奴隷兵の帰還   作:メヴィ

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にじゅういちわ

 

 「……あれ、なんだこれ…?」

 

 白堊さんが倒れて運ばれていった後に床に落ちて、微かに光っている小さな箱を見つけた。

 手に取ってみればそれは親指の先位の大きさでまるでトリオンキューブみたいだった。

 更によく見れば中心には黒い靄みたいなのがうねっているように見えた。

 

 「ん?修、なんでトリオンキューブもってんだ?」

 「空閑…さっきそこで拾って、やっぱりトリオンでできてるのか」

 

 空閑は僕の手からキューブを取ってしばらく観察すると唐突に右目でキューブを覗き込んだ。

 

 「空閑?」

 「………違う、これトリオンキューブじゃない」 

 「え?」

 

 空閑はさっき言ったことを否定して、キューブをテーブルの上に置いた。

 

 「違うって……ならなんなんだ?」

 「トリオンレコードだよ。え~と、地球だと……」

 「レコード……?」

 「地球ではUSBメモリー、と呼ばれている物とほぼ同じだ」

 

 レプリカがそう言うと空閑は指を鳴らしてそれだ!と指を指した。

 

 「地球には無いものだと思っていたのだが?修、これをどこで?」

 「さっきそこで拾ったんだ。僕も初めて見た」

 「ふむ………」

 

 レプリカか暫く考え込んでから口からコードを伸ばしてトリオンレコードに接続して動かなくなった。

 

 「レプリカ?」

 「ほっといて良いぞ。いまレコードの中身を見てるから暫くはこのままだ」

 

 空閑はよっこいしょ、とソファーにゴロンと横になって目をつむった。

 それにつられて僕も椅子に座って動かないレプリカをぼんやりと見つめた。

 

 『かッ……!ひッッッッッぎゅッ……!!』

 

 ふと、白堊さんのあの表情が脳裏によみがえる。

 

 「………大丈夫……だよな…」

 

 千佳の使ってる訓練室から出てきた白堊さんは突然過呼吸を起こして倒れた。

 

 雪みたいに白かった肌は青白くなって

 手足をビクビクと痙攣させて

 あんなに苦しそうに、辛そうにしてたのに

 

 僕は…

 

 「……何も、出来なかった………」

 

 突然のことで呆然とし過ぎて……いや、これは言い訳にしかならない。言ってたじゃないか、前に大怪我をして、ずっと病院にいたって言ってたじゃないか。

 宇佐美さんも烏丸さんも、迅さんも玉狛にいる人全員が白堊さんを気遣っていたのに僕は「修」

 

 「それはお前が気にすることじゃないぞ」

 

 寝ていた筈の空閑が急に、まるで心を読んだように話しかけてきた。

 

 「……いや、でも僕が白堊さんに「無理をさせたからこんなことになった、ッてか?」……そうだ」

 「あのさ修、もしそうだったとしてもそれは修の責任じゃないと俺は思うぞ?」

 

 空閑はなんでそんなに気に病むんだと、本当に不思議そうに言いはなった。

 

 「疲れとか負荷が貯まっててこうなったなら、それはハクちゃんとそれまで回りにいた人たちの責任だろ?

 ハクちゃんは自己管理が出来てなかった。

 ハクちゃんが無理をしてるの気づけなかったし、止められなかった。

 な?どこにも修が悪かった所なんてないぞ?」

 

 だから気にするな、と空閑に肩を叩かれる。

 言われてみれば確かに…納得ができる……ような気がするけど、やっぱり僕の心は晴れないままレプリカが起動するのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「____解析、完了した」

 「お、お疲れレプリカ、中身なんだった?」

 

 再起動したレプリカに空閑が興味津々といった様子で話しかける。けど、レプリカは何も言わずに動かないでいる。

 

 「レプリカ?」

 「あ、あぁ…中身は……」

 

 レプリカは何故か僕を見て何かを考えているのかまた動かなくなった。

 それをみかねた空閑はレプリカの体のあちこちをツンツンとつついている。

 

 「あ、えぇと……?」

 「お~いレプリカ~?どうしたんだ~?」

 「………すまないが、修は暫く席を外して欲しい」

 「え?」

 

 レプリカは心なしか強張った声色でそう言った。

 何故?という感想が第一に湧いてきた。

 何でそう言われたのか、僕には聞いてほしくないことがレコードに入っていたのか?

 

 「レプリカ、修が困ってるぞ?」

 「………すまないが、これは修には刺激が強すぎる。仲間外れにしてやろうという魂胆は全く無い」

 「あぁ、うん。わかったよ」

 

 レプリカは本当に申し訳なさそうにいうものだから、本当に悪意は無いんだろう。そう思っていわれた通り僕は席を外した。

 

 とは言え、僕てしても気になることはある。

 

 「……すこしだけ…ちょっと聞くだけにしよう」

 

 魔が差す、という言葉が今の僕には相応しいんだろうな、なんて思いながら僕は扉を少しだけ開けて、耳を近づける。

 すると、思っていたよりもはっきりとレプリカと空閑の会話と何か別の音も聞こえてきていた。

 

 「………この国旗、ラウドのだよな」

 「うむ、それは間違いない。まさかとは思っていたが…これにも関わっていたとは…」

 「生きる為とはいえ…まぁ、イクセルだからなぁ…『死ねッ!!』……」

 「ッ!?」

 

 突然、知らない声が部屋に響いて声を出しそうになったけど、何とか押さえた。そして

 

 『お前が!何でッッッ!!何でこんなことすんだよッ!!』

 『何とか言えッガァッ!!』

 

 ドチャッと、重い水気の含んだ物が落ちたような鈍い音がして、気になって扉の隙間から覗き込むとそこには

 

 『すべてのしょうがいぶつのはいじょをかんりょう』

 『おせぇんだよグズが、貯まってっからさっさと来い』

 『はい、ごしゅじんさま』

 

 いる筈のない白堊さんがいて

 

 「………は……?」

 

 白い身体のあちこちを赤く染めていて、

 

 「修、席を外すように言った筈だ」

 

 首から血を垂らす、男の首だけを持っていた

 

 

 




展開早い……早くない……?
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埋め込まれたトリオン金属の名称!!

  • 強化パーツ
  • 強化骨格
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