とある高〇生の青春ハレルヤ   作:深夜テンション

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入学式(2)

ショックで放心していると、気づけば入学式は終わっていた。

 

今日はあと寮に入って部屋の整理くらいかな…。

 

「では、続いて対面式を行います。ここから司会が変わります。よろしくお願いします」

 

ん?まだ終わってなかったのか。

結構長丁場なんだな入学式って。

てか、山田先生が司会者だったのか。今の今まで気づかなかったよ。

 

「司会を変わりました。学生会長の浅田です。では、新1年生のみなさん。椅子を180度回して着席してください」

 

えっ、先輩方のほうに向きなおるってことか…?

周りも困惑しながら席を回してるし、なにが始まるんだ…?

…あー、対面式って先輩との交流会みたいな感じなのかな。

肩の力を抜いて先輩からの出し物を鑑賞する的な、部活紹介的な。

うわ、それめちゃくちゃ楽しみ。

いい先輩方じゃん!

でもこうしてまじまじみるとやっぱおっさんがちらほらいるし、髪の毛の色がやばすぎでしょ。てか、ピアスめちゃくちゃ空いてる人もいる。やっぱ不良か?

席が回ったことで前列から2番目になったけど、1番目に座ってたら普通にびびっちゃいそうだ。

 

「…では、在校生は前へ出てください」

 

おっ、さっそく出し物が…。

ガガガガガガガガガガガッ!!!!

 

…先輩が前に出てきた。

ここまでなら変なところはない。

おかしなところは、「体育館にいるすべての」先輩が、「椅子ごと膝がぶつかるほどの距離にまで」前に出てきたところだ。

 

いや、どうみてもおかしいでしょ。

これは。先生助けて。これいじめです。パワハラです。ノンフィクションです。問題です。

先生に目を向ければ、先生は入学式で使った壇上や校長先生のお見送りをしている。

 

や、山田先生助けて。

 

担任の先生に目を向ければ…。

おい、あいつ椅子ふたつつなげて寝てやがるんだけど。司会疲れか。おい、教え子がピンチだぞ助けろやふざけんな。

先生と誰も呼ばなくなるぞ、おい。

 

「えーみなさんは高校ではなく高専という学校に入学しました。これからは生徒ではなく、学生です。大学生と同じような扱いになります。従って教養をはやく身につけなくてはいけません。まずは、基本の返事です。僕がみなさんの名前を呼ぶので大きな声ではいっと返事してその場で起立してください」

 

え、それだけ?

こんなに近づいたのに?

なんだ、ちょっと恥ずかしいけど簡単じゃん。ちょっと大げさにビビりすぎたかな。怖くなんてなかったけどね!

 

「それでは、機械科、電気科、情報科、化学科の順番で名前を呼んでいきますね。機械科 出席番号1番 相田たくみ」

 

俺は電気科だから2番目に呼ばれるクラスだ。

ちょうどいい。相田くんには悪いけどこれでどういう進行をするのか見せてもらうとするか。

 

「はい」

 

相田と呼ばれた男の子が言われた通り起立しながら返事をする。

うん、普通の返事だ。

俺が呼ばれたとしてもあの返事をするだろう。

まぁでもしいて言えば体育館だし、声がちいさ…

 

「聞こえねぇなぁ!!!」

「なめてんのか!!!!」

「ふざけんじゃねぇぞ!!!」

「腹から声出せや!!玉ついてんのか!!!」

「背筋伸ばしてしゃきっとたてや若造が!!!!」

 

それまで黙っていた先輩たちから突然の怒号が飛んできた。

1つや2つではない。

体育館中の先輩が全員突然ブチ切れたように怒りだす。

いや確かに気持ち、声が小さかったかもしれないけど、そこまで怒るか? 普通。

先輩方が目の前にいるだけあって迫力もものすごいものになっている。

 

当の本人はかわいそうに。目を白黒させながら佇んでいる。

やっぱり対面式は俺たちをいびるために…?

 

「…相田くん座ってください」

 

おぉ、浅田会長!

あなたは僕らの味方だったのか!

相田くんもほっとしたような顔で座り、罵声もすっと止んだ。

なるほど、そういうルールなのかな。

浅田会長がやりすぎだなって思ったらそれを止めるために座らせるみたいな。

 

相田くんも同じことを思ったのか、ほっとした顔で隣の子の心配をしている。

実にいい子だ。

 

「機械科 出席番号1番 相田たくみ」

「え。は、はい!」

 

え。

終わってない…!?

あの会長仕切りなおしただけかよ!こいつも敵だ!!!

 

「なんだその返事は!!!! えははいとかどもってんじゃねぇぞ!!!!」

「おめぇもう座れ!!!」

「ひっこめ!!!!」

 

不意打ちで呼んでここまでボコるとかこいつら人間じゃねぇ!

 

「…相田くん座ってください。」

 

相田くんは顔を真っ赤にしながら座ってしまった。本当にかわいそうに…。

やっぱりこの場は俺らに調子にのるなというための場ということか。

 

「全然だめだね。声量が全く足りない。特別に手本見せてあげるよ。機械科 5年 牛沢こうた!」

「はぁぁぁいぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」

 

え、先輩も呼ぶの。てか何その声量。

それを俺らにも求めてるってこと。それは無理がすぎるんじゃ。

 

「なんだてめーその間の抜けた返事は!!!!」

「はいっ!!!でおさめろや!!」

「ナヨナヨしてんじゃねーぞ、はっ倒すぞ!!!!」

 

えっ、今の返事にも文句つけるの。てかそっちの敵にもなるんですか。先輩方は。

あー、でもなんとなくわかってきた。これ別に俺らをいびるのが目的じゃないな。ただただ先輩が楽しくふざけるのが目的だ。

とんでもない学校だ。高専頭おかしすぎる。

これを容認している先生もおかしい。

 

と思い寝ている山田先生を睨もうとするが、山田先生がいない。

いったいどこに。

 

「おら、もっと腹から声出せや!!!若造!!!!」

 

……やまだあああぁぁぁぁぁ!!!!!

なんで先輩に交じって、ヤジとばしてんだあのくそ教師!

てかあの声さっきもいたぞ!! お前だけは俺らの味方であれよ!!!!

 

そんな調子で機械科が終わり、俺らのクラスの番がやってきた。

あー、まじで緊張する。俺の出席番号は9番。

すぐに終わるといいんだけど。

 

「じゃあ次、電気科行くよ。出席番号1から9番!」

 

……不意打ち!!!

性格悪すぎだろこの浅田会長、ふざけんな!!!

 

『は、はい!!!!』

 

終わった…。俺も先輩のおもちゃいきだ。

声もそろっていなければ、立つタイミングもばらばら。

こんなんで通るわけが…。

 

「よし」

「よし」

「よし」

 

えっ、なんで、通った…?

飽きてきたのか…?

いや、あの先輩方の顔…。何かを期待するような顔だ。

もう一度呼ばれると考えて備えておいたほうがいいかもしれない。

 

「次、電気科 10番 川崎めぐみ。」

「はいっ」

 

あれ、普通に呼ばれなかった。

てか、俺の次の子って女の子だったんだ。

かわいそうに。

おっさんから詰め寄られるのなんて怖くて仕方ないだろうに。

 

パンッ、パンッ、パンッ!

「ようこそ!!」

「ふうぅぅぅ!!!!」

「かわいいいぃぃぃいい!!!!」

 

鳴り響くクラッカー。罵倒とは程遠い歓声。優しいニコニコ顔。

えぇ……、男女差別ぅ……。

いや、男しかいないから気持ちはわかるけども……。

やっぱりとんでもない学校だな、高専って。

 

 

ちなみに、イケメンの男の子が呼ばれたときが一番罵声がひどかったです。

でも僕は1回クラッカーが鳴らされたのを俺は聞き逃しませんでした。

それは男が鳴らしたのか、女が鳴らしたのかはわかりませんでしたが、クラッカーが鳴ったあたりは後からわかったのですがラグビー部が固まって座っているところだったそうです。

信じるか信じたくないかはあなた次第。

 

ところで寮の部屋って鍵ついてるよね……?

 




高専いいとこよっといで
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