若手の陸自幹部さん、トレセンに行く   作:Ο(オミクロン)

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主人公のヒミツ②
実は、ダンスが絶望的にヘタ

無職になったので初投稿です。

この話から、急展開を迎えます(多分)


1章ー波乱のトレセン学園ー
3話 トレセン勤務初任務と波乱


同期の女性自衛官の来訪と共に、メールが届いた。

送り主は、自衛隊ウマ娘トレーナー課程の課程主任からだった。

『自衛隊ウマ娘トレーナー課程学生に対する任務付与の件』と題されている。

「メール、読んでみて。」

そう言われて僕は、そのメールを読み上げた。

 

 

ウマ娘教育隊 課程主任

 

【重要】自衛隊ウマ娘トレーナー課程学生に対する任務付与の件

 

目的:複数人のウマ娘を指導する能力を涵養する。

 

任 務

1 今年12月末までに10人規模のチームを結成し、これを指導せよ。

2 来年3月までに所属チームのウマ娘5人をデビューさせよ。

 

幹部学生2名については、加えて以下の任務を追加する。

来年3月までに所属チームのウマ娘1名を重賞に出場させ、入着させよ。

 

なお、任務を果たせなかった学生については原隊復帰とする。

 

以上。

 

ははっ。やべぇ。

僕は思わず声を出して笑った。

「これは……厳しいなぁ!」

率直に言うと厳しい任務である。任務は追って連絡するとトレセン学園に来る前に説明されていたが、こう来るか。

学園所属のトレーナーですら、トレーナーになったはいいものの、1年以上担当が見つからず学園を去る人はざらにいる。ウマ娘と契約するのも簡単なことではない。

トレーナの人柄や経歴、ウマ娘の価値観など色々な要素が組み合わさり、契約に行き着くのだ。

それを10人とはなかなかの難題だ。10人集まったとして新人の半数をデビューさせるのもまた難しい。

ましてや、担当を重賞に出して結果を残すというのは…。

はっきり言って地獄である。これは運と才能がモノを言う。

 

「うぅ…課程主任の鬼…。」

同期もそう嘆く。

「いや、でも正直ありがたい気持ちはある。」

「え?どういうこと?」

「こういう風に目標がはっきりしている方がやりやすいからね。それに。」

僕は笑顔を浮かべて言った。

「自分の教え子たちがレースで活躍する姿を見れるかもしれないって考えたら、ワクワクするよね!!」

目標を達成するために持てる知恵と力を振り絞る。そして、それが完遂できた時は達成感を半端なく感じる。

「あー……まぁ、たしかにそれは言えてるかもね……。」

彼女は苦笑いしながらも同意した。

 

「何はともあれ、作戦を立てなきゃね。とりあえず、任務分析を始めよう。」

任務分析、与えられた任務及び地位·役割を吟味した上で具体的に達成すべき目標を立て、その後それを達成するためにどのような手段をとるかを検討するのだ。方針を立てるテクニックとして使える。 

 

簡単にだが、一つ目の任務を用いて実際に当てはめて考えてみよう。

まず、考えるべきなの任務『今年12月末までに10人規模のチームを結成し、これを指導せよ。』だ。

 

そして、僕の地位·役割

地位~自衛隊ウマ娘教育隊から派出された自衛官トレーナー

役割~日本ウマ娘トレーニングセンター学園の生徒を指導し、ウマ娘に対する指導力を修得する。

 

○状況の分析(状況の特質という)

考えることとして、任務上、地形上、彼我、相対戦闘力、時間があげられる。地形はトレセン学園で、実際に戦うわけではないので、地形上と相対戦闘力は省略する。

 

·任務上

示された日から期限まで6ヶ月ほどしかなく、残りの任務を考慮すると厳しい任務

 

・相手の状況(契約前のウマ娘か?)

1.担当のいないウマ娘たちが多数いる。

2.誰もが勝ちたいという気持ち、夢や目標を持っている。

3.トレーナーがいなければレースには出れない。

 

・我の状況

1.現在、担当バは3名。あと、7名は必要になる。

2.選抜レースを忘れて一日中寝ようとしたことがある。契約の機会を逃さない必要がある。

3.まだ新人である。経験と指導力不足がネック。新堀トレーナーから教わったことを活かすことが今後大切になる。

4.声をかけて避けられたことがある。威圧感を与えないよう注意する。

5.ウマ娘の夢を叶えたい気持ちは大きい。

 

・時間の状況

1.今は6月。期日の12月末までは約6ヶ月ある。

しかし、他の任務の期日を考えると悠長にしている暇はない。

2.お互いの同意があれば時期問わず契約できる。

 

つらつらと書いてみたが、結局は以下が結論になる。

なお、具体的に達成すべき目標は、必ず達成すべき目標と到達することが望ましい目標の二つに分けられる。

陸自でやる任務分析はだいたい曖昧な任務からこれらの目標を定めるわけだが、今回の必ず達成すべき目標はそのままそっくり任務から引っ張ってこれる。

 

必ず達成すべき目標〜今年12月末までに10人程度のチームを結成する。

チームメンバーを集めるきるのが先決、今後はこのための手段を考える。

 

到達することが望ましい目標〜「才能溢れる」ウマ娘10名をスカウトする。

なにをもって才能溢れるとするかは別問題だが、これは、残り2つの任務を容易に達成するための足がかりにできたら良いなくらいの気持ち。

 

せっかく彼我の状況も書いたので、簡単に情報見積と作戦見積もやっておこう。本当はもっと考えることがあるのでそこはご理解の程を。

 

・相手の状況から可能性の行動を列挙する(行動を想定する)

1.他のトレーナーにスカウトされる可能性がある。敵1とする

2.自分の夢や目標を叶えてくれるトレーナーを求める。何よりも共感してくれるトレーナーを求める可能性がある。敵2とする。

3.選抜レースからスカウトが主流だが、必ずしもそうなるとは限らない。偶然出会って、意気投合し、契約に行き着くこともある。しかし、不確実なのが問題だ。敵3とする。

 

・自分の行動方針の列挙(どんな行動をするか?)

長所、短所を考えると良い。

1.選抜レースには忘れず積極的に参加する。我1

2.学園のウマ娘と交流する。我2

1の長所は契約できる機会が多いこと。短所は必ずしも契約できるとは限らないこと。

2の長所は信頼関係が築けるところ。短所は契約までいけるかが不安なところ。

 

列挙したものを組み合わせてみる。ここが1番大変。

敵1×我1=選抜レースを見ても、他のトレーナーのところに行く可能性があるので確実ではない。aとする。

 

敵1×我2=知り合いになっておけば、多少はアドバンテージがとれる。bとする。

 

敵2×我1=選抜レース後にウマ娘に夢や目標についてきいてみよう。cとする。aを踏まえると、契約できない可能性もある。

 

敵2×我2=ウマ娘と交流し、夢を語り合い、信頼を築けたら契約できるはずだ。ウマ娘の夢はもちろん叶えたい。dとする。

 

敵3×我1=選抜レース以外で出会うのに選抜レースに行くのもおかしな話だ。除外する。

 

敵3×我2=選抜レース以外にも、日々の生活でウマ娘に出会い、主体的に交流するということか。これまでに何度かあった。eとする。

 

dとeについては似通っているかもしれない。夢や目標を聴くか否かが区別のポイントだろう。

 

ここで自分側に有利になる答えがでなければ自分の行動方針を考え直す必要がある。今回はその必要なし。

 

この組み合わせたものから実行案を決める。

その際、目標達成に必要な要素を洗い出し、その中でも重視する要素を決める。

 

・必要な要素

1.契約の確実性

2.ウマ娘に信じてもらえるか

 

・重視する要素

2.ウマ娘に信じてもらえるか。

時間があまりない以上、確実性を採るべきことは否定できない。しかし、これから3年間担当するのであれば、ウマ娘と信頼関係を気づくことが大事だ。お互いの信頼なくして契約は成り立たない。信頼されなければ、チームメンバーも集まらない。

 

これを踏まえて実行案を決める。まずは1つに決めて、ダメなら次の案を実行する。

適しているのは、b、c、d、eだ。eについては運も絡むが今は藁にもすがりたい気持ちだ。

1つに決めるのであれば、dだ。

結論、dの案を採用。

ちなみに、優先順位をつけるならe、c、b、だ。

 

ちなみに、結論を出したら、問題点を見つけ、対処する必要がある。そして、今後具体的にすべきことも考えないといけない。ここでは割愛。

 

「こんなものかな」

「うん、いいんじゃないかな。」

彼女は満足げにうなずく。

任務分析が終われば、次は作戦立案だ。

『dのウマ娘と交流し、夢や目標を聴き、信頼を築く』。これを行うにはどうすれば良いかの作戦を立てるわけである。既に自分のチームにいるウマ娘を介して交流したり、気になる娘に話かけたりが考えられる。まるで恋愛みたいだ。

作戦会議は白熱し気づけば寝る時間を過ぎていた。

 

 

翌朝、作戦会議から日をまたいだ後に寝たは良いが目覚めが早かった。

だが、今日からチーム結成に向けて動き出す。そのため、少しでも多くのウマ娘たちと接触し、情報を集めなければならない。

まず、朝食を食べ、着替えたらすぐに学園に向かった。

 

学園に着くと、早速、レース場に向かう。昨日の作戦会議で『自主練をしているウマ娘に声をかける。』という案が出た、これを早速実行してみた。

道中、朝練に行くウマ娘の姿が散見される。

 

レース場に近づくにつれ、徐々に人が増えてくる。そこには、練習用コースをじっと見つめているウマ娘の集団がいた。

僕が近づくとそのウマ娘達は一斉にこちらを振り向く。

「おはようございます!」

一人のウマ娘が元気よく挨拶してくる。

「ああ、おはよう。君達は今度の選抜レースに出る子達かい?」

「うん!私はファインモーション。よろしくね〜。」

ちなみに、選抜レースは年4回行われる訳だが、今年は今月で2回も行われる。スパン短すぎやしませんか?

さておき、握手を求められたので応じる。

「トレーナーだ。こちらこそよろしくね。」

「わぁっ。トレーナーなんだね。」

「まあ、一応ね。言ってしまえば自衛官だから外部の人だし、まだ新米なんだ。」

実は個人的に気にしていることを、彼女はそんなこと気にしないよ!と笑顔で返してくれた。

それからファインモーションと色々話をした。

「ところでトレーナーは今度の選抜レースに来てくれるんだよね?」

「もちろんだよ。是非とも君の走りを見てみたい。」

「ふふん。任せてよ。絶対1着になってみせるから。」

自信満々と言わんばかりに胸を張る彼女。

 

「ねえ、もし私が1着になったら、契約してくれる?」

「担当契約?それなら今からでも問題ないけど…。」

「ううん。君には私が走っているところをしっかりと見てほしいな。」

そう言うと、他のウマ娘達のところへ駆けていった。

他のウマ娘達に何か話しかけると皆笑顔でファインモーションを迎える。

 

「じゃ、また選抜レースでね。トレーナーさん♪」

手を振られながら、その場を後にした。

その時、職員さんだろうか、スーツ姿にサングラスをかけたウマ娘とすれ違った。

 

 

その後、何人かのウマ娘に話を聞いたが、特に何もなかった。

むしろコッチの方が普通なので落ち込むことはない。

昼食を摂るために食堂へ向かう途中、あるウマ娘達が目の前に現れた。

「お兄ちゃんも食堂に来てたんだ〜。」

「こんにちは、お兄さま。奇遇だね。」

そう言って現れたのは、カレンチャンとライスシャワーだった。

 

実は、この2人とは面識がある。ライスシャワーについては、買い出しの途中だろうか、街で迷子になった際に学園まで案内したのがきっかけだ。

彼女とは、その時以来、会う度に会話をする仲だ。カレンチャンとは、遊園地で会った。友達とはぐれたのか、一緒になって探したものだ。それ以降、慕ってくれている感じだ。しかし、初めてあった気がしないのは不思議だ。以前に会っただろうか?

2人との出会いはおいおい話をしたい。

ちなみに、2人とも僕を兄貴分として慕ってくれている。最初は驚いたが、理由を聴くと微笑ましい理由だったので、それで良しとしている。僕も妹のように可愛がっているしね。

なお、2人は同じチームに所属している。ミホノブルボンもいるとのこと。

 

「二人もこれから食事なのかい?」

「うん。ライスさんと一緒に食べる約束をしてて。」

「そうか。それは邪魔してしまったかな。」

「そんなことないよ!むしろ会えて嬉しいよ!」

ライスシャワーは必死に否定する。

「そっか。なら良かった。」

「お兄ちゃんも一緒に食べようよ〜。」

カレンチャンは甘えるような声で誘ってくる。

「よし、わかった。では、ご相伴にあずかろうかな。」

こうして3人で食事をすることになった。

 

「今日は何を食べるか決めてるの?」

「ううん。全然考えてないよ。」

「そうか。何が良いか迷うね。ライスはもう決まったの?」

「うん。ライスはこのA定食とカレーうどんとナポリタンと牛丼にするよ。」

ライスシャワーは健啖家だという噂は本当だった。

「お、美味しそうだね…。」

「うん。すごく美味しいんだよ!」

嬉しそうな顔でライスは答える。

「私はB定食にしちゃおうっと。」

カレンチャンは自分のトレーを持ってカウンターに並ぶ。

少し悩んだ結果、カツ丼にした。

席に着くと早速3人でいただきますを言う。僕は早速ご飯を食べ始める。

しばらく黙々と箸を進めているうちに、カレンチャンとライスシャワーが何やら話をしていた。

「ねえ、ライスさん。さっきの話なんだけど……」

「私達のトレーナーさんについてだね…。でも、お兄さまの迷惑にならないかな?」

急に2人の声が暗くなる。一体どうしたのだろうか?

「ライス。僕は君達の悩みを迷惑だなんて思わないよ。話してごらん。」

努めて優しい声で話を促してみる。

「ありがとう。お兄さま。あのね、ライス達のトレーナーさんの指導がね、最近ひどくなっているの。」

どうやら悩みは深刻なようだ。ライスシャワーに話を続けさせる。

「ライスは……トレーナーさんを止めたいのに…それができなくて……」

「ライスさんは悪くないよ!悪いのはトレーナーさんだから!」

「ありがとうカレンさん。でもやっぱりライスはダメなんだって思うと悲しくなって……。」

「そんなことない!!︎」

2人は俯く。やはりただ事ではない。

「…その話、詳しく聞かせてくれないか?」

 

 

ことの顛末はこうだった。

ある日、2人のトレーナーは、トレーニング中の不注意でライスシャワーを転倒させケガを負わせてしまった。幸いにも大事には至らなかったものの、彼女のトレーナーはそのことを謝罪することはなかった。

あげく、彼女が怪我をした原因が自分の不注意にあるにも関わらず、彼女が悪いかのように振る舞った。

その際、『その程度のケガなんかトレーニングに何の支障もない。練習を続けろ。』と言われたそうだ。

 

極めつけは、トレーニングのケガが治らない中、彼女が重賞のレースに出た時だ。

ケガの影響でライスシャワーは掲示板を外した。しかし、労うこともなく『格下に負けるくらいならとっととレースの世界から去った方がいい。』と言ってのけたのだ。

 

この言葉を聞いた時、彼女は心に大きな傷を負うことになった。

カレンチャンやミホノブルボンを含むチームメイトがライスシャワーを励ましたそうだが、1度つけられた心の傷は決して癒えない。他にもチームのウマ娘に体罰をしたりとやりたい放題らしい。

「なるほどな……」

話を聞いた時は怒りを通り越して呆れ返ってしまった。

「それでね、ライス達であの人を止めることができないか相談していたんだ。」

ライスの言葉を聞きながら、ふつふつと何か黒い感情が湧き上がってくるのを感じる。

「お願いします。お兄さま。どうか力を貸してください。」

「もちろん。」

「本当に!?︎」

ライスとカレンは目を輝かせる。

「ああ。僕に任せなさい。」

こうして僕は、クズトレーナーから2人とチームメイトを助けるために動くのだった。

 

 

「という訳なんだ。」

場所は生徒会室。僕は昼飯の時にライスシャワー達から聴いた話をシンボリルドルフに伝える。

「そうか…。そういうことが。」

「2人とも相当悩んでいるみたいでね。なんとか助けてあげたいと思っている。」

「我々としてもこの問題を見過ごすことはできない。まずは証拠集めが必要だ。」

「すまないな。助かるよ。」

こうして僕らは、彼女達の救済に向けて動き出すことにした。

「とりあえずは助っ人を呼ぼうかな。」

僕はスマホを取り出すと、とある人物に連絡を入れた。

「もしもし、元気?実はちょっと相談したいことがあって…」

「トレーナー君。誰と話してたんだい?」

電話を終えて、ルドルフに話しかけられる。

「あぁ、僕の同志達に協力をお願いしようと思って。」

「そうか。ところでその同志とは一体何者なんだい?」

「それはね……。」

コンコンコン。しばらく経って、生徒会室のドアを叩く音がする。

「どうぞ。」

ガチャリ。ドアを開け入ってきたのは……。

「失礼します!呼び出しに応じ、馳せ参じた次第です!」

ピンクの髪にツーサイドアップのウマ娘。彼女の名は。

「アグネスデジタルじゃないか。珍しいな。ここに来るなんて。」

「こんにちは、デジタル。この度はありがとう。」

「ひゃっほぉおおおおい!!︎推しカプが目の前にいるぅううう!!︎」

急に叫びだすアグネスデジタル。

この娘、トレーナー×ウマ娘でもいけるのだろうか?

「落ち着きなさい。」

「はっ!すいません。つい興奮してしまいました。」

「彼女がトレーナー君の言っていた同志かい?」

「そうだよ。ちなみにあと、もう1人呼んだ。」

再び扉が開く。

しかし、そこに立っていた者はいない。そして、足元に小さな影が見える。

 

「隙あり!」

 

その瞬間、身体に衝撃が走る。どうやら誰かに抱きつかれたようだ。

「久しぶりだな〜。トレピッピ〜。」

聞き覚えのある声に目を向けるとそこには……

「来たてくれたか。ゴールドシップ。」

「おう。ゴルシちゃん参上ってな。」

そう言ってゴールドシップはニカッと笑うのだった。

「それで、話というのは何だ?」

「2人に相談があるんだ。」

 

僕は2人に状況を説明した。

「つまり、ソイツらを救いたいってことだろ?」

ゴールドシップの言葉に僕はうなづいた。

「確かにトレセン学園内での不祥事は大問題だ。早急な解決が求められる。」

「だよな。アタシもそう思うぜ。」

シンボリルドルフとゴールドシップは真剣に考えてくれる。

「では、私は皆の証言を集めることとしよう。」

「あたしもそうします。」

「なら、アタシはソイツの手がかりを探すことにするわ。」

3人は次々と役割分担を決めていく。

 

「じゃあ、僕は……。」

「トレーナー君はあの子達を安心させてあげるべきだと思うぞ。」

「え?」

「おそらく、今の彼女達は精神的にも肉体的にもかなり追い込まれているはずだ。そんな時に頼れる人がいた方が心の支えになるだろう。」

確かにその通りだ。

「わかった。」

こうして僕たちは救出作戦チームを結成した。

 

 

数日後、トレセン学園内の食堂。

いつものように昼食をとっていると、

「お兄さま?」

ライスに声をかけられた。

「あぁ、ライスか。」

「やっぱり、お兄さまだ。お隣いい?」

「もちろん。」

ライスは嬉しそうに微笑むと僕の隣の席についた。彼女のトレーには美味しそうなカツ丼が載っている。しかし、今日はやけに量が少ない。

それはさておき、ライスシャワーと昼飯を食べる。

こういう時は、普通の会話を心がけよう。

「そういや、ライスは今日もトレーニングなのか?」

「うん。毎日やっておかないとレースに勝てないから。」

「そうか…偉いな。」

「そんなことないよ。」

と言いながら照れくさそうにするライス。彼女は本当に努力家だなと思った。

 

しばらくすると、

「あっ!ブルボンさん!」

ライスは立ち上がり手を振る。そこには、ミホノブルボンの姿があった。

「ライスさん。ここにいましたか。」

「はい。お兄さまと一緒にご飯を食べます。」

「そうでしたか。あなたが噂のライスさんのお兄さまですね。」

「君がミホノブルボンだね。話は聞いているよ。よろしく頼む。」

「スキャン完了。対象をライスさんの大切な人と認証。こちらこそよろしくお願いいたします。」

ミホノブルボンと挨拶を交わした時だった。

 

「おい。」

後ろから肩を掴まれる。振り向くとそこには……

「最近、俺の担当にちょっかいかけてるヤツはお前か。」

変にこわばった顔をした彼女達のトレーナーだった。

ついに噂の本人が現れたか。

彼はトレーナー間でもあまり良い評判を聞かないトレーナーだった。名は川原という。

「川原さんじゃないですか。どうしたんですか?」

「表出ろや。お前見ると何か無性にムカつくんだよ。」

周囲の椅子と机を巻き込んで僕を引きずり込んでいく。

何事かと周囲がざわめき出す。

「やめて!川原トレーナー!」

ライスシャワーが止めに入るも、意に介せず僕を引っ張っていく。

しばらく彼に付き合うとしよう。そんな悠長なことを考えるのであった。




いつも感想、ありがとうございます!

敵キャラみたいなのが登場しましたね。
これから川原がどんなことをしでかすのか、トレーナー達はどう対処するのか、それを描写できればと思います。
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