無職転移 -魔王も一緒に転移しちゃった件-   作:かまぼこポテト

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閲覧いただきありがとうございます。

投降遅れてしまい申し訳ありません。

今回も楽しんでいただければ幸いです。


魔王VS魔王

ルーデウスがロッソを撃破したその横で、オルステッドは四天王の1人、スワリィーデと戦っていた。

神速で繰り出されるオルステッドの手刀をナイフで受け止めつつ、スワリィーデは距離を離す。

オルステッドを警戒しながら敗れたロッソを見やる。

「情けないねぇ、ロッソ」

溜め息を吐き、倒れたロッソの向こうでエリスに追い詰められているシュワルコフに視線を移す。

「私1人で相手するのは厳しいねぇ」

そう言うとスワリィーデは懐から掌サイズの球体を取り出すと、それを地面に投げつけた。

球体は地面に激突すると爆発して煙を撒き散らす。

「シュワルコフ、後は頼んだよ!」

白煙の向こうからスワリィーデが叫ぶ。

「チョッ! スワリィーデ様、何処行くんです!?」

「逃げるのさ! お前さんは時間を稼いでおくれ!」

「冗談キツイですよ!」

スワリィーデの声は白煙の向こうに消えた。

シュワルコフは剣を握り直し、ルーデウス達と対峙する。ヤル気なのだ。

「やるしかないなら。最後までやってやるよ!」

シュワルコフの覚悟を聞き、エリスが剣を構える。

「ルーデウス、オルステッド! 助けはいらないわ!」

エリスの眼光が鋭くなる。真向からシュワルコフを迎え撃つため、奥義の姿勢をとる。

シュワルコフが飛び上がり、両手の剣を頭上に振り下ろす。

エリスは動かない。ただ鋭くシュワルコフを睨んでいる。

シュワルコフの剣がエリスの眼前まで迫った時、エリスが動いた。

 

次の瞬間、シュワルコフは倒れていた。エリスの足元に。

 

エリスが放った剣神流の奥義、『光の太刀』で。

すべての闘気を一撃につぎ込む奥義。

極められたその一撃は光の速さに届くと言われている。

 

エリスの勝利である。

 

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リムルの眼下に魔王城が佇んでいる。

現在リムルは魔王城を見下ろすように滞空している。目的は、ある魔法を発動させる為である。

「この世界で出来るか…?」

リムルは自問しながら魔法を発動する。するとリムルの周囲に無数の水球が出現する。

(みんなは、射程範囲外にいるだろうか…)

《告、全員が魔法射程範囲外に退避しています》

智慧之王からの報告を受けて、リムルは魔法を発動した。

 

神之怒 ―メギド―

 

凸レンズとなった水球が太陽光を収束し、さながらレーザーのように照射した。

敵兵士は成す術もなくレーザーに焼かれ、屍の山を築いていく。

虐殺とも言える攻撃だが、リムルは容赦しなかった。

 

 

 

魔王軍は、壊滅した。

 

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アノスは魔王城内を進んでいた。

 

しかし、ネクロン姉妹の姿はそこに無かった。途中、魔王城が一部崩れてはぐれたのだ。

しかしアノスは先に進んだ。

2人の心配は不要。2人なら問題ないと信じているからである。

 

アノスが足を止める。目の前には大きな扉が閉ざされている。

「いかにも、だな」

アノスは拳を振りかぶり、扉を殴りつけた。

観音開きの扉は室内へと吹き飛ばされる。

その先、室内の階段の先に玉座がある。アノスは玉座、そこに座る男を見る。

「…来たか。異世界の魔王」

玉座に座ったまま、魔王ローズバルトはアノスを見下ろす。

「お前が魔王か?」

「いかにも」

「お前に用がある」

「なんだ?」

「俺たちを元の世界に戻せ」

「出来ないことはないが、断る」

「そう言うと思っていた。ならば力づくで聞き出すことになるが良いのか?」

「貴様では我に勝てぬ。無駄なことだ」

「ほう、では―――」

そう言うとアノスはローズバルトの眼前に迫る。

そして拳を振りかぶり―――

「無駄かどうか試してみろ」

―――振り下ろした。

 

しかしアノスの拳はローズバルトが左手に掴んでいた〝ナニか〟で防がれた。

 

それは人だった。いや、正確には〝人だったモノ〟。

 

 

スワリィーデの死体だった。

 

アノスはスワリィーデの死体に抉り込ませた拳を引き抜くと、後退する。

「それはお前の配下ではないのか? なぜ盾にする?」

アノスの問いかけを受け、ローズバルトは口元を歪ませる。

「なぜ、だと? 使えぬ配下など不要だからだ。ましてや敵前逃亡する無能ならなおさらだ」

下卑た表情でローズバルトは答えると、アノスの拳で穴の開いたスワリィーデの死体を放り捨てる。

「不要な配下など存在するだけ無駄だ、ゴミと変わらぬ。それをどうしようと我の自由」

「配下にも生きる自由はあると思うが?」

「貴様の価値観など知らぬ。我はこの世界にとって全て、正義なのだ」

「話にならんな」

アノスは嘆息すると、フレスで宙に体を浮かせる。

「これ以上お前と話すことは無さそうだ」

アノスは右手をローズバルトに向けると、魔法陣を展開する。

「ジオ・グレイズ!」

詠唱と共に漆黒の太陽が撃ち出される。

ローズバルトは玉座に座したまま動かない。迫るジオ・グレイズをただ見据えている。

ジオ・グレイズがローズバルトに直撃すると、玉座もろとも炎上する。

しかし次の瞬間、ジオ・グレイズの炎が一瞬でかき消えた。玉座は多少焦げているが、ローズバルトは無傷だ。ジオ・グレイズを受ける直前の姿勢のまま、ただ真っすぐにアノスを睨んでいる。

「これが本気ではあるまいな?」

顎をクイッと上げてローズバルトが訊ねる。余裕といった様子だ、見栄ではないということはアノスには分かる。

「いや、小手調べだが?」

余裕の表情を崩すことなくアノスは答える。そんなアノスの様子を見て、ローズバルトは目を細めると静かに立ち上がる。

拳を強く握りしめてアノスへ突き出すと、衝撃波がアノスに襲い掛かる。

地面や壁、天井を抉りながら衝撃波がアノスの背後に抜ける。唯一、アノスの足元だけは何事もなかったように無事だった。

「本気で来い、暴虐の魔王。貴様を殺し、貴様の世界を我が物にする!」

「させると思うか?」

アノスが右手に魔法陣を展開する。

七重の螺旋が軌跡を描き、終末の火が掌に現れる。

「『極獄界滅灰燼魔砲―エギル・グローネ・アングドロア―』」

終末の火がローズバルト目掛けて撃ち出される。

ローズバルトは迫る終末の火を受け止める為に身構える。エギル・グローネ・アングドロアはローズバルトに直撃すると、黒き炎が爆裂する。

「ゆくぞ!」

炎の中から声がした次の瞬間、ローズバルトは炎から抜け出しアノスに肉薄していた。

「図体の割に身軽に動くものだ」

繰り出されたローズバルトの拳をベブズドで受け止めると、そのままローズバルト目掛けて『殲黒雷滅牙―ジ・ノアヴス―』を放った。

黒き雷撃がローズバルトを包む。受けた者の根源を滅びるまで喰い続ける黒雷はローズバルトの肉体を焦がしていく。

「ぐぅ…。はぁっ!」

勢いよく身を捻り黒雷を振り解くと、アノスへ向き直る。

「今のは少し効いたな」

「お代わりをくれてやろう」

アノスは再びジ・ノアヴスを放つ。

ローズバルトは避けるが、アノスは避けられること前提でローズバルトが回避した先に放った。

再びジ・ノアヴスの直撃を受けるローズバルト。間髪入れずにアノスはジラスドで追撃する。

「これしきの事で。舐めるな!」

黒雷に包まれた状態でローズバルトが突っ込んでくる。

アノスはフレスで飛び退き距離を離すが、ローズバルトは逃がすまいと追撃してくる。

アノスは後退しながら『獄水壊瀑布―リオ・エドラム―』を放つ。

ローズバルトの足元に魔法陣が展開され、漆黒の瀑布が噴出する。

それによってずぶ濡れになったローズバルトにジラスドを放つと。黒雷がローズバルトの肉体を包んでさらに炸裂した。

「ギオ・ガイラ・デラ・ゴロア!」

ローズバルトの右手から炎が吹き出し、周囲を包む。

アノスは炎から逃れるべく飛び退く。

立ち上がる炎の中にいるローズバルトは両腕を顔の前でクロスさせる。

「ギデ・ケリウ・シス・ギレア!」

ローズバルトが詠唱した次の瞬間、無数の風の刃がアノスに襲い掛かる。

ベブズドで黒く染まった右手で打ち払っていくが、左肩と右足に受けてしまう。鮮血が魔王学園の白制服を赤く染める。

傷はそこまで深くはないため致命傷にはならない。

「これからだ、アノス・ヴォルディゴード」

再びギデ・ケリウ・シス・ギレアが放たれる。

アノスは刃の1つを今度は『森羅万掌―イ・グネアス―』で掴むと、ローズバルトへ投げ返した。

想定外の事態に対応出来ずにローズバルトはギデ・ケリウ・シス・ギレアの刃を受ける。

その数は1つではなく、アノスは返せるだけギデ・ケリウ・シス・ギレアの刃を投げ返す。

無数の刃をその身に受け、ローズバルトの肉体から鮮血が散る。

「ぐぅっ!?」

膝をつくローズバルト。その隙を逃さずアノスは肉薄し、ベブズドで黒く染まった右手の指先をローズバルトの腹部に抉り込ませた。

「少し翳めた程度で、俺が怯むと思ったか」

抉り込ませた右手を捻るとローズバルトが苦悶の表情を浮かべる。

デヒブを倒した時のように魂を破壊する。

しかし、ローズバルトは力尽きる様子がない。

「…アノス・ヴォルディゴード」

ローズバルトが真っすぐアノスを見る。

「なんだ?」

右手を抜き去り、悠然と立つアノス。

「…今回は、私の負けだ」

「今回とはどういう意味だ?」

「言葉通りの意味だ、どうやら我の予想は外れたようだ。貴様は強い、今の我では勝てぬ」

「そうだろうな」

「貴様の勝ちだ。貴様たちを元の世界に返してやる」

「次はいつ来る?」

「我は未踏大陸を征服した。貴様。いや、貴様たちとの決着の時はいずれ、来る、だ、ろぅ」

そう言い残し、ローズバルトはその場に倒れた。

アノスは『蘇生―インガル―』をローズバルトにかける。しかし魂を破壊した為、蘇生は失敗に終わる。

「まだ聞きたいことがあったが、まぁいいだろう」

アノスが嘆息すると。ローズバルトの肉体が塵となって消えた。

それと同時にアノスの体が光に包まれた。




お読みいただきありがとうございました。

第一部もあと2話となりました。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

あと感想などいただければ嬉しいです。

2部を書くモチベーションになります。

次回は22日ぐらいになると思います。

では、次回もお楽しみください。
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