転生ウマ娘が夢に向かって頑張る話   作:トレセン学園生徒会書記

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書いてしまいました




2 諦めたくない

 翌日、私は両親に夢を告げた。

 昨日のようなウイニングライブをしたいと。

 

 私の言葉を聞いた両親はそれはもう喜んでくれた。

 お赤飯でも炊こうとでも言いだしそうなレベルだった。本当に赤飯を炊くことはなかったが、うれしさのあまりケーキを1ホール買ってきたのには驚いたな。

 

 豪勢になった夕食のあと、私は今後のことを聞いてみた。

 

 ウイニングライブのためには歌と踊りを習うことが必要だから、どこかに習いに行きたいと言ってそれは即決で認められた。

 それで、ウイニングライブをするなら狙うのはもちろんセンターだ。そのためにはレースで3位以上にならないといけない。だからトレーニングもしないといけない。このことで同じウマ娘である母に聞いたところ、これに関しては渋られてしまった。

 まだ、体が成長してないからというのが理由だった。そもそも母は競争ウマ娘だったわけでもない。

 でも、かわりにと母が体が出来上がっていくまでの間は随伴してジョギングに付き合ってくれることになった。

 

 そうして、私は夢見るウイニングライブのために歌と踊りを磨きながら、母とのジョギングを行って私は将来を見据えながら日々を過ごした。

 

 そして、年月が過ぎ、私の体も成長した。

 

 通っている歌唱教室とダンス教室で私は恥ずかしくも天才などと言われた。

ウマ娘は生来の運動神経、心肺機能の高さから、素人でも普通の人のプロ級の完成度まではこなせるようになるらしいが私の場合はその中でも抜け出ているらしい。私に歌と踊りの両方に才能があるらしくうれしいことだった。

 最高の舞台であるウイニングライブでは私も最高の歌い手躍り手でないといけない。

 

 その私の才能もあいあまってか噂を聞きつけ芸能事務所からスカウトが何回か来た。その中には大手有名所まで、君ならスターになれると。

 私はその誘いを断った。

 

 夢があるから。それが叶うまではお誘いを受けられませんと。

 

 ほとんどのところはそれを告げると納得してくれて、気が向いたらよろしくねと退いてくれた。しかし、断ってもしつこく勧誘してくるところがあり、教室にまで押しかけるそれに嫌気がさしてしまった私は終ぞ通っていた2つの教室はやめてしまった。

 現在では習ってきたノウハウは身に着けていたのでそれをもとに自主練をしている。

 その成果を見るために動画なんかも撮って人に見てもらい。ウイニングライブに出る目標がある以上、見られるということの耐性もつける手段も講じている。

 

 母とのジョギングも最初から自転車並みの速度から始まり、初めはスタミナ不足でつらいこともあったが、そこは流石ウマ娘の身体といえる。あっという間に走ることに慣れてしまった。

 そのジョギングの速度もいつしか車と並走できる速度にまで上がってランニングに変わり、ついには一人で走ることも認められた。

 本格的とまではいかないがトレーナー免許を持った人のUmaTubeに挙げられていた一人でも安全にできる軽めのトレーニングを取り入れたり、気晴らしに新しいルートでも開拓しようと変えたランニング先で結構遠いところだが、とても良い坂路を見つけたりと、素人なりに充実した小学生生活を過ごした。

 

細やかではあるが基盤を順調に築いていき、小学校卒業が近づきトレセン学園入学に私は期待に胸を膨らませた。

 

 そして、そして、そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はトレセン学園に入学することはできなかった。

 

 

 

 

 私は当然、中央のトレセン学園を受験した。

 

 筆記は苦戦することなく解けたし、面接も手ごたえがあった。

 しかし、レースが問題だった。

 

 その結果は9人中9位の最下位。しかも、8位とは3馬身以上の差がついていた圧倒的最下位だ。

 

 レースの距離は芝の800、右回りだった。天気も晴天でバ場は前の多くの受験者が走った跡が整備した後でもどうしても残っていたために些か走りにくそうといったところだったが。

私が選択した作戦は逃げだ。

 ウマ娘である以上最低限走った経験のある私の母が自分は逃げだと言っていたし、私が同じ脚質である可能性も高いし、何より母以外の他のウマ娘と走ったことがない。逃げの仕方も簡単に教えてもらって自由レーンの囲まれた状態の走りなんて知らない以上、私は自由なコース取りができる逃げを選択するのが最善策だと思った。

 

 初めてのゲートも元人間の経験がある私は全く怖くなく、周りと遮断されたため寧ろ集中しやすく、いつでもゲートが開いても問題ないほど十全な待機状態だった。

 

 そのためにスタートも最高にできたと自負できる。

 何せ飛び出した瞬間は左右に誰も見えなかったのだから。聞こえる足音からも、他のスタートしたウマ娘全員が私の後方にいることがわかった。

 

 自分の中ではペース配分もでき、終盤からゴールに向け逃げでもわずかにスパートもかけられるように走っていた。最後まで逃げ切れるはずだった。

 

 中盤の中ほど、レースの半分に差し掛かったところでスッと私の横から一人抜け出した。競り合うこともなく、彼女は私の前に着いた。

 

 その時、私は他の逃げのウマ娘がポジションを確保するために飛び出たのかと思った。

 逃げが1位をキープできないのはよろしくないので私は抜き返そうとしたのだが、またほかのウマ娘が私を抜いたのだ。

 今度は1人ではなく数人が。

 彼女らも逃げなのだろうか、一瞬そう思った。

 

 でも、違った。

 

 彼女らは最初に抜かした彼女を先頭に少し後ろで集団を形成してるのだから。

 それは紛れもなく後方にいた集団。先行もしくは差しの集団だった。

 

 それを理解した私は元の位置に戻ろうとペースを崩し上がろうとするが、その集団は私の目の前に広がり、最内にいた私は大きく外に膨らむしかなく、しかし、すでに隣にはさらに後方集団のウマ娘がいて。

 

 終盤に入った直後私は置いて行かれた。

 

 私を抜かしていたウマ娘たちは私を抜かすためにロングスパートをかけたわけでもなく当然のようにスパートをかけていき。

 私もそれに合わせ、全力で足を回したが、差を縮めるどころか、残っていた後方の。追い込みの足をためていたウマ娘たちにもちぎられていき。

 

 私は最下位でゴールした。

 

 

 頭が真っ白だった。自分でも納得できる最高のコンディション、最速のスタート、最適な配分で走ったつもりなのにこの結果。

 

 

 夢なのかな?

 

 

 なんで、負けたんだろう。初めの方までは勝利を確信していたのに、なんで負けたんだろう。

 レースが終わり、膝に手をついて肺に足りない酸素を補給せんと肩で大きく息をしながら必死に考える。

 でも、わからない。わかりたくない。わかりきっている答えを私は脳内で言語化したくなかった。

 

 1レースだけで歩き出せないほど疲れと動揺にてそこにとどまっている私をよそに他のゴールしたウマ娘たちは息を整え歩き出していく。

 

 私から離れていくウマ娘たちの中からポツリと呟くような言葉が聞こえてしまった。

 

おそ

 

 私はわかった。わかってしまった。わかりたくなかった答えが言葉が私の脳内に入って来て理解してしまった。

 人間よりも段違いに耳が良いこのウマの耳。この時ばかりは私はウマ娘に生まれてしまったことを後悔してしまった。

 

 一握りのエリート、天才しか通えない中央のトレセン学園。

 

 歌や踊りの才能があっても、私には走りの才能がなかったことをこの日思い知らされた。

 

 いや、自身に走ることまで天才的な才能があるとまで私は増長もしてなく楽天的ではないつもりだった。なにせ、母は特に名門の血を引いているわけでもない寒門の出だ。それにトレセン学園に通っていたわけでもなかった。

 

 そのための努力だ。あのウイニングライブから走れる日は欠かさず走ってきた。

 

 本格化を迎えた最近は少しハードな練習も取り入れて、体に支障をきたさないまでのトレーニングもしていた。

 これだけの努力があれば、エリートの末席には座れると信じていたのだ。

 

 だが、それは叶わなかった。

 結果は御覧の通りだ。

 しかも、一緒に出走したウマ娘の名前はシンボリ、メジロ、ナリタ、アグネス、サクラ、ヒシ、マチカネとゲーム内で見たことのある名門といえそうな名前など一切なく。全く耳にしたことない、失礼にも悪く言ってしまえばモブとでもいえてしまいそうなものだった。

 

 そのモブと揶揄したウマ娘に大敗した私はなんなんだということになってしまうが。

 

 乾いた笑いすら出ない。足どころが表情筋すら動かしたくなくなってしまった私は係員に背中を押されて会場を後にした。

 

 そして、後日。滑り止めのつもりで受けた最寄りの地方トレセン学園からも私は不合格の通知を受け、地元の普通の中学校に進学した。

 

 

 

 

 トレセンに入れなかった。でも、それだけで私は夢をあきらめたくなかった。

 なんたって、最初の入学に躓いただけなのだ。

 トレセンは中高一貫校。まだ、高校受験でチャンスが残っている。なんだったら、半年ごとに編入試験だってある。

 確か、アニメの方で誰かがトレセンに編入していたはずだ。

 

 まだまだ、チャンスがあるから私は来年の辺へ向けてトレーニングを継続した。

 今までのトレーニングでは強度が足りなかったということは嫌というほど思い知った。

 

 だから、これからはもっとトレーニングの負荷を増やして、悪天候でも休まずに。

 

 中学でも周りが部活に精を出す中、稀に好意で籍を置かせてもらっているダンス部に顔を出す以外は速やかに下校し自主トレへ私は独り外に繰り出す。

 心配する両親に精いっぱいの笑顔で「行ってきます」言って毎回見送られる。

 私が見つけたこの坂を幾度となく上り、がむしゃらに上り続けた。1日の最後には坂の一番上にあるという神社の神様にお参りして。あの舞台に立てるようにと。

 

 私の意志が決して衰えないように

 

 そんな日常が4カ月以上続いた。

 8月下旬、夏の終わりでも気温が30℃以上の日が続くある日。

 

 私はいつものようにトレーニングをしていた。

 

 場所は2年以上は前から通っている坂路。自宅から20キロ離れた道で3キロ以上の10度以上の坂が続く見晴らしの良い山道。

 先には有名な神社があり、バスの往来もあり深夜帯以外の危険走行の車両は一切ない。

 ウマ娘用のレーンもしっかりと補正されているところ。

 

 ランニングに来る人はもとより、地元の部活動の生徒やウマ娘が鍛錬によく使う隠れた名所といったところで私は走っている。

 

 いつものように、ウォームアップとして20キロの道のりをここまで走って来る。

 

 既に先客としている近所の部活動の生徒がいる。他校であっても、ここに1年以上通っている私は顔見知りになっており、彼らに軽く挨拶をして腕や足を回したり、坂をゆっくり足を延ばして歩いて上ったり、軽く人間と同じくらいのジョギングの速さで体の状態を確認する。

 確認し終えたら坂のスタート位置戻り、練習を開始した。

 

 その練習は坂路走行の繰り返しときわめて単純なもの。

 私はかすかに記憶に残るウマ娘の有名なこの練習をただ愚直に繰り返す。努力で成り上がったウマ娘がひたすら行ったこの練習を。

 トレーナーでも陸上選手ですらない。走りのズブの素人が知っているただ一つの知っている確かな練習。

 私はいつものように駆け上がった。

 

 淡々と上り下りを繰り返す。長い期間かけてこの坂を上るために最適化された独自の走法でここにいる誰よりも早く上り。

 重力に身を任せるように下る勢いに身を任せ息を整えながら颯爽と下る。

 早いスパンで何度も上り下りを繰り返す。

 

 そして、何本目かの坂路。いざスタートを切ろうとしてその瞬間、意識が遠のいた。

 視界がまぶしくなったかのようにうまく見えなくなる。体幹がふらつき、足を前に出そうとして体が傾いた。

 あ、これ倒れる。と思ったとき。

 

君、大丈夫か!

 

 慌てた声とともに私の体は倒れることなく支えられた。

 

 この声を私は知ってる。

 あの時、あの場所で。最前列にいた私を魅せたあの声を間違えようものか。

 しかしなんでこんなところでこの声が聞こえるのだろうか。近くにテレビもラジオもない山道なのに。

 そんな疑問が薄い意識の中漫然と浮かぶ。

 

 

「さあ、しっかりするんだ」

 

 私は支えられた人に、ゆっくりと体を下ろされ、地面に座らされた。

 肩を持ったまま私と同じ目線まで横で腰を下ろす知っている声を発する彼女へ私は振り向いた。

 

 

 

 そこにまさかと思いつつも、目の前にはあの皇帝シンボリルドルフが私を心配そうに見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

【主要人物との接触が確認されました。

 

これにより、シンボリルドルフとの縁が紡がれました。

 

 現在主要人物であるシンボリルドルフはイベントを進行中です。

 マイノスワローはシンボリルドルフに対して特殊条件を満たしています。このイベントへの参加が強制されます。

……参加しました。

 

 イベント『復活の兆し』の参加者は2人となりました。

 

 マイノスワロー参加により、ルートが分岐しました。

 

 イベント『復活兆し』のイベントを変更します……決定しました。

 イベント『青い鳥』に改変しました。これより現在のメンバーを主要人物とし当イベントを開始します】

 

 




続けばいいなあと思ってます  

こんな坂路、日本にあるんですかね? 富士山の5合目までの車道だったらこんな感じになりますかね?
多分探せばあるかと思いますけど、少なくとも私は知らないです
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