奴隷兵の帰還   作:メヴィ

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1日で赤バーいくとは思ってなかったにゃ、みんな興味持って評価してくれてうれちい、

変な文章とか、矛盾とか、長過ぎだったり、グダッてると思ったら教えて欲しいです。

呼んでくれてありがとうございます。


白堊と玉狛

 ボクが玄界、日本に来てから1ヶ月ほど経っただろうか、相変わらず監視は付かなかったし、拘束もされなかった。もともと体を改造されて治癒能力は高かったが、治療の効果もあり既に怪我は完全に塞がっていた。

 あとから聞いた話だが、ボクはここに来てから2ヶ月ほど眠り続けていたらしい。つまり、ボクの傷は3ヶ月かけて治癒されたことになるが、それでも最初の有り様を聞いた話によるとかなり早い速度らしい。みで…日本の治療はあまり優秀ではないのかもしれない。あの国ならば寝ていた2ヶ月で治し、たたき起こしていただろうに。

 

 「あら、起きていたのね」

 

 そんなことを考えているとボクの主治医だという女性が入ってきた。彼女は所謂 善人 なのだろう。奴隷であるボクに嫌な顔もせずに世話を焼いてくれるのだ。

 

 「あぁ、もう傷は完治している。いつでも前線に出れるだろう」

 「もう…貴女は……戦うことしか考えていないの?」

 「当たり前だろう?ボクは奴隷で、戦うことしか出来ないし、知らない」

 「そう……だったわね…ごめんね」

 「気にするな」

 

 何故かここの人間はボクが戦うことを示すと悲しそうな表情をする。何故だ?聞いたところによると、日本も他のネイバーに攻められていて、戦争中の筈だ。ならば、手駒が増えるのは良いことだと言うのに、それに、一応命を救ってくれた恩もある。どうせあの国も滅んでいることだから、日本の為に戦うことも悪くない。

 

 「よう、起きてるか?」

 「リンドウか、起きてる」

 

 リンドウ、ネイバーと戦うボーダーの支部長らしい。ここ最近はよくボクのところを訪ねてくる。最初リンドウが訪ねて来たときにはボクを使いに来たのかと思い、「ボクを使うか?」と言ったら何故か怒りの表情を浮かべた後に

 

 「俺はお前にそんなことはしないし、だれにもさせない絶対にな」 

 

 と言ってきた。男なのに変わり者だな。最近は良く日本のことを教えに来ている。どうやら日本では奴隷はいないらしい。最初それを聞いたときには「は?」と、声に出してしまうほど驚いた。奴隷は使い勝手の良い戦力なのに何故いないのか訪ねるとリンドウ曰く

 

 「そこまで切羽詰まってるってわけじゃねぇし、そんな非人道的な事はしない。今までも、これからも」

 

 とのことだ。つくづく日本は変わった国だ。と、考え過ぎてしまった。今日はどんなことを話に来たのかな?

 

 「リンドウ、今日は?」

 「あぁ、今日はお前の今後について話にきた」

 「ふむ、そうか」

 

 今後について…か、奴隷はいないと言っていたし、ボクはどうなるのかな?リンドウ曰くボーダーという組織に入れば戦うことは出来るらしいが、一般兵と同じ扱いになるらしい。

 

 「まず、お前の身元は判明している。お前は元々日本人だ」

 「日本人…ということはここで生まれたということ?」

 「あぁ、そしてお前の名前は白夢白堊だ」

 「しらゆめはくあ?」

 

 なんと、ここがボクの故郷だったのか、それにしても しらゆめはくあ? か、不思議な名前だ。

 

 「あぁこれからはそう名乗ると良いさ」

 「了解した」

 

 しらゆめはくあ?……今までもLK-021と名乗っていたから違和感があるが、まぁ慣れるだろう。

 

 「それでだな、お前はこれからどうしたい?」

 「どうしたい、とは?ボクに決定権があるのか?」

 「当たり前だ。これからはお前の自由に生きていい」

 

 自由にか、簡単に言ってくれるな。ボクには戦うことしか出来ないのだから、決まっているだろう。

 

 「なら、ボクをボーダーに入れてくれ。これでも12年生き延びて来たのだから、戦力にはなるさ。それに、治療して貰った恩もある」

 「そう…か………わかった。それがお前の意思なら、それを尊重しよう。そこで、だ。俺のところに来ないか?」

 「リンドウの所……リンドウの部隊に入ればと言うことか?」

 「あぁ、玉狛って所だな。まぁ正式な入隊はまだ先になるが、俺の所の所属になれば、お前のトリガーも返してやれるからな。どうだ?」

 

 ボクのトリガーが返して貰えるのか、あれはボクが自分で改造したものだから、わりと愛着も沸いているし、良いかもね。

 

 「トリガーが帰ってくるのなら尚更だな。LK-021、たまこまに入隊する」

 「LKじゃねぇ、白夢白堊だ。これからはそれがお前の名前だと言っただろ?」

 「……了解」

 

 慣れないな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして病棟から出たボクは車という乗り物でリンドウと玉狛へ向かっていた。 

 

 「なぁハク」

 「ハク?吐くのか?」

 「ちげぇよ。お前の名前だ。はくあだから、略してハクだ」

 「なるほど、日本は面白いことを考えるな」

 「………ハク……お前は元々ここで暮らしていたんだ。お前の両親はもう、死んじまって居ねぇけどよ、お前の両親とは知り合いだったんだ」

 

 ボクが名前に関して納得していると、唐突にリンドウはボクの両親について語り始めた。

 

 「そうか、それは残念だ。だが、ボクにはここにいた頃の記憶は無いんだ。国が使いやすいように調整する際に消去したのだろうね」

 「………そうか………」

 

 そしてリンドウはしばらく黙ってしまった。何か気にさわることを言ってしまったのかと考えていると、再びリンドウは口を開いた。

 

 「………お前には、友達が、いたんだ」

 「?……….ともだち……とは何?」

 「親しい人、共に過ごす人、と言ったところだな。とにかく、ここにいた頃のハクにはいたんだよ。友達が」

 「……なるほど、同僚、のようなものか、それで、その友達がどうかしたのか?」

 

 ボクがリンドウへ友達のことをといかけると、リンドウは車を止め、真剣な表情でボクと向き合い、話を始めた。

 

 「お前の友達の名前は 小南桐絵(こなみきりえ) っていうんだ。お前と同じ、17だ。小南は今、ボーダーに居る。そして、玉狛に居るんだ」

 

 「そうか……こなみきりえ…よし、覚えた。玉狛にいるということは同じ部隊になるのか?」

 

 何故いま小南の事を言うのかはよくわからないけど、同じ部隊になるのなら名前は覚えておくことにしよう。

 

 「いや、いずれは同じ部隊へと考えているが、それはまだ先だ。それはともかく、ここからが大事な話だ。小南は昔のお前を知っている。だが、お前には昔の記憶は無いだろ?俺の独断だが、お前のことはもう小南に話してあるんだ」

 

 全部な、と付け加えながら説明するリンドウ

 なるほど、ボクは知らないが、小南は知っているということか、それも、LK-021ではなく、白夢白堊を、か

 

 「なるほど、つまりボクは白夢白堊を演じれば良いと言うこと?」

 「いや、それはする必要はない。小南にはすべて話している。お前体のことも、記憶のこともな」

 「そうか」

 

 ならボクは何をすれば良いんだ?小南に関わりを持つなと言うこと?

 

 「小南は、お前を受け入れてくれると言ってくれた」

 「?それはどういう…」

 「詳しく言えば、LK-021であるお前を受け入れてくれるってこった」

 

 なるほど、白夢白堊としてではなく、白夢白堊という名前のLK-021(ボク)を受け入れてくれるということか。

 

 「でもやっぱりあいつも思うことがあるんだろうな。俺が全部伝えたあと、部屋で一晩中泣いてたらしい。でも小南はな、

 「記憶が無いなら新しく作れば良いのよ!!」

 ってよ、だからお前にはしつこくしちまうかもしれねぇが、そこは目を瞑ってやってくれ」

 

 ………そうか…やっぱり日本人とは不思議だ。他人の為に怒り、泣き、苦しむ。あの国ではありえないことだったな。

 

 「あぁ、わかった。ボクも小南とは良好な関係を築きたいからね」

 「……ありがとう」

 

 そして、リンドウは再び玉狛へと車を走らせた。

 

 

 

 

 

 お互いに喋らずに車に揺られながら、ボクはそとの景色を眺めていた。

 コンクリート多いなぁ……どこもかしこもコンクリートで固められて、地面が見えない……でも、コンクリートの上でも植物がある。日本の植物は強いね…………最近、自分の口調が定まらなくなってきてる気がする。皆の雰囲気に当てられたかな?まぁ、どうでもいいね。

 ん?なんでわざわざ川の上に建物が?回りをイルガーが爆撃でもしたら陸に戻れなくなると言うのに、

 

 「ハク、見えてきたぞ。あれが玉狛支部だ」

 

 あれが………川の家が玉狛か……

 

 「何故、川の上に?」

 「さぁなぁ……おしゃれだから?ガハハハハ!」

 「…おしゃれ、とは何?」

 「え?う~んと……綺麗?う~ん……聞かれてみるとわからんなぁ……」

 「そう……」

 わからないのに使ってる言葉……わからない……でも、嫌いじゃないかな。故郷の言葉、だから?

 そんなことを考えているうちに車が停車していた。

 

 「ほら、付いたぞ。ようこそ玉狛へ」

 「…近くに来ると大きい」

 「本部はもっと大きいぞ?ほら、あそこに見える四角いやつが本部だ」

 

 リンドウがそういいながら指を指したからその方向を見てみれば、あの国の軍の施設を何倍もの大きさの建物が?あった。

 何て大きさ………あの施設なら貯蓄できるトリオンもかなりの量になるだろうね………

 

 「すごく、大きい……」

 「だろ?だが、玉狛も負けたもんじゃ無いから、入ってからのお楽しみだ」

 「期待しておく」

 

 そしてリンドウの後ろをテクテクと付いていき、玉狛の中に入ると、大きな声が聞こえた。

 

 「リンドウ!!白堊は!?白堊はどこ!?」

 「うぉ!?急に声出すな!驚くだろうが!」

 

 リンドウの前に誰かが出てきたようで、リンドウが驚いている。

 誰だろう?声からして、女性だけど……玉狛に居る女性……

 

 「小南桐絵?」

 「ッ!?白堊なの!?どこ!?」

 

 ボクが思わず名前を呟くと、聞こえていたのか声が一層大きくなった。

 当たってたみたいだね

 

 「落ち着け小南!ハクは俺の後ろだ!」

 「!退いてリンドウ!!」

 「うぉあ!?」

 

 ドガッとリンドウが押し退けられ、壁に叩きつけられる。リンドウにが居なくなり前がよく見えるようになると、そこには茶髪で長い髪の気が強そうな女性がたっていた。そしてボクを見ると

 

 「ちっちゃ!?」

 

 「失礼だね。貴女が小南桐絵?」

 「ご、ごめん!こんなに小さいと思わなくて…」

 

 小南が慌てて謝罪をしてくる。

 まぁボクみたいに小さい人は珍しいから仕方ないか

 

 「ボクはLK-021…ではなく、白夢白堊だよ」

 「わ、私が小南よ!よろしく!白堊!」

 「よろしく」

 

 小南は元気だね。元気なのは良いことだ。精神をやられ狂ってしまった同僚はたくさんみてきた。知らずうちにボクも狂っているのかも知れないけどね。

 昔の事を思い出していると、小南がおずおずと質問をしてきた。

 

 「は、白堊……やっぱりその…私を見ても……何も、思い出さない……?」

 「あぁ、すまないけど、何も」

 「……そう…」

 

 そういって小南は悲しそうにうつむいてしまった。しかし、すぐに顔を上げ、ニカッと笑った。

 

 「なら!これからは私達と思い出を作れば良いのよ!!これからよろしく!白堊!!」

 「あぁ、よろしく、小南。それと、ボクのことはハクと呼んで」

 「ハク?」

 「さっきリンドウに付けて貰った略式の名前だ」

 「りゃくしき………?」

 

 ハクと呼んで欲しいと言うと小南は何故か首を傾げている。何か変なことがあったのかな?

 ボクも首を傾げてると、吹き飛ばされていたリンドウが復帰した

 

 「あ~小南、略式ってのはあだ名のことだよ、あ、だ、名!」

 「あぁ~!そういうことね!わかったわ!ハク!」

 「そう、なによりだ」

 

 なるほど、あだ名と言うのか。覚えておこう。

 

 「んじゃ、取り敢えずハクとはまだ話があるんだが、どうする小南、一緒に聞くか?」

 「あったりまえでしょ!これから一杯思い出つくるんだから!」

 

 

 

 

 

 そしてボクとリンドウ、小南の三人で大きな部屋に行き、話を始めようとした。

 

 「?おいハク早く座れよ」

 「どうかしたの?」

 「?座って良いの?」

 「当たり前でしょ?立ったまま話をするつもりなの?」

 「………取り敢えず座れよ」

 

 ふむ、かなり上質な椅子だけど良いのかな?日本に奴隷はいないって言ってたし、良いのか。そして一人で納得して椅子に座り、

 おお!お尻が痛くない!ふかふかだ!こんなに良いものに座ったのは初めて!

 と、一人で感動していると、リンドウが話し始めた。

 

 「さて、じゃ話を進めるぞ?」

 「了解」

 「よし、まずは玉狛へようこそハク。今後よろしく」

 「よろしく」

 「取り敢えず、ハクには玉狛所属の隊員になって貰う。ま、まずはボーダー本部でランクを上げて貰うがな」

 「ランク?」

 「階級みたいなもんだ。見習いがC級、正式隊員がB級、精鋭隊員のA級、その上にS級があるが、それは特殊部隊みたいなもんだ。ここまでで質問は?」

 

 C.B.A.S……わかりやすいね。多分ボクはCからだと思うけど見習いなら何か制限があってもおかしくはない。

 

 「それは対人?トリガーの制限は?」

 「あぁもちろ「対人よ!」……」

 

 リンドウが説明しようとしたところを小南が遮るように代わりに答え、そのまま答えていく

 

 「C級隊員はトリガーを一つしか使えないって制限があるわ!」

 「なるほど……ならボクのトリガーは使えないな……」

 「え?」

 「そのことはいまから話す。小南もおとなしく聞いててくれよ?」

 「わ、わかってるわよ!」

 

 リンドウがこれ以上話を遮られない為か、小南に釘を指してから話し出す。

 

 「ハクのトリガーを解析させて貰ったが、あれは普通のトリガーじゃないな?」

 「あぁ、あれはボクが自分で改造してつくったトリガーだよ」

 「自分で改造!?」

 「まぁそれしかわからなかったんだがな。しかし、ハクが改造してたのか……」

 

 それくらいしか娯楽と言えるものが無かったからね。それに、ボクがここまで生き残れたのはこのトリガーと6()()のお陰だ。

 

 「てことでハク、このあと小南とそのトリガーを使って模擬戦して貰っても良いか?」

 

 小南との模擬戦か、戦闘事態は3ヶ月ぶりだけど、いけるかな?

体鈍ってなきゃ良いけど、まぁやれるだけ、やるだけ

 

 「かまわないよ」

 「は、ハクが良いあたしも良いけど…」

 「よし。決まりだな!まぁもう少し話はあるけどな?」

 「段取りが悪い!」

 

 リンドウにまだ話があると言われたボクと小南は、既に椅子から腰を上げていた為、ガクッとなってしまった。

 

 「まぁそう怒んなって、まだトリガーの話だからよ、さっに何もわからないって言っちまったが、少し訂正させて貰うぞ。あれは普通のトリガーじゃなくて、ハク自身が改造したんだよな?」

 「そうだよ」

 「あれはどうやって改造したんだ?俺たち玉狛もオリジナルトリガーは作っているがお前のトリガーとはまったくの別モンだ。それにあれは ブラックトリガーに限りなく近いトリガーだ」

 「えぇ!?」

 

 ………そこまでわかっていたのか……ほとんどわかっているようなものだろうに、

 

 「……うん、確かにボクのトリガーはブラックトリガーに近いよ。けど、ブラックトリガーみたいに真っ当なものでもない。あれはボクの同僚、奴隷達のトリオンで作られてるんだ」

 「他の…どれ…い?どういうこと?ハク!」

 

 奴隷と言う言葉を出すと小南が取り乱し、ボクに積めよってくる。

 

 「リンドウ達は、ブラックトリガーの作られ方は知ってるね?」

 「あぁ」

 「えっと、優秀なトリオン保持者が自身のトリガーに全トリオンと生命力をつぎ込んで出来るのよね?」

 「そうだね。だけど、その生命力とトリオンを他人のトリガーに注ぎ込んだらどうなると思う?」

 「た、他人のトリガーに!?」

 

 ボクの言葉を聞い小南が椅子から飛び上がりながら聞き返す。リンドウもボクの言葉を聞いて目を丸くしている。

 まぁ、これはあの国のボク達奴隷しかわかっていないことだろうからね。国も、軍も知らない、奴隷(ボクたち)の秘密

 

 「そう、他人のトリガー、だよ。ブラックトリガーは異常な強さを持っているけど、それはその人に馴染んでいるトリガーにその人のトリオンと生命力をいれることで強さや異常性を持つんだ。

 けど、他人のトリガーに入れると、そうはならない。単純に強化されるだけなんだ」

 「単純な…強化?」

 「そう、トリガーにはいくつか機能をつけれるよね?その機能の個数が増えたり、トリオン伝達が強化されるってことだよ。そのお陰でボクのトリガーはブラックトリガーに近い能力を持ったんだ。

 

 これをボク達奴隷はトラストって呼んでた。そしてトラストされたトリガーはブラックトリガーに近いノーマルトリガー、アッシュトリガーって呼んでいたんだ」

 

 ボクが説明し終わるとリンドウと小南は驚き過ぎたのか口が塞がっていなかった。そして、リンドウは途切れ途切れに言葉を紡いだ。

 

 

 「な、なん…にん…だ?」

 「リンドウ?」

 「ハクの…トリガーは、なんにんの仲間(奴隷)で出来て、るん、だ……?」

 

 ……そこまで、気づいちゃうんだ……

 

 「7人だよ。ボクがトラストしたのは、7人だ」

 「そう、か………」

 

 リンドウはそういいながらテーブルに顔を伏せ、暫く沈黙の時間が続いた。

 

 「…….勘違いはして欲しくないから言っておくよ。トラストするのにも、本人の意志が必要だ。それに、トラストするのは奴隷であったボク達が、あの国に対する最後の対抗手段だったんだ。あの国はボク達を人としては絶対に扱わない。家畜、玩具、都合の良いモノ、欲望の捌け口………少しでも反抗すればもっとひどい事をされる。それが当たり前だった。ボクだってそうだ。殺されはしなかったけど、ずっと、昔から男に使われ続けてきた」

 

 ボクが使われたと言うと、小南は体を震わせ、涙をながし始めてしまった。リンドウは拳を握り、震えていた。

 

 「そんな中でも、ブラックトリガーを作れるほどの力を持ってる人は決して少なくなかったんだ。体を弄られて、トリオンを増やされるからね。そしてこの首輪」

 

 

 そういいながらボクが自分の首輪リンドウと小南に見えるようにすると、小南とリンドウは今までうつむいていた顔を上げ、首輪を見た。

 

 「知ってるかもしれないけど、この首輪はね、神経に絡むように埋め込まれているんだ。この首輪が有る限り、奴隷は国に逆らえない。言われたことを実行するんだ。どんなことでも、ブラックトリガーになれ、なんて言われてもね」

 

 ボクがそう告げると、リンドウが拳でテーブルを殴りつける。

 

 「何で!そんなことが出来る!!」

 「奴隷は、奴隷だとあの国の全員が思っているからだよ。奴隷になるのは、拐われてきた人たち、自分達にとっての近界民(ネイバー)だから、平気で出来るんだ」

 「…………」

 

 「だから、そんな国にブラックトリガーになってやるなんてまっぴらごめんだ、ってことで、トラスト、アッシュトリガーが出来たんだ」

 

 

  全てを伝え終わるが、その場を支配していたのは凍りつくような空気だった。その空気がどれほど続いたのかはわからない。そして口を開いたのは小南だった。 

 

 「………ハクは、辛かった?トラストして、」

 「………その時のボクに聞いて欲しいな、当時のボクと、今のボクじゃ、考え方がまったく違うだろうからね。でも後悔はしていない。だって、託してくれたのは皆だから」

 「そっか……」

 

 そして再び沈黙が続いた。そして、

 

 「よし!つまり!ハクは、7人の意思を継いだトリガーで今まで戦ってきたのね!それは凄いことよ!!」

 

 沈黙を破ったのはまたしても小南だった。

 

 「ならあたしに!そのトリガーで挑んできなさい!あたしが証明して上げる!ハク達が作ったその力が!強いってことを!」

 「小南…」

 

 …………小南も、善人…なのだろうか、ボク達を、皆の力を認めてくれる。

 

 「……だな、ハク、お前は、お前らは誇っていいんだ。お前らをそんな風に扱っていた国は滅んだんだろ?なら滅んだ理由はお前達がアッシュトリガーにして、国に抗い続けたからだ。お前達が、国を倒したんだ」

 

 あぁ…みんな、ここは、玄界は良い人たちで溢れてるよ。僕たちを、認めてくれる、あいつらとはちがう、んだ

 

 「あり、がとう……」

 

 涙なんて、とっくに枯れたと思ってたのに、まだ出るみたいだ。

 

リンドウと小南は、泣いたボクを、ボクたちを、やさしく、やさしく、抱き締めてくれた。




次回は主人公&主人公のトリガー説明だけになるよ。
かな~り複雑だから矛盾してたら
 「てめぇ矛盾してんだよクソガキが」
って罵ってね!

曇らせは

  • そいつは素敵だ!大好きだ!
  • 曇らせ?ふ~ん……えっちじゃん
  • 曇らせ!?アッハイ
  • 曇らせ!?ゆるさん!!
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