領域の支配者   作:ルルーラ・ランドー

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十六話 解呪

二人は東京高専に到着した。荷物をまた寮に置き頼まれた木箱を持って事前に言われた高専の地下の一室へと持っていく。

 

「サ ム ラ イ ボ ー イ!」

 

「五条せんせーい!」

 

地下の廊下で待っていた五条と京がお互いに呪力をぶつけ合う

 

「今日もバチバチだね!!」

 

「はい、ではお願いします。」

 

五条は琴音のデコを突くと琴音は気を失った。

琴音を抱きかかえながら木箱を渡す。

 

「五条先生、これが『例の物』です。お願いします。」

 

「じゃ、部屋まで運ぼうか。」

 

 

 

 

 

京は窓のない部屋の診察台に琴音を置き、拘束する。

 

「はぁ、反転術式でも治せないものはあるからね……あんまり期待しないでよ………」

 

「大丈夫だよ硝子ぉ、反転術式は使わないと思うから」

 

「よろしくおねがいします」

 

「じゃあ、やるよー」

 

五条は呪具の封印を解き始める。

バキッ

箱を破壊して中を開けた。

 

「え?」

 

中身は紅茶と香草とレシピが入っていた。

 

「私はコーヒー派なんだけどなぁ」

 

レシピ通りに紅茶を入れる京

 

「…………レシピ通りに『料理』させることで他の人に使わせる『術式』ですか……」

 

「そうだねぇそれを誰かに飲ませることでも『術式効果』を発揮できる。魔女だねぇ。」

 

「呪術は深いですね……できました。あと、3分蒸らせば完成です……余った茶葉は施術後に砂糖多めで飲みなさいだそうです。」

 

「……………」

 

「……………」

 

「君らが静かだとなんか気持ち悪いね」

 

「……………硝子……これすごいよ」

 

京も『陣』でお茶の完成を見ている。

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………いや、私にはわからんよ……」

 

中学生と学校の先生と保険医がまるで理科の実験を見るかのように机の上の透明なティーポットに釘付けになっていた。

見えてる二人が何を見ているのかというと。

茶葉や香草に込められた『呪力』が混ざり合い『術式』になっていく。それぞれの『呪力』の濃淡により弾けたり、混ざったり、呪力が気泡のようになったり……見ていて楽しい。

 

スマホのタイマーが鳴る

 

「よし、完成です、レシピでは牛乳で割ったり、砂糖を入れてもいいが一気に全部飲ませろとのことです」

 

「牛乳とシロップはあるよ」

 

「いただきます」

 

大きなコップで牛乳とシロップをスプーンで混ぜて琴音の口にろうとを指しこみ鼻を摘む。

 

「いきます!!」

 

口の中に『紅茶』を流し込む。

途中で琴音が起きて暴れ出すが拘束されているため動けず、吐き出そうとするが『紅茶』の『術式効果』なのか喉を通り抜けていく。

 

すべての『紅茶』を飲み干すのを確認すると五条は拘束している紐を切る。京は琴音を起こして流しで下を向かせる

 

「ゲホッ、ゴホッ、ゴポッ」

 

琴音の口から黒いナメクジのような『呪霊』が吐き出された

 

「『呪い』や『縛り』を『呪霊』として抽出する『術式』か……魔女だねぇ……」

 

五条は出てきた『呪霊』を捻り潰した

 

「………思い出しました…………女中の『ユキ』さん………あの人に『呪い』と『縛り』をかけられてました……」

 

「どうだい京………ビンゴ???」

 

任務ファイルを確認する京

 

「件の躰具留隊士の奥さんですね。子供もいます。今5歳ですね」

 

「待って!!ユキさんはお父さんとお母さんの友人で……私がひとりになったときも優しくしてくれて……嘘だ!!………嘘だ!!!」

 

「これは……『紅茶』を大量に追加注文しないとね」

 

「自分も禪院側の協力者がこの手の呪いを受けている可能性があるので自然に呼び出せるように夜蛾学長と話してきます」

 

二人は部屋を出ていく

 

「野郎共はここで女の子を放って置いて任務優先するかね?」

 

「嘘だああああああああああああ!!」

 

信じていたものに騙されていたこと、親の敵を知らずに恩人と思っていた自分の滑稽さをあいつらに笑われていたことに彼女は潰されそうになっていた。

 

 

 

 

 

「事情はわかった。禪院家の跡取り問題の第三者を混ぜた会議として禪院家からは『禪院直毘人』『禪院直哉』『禪院真希』『禪院真依』『禪院扇』『禪院甚壱』加茂家から『加茂憲紀』を呼び出そう。場所は京都校になるが良いな?」

 

「ええ、問題ありません」

 

夜蛾学長は連絡のため部屋を出ていく。

口裏を合わせるためのメモを見る。

 

「『禪院琴音』の懐妊が発覚、桐ヶ谷が当主になるって言い始めたから『五条悟』が拘束、京都校に輸送。桐ヶ谷は拘束中であるとしても『五条家』から当主候補が乱立している『禪院家』に対して問題提起………琴音には誰が付くんです?」

 

「僕が付くよ、あと、サプライズゲストもいるからヘイトもそんなにないと思う」

 

「…………あと、手足縛られて姉さんと同じ車で輸送されるんですよね……僕、姉さんに殺されないですよね?」

 

「まあ、パンチとキック一回ずつぐらいは覚悟しておいたほうがいいよ」

 

京のスマホが鳴る

 

直哉「いま、神奈川におるねん、これから向かう。あとで『お話』しようや」

 

「………………直哉さんからメッセとんできました。これから高専に来るそうです。」

 

「………………」

 

 

 

「ゴルァ京!!!琴音○せたってのはほんとかゴルァ!!!」

「ヤバイって刀はまずいって!!棘!!いざというときは呪言使って!!」

「高菜!!」

 

 

遠くから真希姉さんの怒号が聞こえる

 

「………僕生き残れまゴスッ

 

京を一発でおとすと踊るほど手慣れた手付きで簀巻きにし

真希の前に弾き出された。

武器や暗器の類を全部取り上げられた真希は標的を見つけてストップが効かなくなる

 

「ゴルァ死に晒せぇ!!!」

 

狗巻棘としても1発や2発ぐらい殴らせてもいいかと思っていたので少し殴らせた

 

「『落ち着け』」

 

「はぁ………はぁ…………ごめん棘」

 

「なんや、もうやっとんたんか?」

 

メッチャキレてる直哉が術式を使って既に到着していた。

大人の術師の本気の殺気に学生達は息を呑む。

流石に直哉にボコられると京が死んでしまうため。五条は止めに入る。

 

「直哉くん、『例の件』だよ。」

 

「あ?なんやそういうことか!!焦ったでホンマ」

 

「いい感じボコボコの方がリアルだから放っておいたのよ」

 

「ずびません。姉さん、琴音とはやってないです……はい……」

 

「はぁ!?」

 

「色々あって人を集める必要があったんです。そのための芝居です……………五条先生にボコられるよりマシだったかもしれないので……多分………………前が見えねぇ、姉さんと直哉さんは同じ車で行くんですけど……会議室に入るまでは終始イライラしててください……姉さん、現地についたら事情を話します。」

 

「じゃ!これから岩手まで飛んでくるよ」

 

そういうと五条はものすごい勢いで跳んでいた

 

「……はぁ………今日は泊まってくわ…こいつの部屋余っとるやろ?」

 

「………事情は聞かねえけど明日は真依にも1発殴らせるから覚悟しておけよ」

 

直哉が足を結んだ紐が長く伸びているので手に持って引きずって行く……

 

「痛い、痛い痛い痛い痛い!!!」

 

「聞こえへんなぁ!!」

 

「姉さん!!琴音は地下の医務室に家入さんといますけど、接触は明日までNGです!!!!直哉さん痛いって!!」

 

「おう、わかった!!」

 

「棘もパンダもゴメンな?」

 

「いや、問題なかったからいいけどよー。うん、真希の行動は悪くなかったと思うよ」

 

「しゃけ」

 

それぞれ部屋に戻り『会議』の準備をそれぞれ進めるのであった。

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