転生ウマ娘が夢に向かって頑張る話   作:トレセン学園生徒会書記

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息抜きに描いてみたものです
なのでこの1話だけかもしれませんし、続きも書くかもしれません


1 駆け始めた者

ウマ娘。

 その名の通りウマの娘で、競走馬をモデルにした女の子のことで。ウマと同じ速度で走りレースで競い合う美少女スポコン物だ。

 

 アニメ漫画も放映、連載され。ウマ娘を3年間、担当トレーナーとなって育成してレースで走らせるアプリゲームに関しては、それはもう大当たりとなった。

 

 自分もそのアプリにドハマりした。アプリを経て、アニメも視聴し、漫画も購入した。仕事や家事などの用事がないときはウマ娘で埋め尽くされていたほどだ。

 むしろ、仕事や家事の最中にも一瞬でも暇を見つけてはアプリを開いていたまである。

 

 そんなウマ娘にどっぷりつかっていた自分は死んでしまった。

 

 なぜ死んだかはわからない。いたって自分は日常の一幕を過ごしていたはずだが、気が付いたら死んでしまったようだ。

 

 なぜ死んでしまったってわかるのかって? そう疑問に思うのも仕方がない。

 ふつう死んだらそこで終わり。仮に輪廻転生があるとして自分という自我は消失しているはずで、こんな話なんてするわけがない、全くの別人としてどこかの世界で生きているはずなのだ。

 

 しかし、自分は話している。

 その理由は単純明快だ。自分は自我を持ったまま生まれ変わったからだ。言い換えれば、前世の記憶を保持したまま転生したといった方がなじみ深い人は多いと思う。

 

 そう、私は転生した。

 

 そして。なぜ冒頭でウマ娘の話をしたのというのも簡単な話であり。

 そんな転生してしまったこの世界にはそのウマ娘が存在しているからだ。

 アプリやアニメ、漫画のウマ娘そのままの世界観で。

 

 さらにだ、私はそんな世界でそのウマ娘として生を受けた。

 

 普通の人間としてではない。ちゃんと人の耳の代わりに頭にウマ耳もあるし、お尻に良い毛並みのしっぽだって生えている。身体能力は常人のそれではなく、走ることに関しては本当に車と並走できる脚力もある。

 れっきとしたウマ娘だ。

 

 そんなウマ娘として生を受けた私の自己紹介をしよう。

 

 転生した私の新たなウマ娘としての名前はマイノスワロー

 

 恥ずかしながらウマ娘にどっぷりつかっていた割には本物の競馬の知識はほぼ無いに等しい。私の毛の色は青毛というらしい。青毛の系統で髪や尾の色が深い紺色をしている。

 身長は152とまあ少し小さい、体重はみんな伏せているので言わない。

 足のサイズは22cm。

 

 基本項目はこんなもんでいいだろう。

 

 これは私、マイノスワローがウマ娘としての物語である。

 

 

 

 

 

 私が私を自覚したのは物心ついた時だった。

 大体簡単な単語を連呼できるようになったくらいだろうか。

 

 ある日に目が覚めた時にふと思ったのだ。何してるんだろう、ここってどこなんだろう、私って誰だっけと。

 

 そんな小さな子供なら思いもしないことをつい思ってしまった私はその疑問をきっかけに怒涛の如く思い出したのだ。

 前世の記憶というのを。

 はじめは一体どうしてなにしてこうなったんだ!? と混乱したが。

 

 ここに生まれてから今まで両親に育てられている記憶を思い返して、ああ転生したんだなと納得した。なんでしたのかは全くわからなかったけど。

 

 なってしまったものは仕方がない、いくら考えたって答えなんて見つかるわけでもないのに。

 

 それよりもだ。私は見てしまったのだ。母親の姿を。

 芸能人とも見間違えそうな整った顔で鮮やかな紺色の髪の上にピンと生えているウマ耳を。

後ろを向いたときにふわっと舞うウマの尾を。その姿に私は見覚えがあった。画面越しに、多くのその耳と尾を持つ人たちのことに。

 

 母は私に向かって言う。「私と同じできれいな青毛」だと。 …っえ、同じなの? と思った。

 

 母の言葉に少し思考速度が落ちた時に、歓喜の叫びとともに隣の扉が開く。

 私の父だ。

 それはもう嬉しそうな顔もして顔を出してきた。

 

 父は言う。推しの子が勝ったと。それはもう自分のことのように喜んでいた。

 私は父が自分の嫁さんにもオープンなアイドルオタクなのかと思った。

 

 ひとしきり喜んだあと、父は私の方へとやってきた。

 近づいて私の頭をなでると父は言った。

 

「スワローも俺の推しのような立派なウマ娘になってほしいな! 目指せトゥインクルシリーズ……は高望みすぎか」

 

 ……マジか!? ウマ娘。その単語がそれはもう、私の頭の中を電流のように駆け巡った。

 

 ふと、扉の奥に映る大画面のテレビ映像が目に入った。そこにはレースを終えて観客席だろう方向に手を振っている勝負服を着たウマ娘の姿が映し出されている。

 

 ここまでくれば、確信した。

 ここはもしかしなくてもウマ娘の世界だと。

 そして、私はそのウマ娘として生まれたのだと。

 

 こして、私はここがどこで、自分がどうなったのか自覚することができた。

 

 

 ウマ娘になったといっても、ここが現代日本である以上普通の人と同じように生活することに変わりはなかった。

 

 ウマ娘じゃない普通の人間の女の子、男の子と同じように、遊んで食べて寝て、保育園に行ったり、両親とお出かけしたり。

 私が前世で経験した幼少のころと同じようなものだった。

 

 違うとしたら、この世界の人はレースに熱狂する。

 ウマ娘たちが己の足で速さにおいて雌雄を決する場。前世でいう、競馬。今世で言う競争ウマ娘。

 

 このウマ娘たちのレースに世界の人は熱狂する。これが嫌いな人なんてこの世界にはいないのではないか? 少なくとも私は知らない。

 

 私は前世でウマ娘には興味があったが競馬には全く興味がなかった。せいぜいが実装されているウマ娘のモデルがどんな馬であったのか調べたぐらいでしかない。

 

 でも、この世界において。私はそれに魅了された。

 この世界の住人になったからか。はたまた、ウマ娘としての本能ゆえか。もしくは、前世で一度も競馬をまじめに見たことがなかったためのただの食わず嫌いなだけだったというオチか。真意は定かじゃないが。私は競争ウマ娘に魅了されたのだ。

 

 ゲームのウマ娘がなんだ。前世ではドはまりしたのかもしれないが、ここには本物がある。

 何年もたってもう大雑把なことしか覚えてないゲームよりもこの現実だ。

 

 きっかけは私の小学生の時に初めて父に連れってもらい、生で見た本物のレース。

 

 毎年満員で入れない人もでる菊花賞。

 今年は3冠に王手をかけているウマ娘がいるために例年よりもさらに人が多く超満員。

 

 現地での応援する人の熱狂に思わず耳を塞いでしまう中。レース場観客席の最前列ではないものの、そこから少し後方だが頑張って取ってくれたのだろう位置でお父さんが肩車して見せてくれたその景色。

 

 私と同じウマ娘の白熱。私が勝つんだという意思が可視化でもしているかのようだった。 

 私はこのレースでこの世界の住人となりウマ娘で故なのか本能が刺激されたようにわくわくした。走りたいと思った。

 

 そして、熱狂のレースが終わりウイニングライブが執り行われる。

これが私の今までの興奮を上から塗りつぶした。

 

 私の視線の先でゴールを1番に通過したウマ娘。

 緑色の軍服のような勝負服をまとった、三日月のような白いメッシュの前髪が特徴のウマ娘。無敗の3冠目をピースサインからの3本指を掲げアピールした彼女が、ライブ用の衣装をまとってレースの2位3位を伴いステージ中央に立つ。

 

 抽選券で奇跡的に中央最前列を獲得した私の目の前でライブが始まる。

 

 

 

 

カッコいい!

 

 

 

 単純明快なその思いが私の胸を満たす。

 

 

 これが本物のウイニングライブなのかと。

 アプリではレースで1位にすることしか考えてなく、レース後のライブは流し。

 

 いつでも見れるアイドルライブみたいに推しのウマ娘だけでセンターを編成してみていただけの安いイメージなんで吹き飛んでしまった。

 

 あの白熱のレースがあったからこそ伝わる熱気。上位の3人だけしか登れない神聖な雰囲気。

将来、7冠という偉業を達成するであろう彼女が、このレースの1位は私だと。無敗のクラシック三冠という大偉業を果たし威風堂々、歌い踊る。

誰もが彼女達を見ていた。

私は彼女しか見えなかった。

 

画面越しではない、現実のライブ。ただ一度きりの勝者の舞台。

私もそんなライブをやりたいと思った。

何かを達成したことを誇るライブを。誰かの記憶に残る最高のライブをこのレースのライブで。この日、私はその決意を自身に刻み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

▼

【確認しました。

 育成開始前にウイニングライブに対する強い思いを確認したため称号『憧れのウイニングライブ』を獲得。ウイニングライブ関連スキルツリーを解放しました。以降、サブスキルとしてライブ関連のスキルの取得も可能になります。

 

 特定のレースへの意思を確認しました。

 レース名『菊花賞』

 『菊花賞』への出走を目標レースへと組み込みます。

  

 特手のウマ娘への強い感情を確認しました。

 感情種別『憧憬』 対象ウマ娘『シンボリルドルフ』

 『シンボリルドルフ』をマイノスワローの育成シナリオの主要人物に設定しました。

 残り5枠

 

 マイノスワローの精神に大きな影響が与えられました。

 これにより転生者用の移植ウマソウルに刺激が与えられました。ウマソウルが想いによって成長を開始します。

 

 

 己が意志で目標を定めました。

 本来設定されていたマイノスワローの育成目標を破棄、再設定します。

 本人の定めた目標が高難易度のため従来のレール式の段階的育成目標は棄却し特殊目標を設定します。

 

 

マイノスワローの目標

 『メイクデビューに出走する』

↓

 『デビュー戦もしくは未勝利戦で勝利する』 期限 クラシック終了まで

↓

 『オープン戦で3位以内に入着する』 期限 シニア3年目まで

↓

 『GⅢ以上のレースで入着する』 期限 引退まで

 

 以上の本来の目標設定を破棄し

 

 『夢のウイニングライブ』 期限 引退まで

 

 

 

 この目標にはクリア条件が設定されています。

 クリア条件

 

 1, 菊花賞1位

 2, 記録に残る偉業を達成

 3, 感情憧憬を向けた特定ウマ娘との絆を最大にした状態でウイニングライブを行う

 

 以上の目標から菊花賞1位を含むその他1つの条件を満たした場合に目標達成となります

 

 自らの意思で難易度を大幅に上昇させた目標を決定したため、隠し条件を達成。

 称号を獲得しました。

 称号『駆け始めた者』を獲得。

 特殊称号の獲得に伴い。すべての特級スキルの中から1つ任意のコツ獲得することができます。

 ……マイノスワローは転生時に任意スキル獲得機能を破棄しており、自然発生、称号獲得時でのみのスキル獲得に依存しています。よって、コツ獲得は無効。

 代案スキルとして白紙のスキルを獲得しました】

▲

 

 

 数多なる同郷であり同胞の中でも己の力のみで切り開くことを誓った者よ見守りましょう、その困難な道のりを駆け抜けたその時、あなたが本当のウマ娘になっていることを楽しみにしています

 

 




駄文ですがここまで見てくださってありがとうございます
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