……多分後一話投稿したらまた停止します。
うん。私はこの話をどうしたいんだろう。( ̄。 ̄;)
題名を考えるのに時間がかかりました。
時系列は不明ですか、日常の何気ない一コマと思っていただければ嬉しいです。
……原作で彼らが掘り下げられる話はあるのでしょうか?
「ねぇキリト君、「位階魔法」が使えないって本当かい?」
そう尋ねた全身鎧の声音は若い。
だがその声には単なる好奇心だけで無く、何かの含みを感じられた。
ゴクン。
咀嚼していた食べ物を飲み込んだキリトは、瞬きを数度繰り返し……その間にそう尋ねてきた、この近頃パーティーメンバーに加わったばかりの全身鎧の相手、ツアーに対しての、適切な解答を素早く思案する。
「……本当、だけど?」
結果、下手な誤魔化しは行わずに、正直に答えた。
一日、二日の関係ならばともかく、今のところは期限未定でパーティーを組む相手だ。戦術を組み立てる際の危険性も考慮に入れれば、下手な嘘や誤魔化しは自分の首も絞めかねない。
……それにキリトにとって、それは秘密にしなければならないものと言うよりは、誰も聞かなかったので答えないでいたら、結果として知らない人間が多数を占めた、その程度の感覚のものだったので。
しかしそのキリトからすれば何気ない告白は他のメンバーの驚愕の声で認識を改める事となった。
複数人が同時に発した驚愕の声を聞きながら、何気ない様子で特大の爆弾を投げつけたキリトに、予想はしていたとはいえ、たっち・みーは頭を抱えたくなった。
彼らが勘違いをするのは無理はないのだ。
キリトは今までの戦闘で、大きく分けると三つの「武技」……そう認識できる「スキル」を、彼らに見せている。
「魔法」を打ち消す、または無効化する「
「武装」……主に刀剣の類いの武具を破壊する「
そして、ある一定の動作を行うことで、自分の攻撃の威力を底上げしつつ、高速で定められた型を放つ「
(まさか位階魔法を破壊することが出来るのに、位階魔法そのものが使えないとは、思わないのでしょうが)
苦笑を浮かべながら、心なしか相棒と距離を取っているのは、巻き込まれたく無いからだ。
案の定、怒りを隠す様子もない鍛冶職のルーン工王に、キリトは詰め寄られていた。
「おめっ、おめえなぁ!! 位階魔法使えねぇなら、それこそルーン文字は
異業種にあたる彼の力任せの揺さぶりに、流石のキリトも酔ったのか呻き声を上げながら目を回している。
モゴモゴと何かを訴えようとしているようだが、明らかに言葉にはなっていなかった。
そろそろ止めるべきなのかもしれない。
でなければ、今度はキリトが危険な状態になりそうだった。
しかしそのたっちの思考とは裏腹に更なる追撃をかけたのが彼らの愛弟子である、このパーティーのリーダーであった。
「そうですよ! 師匠っ! 何を考えているんですかっ!?」
「ちょっ! 落ちつ……ぐぇっ?!」
どうやら首でも締め付けられたのか、パタパタと手が力なく実行者の体を叩いて制止しているが、説得に夢中になる彼には届いている様子はない。
「魔力による搦め手には弱いって言ってたのは他ならない師匠でしょう!? ルーン文字なら多少の耐性強化だって出来るのに!
そう、キリトは先日、件のルーン工王に、とある相談を持ちかけていた。
ルーン文字は、特定の文字を武具や防具に刻むことで、相手の攻撃に対する防具の防御を上げる効果や、自身の武具の威力を上げる効果、若しくは相手が自身にかけようとする「魅了」や「洗脳」のような特殊効果のある魔術に対する一定の耐性を得ることが出来るという効能がある。
しかしそれをキリトは真逆……自らの武具である『神器』「夜空の剣」の威力の
「まぁまぁ、落ち着きなよ。二人とも。キリト君の弁明だって聞くべきじゃないか」
そんな嵐の只中のような勢いで、説得しようとする二人を制止したのはこの爆弾投下の原因となった本人、ツアーである。
ここまでが彼の計算ならば、なかなか見事な
彼はたっちの不審を混ぜた視線に気づいているだろうに、それに目を向けることなく、まだおかしな感覚が抜けないのが顔色が優れないキリトの方へ注視する。
「単純に、興味があるんだ。……絶対的な強さがある訳でもないのに、何故更なる弱体化を望むのか……君は強さに興味は無いのかい?」
問われてから答えるまでの彼の反応は、おそらく彼と会ってから一二を争う程度には早かった。
「無いな」
即答と共に浮かべた笑みはどこか苦く……嫌悪感が混じっているようにも見える。
「強くなりたいという気持ちも理解できるし、なりたいという思いも否定しない。……でも、俺自身は今ある力だけで十分だと思っている」
それは捉えようによっては強さを求めて彼に師事する愛弟子に対しての否定になるかもしれない。
そう僅かな危惧を抱きながらも、たっちは彼の言葉の続きを待った。
「俺はさ、確かに位階魔法は使えないし、ドワーフみたいな武具を生み出す才能もない。言っちゃあ何だが、頭だってそこまで良くはないよ。世渡りも……たっちさんの方が上手いと思う」
ふっと、息をついて虚空を見つめたキリトが、果たして何を思い浮かべたのか、たっちには知る由もないことだ。
いつの間にか全員が静聴の姿勢でいることにも気づかずに、キリトは続けた。
「剣を握ってきた期間が長くても、俺は自分がそこまで強いとは思わないし……思えない。救えなかったものばかりだから」
「それでも強さを求めないのかい? なぜ?」
その言葉で、逆にツアーには理解できなかったのだろう。
強くなかったが故に、救えなかったのならば、更なる強さを持てば良いと。
そこまでの内心が理解できたのかは知る由もないものの、困惑からか、僅かに目をそらしたまま、キリトはぽつりと、言葉を零した。
「そうだな。これはもう、我が儘なのかもしれない。……俺はもう」
切欠に、なりたくないだけなのかもしれない。
その言葉の真意は、たっちには分からなかった。
メンバーの詳細な情報が……捏造設定甚だしいかもしれません。
申し訳ありません。m(_ _)m