかく南雲君に態度の冷たい龍太郎も、神山君には普通に接している
まあ龍太郎が南雲君をよく思ってないのは普段の態度が原因だから、普通に真面目に授業を受けてる神山君を嫌う理由はないし当然だけど
と、そんな4人に光輝が割って入る
「神山、少しいいか?」
「…なんだよ」
あからさまに面倒くさそうな雰囲気を出す神山君、彼は
「キミと南雲は幼馴染みなんだろう?だったらキミからも南雲に言い聞かせてくれ、南雲が不真面目なせいで香織が無用に世話を焼くし、南雲はそれに甘えてばかりで一向に改善しない…これでは香織がかわいそうだ」
まるで香織の気持ちを充分に理解しているとばかりにまくし立てる光輝だけど、私からすれば殆どが的外れだ
神山君も言われることはある程度察知していたのか、予想通りと言わんばかりに溜息をつく
「まあコイツが不真面目な点は否定できんからなぁ…ご忠告痛み入るよ」
チラッと軽く睨み付けられると、サッと目をそらす南雲君…どうやら彼もただのクラスメイトならともかく、長年一緒にいる幼馴染みには頭が上がらないらしい
「…ただ白崎の行動云々をお前がどうこう言う権利はないはずだが?」
「な!?俺は香織の幼馴染みだぞ!?」
「いやただの幼馴染みだろうが…恋人ならまだしも付き合ってもない女子の行動をお前が縛る権利なんてない」
「そ、それは…でも俺は香織を心配して!」
「ハジメが白崎に暴力でも働いてると?コイツがそんなことできると思うか?ムリだね、コイツは恋をしらないまま魔法使いになる男だ」
「擁護すると見せかけて爆弾放り込むのやめてくれない!?」
へ~…南雲君ってそうなんだ…
なんて思わずそんなことを考えてる自分が恥ずかしい…
しかも香織達は神山君の発言を理解してない様子で、私一人勝手に被弾した状況に余計恥ずかしくなる…
「い、意味のわからないことを!」
「わからなくていい、とにかくたかだか一クラスメイトがこれ以上介入する必要性はないんだよ…以上、これで話は終わりだ」
「おい!勝手に終わらせるな!」
「うるさい喚くなお前の意見は求めてない」
そう締めくくると自分の席に向かう神山君、その途中…私ともすれ違う
「えっと…お、おはよう」
「……ん、はよ」
……気まずい、いつもこうだ
あの一件…私が彼を怒らせた一件以来話そうとしてもギクシャクして挨拶もままならない…
多分だけど、神山君もあの時ほど怒ってる様子はないから…お互いどうしていいのかわからない状況なんだと思う
(はぁ…どうすればいいのかしら)
そんなことを考えながら、私も自分の席に戻った
Side Out
◇
Side創司
(…またやってしまった)
授業中、俺はずっと自己嫌悪に陥っていた
おかげで教師の声は殆ど入ってこないが…正直今の俺にはそんなことよりも重要なことがある
──八重樫雫
かつて俺が泣かせてしまった女性
直前に起こったあることで気が立っていたのもあって、直後に話しかけてきた八重樫にキツく当たってしまった
ハッキリ言って最低だ…俺が第三者でその現場を目撃したなら間違いなく泣かせた相手に詰め寄るだろう
しかもそれ以降謝るタイミングを逃してしまいギクシャクした関係がずっと続いている…
(いや、タイミングを逃したなんてただの言い訳か…)
タイミングなんていくらでも作ろうと思えば作れる
単に俺があれ以降八重樫に対する接し方がわからずに踏ん切りが付かずにまごついてるだけだ
……情けない
『
(全く…どの口が言ってるんだろうな)
そんな飲み込みきれない気持ちを抱えている内に、気づけば授業終了のチャイムがなっていた
◇
──昼休み
「ごちそうさま」
今日も今日とて母さんの作ってくれた弁当を食べる俺の前で、午後のエネルギーを10秒でチャージし終えるハジメ
「…お前、よくそれで足りるな」
「案外持つよ?安いし、創司もどう?」
「あいにく直帰のお前と違ってバイトがある身なんでね、そんなんじゃ足りん」
「…常々思うけど、なんでそれで身長伸びないの?」
「俺が知りたい」
ホントになんで伸びないんだろうか…坂上が恨めしい(理不尽)
「まあ僕は日中あんまりエネルギー消費しないからそれもあるかもね」
「……そりゃあ授業中あんだけ寝てればな」
「う…」
墓穴を掘ったとばかりに目線をそらすハジメだが、知ったことかと言わんばかりに追撃する
「“趣味の合間に人生を”…お前のそれを否定はしない、けど仮にお前が会社勤めになって、俺がお前の上司なら…お前に仕事は任せたいとは思えないな」
ハジメの学校での行動を会社に置き換えれば、いつも時間ギリギリに出社して勤務中に居眠りしまくるとんでもない問題児と化す
流石にコイツも会社勤めになればそうはならないだろうが、人の印象なんてそう簡単には変わらない、一度根付いてしまえばしつこくついて回るし、そうなれば苦労するのはハジメ自身だ
「周りの人間に媚を売れとまでは言わないけど、信用に関わるようなことはできる限り慎め」
「……はい」
シュン…という擬音が聞こえそうな程縮こまるハジメ
(…少し言い過ぎたか?)
「…まあ、次居眠りしたらウルトラギロチンな」
「死ねと!?」
「じゃあバーチカルギロチン」
「どのみち僕は二分割にされるの!?」
重い空気を取っ払おうとネタを振ると、すぐにハジメも持ち直す
その後も箸を進めているとドアの方から聞き慣れた声が聞こえる、それはもう教室全体に響くほどにやかましい声で
「お姉様あああああああああああああ!!!!!」
「……来たか」
来てしまったか……
──神山光
上級生の教室で絶叫かましてるのは、残念なことに我が妹である
そしてアイツの言う「お姉様」とは勿論俺ではないし、ましてや俺に会いに来たわけではない
「光…教室にまで来て騒がないの」
「あ、すみませんお姉様…お姉様に会えると思うと感極まってしまってつい…」
「そう思ってくれるのは嬉しいけど、まわりの迷惑もあるから、ね?」
「はい…」
件のお姉様、八重樫が困り顔で対応する
その容姿と性格故に人望も厚く、特に下級生の女子の多くからは「お姉様」と呼ばれ敬愛されており、我が妹様もどうやらその一人らしい
それにしても妹よ、実の兄に一切目もくれずに一直線に八重樫の方に行くのはどうなんだい?俺だって泣くときは泣くぞ?
なんてことを考えてると横でハジメが生暖かい目で見てきたのでチョップしておいた、机に突っ伏して悶えているが無視して妹の下に向かう
「あ~…その、妹が迷惑かける」
「あ、えっと…ううん大丈夫よ、いつもの事だから」
「ならなおさらご迷惑をおかけして」
「いやいやホントになんとも思ってないから!大丈夫だから!」
「お、お姉様…そんな、私のことをなんとも思ってないなんて!」
「「話をややこしくするな(しないの)!!」」
余計なことを言う光を二人揃って一喝する
「……じゃあ、俺コイツ回収していくから」
「あ、うん…その、おつかれさま」
「ちょ、離しておにぃ!まだお姉様と話したいこと一杯あるんだからぁ!」
「部活で話せ部活で!」
「おい神山!妹さんが嫌がってるだろう!はなs「天之河先輩はお呼びじゃないので黙ってて下さい!!」……えぇ」
いつもの如くいらない介入をしてきた天之河を光が一蹴する
…こればかりは多少天之河に申し訳なく思いつつ駄々をこねる光をズルズルと引きずって出口まで向かう
少々異様な光景だがいつものことなので、教師含めて誰も特に何も言わない
「む~、まだ話し足りなかったのに」
「だから部活の時にでもいくらでも話せるだろう、昼休みに身内が上級生の教室で騒いでるとこっちの肩身が狭くなるんだよ」
「はぁ…ねぇ、ところでまだお姉様とはまだ喧嘩中なわけ?」
光は俺と八重樫の間にあったことはある程度だが知っており、事あるごとに経過を聞いてくる
「…喧嘩してるわけじゃない、ただ単純に俺の踏ん切りがつかないだけで」
「もう…はやく仲直りしてよねぇ、こっちもおにいとお姉様がギクシャクしてるとやり辛いんだからさぁ」
……え?アレで?
「まあなんだ、できる限り頑張るよ、お前もなんだかんだ俺たちのこと取り持ってくれてるみたいだし」
「は!?い、いや違うし!単に私がやりづらいから言ってるだけだっての!」
図星だったのか顔を赤らめて否定する光、なんだかんだ昔からよく気の回る奴だしそんなことだろうとは思ってた
「まあそういうことにしとくよ、それより早く教室戻れ、もうすぐ昼休みも終わるぞ」
「はいはい、相変わらず背は低いのにお兄ちゃん風吹かせるんだから」
「実際お兄ちゃんだしな、あと背が低いのは関係無い!!」
このヤロー…俺より3センチ高いからって弄りやがって…
「それより、行かなくて良いの?ハジメ兄またなんか絡まれてるよ?」
「は?」
見るとまたもや白崎と天之河がハジメの周りに集まっている
…そして何故か八重樫は口元を押さえて肩をふるわせている
「またか…」
そうぼやいて戻ろうとした──次の瞬間
「!!!???」
突如教室の床が光り魔方陣のようなものが出現した
「これは…!?」
何が起こっているのかわからず、俺含めてクラスの連中は軽くパニック状態になっている
「おにい!?」
「!来るなあ!!」
慌てて入ってこようとする光を制止すると俺の剣幕にビックリしたのかすぐさま動きを止めた
…少し涙目になってるのがわかる
(…そういえば、あんな声で怒鳴ったことなかったかなぁ)
なぜかこんな状況でそんなことを思い返していると、ずっと教室にいた教師の声が響く
「皆! 教室から出て!」
その言葉とともに魔方陣の輝きが強くなり、そして──
「!?…………おにい?おにい!?」
その日、とある高校の教室から生徒数名と教師が忽然と姿を消した
地の文書くのが大変なんだよなぁ…
プロの小説家さんの語彙力が欲しいと思う今日この頃
因みに妹の光は今後本編には出てこない