そして次の日、ボクはいつも通りの時間に目が覚めた。ベッドから降りて机に置いておいたトリガーを腕にいれてから近くに置いてあった端末で予定を確認する。
この予定表は玉狛にいるメンバーの全員の防衛任務や巡回任務の予定、他にも烏丸さんのバイト等のプライベートの日程まで入っている。まぁ迅さんは予定があろうが無かろうが自由にしているが。
「ん?」
予定表を見ていると携帯からピコーンピコーンと音がなった。どうやら電話がかかってきたらしい。端末を机に置いて電話に出るとバリボリと何かを噛み砕く音が聞こえてきた。
「もしもし」
『んぁ?ふぉしもひ?ゴクン、悪いけど今からトリガー持ってどら焼きの所に来てくれんじゃ』
「………」
電話をかけてきていたのは迅さんで、用件を言うだけ言って切ってしまった。私は迅さんの行動に少し呆れながらパジャマから着替えてリビングから置いてあったメロンパンを拝借して食べながらどら焼きのお店に向かった。
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メロンパンを食べながら歩いているとあっという間にどら焼きのお店のある商店街についた。
商店街には沢山のボーダー隊員がいて路地やマンホールの下を覗いてたりしていた。所々聞いた話だとまだラッドの捕獲作戦は終わっていないらしい。
だからボクを呼んだのか……
迅さんのサイド・エフェクトは未来予知で、見た人の未来が見えるサイド・エフェクトだ。
そしてボクのサイド・エフェクトは第6感覚、高確率で当たる勘だ。
ボクと迅さんのサイド・エフェクトは相性が良すぎた。
ボクが勘で動くとそれを予知していた迅さんはそれを先読みして動くことができる。つまり、サイド・エフェクトを使っている迅さんの側にボクがいれば
戦闘面ではボクは第6感覚で、迅さんは未来予知でお互いの動きを読んで動けるため、お互いがサポートしあい、タイミングよく攻撃に転じる事ができる。
さて、話を戻そう。今回ボクが呼ばれた理由は恐らく、ボクが勘で探した隠れているラッドを見つける未来を、迅さんが見る為だ。
「お、やっときたなハク~、いやぁ~反応はあるんだけどなかなか見つからなくてな~!」
「…こういうことは急にじゃなくて前もって言ってほしい」
「まぁまぁ、ほらハクのどら焼き」
「……モグモグ」
……確か、えづけ、だったかな?最近の迅さんはボクを食べ物で釣っているような……事前に言ってくれればこんなことしなくても良いのに……
それからボクは勘にしたがって路地裏や屋上、更に林を歩き回って、後ろから迅さんがついてくる、というふうにしてラッド捕獲していった。勿論迅さんだけに任せるのではなく、ワイヤーアンカーで遠くに見つけたラッドを釣り上げたりして協力しあっていた。
途中で修と遊真にであって一緒にラッドを捕まえていた。レプリカも加わったことで探知範囲が広がって探すのがすごく楽になった。
結局捕獲作戦は夕暮れまで続いて、結局ボク達だけでラッドを200匹近く捕獲していた。最後は木虎が仕留めたみたいでテレビで中継されていた。
それを見ていた迅さんは通信機で全隊員に終了の合図をした。
『う~しッ!!作戦終了!皆よくやってくれた!おつかれさん!』
「これでもうイレギュラーゲートは開かないんですよね?」
「お~ッ!明日からはまた平常運転だ!」
迅さんがストレッチをしながら答えると修は安心したようにため息をついた。
「本当に間に合うとは…数の暴力は恐ろしいですな」
「それだけではないぞ遊真。迅と白堊のサイド・エフェクトの相性が良すぎたこともあっての結果だろう。あのペースで発見出来ていたなら、二日間と8時間で59.63%の確率で二人だけで全てのラッドを捕獲出来ていた可能性がある」
「いやいや、流石に無理!流石の俺もハクもぶっ倒れるって!!」
感嘆の声をだすレプリカに向かって迅さんは首を振って否定した。
それにはボクも同意見だ。ここにいる全員が居たからこそ、これだけのラッドを捕まえられたんだから。
「ボク達がペースをあげられたのはレプリカの探知と修と遊真が手伝ってくれたおかげだよ。そもそも遊真が原因を突き止めていなかったら捕まえて無い」
「そうだぞ~お前とレプリカが原因を解明したからだ。いやぁ~お前がボーダー隊員じゃないのが残念だ!表彰もののお手柄だぞ~?」
迅さんはそう言って遊真の頭を撫でていると遊真は修を指差した。
「ならそれは修に付けといてよ。そのうち返して貰うから」
「あ、それ良いな!それならメガネ君のクビも回避出来てB級に昇格よ間違い無い!」
「……えッ!?いやちょっと待ってください!?僕殆ど何もしてないですよ!?」
遊真の爆弾発言に修は少し間を置いてから驚いた。まぁ急に功績を譲ると言われたら誰だってそうなる。
それから修は迅さんと遊真に抗議していたが、二人に言われて迷っていた。
「それにメガネ君は助けたい子がいるからボーダーに入ったんじゃなかったっけ?」
「ぼ、僕は…」
「……ボクも修にB級に上がってほしいよ」
「は、白堊さんまで!?」
「修は迷わずに人を助ける為に動ける人間だよ。それは凄いことだよ。それに助けたい子がいるなら尚更力を付けないといけない」
ボクが言いきると、修はさっきと違った顔付きになっていた。
「ーーよし!迅さん!僕はB級になります!」