無職転移 -魔王も一緒に転移しちゃった件- 作:かまぼこポテト
今回から少しずつ戦闘も増えてきます。
今後も楽しんでいただければ幸いです。
『西方三領』
『オバロ』『カーリーズ』『シェステナ』の3国からなる土地である。
経済的に困窮していた3国は他国の侵略に怯えていた。
そこにオバロの国王が同盟を持ち掛けた。
結果的に西方三領は他国と張り合えるだけの国力を得たのである。
アノス達がいる『モノの町』から南に行ったところに、その国はある。
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レイ・グランズドリィは魔王学院の生徒である。
元の世界では『勇者』とも呼ばれていた。
そんな彼と共に歩く者が2人。
レイの恋人であり偽の魔王、ミサ・レグリア。
青い髪に大きな帽子とマントと杖の見た目14歳の女性、ロキシー・M・グレイラット。
3人は西方三領へ入国する際に検問に止められた。
詳しく話すと、ロキシーが検問で身元確認をされているところにレイとミサが来たのだ。
この世界の人間ではない3人は入国が出来なかったが、同じ境遇の者同士ということで共に行動することになった。
「それにしても困ったね」
「入国できないとは思いませんでした…」
ミサは明らかに落ち込んでいた。
「他の国に向かいましょう。検問官の話では、東に大きな国があるそうですし」
「そうだね」
ロキシーの提案にレイが賛同を示す。
「アノス様達もこちらに来ているのでしょうか…」
「来てるだろうね、間違いなく」
「では人探しをしながら東に向かいましょう、私も夫を探さないといけません」
3人は西方三領から東に位置する『中央連合国』へ向かった。
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一方その頃。ミサの父であり、魔王の右腕シン・レグリアは南東の国『聖ゴモルド法皇国』にいた。
隣には熾死王エールドメード・ディティジョンもいる。
聖ゴモルド法皇国は『聖なる神ゴモルド』を絶対とする信仰の国である。
シンとエールドメードは神ゴモルドや、この世界のことを聞いて回っていた。
「カカカッ、先ほどの通行人の話に出てきた人物が気になるな!」
「銀髪で威圧感の強い男の話ですか?」
エールドメードが聞き込みで聞いた情報に出てきた人物の話をする。
聖ゴモルド法皇国より南西に行ったところに『クーマン港』という大きな港がある。
そこに見たことない服装をした銀髪の男が目撃されたというのだ。
周囲を威圧するような鋭い目をしていたという。
「カカカッ、よもやレイ・グランズドリィではあるまい?」
「でしょうね。別人でしょう」
「しかし、そうなると誰なのだろうな?」
「この世界の人間が〝見たことない〟と言うぐらいですからね」
「我等とは別に、こちらに来ている者が居るかも知れんな」
「我が君に仇なす者なら斬らねばなりませんね」
「カカカッ、意外と味方かも知れんぞ?」
「その時はその時です」
「ではどうする、〝魔王の右腕〟?」
「無論、南西に向かいます。ここではこれ以上の情報は得られそうにありませんからね」
シンとエールドメードは南西のクーマン港へ向かった。
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ルーデウスは砂漠を歩いていた。というか、ずっと歩いている。
西にひたすら歩いていると町が見えた。まだまだ遠いため、とても小さいが。
「誰かいるといいけど…」
だいぶ疲労も溜まってきた。目覚めた時に海岸が彼方に見えたため、反対方向の歩いて来た。
「みんな、大丈夫かな…。ルーシーやララやアルスはまだ幼いし、心配だな」
ルーデウスは幼い子供達のことを心配していた。
そう思いながら歩いていると、町が段々と大きくなってくる。そしてそれは〝町〟ではなく〝国〟なのだと理解した。
(国か。入口を探そう)
国を覆う壁に沿って歩き、入口を探す。
上質なレンガ作りの壁である、見たところ焼きレンガのようだ。劣化で崩れた様子はなく、強固な壁を形成している。
(アスラ王国でも、こんなレンガは見たことないな)
ルーデウスの土魔術をもってすれば、これと同等のレンガを作り出すことはできるが。焼いて固める行程など手間がかかる。
(おっと、見惚れている場合じゃない。早く入口を探さないと)
ルーデウスは再び歩き出した。
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アノス達は、町を出て東に向かっていた。
町で冒険者に聞いた魔道に向かったのだ。
あの後聞き込みをしたら。「魔道にとんでもなく強いゴブリンやオークがいる」という情報を得たのだ。
ソウエイとシオンが反応したため、向かうこととなった。
そして現在、魔道。
「こんなものか?」
アノスが魔法陣を解く。
周囲には10体以上のドラゴンの屍。
すべてアノス1人で片付けた。
「先を急ぐぞ」
再び歩き出す。懲りずにドラゴンが襲い掛かるが、悉くアノスの『獄炎殲滅砲―ジオ・グレイズ―』で撃ち落とされる。アノスの通った跡には無数のドラゴンの屍の山が出来上がった。
「1つ聞きたい」
「なんだ?」
「お前たちの世界では、魔王は何人もいるのか?」
アノスがソウエイに訊ねる。
「いる」
「そうか。お前たちの主も魔王なのか?」
「そうだ」
「わかった。…ところで、お前たちの仲間はゴブリンとオーク、あとお前たちと同じ種族の者か?」
「どういう意味だ?」
「なに、少し進んだ先にお前たちの仲間らしき者が見えたのでな」
「なに、どこだ?」
「この先だ」
アノスの魔眼が遥か先にいるソウエイとシオンの仲間を捉えていた。
「オークとゴブリンということは…」
「ゲルドとゴブタだろう。もう一人はベニマルか、シュナ様か」
「あるいはハクロウですね」
ソウエイとシオンが話していると。突然爆音が轟いた。
「ふむ、どうやら交戦中のようだな」
「さっきの爆音は何かしら?」
「魔法?」
「いや、そうではなさそうだ。どうやら新手のようだな」
アノスは『転移―ガトム―』の魔法陣を展開する。
「急ぐぞ」
アノス達が一瞬で消えた。
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魔道中心部でリムル配下の3人が戦っていた。ゲルドとゴブタ、ハクロウの3人である。
ドラゴンやストーンゴーレムといった魔物と対峙し、各個撃破していく。
しかし次から次へと魔物が襲い掛かる。
「キリが無いっス~」
ゴブタがこちらに向かってくるドラゴンを視界に捉えた。
「弱音を吐くでない。さっさと片付けて、リムル様を探さねば」
ハクロウがゴーレムを一閃する。
そこに突然爆音が轟く。
誰かが降ってきたのだ。
「この俺様に蹂躙されたいのはどいつだ!」
身長3メートルはある巨漢だ。しかもモヒカン。
男はハクロウ達を一瞥して笑った。
「こんなチビしかいないとは。悲しいぜ~」
「お主、何者じゃ?」
「俺は魔王配下最強のデヒブ様だぁ!」
「ほう、まだ魔王の配下を名乗る者がいたのか」
デヒブが声のした方を向く。背後に1人の男―――アノスが不敵な笑みを浮かべて立っていた。
「なんだぁ、お前。死にたいのか?」
「あいにくまだ死ぬつもりは無い」
「まぁ、殺すけどな!」
デヒブが右手の棍棒を振り上げる。
「死ねぇ!」
アノス目掛けて振り下ろされた棍棒は空を切った。アノスが『飛行―フレス―』で上空に避けたからだ。
「話の通じぬ奴だ」
アノスは一息吐くと魔法陣を展開する。
「ナニモンだぁ、お前?」
「〝暴虐の魔王〟アノス・ヴォルディゴードだ」
「魔王だぁ?」
「お前の魔王と俺、どちらが強いか比べてみよ」
アノスがジオ・グレイズを放った。
お読みいただきありがとうございます。
この第6話を投稿した時点で、第二部の3話目を書いているところです。
一話あたりの文字数が2倍近くになって少し驚いてます。
今後も執筆を続ける予定ですので、どうかよろしくお願いいたします。