奴隷兵の帰還   作:メヴィ

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白堊のトリガーに
 手首の回りなら回るように稼働できる
 という設定を追加しました。


白堊の実力

 「もう、だいじょうぶ」

 

 ボクが泣いてしまってからかなりの時間がたっていた。その間リンドウと小南はずっと抱き締めてくれた。ボクがもうだいじょうぶと言うとリンドウはゆっくりと離れていった。けど、小南はボクを離さずに、ボクを抱いたまま椅子に座り直す。

 

 「そうか…まぁ、なんだ、これでハクと話したいことは全部だ。話してくれて、助かった」

 

 そう言いながらリンドウは深く、頭を下げた。すると、ボクを抱いていた小南が

 

 「じゃ、模擬戦するわよ!」

 

 と、声高らかに言い張った。そう言えば模擬戦する話だったね。

 

 「うん。ボク達の力、見せるよ」

 「あぁ、目に焼き付けさせて貰うぞ」

 

 そして何故かボクの手を握ったままの小南に連れられて玉狛の地下へと向かった。小南の手は、とても暖かくて、胸の奥がぽかぽかした。初めて覚える感覚に少し戸惑ったけど、嫌いじゃない。

 

 「ここが玉狛の誇るシミュレーション室だ。本部の物とかわりないぜ」

 

 地下に付くとそこではメガネをした女性が薄い板?をじっと見ていた。あれは何?ボクが板を見ていると、リンドウが女性に声をかけた。

 

 「よ、宇佐美、こいつがこの前話した、白堊だ」

 「あ、やっときた!こんにちは~私は宇佐美栞、玉狛のオペレーターをやってるよ~」

 「白夢白堊、ハクって呼んで欲しい。よろしく」

 「はい、よろしくねハクちゃん」

 

 やっぱり気になるな、あの板……うさみがずっと見ていたから、重要なものなのだろうか?

 

 「うさみ、あの板は何?」

 「ん?板?………あぁ、パソコンのことかな?」

 「ぱそこん?」

 

 ぱそこん……変なの、ボクは心の中でもそう思いながら首を傾げていると、うさみがぱそこんについて説明をしてくれた。

 

 「あのパソコンでこのシミュレーション室を管理してるんだよ」

 「なるほど、制御端末か、ありがと、うさみ」

 

 ボクがうさみにお礼を言うと、うさみは「どたまして~」と笑いながら不思議な言葉を返して来た。日本は不思議な言葉が多い

 日本の言葉に感心していると小南が

 

 「宇佐美!これからハクとあたしで模擬戦をするわ!準備して!」

 「はいはい、じゃぁハクちゃん。とりあえず、トリガーを起動してみてくれるかな?」

 

 トリガー……リンドウにまだ返して貰ってないな。そう思い後ろ手座ってたリンドウを見つけ、声をかける。

 

 「リンドウ、ボクのトリガーは?」

 「お?おぉ、すまん、返してなかったな、ほれ」

 

 そう言ってリンドウはボクの二つのアッシュトリガーを投げ渡そうとして、一度止まり、ちゃんと此方に近付いて手渡してくれた。  

 恐らく、トラストした皆を雑に扱いたくなかったんだろう、本当に、善人だね、リンドウも、皆も

 

 「ありがと」

 

 そう言いながらボクはトリガーを腕に入れようとして、腕を開くが、久しぶりに開いたせいか、少し血が流れてしまった。あまり痛みを感じなくなったボクの体は大丈夫だけど、小南達はそれをみて顔を青くしてしまった。

 

 「は、ハク!それ、大丈夫なの!?」

 「ハク、無理はするなよ」

 「だいじょうぶ、久しぶりだったから、塞がりかけてただけ、それに痛みは感じてないよ」

 「そうか……とりあえず、血ィ拭いとけ、ほら」

 

 そう言ってリンドウは布を渡してくれた。それで血を拭うと、布は赤く染まった。布を近くのテーブルに血で汚れないように起き、トリガーを起動させた。

 

 「トリガー 起動(オン)

 

 トリガーを起動すると体がトリオン体へと変更されていく。3ヶ月ぶりの感覚に懐かしさを覚えた。

 あぁ、こんな感じだったかな

 トリオン体へ変更し、最後に白いマフラーが出てくる。それをボクは慣れたように手に取り。髪を巻き込まないように首に巻いていく。すると、うさみが感心したように声を上げた。

 

 「わぁ!キレイ!全身真っ白だね!マフラーも似合ってる!」

 「少し、小南に似てるな……」

 「よし!じゃ私も!トリガー 起動(オン)!」

 

 リンドウとうさみが感想を言っている間に小南もトリガーを起動し、トリオン体へ変更する。小南のトリオン体は長かった髪は短くなっていた。

 確かに、ボクのトリオン体と似た服装だね。

 

 「おぉ~、二人が並んでると姉妹みたいだね!」

 「確かになぁ、小南の方がデカイから小南がねぇちゃんだな。見た目だけは」

 「見た目だけはって何よ!」

 

 ボクと小南が姉妹……か

 

 「こなみねぇさん?」

 

 ボクが首を傾げながら言うと小南達は黙って顔を背けてしまった。なぜ?

 

 「やっばぁ……破壊力たかぁ……」

 

 「?やらないの?」

 

 何故か全員が無言なのでボクがやらないのかと聞くと、やっと三人は動き出した。

 

 「あ、うん、じゃぁやろっか、小南ちゃんとハクちゃんは01室に入ってね」

 「わかったわ」

 「了解」

 

 そして小南と01に入ると真っ白な空間が広がっていた。

 

 「……白い」

 

 『は~い、じゃ、まずはハクちゃんのトリガーの紹介をして貰うよ~!標的を出すから、それに向かって攻撃してね~』

 

 うさみ?そう思い回りを見渡すがうさみの姿は無い。どうやら声だけのようだ。

 そして、目の前に小型のバムスターが出現した。たぶんこれがうさみの言っていた標的なのだろう。そして両腕の<ブラストアンカー>を起動させる。

 

 「え、なによそのトリガー?グローブ?」

 

 ブラストアンカーを見た小南がぐろーぶ?と言うものに例えた。後でどんなものか聞いておこう。そして、今度はうさみではなく、リンドウの声が聞こえた。

 

 『あ~、ハク、簡単にで良いから説明頼めるか?』

 「了解」

 

 そしてまずは右腕のアンカーを掲げながら説明を始める

 

 「ボクのトリガーは<ブラストアンカー>この射出機構でトリオンで出来た杭やブレードを射出して破壊するものだよ。他にも杭を飛ばしたり、爆発させることができる」

 

 そういいながら数メートル先のバムスターに杭を撃ち込むと、コアを守る最も固い頭部を杭が貫通し、バムスターを倒す。

 そして、次は左腕を掲げる

 

 「左のアンカーはさっきみたいに杭を飛ばしたり、ブレードをだすことはできない。それに、爆発の威力が低い。そのかわりにワイヤーの付いたアンカーを使って立体機動が出来るよ」

 

 そう言いながら復活していたバムスターの足元にワイヤーアンカーを撃ち込み、ワイヤーによって高速移動をし、接近したところでRアンカーの炸裂杭を撃ち込み、内部から爆発させ倒す。

 

 「ボクの戦闘スタイルは立体機動をしながらの接近戦、まぁ、殴り合いだけどね」

 

 言い終わるとリンドウの声が再び室内に響く

 

 『ほぇ~……遠距離も近距離もできるのか……その爆発するのも飛ばせるのか?』

 「うん。けど、距離とか装甲の厚さによって刺さら無いまま爆発したりするから、遠距離運用したいならもう少し改良したい」

 『なるほど……それなら今度本部で出来るように俺が掛け合っておく』

 「ありがとう」

 

 これで説明は終わったけど、やっと小南と模擬戦できるのかな?

そう思いながら小南を見てみると、口を開け、目を見開いていた。

 

 「……?小南?」

 「え、あ、じゃ、じゃぁやりましょうか!」

 

 どうやら小南は驚いていたようだ。そして始めようとするが、うさみが

 

 『ハクちゃんは小南ちゃんのトリガー聞かなくて良いの?小南ちゃんのも結構特殊だよ?』 

 

 そう言われ、小南の手元を見ると小型の斧のようなトリガーが両手に握られていた。

 

 「いい、やれば、わかるから」

 『そっか、じゃぁ、小南VS白夢よ~い、スタート!』

 

 

 号令がかかった瞬間、ボクは体を屈め、低姿勢のまま小南に走り出し、一瞬で小南の目の前に近付いた。小南は反応が遅れたが、すぐに小斧で攻撃をしてくる。それをボクはシールドで防ぎ、そのまま杭をシールドごと撃ち込み小南の心臓の部分を破壊すると、機械音声がながれ、小南とうさみが驚いた声を上げた。

 

 <小南桐絵 トリオン供給器官破損戦闘続行不可>

 

 

 「う、うそッ!?」

 『えぇ~………』

 「これはボクの得意技だよ。今のところ、防がれたことは無い」

 「でしょうね……自分で自分のシールド破壊するなんてことは普通出来ないし、やらないわよ」

 

 だろうね。まずシールドを一撃で破壊できる威力はアンカー以外で見たこと無いしね。

 

 『シールド破壊……ブレイクアタックってところか?』

 

 ボクが小南と話しているとリンドウがまた名前をつけたみたいだ。今後はそう呼ぶことにしよう。でも、リンドウは名前をつけるのが好きなのかな?

 

 『じゃ、二本目行ってみようか!あ、さっきとは違う戦い方してね?』

 「了解」

 

 違う戦い方か……あ、さっきリンドウに言った炸裂杭を使おうかな

 

 『小南VS白夢 ラウンド2よ~い、スタート!』

 

 瞬時に杭を爆裂杭に変更する。小南は先手をとるため既に此方に走り、接近していた。ボクはワイヤーアンカーを使い、左へ飛ぶ。さっきまで居た場所にはさっきまでの小斧ではなく、大きな斧を振り抜いた小南の姿があった。

 

 「チッよく避けるわね!」

 

 小南はそう舌打ちをし、すぐに此方へ向かってくる。ボクは向かってくる小南に爆裂杭を射出する。しかし、さっきのブレイクアタックを警戒したのか、シールド大斧真っ二つに切り裂いた。切り裂かれた杭は爆発し、煙を上げるが小南はとっさにシールドで防いでいて無傷だった。

 

 「爆発……やっぱり手強いわね……」

 

 小南は回りの煙でよく見えないのか回り見渡していた。そこにボクは杭をブレードに切り替えて突っ込んでいく。

 

 「!!そこ!」

 

 小南はボクに向かって大斧を横になぎ払うようにして攻撃する。

ボクは左腕のアンカーを手首の下に移動させ、地面に左手を付けるようにして身を屈め、攻撃を避ける。そして、地面に先端を平らにした杭を撃ち出しその反動で小南の懐に潜り込み、ブレードで攻撃をするが、シールドで防がれてしまう。

 

 「二度も同じ手は喰らわないわよ!!」

 

 小南はそう言いながら大斧を片手で持ち直し、体をごと回転させながら後退し、回転の反動を使い回し切りをする。今度はしっかりとボクのことを捕らえている。それをボクはブレードで受け止め、弾き距離取るが、小南はそのまま再び突っ込んできていた。即座ざに左手のアンカーをワイヤーアンカーに替え、小南に向かって撃ちむ。それを小南はシールドで防ごうとして上半身にシールドを展開させるが、アンカーは当たらず、小南の股下を通り抜けて着弾した。

 

 「外したわね!!」

 

 小南はこれを好機と見て、接近しながら大斧を振りかぶるが、

 

 「ボクの勝ちだ」

 

 ボクはそう宣言しながらワイヤーアンカーで小南の股下を通り抜け、小南の背中にRアンカーで爆裂杭を撃ち込み小南は爆発し、再び機械音声が宣言した。

 

 <小南トリオン漏出過多 戦闘続行不可>

 

 「あぁもう!!絶対に勝ったと思ったのに!!」

 

 煙が晴れるとら小南は上向きに倒れながら手足をバタバタとさせていた。うさみやリンドウが声をかける

 

 『惜しかったなぁ~小南~』

 『もうちょっとだったねぇ』

 『『ドンマ~イ』』

 「うがぁぁあ~~~!!」

 

 リンドウとうさみに言われ、より一層手足をバタバタさせる。そんなに悔しかったの………なんか子供みたいになっちゃってるよ

 

 「もうやめる?」

 「まさか!まだまだこれからよ!!」

 

 そういって小南と白堊は合計10戦戦った。

 結果は

 小南 ✕ ✕ ✕ = ✕ = = ✕ = ✕

 白堊 ○ ○ ○ = ○ = = ○ = ○

 

 白堊の6勝4分0負だった。

 

 「そんな……このあたしが……」

 「上には上がいるってことだな小南。これからはハクと対戦して、もっと自分を磨くんだな」

 「ひぇ~……一応、小南ちゃんNo.3の強さなんだけどなぁ……」

 「小南は強かった。とっても」

 「まぁハクが勝つとは思っていたが、まさか小南が一勝も出来ないとは思ってなかったなぁ……こりゃぁ、すこし変更しなきゃなぁ……」

 

 変更?どういうこと?もしかしてボーダーに入れないってこと?

 

 「変更って?」

 「あぁ、お前さんをC級隊員にしちまうと、お前の同期が荒れそうだからなぁ、第2のプランに替えるだけだ」

 

 第2のプラン……なんだろう……リンドウはそのまま部屋を出ていっちゃったし、うさみなら知ってるかな?

 

 「うさみ、第2のプランって?」

 「ふっふ~ん、第2のプランっていうのはねぇ~、ハクちゃんを、復帰してきたボーダー隊員って設定で、玉狛に所属して貰うってプランなのだよ!っと、すこしまっててね」

 

 そういうと、うさみはポケットからまた板の様なものを出した。あれもぱそこんなのかな?

 

 「リンドウさんがね、ハクちゃんが話したことと、さっきの戦いのデータを本部に伝えても言いかだって、どうする?」

 「構わないと伝えて」

 「らじゃ~」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーリンドウsideーーー

 俺は、ハクと小南の戦闘データを入れたUSBメモリを持ち、本部の会議室にいた。そこでハクから聞いた アッシュトリガーと、トラスト について説明をしていた。

 

 「ーーー以上が白堊のトリガーの紹介でした」

 

 俺がそう締めくくると、開発室長の鬼怒田が深いため息を出した

 

 「はぁ、そういうことか………白堊ちゃん自身が改造していたとは…トラスト、アッシュトリガー、どれも白堊ちゃん達が生み出した奇跡のトリガーか、我々に使う権利は無いし、使ってはいけないものだ」

 

 鬼怒田がそう告げると集まっていた全員が肯定するように頷いた。そこで俺はハクがトリガーを改良したいと言っていたのを思い出した。

 今なら言えっかな?

 

 「鬼怒田さん。白堊がアッシュトリガー、<ブラストアンカー>を改良したいそうだ。良ければ開発室を貸してはくれねぇか?」

 

 俺がそういうと鬼怒田さんは驚いたような顔をした。タヌキみたいな顔だな。

 

 「それは構わない。ならば、白堊ちゃんの改造技術を教えて貰うように言って貰えないかね?勿論、嫌ならいいが」

 「わかりました。白堊に掛け合っておきます。あと、今日は白堊と小南の模擬戦のデータを持ってきました」

 

 俺はポケットに潜ませていたUSBメモリーを全員に見えるようにする。すると、驚愕の声が上がった。

 

 「なんだと!?」

 「早く見せてください!」

 「No.3の小南とか……それで、結果はどうだった?」

 

 忍田がそう聞いてきたので、俺はUSBをセットしながら答える。

 

 「結果から言うと、10戦中、小南は6負4分、一度も勝てませんでした。分は全部相討ちです」

 

 それを聞いた忍田は椅子から飛び上がり驚愕した。

 

 「なんだと!?あの小南がか?!」

 「えぇ、それもブラストアンカーの機能をデモンストレーションした後で、です。まぁ、映像を見ればわかります」

 

 そういって映像を流す。映像がながれていく間全員が黙って見ていた。時折、「なっ!」とか、「は?」等の声が上がったが、それだけだった。映像が終わり、忍田は感嘆の声を上げた。

 

 「小南相手に流石としか言い様が無いな……はぁ………彼女は、これ程強いのにあんな大怪我をしていたのか……」

 

 「やはり、奴隷としての扱いを受けていたからでしょう。彼女は自分が負けそうになったとき、必ず相討ちに持っていっています」

 

 沢村がそう口にすると再び全員が沈黙する。これじゃ話が進まねぇな……

 

 「話を進めますが、後半はブレードを使っては戦っています。恐らく、ノーマルトリガーを持たせても同じような結果になるでしょう。白堊を普通入隊させては、あまりにも目立ちすぎます」

 

 俺がそこで一旦言いきると、今まで黙って聞いていた城戸指令が口を開いた。

 

 「だろうな。ならば第2プランを使用するだけだ」

 

 城戸指令がそう言うと、他のメンバーは困惑していた。そこで唐沢が先陣をきって言葉を発した。 

 

 「城戸指令、第2のプランとは何ですか?我々はノーマルトリガーを持たせ、入隊するとしか知りませんが」

 「あぁ、第2プランは私と林藤しか知らないからな」

 「第2プランに関しても俺から説明します」

 

 「第2プランとは、白堊を、一次進行で引退したボーダー隊員が復帰し、小南と同じランク外隊員にする、と言うプランです」

  

 「なるほど…確かにそれならば無駄ないざこざは防げるか…」

 「幸い入隊式も近い。そこで発表してしまえば良いだろう」

 

 よし、割りとすんなり認めてくれたか……

 

 「では、白堊には第2プランを適応、と言うことで決定して良いでしょうか?城戸指令」

 「あぁ、構わん」

 

 

 

 

 

 

 




小南は林藤のことをボスと呼ぶと指摘を受けました。
無知を晒してごめんなさい。
正直言いますと、私自身は漫画を持っていなく、アニメしか知りません。なのでキャラの口調がおかしいことがあったら、その都度指摘してもらえるとたすかります。



3/19追記
運営に警告をされましたので、消しました。

投票の結果、復帰したボーダー隊員という設定に変えさせていただきました。すでに次回の話を書いていたので、修正に時間が掛かります。ご協力ありがとうございました。
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