若手の陸自幹部さん、トレセンに行く   作:Ο(オミクロン)

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トレーナーのヒミツ⑧
実は、影響を受けやすい。

お疲れ様です。
9話目です。

あらすじ
川原により、好感度反転薬をばらまかれたトレセン学園。
ウマ娘は嫌悪感から学園のトレーナー、教職員達に危害を加える。
主人公のトレーナーも例外ではなく、シンボリルドルフをはじめとした担当に襲われる。

トレセン学園の危機にトレーナーはどう立ち向かうか?

暴力的なシーン有りですので、苦手な方は閲覧をお控えください。


9話 雨はいつか止む。悪夢はいつか覚める

「君達に最後に伝えたいことがある。」

幹部候補生学校の卒業式の日。

お世話になった付教官からの訓示だ。

 

「我々、陸上…いや、全自衛官にとって最も大切なことは何か?だ。何だと思う?」

 

「……はい!規律です!」

しばらくの沈黙の後、男性が手を挙げて答えた。

「そうだな。規律は大切だ。己や仲間を守ることにつながる。他には?」

「はい!体力です!」

同期の女性自衛官が答える。

「それも大切だな。身体は資本とも言うしな。他には?」

 

「はい!協調性です!」

僕はそう答える。

「ふむ。言うまでもなくそれも大切だ。しかし、私が言いたいのはそれではない。」

なかなか難しい質問である。

 

「私はこう思うのだ。一番大事なものは使命感だと。」

なるほど。と、一同はうなづく。

 

「使命感。自分の与えられた使命を全うするという心がけだな。我々は日々訓練を行い、災害派遣や防衛出動など命の危険を伴う任務に備えている。そして、この国のために戦っているという誇りを持って職務に当たっている。何でそうしているんだろうな?」

「はい!国の平和を守るためです!」

またも男性隊員が元気よく挙手をする。

 

「そうだな。正解だ。しかし、さらにもう一歩踏み込んだ答えをほしいところだな。」

「はい!国民が安心して暮らせるためにです!」

と僕は自信を持って答える。

「そうだな。彼らは、我々が守るべき者だ。」

付教官は大きくうなづいた後、僕達の方を見て言った。

 

「では、我々の使命は何だ?」

 

「はい!我が国の領土・領海・領空を脅かすものを排除することです!」

他の隊員が答える。

「その通りだ。だが、これまでの話を踏まえると、こう考えてほしい。」

 

付教官は一呼吸置いて、続ける。

「我々の使命とは、守るべきものを守るために闘うことだ。君達はみんなの盾となり、守り抜かなければならない。そのことを忘れないでほしい。」

「はい!」

僕たちは大きく返事をする。

 

「そして、もうひとつ、約束してほしい。」

 

僕達は息を飲む。

「時には、逃げたくなるときもあるだろう。それは仕方がない。逃げたら負けとは言わない。しかし、後ろに守るべき者がいるにもかかわらず、逃げてしまったら、どうなる?」

 

沈黙が続く。

「言うまでもなく、彼らは被害に遭う。最悪、死ぬかもしれない。だからこそ、そういう状況に出くわしたら、もはや立ち向かうしかない。文字通り、命を懸けてな。いいか?」

「はいっ!!」

僕らは力強く返事をした。

 

「何事もいつかは終わるのだ。止まない雨はない。覚めない悪夢はない。それを忘れないでほしい。」

 

 

夢を見た。

幹部候補生学校の時の夢だ。付教官の話は今でも心に残っている。

守るべきものを守る。それが僕の使命だ。使命を果たすまでは逃げない。

 

殴られたところが痛む。

身体はもう限界だ。それでも、心はまだ大丈夫だ。

「僕は絶対に折れたりしない…。ここで折れたら、悲しむのはみんなだ…。」

うわ言のようにつぶやく。

 

今の彼女達は、薬の影響で暴走しているだけだ。

それももうすぐ終わる。

薬の効果は明日の放課後には切れるはずだ。それまで持ちこたえれば良い。

「だから、あと少しだけ力を…。」

 

もしも、この状況下でウマ娘がトレーナーや教職員のみんなに手をかけてしまったら?

薬の効果が切れた彼女達は一生癒えないキズを負ってしまう。

そうならないために、暴走するウマ娘達から彼らを守る必要もある。

 

今、僕にできることはただ耐えること。

心が折れることは敵前逃亡に等しい。

 

好感度反転薬が散布されて2日目。

陽は昇る。

今日もまた朝が来る。そして、悪夢が始まる。

「目覚めたかな?では、今日も始めるとしよう。」

シンボリルドルフ達がやってきた。アグネスデジタルや『フォース』のメンバーも顔を揃えている。

手足を拘束される。

果てして、今日はどんなことをされるのだろうか。

 

「昨日はなかなか楽しかったよ。」

「…そうか。」

「今日も貴様が壊れるまで、ずっと付き合ってもらうからな。ライスシャワー。」

「はい。…お兄さまを傷つけた報いを受けてもらうね。」

「やめろっ……君のお兄さまはアイツじゃなっ……。」

バキッ!! 頬に強い衝撃を感じる。踏ん張りきれず、倒れる。

「お前こそ、ライスのお兄さまじゃない!」

「ぐふぅっ!?」

ライスシャワーは僕のみぞおちを踏みつける。

 

「ほら、早く立ってくださいまし!」

メジロマックイーンが僕の首を引っ張って無理やり立たせる。

僕は抵抗する気も起きず、されるがままである。

そのまま、ライスシャワーの方に向けて投げられる。

 

「カレンさん!」

「はい!」

「「せーのっ!!」」

ドカッ!!!

カレンチャンとライスシャワーの強烈な蹴りが同時にみぞおちに入る。

「うぐっ!!」

「「まだだよ!」」

ドスッ!ゴスッ!

痛みのあまり意識が飛びそうになるが、かろうじて保つ。

「これで終わり!」

「とどめ!」

ドゴッ!!!

2人同時の攻撃が炸裂する。内臓が破裂したかのような感覚に陥る。

血反吐をぶちまける。

 

「ごほっ……がはっ……。」

「どうだい?これがウマ娘の力だよ。ヒトなんてゴミクズ同然の存在だ。」

まだ終わりじゃないとシンボリルドルフを見つめる。

「何だ?まだやるつもりかい?強情な奴め。なら、もっと痛ぶってやろうじゃないか。」

「カイチョー。昨日から蹴って殴ってばっかりじゃん。これじゃコイツの心になんのダメージもないよー。」

「それもそうだな、テイオー。よし、ならば趣向を変えよう。」

「え?何か思いついたんですか?」

カレンチャンが尋ねる。

「ああ。」

 

何をするつもりだろうか?

「これを使う。」

シンボリルドルフが取り出したのは、黒い布切れであった。

「カイチョー、それ何に使うの?」

トウカイテイオーが興味深々に聞く。

 

「こう使うんだよ。」

その瞬間、視界を奪われた。そして、床に転がされる。

「では、始めよう。デジタル、しっかりカメラに収めてくれ。」

「了解であります!会長様!」

アグネスデジタルはビデオカメラで撮影を始める。

 

「では、まずはこれだ。」

上衣を無理やり脱がされる。

「うわぁ~!すご〜い!」

ファインモーションが興奮気味で話す。

「次はこっちだ。」

下衣を脱がされ、下着だけの姿にさせられる。

 

「惨めだね、ムシケラさん。」

「ホント、生きてて恥ずかしくないのかな〜。」

「対象からステータス『羞恥』を確認。」

「撮れてるか?」

「はい!バッチリですよ!」

では、とシンボリルドルフはカメラの前で宣言する。

「さあ、公開処刑の時間だ。ネットでコイツの醜態を晒してやる。」

さすがにこれはマズイ。

「やめろ……やめろっ!!。」

必死の懇願は虚しくも届かない。

 

すると、ゴールドシップが、

「カイチョーさんよ。コイツの部屋から良いモン見つけたぜ!」

とシンボリルドルフに声をかけた。

「ほう。これはコイツの89式ガスガンじゃないか。」

「そうだな。なあ、アイツを的にして楽しもうぜ!」

カシャ。

弾倉がはめられた音がする。

「そういうわけだ。楽しませてもらうぞ。」

カチリッと、引金を引く音が聞こえた。

 

痛みに備え、身体をこわばらせたが何も感じない。

「壊れてるじゃないか。」

「そうみてえだな。」

「失望落胆だ。しかし、目隠しして視界を奪っても、服を剥ぎ取って恥辱を与えても折れはしない…。」

そうだ。この程度で折れるわけにはいかない。

 

「ならば、オスとしての尊厳を壊すのはどうかな?」

悪魔の提案とも言える発言をしながら同期が入室する。

 

「どういうことですか?」

メジロマックイーンが尋ねる。

「言葉通りだよ。」

「同期さん!ボクもそれ賛成だよ!」

トウカイテイオーが手を挙げて賛同する。

「確かに悪くはない考えですが、どうするのですか?」

シンボリルドルフは賛同するものの、具体的に何をするかはわかっていないようだ。

 

「簡単だよ。」

そう言うと、彼女は目隠しを外し、僕の下着を脱がそうとする。

「や、やめろ!本当に!これだけはっ!!」

僕は必死に抵抗する。

しかし、ウマ娘相手に抵抗など無意味である。

 

「大人しくしろ!」

横っ腹を蹴られる。

「ぐっ……!」

そのまま、彼女の手が下腹部に触れようとすると…。

ガラッ。扉が開いた。

 

「そこまでです!」

 

そこに現れたのは……。

「たづなさん?」

「あなた達!トレーナーさんに何しているんですか!?」

「何って、見てわからないのですか?」

同期が呆れたように発言する。

「わかりますよ。だから、今すぐやめなさい!」

「それは出来ない相談ですね。」

「なら、力ずくでも辞めさせます。」

「例えたづなさんでも、ソイツを庇うのであれば容赦はしませんよ。」

「たづなさん!無茶です!相手はウマ娘です!それにこんな大勢じゃ分が悪過ぎます!」

「大丈夫ですよ。トレーナーさん。」

「心配はいりませんよ。」

桐生院さんも駆けつける。

「なぜなら、たづなさんは。」

「なぜなら、私は。」

 

「「強い。ですから!」」

 

 

その後、たづなさんは大勢のウマ娘相手に無双した。

その光景は言葉には言い表し難い。

「あの程度の薬に負かされるなんて、皆さんもまだまだトレーニングが足りませんね。」

何か言ってたような気がするが、あまり聞こえなかった。

 

川原がナイフを持って現れたとき、闘えたのでは?と思うまである。

「凶器がないとわかっているならこちらのものです。」

僕の頭の中を読み取ったかのようにたづなさんはつぶやく。

ちなみに、アグネスデジタルのカメラも破壊された。

 

「トレーナーさん無事…ではないですね。桐生院さん。彼をひとまず保健室に連れて行きましょう。」

「はい!」

たづなさんは僕を抱き抱える。

「待て!まだ、終わっていない。」

「これ以上何をするつもりですか?」

「そいつの心を折るまでだ。」

 

「無駄です。」

たづなさんは断言する。

 

「彼の心は鋼よりも固い。それに…。」

「それに?」

「彼は、私達が守ります。」

たづなさんのその顔はとても凛々しかった。

「トレーナーさん。もう、安心して下さいね。」

「ありがとうございます。助かりました。」

「いえ、当然のことをしたまでです。」

 

その後、僕は保健室に連れて行ってもらった。

着ていた65式作業服はボロボロになったので、部屋から戦闘服を持ってきてもらった。

作業服がPX品で良かった。

 

ちなみに、僕のケガの度合いは、勝手に学園に侵入した刺々美さん曰く、

「骨は折れてなく、打撲で済んだのが幸いね。貴方、ひょっとして人間辞めてる?」

とのこと。

 

その後、刺々美さんはたづなさんに連行された。

 

 

翌日。

今日で薬の効果が切れる日となる。

 

僕は理事長室に向かった。

たづなさんに関して気になることがあるからだ。

「トレーナー、入ります。」

どうぞ。とドアが開けられる。

理事長は不在で、代わりにたづなさんがいた。

しかし、いつも被っている帽子を被っていなかった。

そして、そこにはヒトにはないモノが生えていた。

 

「そうでしたか。やはりあなたは…。」

気になることとは、たづなさんはヒトではなくウマ娘ではないかということだ。

確信したのは昨日で、うすうす気づいてはいた。

ウマ娘大勢を相手に大立ち回りを演じ、それを制したのだ。

はっきり言って、ウマ娘でないのがおかしい。

 

「トレーナーさん。隠していたつもりはなかったのですが、すみません。そうです。実は……。」

そして、たづなさんは語りはじめた。

 

自分がウマ娘であること。しかし、今は訳あって普通の人間として生活していることを。かつては『パーフェクト』と呼ばれ、生涯無敗のウマ娘であったこと。実名はトキノミノルだということ。日本ダービーを最後に、脚を故障してレースの世界から引退したこと。そして、レースを走るウマ娘の力になりたいという夢があること。

 

「これが、私の全てです。」

衝撃だった。まさか、たづなさんがあの伝説のトキノミノルだということも。

でもそれ以上に嬉しかった。

僕がトレーナー資格を取ろうとしたきっかけの人に会えるだなんて。

 

「やっと…出会えた…。」

「トレーナーさん?」

「ずっと……会いたいと思っていました。あなたに……。」

「あのー?」

「嬉しいです…。また、あなたの姿を見れることに……。」

「……っ!」

「本当に……良かった……。」

「トレーナーさん……。」

僕は泣いた。

涙を止めることができなかった。

「あ…すみません。涙が……。」

「ふふっ。いいんですよ。」

たづなさんはハンカチを差し出す。

 

…しばらくすると涙が止まる。

「失礼しました。」

「いえ、構いませんよ。」

「たづなさん。このことは…。」

「はい。内緒でお願いします。」

「わかりました。」

「それと、トレーナーさん。」

「なんでしょうか?」

「これからも見守ります。いつもより少し近くで…。」

 

 

たづなさんと理事長室で話すこと数時間。

同僚のトレーナーから、校舎内でウマ娘が暴動を起こしていると連絡があった。

前よりも殺意マシマシで、このままだと、教職員室にカチコミに来そうだと。

 

おそらく、薬の効果は今が最高潮なのだろう。

このままでは、本当に死人が出る。

部屋を出ると、数人のウマ娘が暴れているのを確認する。

彼女達はこちらを認識すると、一気に襲いかかってくる。

アグネスタキオンからもらった錠剤を服用し、ウマ娘の猛攻をたづなさんと捌きながら教職員室を目指す。その道中、簡易的なバリケードも作っておいた。

 

到着。

たづなさんと共に教職員室に入る。みんな揃っているようだ。

「トレーナーさん!お身体は大丈夫ですか!?」

桐生院さんが駆け寄ってくる。

「はい。なんとか。」

「よかったぁ…。」

「心配かけてすいませんでした。」

「いえ、無事ならそれで良いんです。」

「隊長!もっと自分の体を大事にしなさい!桐生院ちゃんずっと心配してたんだからね!」

保健体育の女性教師に注意される。

「はい。以後気をつけます。」

「よろしい!」

 

しばらくすると、理事長が入室する。

「諸君!今日は集まってくれて感謝する。」

皆、一斉に姿勢を正す。

「では、本題に入ろう。この度のウマ娘の暴動についてだ。」

雰囲気が重くなる。

「この度、私は3日間だけならば大丈夫だろと事態を楽観視していた。しかし、その結果、負傷者が続出し…中には退職者も現れた。」

理事長は声を震わせながら話す。

「私の責任である。誠に申し訳ない。」

理事長は頭を下げる。

「理事長!顔を上げてください!」

桐生院さんが言う。

「しかし……。」

「確かにこれは理事長だけの責任ではねえな。」

「理事長は悪くありませんよ。」

「ですです!」

他の先生方も理事長を擁護する。

「ありがとう……。」

理事長はゆっくりと頭を上げる。

「生徒達が正気に戻るまで、力を合わせましょう!」

「そうだよ。」

先程の雰囲気はどこへやら。みんなの気持ちが1つになるのを感じた。

 

「まずは放課後まで生き延びる必要があるよなぁ?」

宮崎さんが確認するように言う。

「ワクワクしてきた…。」

下手すりゃ死ぬかもしれないのに能天気なことを言う小林さん。

「早くマヤちゃんに会いたいよ〜。」

「私もミークの様子が気になります。」

「俺もタイシンが不安だ!」

どんなことがあっても担当の子達は大切なのだ。

 

「ところで、隊長君。」

ベテラントレーナーが質問する。

「ここに来るまで何人のウマ娘を相手にしたんだ?」

「だいたい30人くらいですね。」

「そいつらはどうした?」

「全員無力化させました。」

「そうか…。」

少し引かれた。

 

「その人数だと、氷山の一角、先遣隊っぽいよなあ。」

宮崎さんは顎に手を当てながら呟く。

「まあ、あくまで推測だがな。本隊が出てくる可能性は考えられる。」

確かに、僕達に怨恨を抱き、殺意すらあるのに、たった30人で終わりなんてことはないだろう。

偵察のため、あるいは30人で事足りると思われたのだろうか。

 

それができなかったので、本隊で徹底的にたたきのめしに来るだろう。

「そうなると、かなり厄介ですよね……。」

「ああ。」

僕は考える。

このまま籠城戦を続けるべきか? それとも…。

様々な案が浮かぶ。

「たづなさん、現在、学園の敷地内にいる生徒の人数はわかりますか?」

相手の戦力がどれくらいかを把握するために知ってそうな人に聞いてみる。

「200人くらいでしょうか…。申し訳ありません。あまり把握できていません。」

「そうですか……。」

まあ、そうだろう。どうしたものか…。

 

「トレーナーさん、提案があるのですが……。」

桐生院さんが手を挙げる。

「何か良い案でも?」

「ウマ娘と取引を持ちかけるのはどうでしょう?」

「取引、ですか?」

「はい。彼女たちの要件を聞き出し、矛を収めさせるのです。」

「なるほど……。」

あの状態のウマ娘と取引をするのか…。

平和的ではあるが…。

「条件次第かもしれんな。」

中堅トレーナーが意見を言う。

「ウマ娘の条件とは?」

桐生院さんが尋ねる。

「例えば、理事長の身柄とかが考えられる。」

「驚愕ッ!それは困るぞ!」

当然、理事長は動揺する。

こちらとしても理事長がいなくなるのは困る。

「落ち着いてください。あくまでも可能性の話です!」

たづなさんがたしなめる。

「ウマ娘がこちらの要求を飲むとは限らないんですよね?」

他の若手トレーナーが中堅トレーナーに質問する。

確かに、平和的に解決はしたいが、それはこちらの要望が通ればの話だ。

そもそも、話し合いに応じてくれるかどうかだ。

「そうだな。」

「取引はリスクが高すぎますね。交渉の席にすらつけないかも知れません。」

日本史の男性教諭がそう結論づけた。

桐生院さんの意見は却下された。

 

一同は悩む。

「薬の効果が切れる放課後まで4時間あります。時間稼ぎのため、手荒くはなりますが、彼女達が攻めてきたら妨害行為を実施し、追い返しましょう。」

と提案してみる。

「賛成です。」

「私も同意致します。」

「私もです。」

「俺もだ。」

「同じく。」

「私も。」

僕の考えにみんな賛同してくれたようだ。

「決定ッ!具体的にどうするか、作戦会議を始めよう!」

「「「「「はい!」」」」」

理事長の鶴の一声で作戦会議を始めることにした。

 

 

一方、生徒会室。

「一体どういうことだ!?︎先遣隊は何している!」

「知るか!」

エアグルーヴとナリタブライアンが混乱している中、シンボリルドルフは冷静だった。

「落ち着きたまえ2人とも。」

「会長!」

「だが…。」

2人は未だに落ち着かない様子である。

 

そんな中、部屋の電話機が鳴った。

 

『生徒会室。こちら司令部。おくれ。』

声の主は同期の女性自衛官である。

シンボリルドルフが受話器をとる。

「こちら生徒会室。」

『状況を報告しろ。』

「現在、先遣隊を送り、報告を待っている。」

『了。連絡はあったか?おくれ。』

「なし。」

『了。先遣隊は壊滅したと判断。ただいまより本隊を出動させ、校舎を制圧せよ。』

薬の効果が切れるまであと、3時間。

 

嫌悪と憤怒、闘争心に身を委ねたウマ娘達はその力を以て、仇を排除せんとする。




好感度反転薬により、暴徒と化すウマ娘達。
しかし、トレーナー達もやられてばかりではありません。

彼女達に対してトレーナー達はどう対抗するのか。
続きをお待ちください。
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