無職転移 -魔王も一緒に転移しちゃった件- 作:かまぼこポテト
第3話までは導入になります。
あたたかい目で見ていただければと思います。
ある魔王の話をしよう。
神話の時代、〝暴虐の魔王〟と呼ばれ恐れられた男がいた。
人も、精霊も、神すら滅ぼし恐れられた。
その魔王の名は〝アノス・ヴォルディゴード〟
アノスは荒んだ世界、闘争の日々に飽き飽きしていた。
そして彼は『転生』という方法を選んだ。
2千年後に転生した彼を待っていたのは平和になった世界であったが、魔法が衰退した世界でもあった。
彼はかつて自身の城であった場所にある魔王学院に通う。そこでは多くの仲間との出会いがあった。神話の時代に幾度となく戦った勇者や、かつての配下との再開を経て彼は目的の為に進んでいく。
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よく晴れた日。魔王学院デルゾゲード
アノスは教室で席についていた。
彼の周りにはいつも誰かがいる。彼の左には蒼い瞳にプラチナブロンドの髪の少女〝ミーシャ・ネクロン〟が座っている。アノスが転生して最初のできた友人だ。
アノスの右にはミーシャの双子の姉である〝サーシャ・ネクロン〟が座っている。
前の席にはかつての勇者の転生者〝レイ・グランズドリィ〟と2千年後の世界で偽の魔王を演じてきた〝ミサ・レグリア〟が座っている。
もう間もなく授業が始まろうという時、ミサがアノスを振り向く。
「そういえば今朝、レイさんと登校してたらこんな物を拾ったんです」
ミサがポケットからガラスのような透明な球体を取り出した。掌ほどの球体の中心には金色の球体が収まっている。
金色の球体は眩い光で輝き、それを覆う透明な球体が光を不規則に放っていた。
「なにこれ?」
サーシャが手に取って観察する。
「ふん、魔法模型にも見えんな」
アノスがサーシャから受け取り観察する。魔法模型とはガラスの球体の中に風景や建造物などを〝創造〟して収めたものである。それは小さく、精巧であるほど価値が高い。
「放課後、母さんに鑑定してもら―――」
そうアノスが言った時、球体から光が放たれた。
アノスは掌に魔力を込めるが、光は一向に収まらない。
そうしている内に、眩い光がアノス達を包む。
「我が君!」
教室のドアが開かれ、1人の男が駆けてくる。
ミサの父親であり、アノスの2千年前からの腹心〝魔王の右腕〟シン・レグリアである。
「カカカッ、何の騒ぎだね?」
シンに続いて担任の〝熾死王〟エールドメード・ディティジョンが教室に入ってくる。
「ふん、なかなか面白そうだぞ」
アノスの言葉を最後に7人は光に包まれ消えた。
お読みいただきありがとうございました。
前回同様、雑な導入で申し訳なく思います。
時系列は原作8巻の直後になります。
『魔王の父』編と『魔王城の深奥』編の間、という設定です。
またしても原作を読み直しながら書いた為、設定的な矛盾があるかもしれませんが、ご容赦ください。
なるべくわかりやすく、かつ深みのある文章にしようと思いますので、今後もよろしくお願いします。