この日、京と琴音は非番で東京観光のために原宿・表参道に来ていた。
京と琴音は『山盛りのかき氷』を頼むと見知らぬJK二人組が無断で同席してきた。
「『桐ヶ谷 京』と『禪院 琴音』だな?」
「お前らと取引がしたい……」
「…………今日は非番なんだ。仕事の依頼は明日以降に高専通してくれないか?」
防音の『陣』を張る
「「夏油様を救ってほしい」」
「………夏油is誰?」
「……………京様、百鬼夜行の主犯です。五条悟が祓ったはずです。」
「今、夏油様は『呪霊』に身体を乗っ取られている」
「私達は夏油様の体と魂を救いたい」
「………祓ってほしいってことか?」
「そうです、もう、夏油様を休ませてほしい」
「五条悟ではダメだった、だから貴方にお願いしたい。」
「………………そう………で、君等は何者?」
「私は枷場美々子」
「私は枷場菜々子」
「あなた達が言うところの『双子』の『呪詛師』」
顔を見合わせる京と琴音
「…………祓ってもいいけど、君等は何を差し出す?」
手に持っていたスプーンに呪力で長い刃を作り黒髪の方の首筋に当てる。
「………………」
「………………」
「何もないのに『特級』を祓えっていうのは調子が良すぎるんじゃない?」
「………………」
「………………私は…………自分の……首を………差し出します…」
「私も!!」
「………いや、別に君等の命の主導権はもう俺が握ってるんだよ?『君等の命に価値は無い』交渉のテーブルに乗せるならもっとマシな物にしな」
「………………」
「………………」
「………お前ら『術式』はなんだ?」
「……『縄術』です。」
「……『写真を利用した魂への干渉』です。」
また、顔を見合わせる京と琴音。
「……………そう。じゃあ君等には俺の実験を手伝ってもらうよ……」
「では!」
「夏油様を救ってくれるんですか?」
「まあ、『呪詛師』を祓うのは構わないよ、君らに頼まれなくてもやるさ」
「お待たせしましたー『ウルトラスーパーDXカラフルかき氷山盛り』になりますぅ。取皿置いて置きますねぇ」
「………………」
「………………」ジュルル
「………………」グゥーー
「………………はぁ…、君らも食べたいなら食べていいよ」
彼女らはお腹が空いていたのだろうか?
遠慮なく食べ始める。
話を聞くと数日ほど食べてないらしい。
三人が山を平にする作業をしている間に京都校に連絡して非番の延長を頼んだ。
このときアイスを食べる双子の呪詛師はまさか目の前『特級術師』が宿敵『羂索』の過去の実験を自分らで試そうと考えているとは夢にも思わなかった。
四人は高専の目を逸らすため熱海に移動した。
学生四人で旅行と行ったところか。だが、四人が現在いるのは京が個人で所有しているマンションの一室である。
『
その間に実験の準備を粛々と進めていた。
風呂からあがった二人に京は儀式の内容を話し始める。
「君らは『祓われる』覚悟があるんだね?」
「「はい」」
「そう……なら問題ないね……、君らはコレから俺の『術式』で意識を失う。その後気がついたら良くて『片方が死んでる』、悪いと『両方とも死んでる』…………覚悟は?」
「「……はい」」
「そう、じゃあ始めようか、琴音、帳を降ろして」
『
美々子と菜々子は意識を無くし傀儡となる。
『『疑似領域展開』』
二人の『生得領域』を自分の魂を媒介に一つに合わせていく。
ゆっくり
ゆっくり
ゆっくりと混ぜていく。
混ざりあった『領域』に様々な『縛り』を足していく。
『一人の体と魂を差し出す』代わりに『呪力の増強』『術式の譲渡』
『縛り』を課し終えると『領域』を『境界』で割っていく。
ゆっくり
ゆっくり
ゆっくりと割っていく。
『境界』を完成させると美々子と菜々子を向かい合わせて『
「「え?」」
二人がお互いを認知した瞬間。
美々子の足から体が溶け始める。
「美々子?美々子!!!」
菜々子は美々子に近づこうとするが『境界』に阻まれる。
「美々子!!!美々子!!!!!」
『境界』を割ろうと叩く拳に『呪力』が宿る。
『
「これ以上は本当に割れちゃうからだめだよ」
美々子が完全に溶けきると京は菜々子の体で美々子だった残骸を片付ける。
処理を終えると菜々子を『術式』を解く。
菜々子は猛烈な頭痛と吐き気によりトイレに駆け込んだ。
吐き終えた後、ふと鏡に写った自分の顔を見ると、自分の顔よりよく見た黒髪の女の子がいた。
「美々子……?」
「………どっちがどっちか知らねえけど………このスマホで『術式』使える?」
渡された自分のスマホで『術式』を使うと問題なく使用できた。
「使えます……」
「そう……『
『
京は自身の『生得領域』に菜々子?をしまった。
優秀な『
「………儀式は成功したけど、魂を少し持ってかれたな……」
『
「琴音、夕飯は出前でいいかい?」
「………はい………」
「…………『お義母さん』もいいかな?」
ダイニングでティーセットを広げて紅茶を楽しむ『漆姫』に話しかける。
「僕はピザより寿司がいいなぁ、琴音もそうだろう?」
すぐさま斬りかかろうとする琴音を京が制して話を続ける
「琴音は寿司の出前をしなさい。…………で、いつから見ていらしたんですか?」
「君等のことはずうっと見ているよ、そりゃあ勿論、君が『刻印』しているときもね?」
「それは趣味が悪いな」
「婚約者に手伝わせて目の前でやる君が言うことではないでしょう?」
「………琴音………どうしよう?………返す言葉が無い…………」
「今更ですか?」
「琴音は電話に集中しなさい………………それで、なんの用ですか?」
「………僕は娘の顔を見に来ただけさ。すぐに帰るよ」
「寿司は食べてかないのか?」
「それは食べていくとも」
『特級呪霊』『呪胎』『特級術師』という不思議な三人は寿司を食べている間は確かに家族であった。
食卓は殺人現場であるけども。
その後、呪詛師 美々子と菜々子は京が祓ったということで処理された。