無職転移 -魔王も一緒に転移しちゃった件-   作:かまぼこポテト

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本格的に決戦開始です。




出陣

早朝、一行は酒場を出て魔王城周辺の城壁へ向かっていた。

 

打ち合わせ通り、5つのチームに分かれて行動する。

 

リムル達のチームは正門へ辿り着くと身を隠して様子を伺う。

予想通り、正門は敵兵で守られている。突破は可能だが、それでは他のチームの行動に影響が出るかもしれない為、その場で待機する。

リムルは酒場を出発する時にアノスに渡された砂時計を見る。

砂時計の砂はまだ残っている。

この砂時計は突入のタイミングを合わせるためにミーシャが『創造建築―アイビス―』で作ったものだ。

「いかがしますか、リムル様?」

シオンが愛刀『剛力丸・改』を肩越しに構えて尋ねる。

リムルは首を振りながら「待て」と合図する。

「突入は砂時計の砂が全部落ちた時だ。ソウエイ、そっちはどうだ?」

〈問題なく西門に辿り着きました〉

リムルは思念伝達が問題無いことを確認すると頷く。距離が離れていない為、思念伝達は問題なく行える。

「わかった。砂時計の砂が落ちきるまで待機だ、落ちきったタイミングで突入してくれ」

〈御意〉

「…いよいよか」

リムルは砂時計を握りしめた。

 

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アノス達一行も東門に辿り着いていた。

『幻影擬態―ライネル―』で姿を隠して移動したため、問題なく辿り着けた。

「敵はやっぱり正門に集まるかしら?」

サーシャが警備の手薄な東門の壁に隠れて観察する。

東門の警備は数人と手薄で、正門に戦力が集中していると想像できる。

「分からぬ。が、突入すれば数など問題ではない」

「アノスなら大丈夫」

ミーシャが頷き、砂時計を取り出す。

砂は間もなく落ちきるところだ。

 

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ルーデウス達一行も問題なく裏門に辿り着いていた。

オルステッドとエリスも隣で待機している。

「いよいよね」

「そうだね。魔王を倒してみんなの所に帰ろう」

「ええ!」

「…ルーデウス」

「何でしょう、オルステッド様」

「敵魔王は俺たちの世界に侵攻しようとしているのだったな?」

「はい、ディアブロさんの話ではそうみたいですね」

「そうか」

「何か気になることでもありましたか?」

「いや。もし敵魔王が俺たちの世界に来たのならどの様な変化が起こるのか気になってな」

「随分リスキーですね。敵魔王がヒトガミに付く可能性がある以上、ここで倒すほうがいいと思います」

「…それもそうだな。すまん、忘れてくれ」

「…そろそろ砂が落ちきるわ!」

エリスが砂時計をルーデウスに渡す。

「2人とも、準備はいいですか?」

「ああ」

「問題ないわ!」

 

砂時計の砂が落ちきった。

 

 

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「行くぞ!」

正門のリムルはシオン、ディアブロ、ランガに合図すると走り出す。

警備の兵士がリムル達に気付き戦闘態勢に入るが遅い。剛力丸・改を構えたシオンが跳躍して得物を振り下ろす。

振り下ろされた地点を中心にして振動と地割れが起こる。

大半の警備兵は昏倒するが、残った兵士が城壁内へ向かう。

「ランガ!」

「お任せを、我が主!」

ランガが飛び出して兵士を追う。あっという間に後退する敵兵に肉薄し、捉えて投げ飛ばす。

投げ飛ばされた敵兵をディアブロが鉤爪で始末する。

「リムル様。何人かは城壁内に逃げ込んだようです」

「これからお邪魔するんだから、逃げ込んでくれて一向に構わないさ」

リムル達は城壁を抜けて魔王城に突入した。

 

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「拍子抜けだわ!」

裏門の制圧を完了したルーデウス一行。

落胆するエリスをよそに、ルーデウスは入口を探す。正門と違って裏口は分かりやすくないのだ。

「…壊して入りましょうか」

ルーデウスはスクロールを広げる。

スクロールが発動し、ルーデウスの身体が鎧に包まれる。

『魔導鎧』元の世界でルーデウスが開発したパワードスーツだ。ルーデウスの防御力と反応速度を格段にアップさせる。

「フッ!」

アーマード・ルーデウスはタックルの姿勢をとり、壁目掛けて突撃した。

城壁が吹き飛び、侵入に成功する。

敵兵が瞬く間に集まるが、ルーデウスは右手のガトリング砲を構えてストーンキャノンを連射する。

連続して打ち出される岩砲弾の直撃を受けて敵兵が次々に倒れる。

ガトリング砲の轟音を聞きつけた敵兵が集まってくるがオルステッドとエリスが突入して片付ける。

ルーデウスチームは突入に成功した。

 

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「ジオ・グレイズ!」

東門に漆黒の太陽が降り注ぐ。

空中のアノスは次々にジオ・グレイズを放つ。

漆黒の太陽が着弾する度に死体の山が出来上がる。まさしくこの世の地獄である。

だが敵兵は次々と城内から出てくる。

「埒が明かんな…。ギア・グレアス!」

アノスが天に翳した手を振り下ろすと、漆黒の太陽が敵軍目掛けて降り注ぐ。

東門にいくつもの死体の山が出来上がった。

アノスは敵の増援が途絶えた頃合いを見て降り立つ。地上で戦っていたネクロン姉妹が近づいてくる。

「これで終わりじゃないわよね?」

サーシャが魔王城を見ながら言う。

「同時に4箇所を襲撃したのだ。こちらにばかり戦力を割けまい」

「突入する?」

「そうするとしよう」

3人はジオ・グレイズで穴が開いた壁から城内に侵入した。

 

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魔王城

 

城内―――中央訓練場

 

魔王軍四天王オウェルポスは自身の軍団を集合させていた。

一切の乱れなく整列する部下たちを前にして、オウェルポスは感嘆の声を漏らす。

(良く仕上がっているな。短時間でよくぞここまで)

オウェルポスが軍団を持ったのはリムル達が飛ばされてくる少し前だ。魔王ローズバルトからの命令で軍団を持つようになり、今まで過酷な訓練を課してきた。

オウェルポスは仲間思いである。故にロッソ達の計画に部下を参加させまいとした。

しかし、魔王城が攻撃を受けたのであれば、そうはいかない。全軍をもって迎撃しなくてはならなかった。

逃げ延びてきた警備兵の報告で、襲撃者がリムル達『適応者』であることは分かっている。

「オウェルポス」

そこにロッソがやって来た、珍しく杖を持っている。一見木の枝のような杖だが、この杖はロッソの得意とする炎熱系魔法の威力を増大する。

魔法が使えないオウェルポスは闘技を使うが、ロッソは魔法を使う。逆にロッソは闘技が苦手であるため、なんとも極端な2人である。

「ロッソ。こちらから出向く手間が省けたぞ」

「そのようだな。お前は正門に向かってくれ、私はスワリィーデと裏門に向かう」

「いいだろう。健闘を祈るぞ、ロッソ」

「お前もな」

2人はそれぞれの戦場へと向かった。




お読みいただきありがとうございました。

次話から各キャラクターの戦闘もはじまりますのでお楽しみに。

今後もよろしくお願いいたします。
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